エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

カテゴリ:エスパルス > 戦評・分析

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 このところ、前半の入りが悪いということで、ネジを巻き直して臨んだこの長崎戦。前半途中までは躍動感があり、実際に得点もでき(オフサイド?)、最近ではベストと呼んでもいいようなパフォーマンスだった。長崎は防戦一方の苦しい戦いで、前線のサンタナも孤立、清水は敵にほとんどシュートを打たせていなかった。

 なぜあの前半の内容で、簡単に同点弾を許してしまったのか、大いなる謎である。別に、敵の攻撃が鋭くて後手に回ったわけではなく、普通に構えていたのに、簡単にゴールを割られた。あの瞬間、なぜかジェラ氏とブル氏のポジションが入れ替わっており、長崎で最も警戒しなければいけないはずのサンタナを誰も見ていないという、変な状況が生じていた。

 そこからは、いつもの吉田清水という感じである。とにかく攻撃の形というものがない。観ていて辛いくらいに、機能していない。主審のちぐはぐ判定もイライラを倍加させた。

 とはいえ、百年構想の時と違い、スクワッドが充実した分、選手交代でギアを変えられるチームにはなった。特に、最近は井上から藤井への交代が定番化し、藤井のキレのある仕掛けで終盤に試合を動かすということができるようになった。組織として機能していなくても、相手守備陣が疲れたところで、藤井の強引な突破は、かなり効く。結局、この試合も最後の最後に左サイドの崩しから決勝ゴールを奪った。

 それにしても、これから連戦というのに、早速アンカー一番手のドゥジェを失う形となった。120分戦った弓場や松崎をはじめ、主力が盛大に消耗し、週末の水戸戦に向けて大きな不安を残す形となった。メチャ安の失点をして、90分で勝ち切れなかった代償は大きい。


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 微妙な位置付けの大会とは言え、公式戦で磐田相手に完勝というのは、一応アッパレである。

 ただ、やはりこの大会は日程があまりにもトリッキーで、清水がアウェー川崎戦で味わった人繰りの苦しさに、今回のダービーでは磐田側が直面していた。先方は、翌日にJ2のリーグ戦、当日にユースの試合が同時開催ということであり、フィールドプレーヤーの控えが一人だけで、実際にはその交代すら行わないということになった。対する清水は日程的に余裕があり、OA枠でAチームの控えも投入。そう考えると、一応は公式大会であり、順位決定もするわけだが、結局日程的なしわ寄せが一番及ぶのはU-21リーグであり、もうちょっと大会全体がどうにかならないものかと思う。

 U-21リーグも初年度で、まだ運営も手探りということは、理解はできる。来年度以降の改善に期待したい。ついでに、アジア大会のPK戦で、「ああ、百年構想でPK戦やっておいて、良い準備になった」と感じた人も多いだろうから、来年度のU-21では引き分け時のPK戦を導入したらどうか。興行的な観点でもプラスになると思う。

 そんなこんなで、今回の磐田戦勝利、完勝したとは言え、吉田清水の今後に向け、ほとんど参考にならないというのが、正直なところだろう。個人的に感じたのは、今の清水は、カテゴリー差よりも、年齢差や体格差の方が、試合結果に反映されやすいのではないか。吉田監督のサッカーは、フィジカルや運動量で圧倒しようとする方向性であり、今回のように相手がまだ成長途上の場合は優位に立ちやすい。一方、相手が下のカテゴリーでも、ボールをしっかり握って揺さぶってくるような相手には、苦戦する。それが今の清水ではないかと感じた。

 参考にならないと言えば、コーナーキックから1点とれたことも、磐田の守備対応が甘々だったからであり、「これで吉田清水のセットプレー・ノーチャンス現象を克服した!」などと喜ぶことはできない。


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 スカパーのクソとしか言いようのない仕様で、やむなく新しいアカウントを作ったりして、SPOOX観戦したこの試合。実況アナやリポーターがやたら「格上・格下」という表現を多用していたのが気になった。ついでに言うと、弓場のことを「ユニバ」と同じアクセントで呼ぶことも気になった。

 カテゴリーが違うとはいえ、お互いプロであり、上位カテのチームが下位カテのチームに苦戦したり負けたりすることは、珍しくない。しかし、重く見るべきは、金沢はJ3の中でも上手く行っていない部類のチームであり、しかもリーグ戦の激闘から中2日という日程だった。

 それに対し、清水はたっぷりと試合間隔が空き、GKを除けば意図的なターンオーバーはないベストメンバーと呼べる布陣。カテゴリー差というよりも、この状況差からして、少なくとも3:0くらいで快勝したい試合だった。

 確かに、やたらと滑りやすい変なピッチであり、アウェー清水の側が戸惑ったのは分かる。ただ、それにしても、序盤に簡単に一対一で負けたり、ありえないミスを連発したりして、絶体絶命のピンチが連続したことには、暗澹たる気分になった。

 思うに、チームとしての繋ぎや崩しがきちんと構築されていない吉田清水は、カテゴリーが違っても絶対的優位になるわけではなく、「格下相手に圧倒する」ということができないのであろう。ならばどういう相手なら得意なのかという根本的な疑問が生じるが、とにかくJ3で低迷している相手にもサッカーの組織的な質で圧倒することはできず、この試合の後半のように、火力の出力を上げて押し切るような戦い方になってしまうのだろう。

 前回の千葉戦で、短時間ながらインパクトを残した平戸だったが、この試合ではフィットしていなかった印象が強い。Mr.危機感こと松崎が左IHに入ってからの方が、攻撃は活性化した。このところコンスタントに結果を出している松崎をファーストチョイスにしなかったら、吉田監督が掲げる「正しい競争」とは言えないだろう。

 今季、清水の公式戦勝利は、これまですべて1点差勝利であり、この試合もその雰囲気が濃厚だったが、北川が決めてようやく2点差勝利。それにしても、手こずらされた。


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 東京ヴェルディと言えば、トップチームこそ目下J1で苦戦しているが、以前から育成の面では定評のあるクラブである。今回のU-21戦、そのヴェルディに、最終的には力負けすることになった。

 先日、「静学イレブンには清水のサッカーはどう映ったのやら(そもそも眼中にないか…)」という記事を書いた。今回のU-21戦で興味深いと思ったのは、ヴェルディ側には静学出身の選手が何人かいることだった。確かに、丁寧に繋いで綺麗に崩す静学のサッカーは、清水よりも、ヴェルディとの親和性が強そうなので、何となく納得してしまった。

 今の清水というクラブ全体を見渡すと、そういう静学やヴェルディのような「らしさ」があるのかななどと、考えさせられてしまう。吉田監督の下でトップチームがやろうとしているサッカーは、守備面ではリスクを最小化し、攻撃も保持や繋ぎにはそれほど固執せず、むしろ力強く押し込んでパワーで圧倒しようというものだろう。しかし、今回のヴェルディ戦でも、U-21清水にはそうしたパワーサッカーに必要な屈強なセンターフォワードはおらず、やむなくMFの大畑がトップを務めている。ヴェルディであれば育成からトップチームまで共通のフィロソフィーで強化するイメージが湧くが、今の清水は吉田戦術をU-21に落とし込めているのか不確かであり、増してや育成年代の方向性とはバラバラなのではないか。

 ただ、「ポジティブトランジションが苦しい」という現象は、吉田監督のトップチームも、北本監督のU-21チームも、不思議と共通する。ヴェルディ側では、味方が良い位置にいてスムーズにボールが運ばれていくのに対し、清水の組み立ては常に「無理やり感」があった。

 今回のヴェルディ戦、敵に押し込まれてシュートの雨あられを浴びせられたわけでは決してないのだが、攻守の入れ替わりでラインブレークを許して大ピンチということが何回かあり、結局大量失点を喫してしまった。これといったFWがいないチーム事情を考えると、2得点はむしろよくやった方だが、簡単に失点してしまう体質は問題だろう。


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373

 いやぁ、助かった。二連勝が義務付けられた下位相手のホーム二連戦を、本当に二連勝できた。このチーム、このサッカーで「タイトルを」と言われると、?マークが3つくらい付くが、まあ何とかJ1で生き残っていけるかなというくらいの望みは出てきた。

 まあ、そもそも、吉田清水、夏向きのサッカーじゃないよね。しかも、百年構想の時は選手層が薄く、2026/27シーズンに突入しても怪我人が多くて戦力が揃わなかった。

 それが、今回の千葉戦では、セフンの代わりに木下がいる、松崎が最後まで持たなくても平戸がいる、ジャメが駄目なら北川がいる、井上が疲れたら藤井がいる、ドゥジェのバックアップにはディエギーニョがいるといった具合に、選手交代をしてもパワーが落ちないスクワッドがようやく揃ったという印象だ。まあ、北川はまだ半分昼寝しているような感じだったが、そのうちやってくれるだろう。あと、なんだかんだで、弓場がけっこう、替えの利かない存在になってきたような。

 というわけで、開幕当初は主力の左ウイングだった藤井が、この試合では途中投入されて、すぐにキレのある仕掛けでアシストを記録したという点に、チームの変化が見て取れた。以前検証したように、百年構想の吉田清水では交代選手が得点するケースがほぼ皆無で、その状態は新シーズンも続いているが、とりあえず「交代選手がアシストを記録する」ことには成功した。

 ただ、オーガナイズの面で、吉田清水が深刻な問題を抱えていることは、この千葉戦でも改めて痛感した。とにかくポジティブトランジションが下手過ぎる。千葉の方が、間で受けて繋いでいくプレーははるかに上だった。あと、細かい話だが、清水はスローインが遅すぎ、なおかつ下手。この千葉戦でも、清水側がマイボールのスローインを主張して激高している場面があったが、いや、あんたたち、自分たちのスローインになったとて、ロクに繋げないでしょ、怒ってるヒマあったらスローインの練習やすり合わせしたら、と言いたくなった。

 結局、今回の千葉戦も、組織で崩して得点できたわけではない。同点弾は松崎の個人戦術の賜物。勝ち越し点も、属人的能力に依存した得点だった(セフンは、ヘディングシュートの時に首を使うことができず、ヘッダーが弱かったり、あさっての方向に飛ぶことが多いが、今回のように走り込んで放つヘヘッダーは首の力は関係ないので、珍しく頭で決めた)。

 セットプレーに関しては、多少希望の光が見えてきたか。吉田清水がセットプレーで全く得点できていなかったのは、キッカーの問題だと思ってる人が多いみたいだけど、個人的にはそもそも点をとるための具体的な設計が存在しないことが問題だと思う。今回の千葉戦も、敵にコーナーからの得点を決められ、下手をしたらセットプレーの優劣で試合を落としていたかもしれない。ただ、途中投入された平戸のキックは、前評判どおり、異質なものだった。清水の選手が蹴るセットプレーキックの多くは野球のカーブのような感じだが、平戸のキックはスライダーかカットボールのような感じで、今季初めて、得点が入りそうな予感がした。

 そんなわけで、個人的にはまだ不安の方が大きいのだが、とりあえず最悪期は脱したのかなという気はしている。


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351

 U-21に関しては、個人的に結構楽しみにしていた。なんだかんだで、清水エスパルスと名の付くチームの試合は、たくさん観たい。一昔前のナビスコ予選ラウンドのように、リーグ戦で控えに回っている選手の雄姿が見られるのではないか。そんな期待があった。

 しかし、蓋を開けてみると、少なくとも現清水は、リーグ戦と、U-21を、完全に切り分けている。今回の川崎戦も、前日の福岡とのリーグ戦で出番がなかった、あるいは短時間だけだった選手をオーバーエージ枠で投入する手もあったと思うのだが、U-21をそのように活用する気配は、今のところまったくない。印象としては、リーグ戦の先発がAチーム、リーグ戦の控えがBチーム、そしてU-21は完全に若手だけで戦うことにしてCチームといった感じである。

 そう考えると、清水にとって、ユースを含め、若手がコンスタントに真剣勝負の機会を得るという意味では、U-21はもちろん意味がある。しかし、今のところ、トップチームで出番の少ない控えクラス、たとえば蓮川とか高木などがU-21で試合勘を保つとか、あるいはU-21で活躍した選手がトップチームに抜擢されるといった人の行き来は、ごく限られている。

 たとえば、前日の福岡戦では松崎は出番無しだったわけだから、U-21の川崎戦に出てもいいような気がする。しかし、吉田監督としては、これ以上怪我人が増えるリスクは冒したくなく、松崎に変則的な出番を与えるよりも、試合間隔が空いてもいいから、怪我無く過ごしてほしいと判断したのかもしれない。

 というわけで、今回のU-21川崎戦、清水側はリザーブが3人しかおらず、うちフィールドプレーヤーは2人だけだった。リーグ戦の翌日で、なおかつユースはプリンスリーグの試合があったということで、厳しい人繰りとなった。実際に選手交代を行ったのは1人だけであり、交代枠をフルに活用していた地元・川崎とのハンデは明白だった。

 そうしたメンバー編成の不利は別としても、純粋にサッカーとしてもやはり川崎が数段上だった。川崎は、若手・ユースであっても、独特の「っぽさ」がある。上から下までクラブを貫くイズム、メソッドが確立されているのだろう。対する清水には、果たして哲学的なものがあるのかどうか。ここ15年ほどで、ずいぶん水をあけられたものだと思う。

 個の力で言うと、U-21川崎のカイケというFWが図抜けており、速さ・強さが反則級だった。ただ、途中までは、カイケ一人にやられているけれど、清水もそれなりに食い下がっているかなという印象だったが、後半になり選手交代無しで清水イレブンがどんどん疲弊するにつれ、一方的な試合になってしまった。

 U-21が若手の真剣勝負の舞台というなら、もうちょっとバックアップ体制をしっかりしないと、気の毒なのではないか。途中から罰ゲーム然としていった試合を眺めながら、そんなことをつらつらと考えた。


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349

 しかし、ルール変更で、ゴールキックは5秒以内にやることになり、主審がカウントをするわけだけど、あれは明らかにプロレスのカウントだよね。善玉レスラーがカウントとられてる時はゆっくり、悪役レスラーの時はやたら速いという、さじ加減満載。今回の福岡戦では、先方のGK小畑裕馬が時間をかけすぎ、中村太主審のカウントが明らかに5秒を過ぎたこととがあったけど、主審はお咎めなしだった。いくらリスペクト宣言をしても、ジャッジが下手だったり不透明だったりする主審を、尊敬はできないわな。

 さて、優勝争いどころか、残留争いをするハメになり、早くも残留シックスポインターと化した今回の福岡戦。どうにか勝利して、吉田監督は首の皮一枚で生き延びた。

 それにしても、とてもJ1とは思えないような低調なゲームで、この凡戦をものにしたからといって、吉田清水はもう心配無しとは、とても言えない。

 この試合、ある程度ボールを持てたのは、相手があまり前から来なかったからだよね。そこで、ミドルゾーンくらいまでは簡単に運べるのだけど、相手に構えられると、そこから何も生まれないのは相変わらず。

 この試合では、「攻め急がない」という意識が、清水イレブンにあったのかな。まあ、それならそれでいいのだけれど、だったら遅攻でシュートに持ち込む形を用意しておかないと。今回の福岡戦、ファストブレークになりかけても、弓場や小塚が「どうしようかな」という感じでボールを持ち過ぎ、結局バックパスを選択したり、果ては相手に奪われて大ピンチと、相変わらずだった。

 身も蓋もない話だが、試合を一番大きく左右したのは、わずか8分でのウェリック・ポポの負傷交代だろうな。彼が90分間ピッチに立ってゴリゴリ清水ゴールに迫り続けたら、耐え切れたかどうか。30分の深澤大輝の負傷退場といい、先方には気の毒な展開だった。しかし、我が軍に敵に同情している余裕はもうない。


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348

 見ての通り、またも惨敗を繰り返した。

 今季2度目の退場者が出て、またも数的不利に。しかし、開幕戦でセフンが退場したあと、名古屋がかえって攻めあぐみ、結果的に清水が逃げ切れたのに続いて、この川崎戦も逆に数的不利になってから試合が清水に傾きかけたという印象だった。

 恐らく、サッカーというものは、高度になればなるほど、人数の優位性が物を言うものなのだと思う。吉田清水は、局面で+1を作ってそれを利用し前進していくといった高度な芸当はできず、ロングボール蹴って力任せに押し込むというサッカーだ。しかも、敵が数的有利になって多少緩むので、吉田清水みたいなサッカーは数的不利になってもあまり響かないのではないか。これは個人的に新しい学びだった。

 いずれにしても、この試合も清水イレブンは自分たちからシュートの形に持ち込むことはほとんどできず、攻撃の質は原始人VS未来人の様相だった。ところが、思わぬPKで同点ゴールが転がり込む。またしても、棚ボタ得点だったが、苦手の川崎相手にあの状況で同点に追い付けたことは望外だった。

 しかも、1:1になって以降も、意外に拮抗した試合展開だった。これは想像だが、清水イレブンは「勝ちに行った」のだと思う。何しろ全く勝てていないチームなので、数的不利は関係なく、同点ゴールで勢い付いて、「引き分けでは満足できない。この試合は行ける!」と攻めに出ようとしたのだと思う。普通の状況であれば、アウェーで川崎相手に勝ち点1はOKと判断するところだが、とにかくチームが危機的なので、自分たちに必要なのは勝ち点1ではなく3だと、賭けに出たのではないか。

 なので、2失点目は、大きくクリアすれば切り抜けられたかもしれないが、繋いで攻めに出ようとした分、危険な場所で奪われて一気にゴールまで持っていかれた形だった。とどめの3点目も、やはり危険な場所でのロストから。ポジティブトランジションで、肝心なところで潰され、逆に大ピンチを招くというのは、このところの清水の特徴であり、偶然ではない。

 繋いで攻めようとした選手は、責められない。問題は、ボールを奪った後の動かし方、その部分の設計が全くできていないので、「行けるかも」と思った瞬間に奪われて逆に大ピンチとなる現象であろう。


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345

 まあそんなに短期間でチームが変わるはずもないのだが、このFC東京戦も内容的には完敗だった。内容からすれば、0:2くらいが妥当ではないか。

 ただ、この試合では、2度のPK疑惑をVARで紙一重で回避し、しかも相手GKが大ミスをしてくれるという、3つの幸運が重なって勝ち点1を拾ったものだった。ここまで組織としてのクオリティの差を見せ付けられて、それでも時々はこんな風に引き分けたりしてしまうのが、サッカーという競技の変なところである。

 3つのラッキーに加えて、この試合のあやは、ミッドウィークの試合でちょっとターンオーバーっぽくしたので、主力のセフンや藤井を後半から投入することとなり、結果的にいつもの「尻すぼみ」を回避できたことだろう。

 戦った印象としては、FC東京は優勝候補とまでは言えず、上の下くらい(5~7位くらい)の位置付けなのかなと感じた。それでも、しっかりとした保持、そこからの局面打開、狙いのある繋ぎと崩しは、吉田清水にはまったく見られないものである。向こうさんのサポはサッカー観てて楽しいだろうなと、うらやましい気がする。

 清水のパス回しは、狙いのある崩しというよりは、「自分が困ったから、チームメイトA君お願い!」というケースが非常に多い。敵を崩すためのパスではなく、責任回避の爆弾回しをしているような感じである。この試合も嶋本や松崎が潰されて大ピンチになったことがあったが、あれだってチームとしての決め事がなくサポートもないので、やむなく無駄に長い時間持つから、敵に狙われるわけである。

 そして、やはりFC東京との決定的な違いは、アタッキングサードのクオリティだろう。吉田清水は、そもそもが保持や前進ができないチームだが、ごく稀にアタッキングサードまで侵入できても、そこからの決め事や形というものが一切無いので、結局サイドの選手が個人の頑張りでゴリゴリ行ってどうにかクロスを上げ、それも虚しくゴール前を横切っていくのが関の山である。

 開幕戦で名古屋から奪った1点も、敵GKにプレッシャーを与えて、ショートカウンターで奪ったものだから、清水は5試合を戦って自分たちが敵の守備を崩して奪った得点がまだ1つもないということになる。もちろんGKにプレッシャーをかけてミスを誘発するのはチームとしての狙いだから、それきっかけで2得点できたことは誇ってもいいが、いかんせん自分たちから攻撃を構築し敵ゴールに迫るということが、一切できていない。これからもできる予感がしない。できるなら早く見せてくれ。


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 実を言うと、今回の柏戦で、個人的に最もツボだったのは、試合そのものではなく、試合前のFW木下康介のコメントだった。木下は、「レイソルには、ここを切られたらここ、という形がある。僕らにもヒントになる」と発言していたのである。

 う~む、これって、ロドリゲス柏と、吉田清水を両方直接知っているプレーヤーが、両チームのクオリティの差を証言したものだよな。しかも、ロドリゲスは2025年に柏監督に就任し、木下は同年6月に広島に移籍したわけだから、両者はせいぜい4ヵ月くらいしかかぶっていない。にもかかわらず、木下はロドリゲスがチームに植え付けた「形」を早くも実感し、実際にも2025シーズンでロドリゲス柏は大躍進したわけだ。2025シーズン開幕時には、「前年まで守備的だった柏を、ロドリゲスが保持型の攻撃的チームに作り変えるのには時間がかかるはず」として、柏を下位予想する識者も多かったが、見事にそれを覆して見せたわけである。そして木下は、ロドリゲスが短時間で柏に植え付けたような「形」が、現在の吉田清水には皆無であり、柏にヒントを求めたいと言っているわけである。普通であれば自軍の監督がそれを授けてくれるはずだが、それが無いので、他軍にヒントを求めたいというのだから、由々しい問題だ。

 みんな、覚えてないかもしれんけど、実は清水もロドリゲスをリストアップしたことがあったんだよね。しかし、本人は徳島での指揮継続を選び、清水はクラモフスキーを監督に選んだ。それ以降、清水は監督ガチャに失敗し続けて、現在に至る。いや、個々の指導者には、それぞれの持ち味はあったと思うのだが、清水の状況、戦力などと噛み合わず、また「A路線が失敗。ではB路線で行くか」と焼き畑農業のごとく路線をコロコロと変え続けてきた結果、「はて、清水のフットボールとは?」という現在の迷子状態に至るわけである。

 柏戦、試合そのものは、まあ見ての通りだ。チームとしての完成度・質が違い過ぎるし、吉田監督も我が身を守るためか(?)、天皇杯初戦敗退を避けるため3日前に主力を酷使しており、体力面でも不安が大きく、しかも北川やブルが得意の負傷離脱。その上、清水にとり柏のようなロジカルな戦い方をしてくるチームは、ある意味で王者・鹿島などよりも戦いにくい相手である。0:1というスコア以上に、必然としか表現しようのない完敗だった。

 試合前に、もし悪魔に、「お前の全財産、清水、柏、どちらに賭ける?」と問われていたら、残念ながら「柏」と答えていただろう。だから、試合結果に関しては、「知ってた」としか言いようがない。むしろ0:1は大健闘という感想である。


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177

 吉田孝行氏に関して、はっきりしてきたことがある。この人は、強いチームを優勝させることはできるのかもしれない。神戸での実績に関しては、リスペクトしている。しかし、弱いチームを強くする手腕は、どうもなさそうだ。つまりは、清水には向いていないということである。

 今回のFC大阪戦。確かに清水はターンオーバーを敷いていたが、個々のメンバーを見れば、J1やJ2のリーグ戦出場経験が豊富な者、今のチームでもリーグ戦に先発してもおかしくない者ばかりだった(FWでサプライズ起用された大畑を除けば)。

 しかし、結果的には、J3のFC大阪に、文字通り、クオリティの差を見せ付けられた。FC大阪のメンバーが、どれくらい本気度のあるものだったかは不明だが、先方にしても恐らくはメンバーを落としてきたのではないか。それでも、チームとして機能しているのが、J1で「タイトル」を狙っているチーム側ではなく、J3の新興チームの方であることは、明らかであった。

 吉田清水は、ロングボールを蹴って、そこからのハプニング期待のサッカーである。ハプニングが起こる確率は、J3相手でも、そんなに高まるものではない。J1側がしっかりとボールを保持・組立・前進できれば、カテゴリーの差は如実に出るだろうが、吉田サッカーはそもそもそういうものではないのである。

 吉田監督は、選手に自覚・頑張りを促している。それは結構なのだが、監督自身がサッカーを組織的に構築できないので、選手は個々に個人プレーを頑張ることしかできない。FC大阪戦で典型だったのはカピシャーバで、元々味方を使ったり、使われたりというのが下手な選手ではあるが、この試合ではいつも以上に一人でゴリゴリ行くことしかできていなかった。頑張ろうとはしているので、敵3人くらいに囲まれても一人でゴリゴリ行くのだが、そんなプレーで突破できるはずもなく、チームも観客もストレスが溜まるばかりである。

 対するFC大阪は、個々の絶対的な力量では劣るはずだが、「ボールをこう動かして、敵のこの弱点を、こうやって突く」という共通理解と訓練がきちんとできている。まあ、先方はごく普通のプロサッカーチームにすぎないとは思うのだが、とにかく吉田清水のサッカーが原始人のサッカーのようなので、相手が引き立って見えて仕方がない。

 一番痛かったのは、連戦が続く中で、ターンオーバーをするはずが、結局は主力を続々と引っ張り出され、120分の死闘を強いられたことだろう。ディエギーニョも負傷で失い、ボランチの駒不足も深刻度を増した。もはやタイトル云々ではなく、危機管理の領域に入った。


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 U-21リーグが開幕。DAZN中継もあったが、雰囲気を知りたいこともあり、現地観戦してきた。

 オーバーエージも可能ではあるが、J1リーグ戦の翌日ということもあり、普段のリーグ戦のメンバーとは完全に切り離された若手チームだった。さすがに千葉カンは周知の存在だったが、それ以外は名前と顔が一致せず、スマホのメンバー表(スタジアムのスクリーンには表示されず)とピッチ上の選手の顔・背番号を照らし合わせながらの観戦となった。

 基本的には、トップチームと同じフォメであり、限りなく4-4-2に近い4-3-3という感じである。まあ、若手の中でも、97番・大畑は貫禄があり、いつリーグ戦に絡んできてもおかしくないという印象。登録はMFのはずなのに、この試合の前半はセンターバックを、後半はワントップを務めた。しかも、そのワントップが結構ハマっており、前半はワントップで苦戦していた千葉が後半は衛星的に動いて活性化するなど、思わぬ効果を生んだ。吉田清水は長身ワントップの存在を大前提としており、セフンや木下不在の際には、もしかしたら大畑が大抜擢されたりして、などと思ってしまった(ただし、いまプロフィールを見たら、身長は177cmしかないようだ。ピッチ上ではもっとデカく見えるが…)。

 それで、U-21清水、サッカー的にも悪くなかったと思う。まあ、おそらく浦和側がよりユース色が濃い若いメンバーで、敵の完成度の低さに助けられた面は大きかったと思う。それでも、まだ吉田色に染まってないからか(おっと失敬)、ある程度意図のある繋ぎや崩しもできていたし、敵ゴールに迫るスリリングな場面は普段のJ1リーグ戦よりも多かった。浦和側は攻撃の糸口を見いだせず、清水のDFやGKが処理のミスをした時だけチャンスになるような感じだった。

 この日はシャトルバスもなかったはずで、日曜の夜にわざわざ山奥まで来た人は、2000人ちょっとだった。以降は草薙での試合もあるようだが、今後どうなっていくか。早く新スタジアム建設の正式決定が聞きたいものだが、最近話題が途切れているような…


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 この試合で、一番驚いたのは、セフンがまたも主審にサムアップしていだことだ。人間の性根というのは、治らないものなのだな。それでもチャンスを決めてくれたりすれば、まだ救いもあるのだが…

 このセレッソ戦も、吉田清水の印象は変わらず。持てない・繋げないは相変わらずで、敵にボールを握られるが、それでも不思議に決定機は来る。

 皮肉だったのは、後半、ある程度ボールを持って敵陣でサッカーができる時間帯が来たのだが、まさにそれが落とし穴になったことである。それまでは敵の攻撃を適当にやり過ごせていたのだが、あの時間帯は前掛かりになっていただけに、カウンター一発で持っていかれてしまった。

 ドイツ人の主審は、笛のニュアンスが独特で、それもかなり戦況を左右した。意外に細かく接触で笛を吹く人だったが、あの失点場面ではコンタクトを流し、不運だったことは事実である。それで、普段の日本人レフェリーと違うのは、判定への異議は絶対に許さないという点であり、くだんの場面に抗議したブルネッティにはイエローカード。

 それにしても、まずいな。開幕3試合を眺めて、今季の清水に関し肌感覚で抱いている発生確率をもとに、年間勝ち点の期待値を弾き出してみると、上表のようになる。とにかく決定力がないので、清水が先制できる確率が30%、スコアレスの確率が10%、先制される確率が60%と見た。

 普通は先制したチームが勝ち切る可能性がざっくり7割、追い付く可能性が2割、逆転する可能性が1割と言われている。なので、清水が先制したパターンについては、それを当てはめた。問題は、清水が先制されるパターンであり、マリノス戦やセレッソ戦を見ても、失点した後、チャンスらしいチャンスは皆無である。吉田清水は、先発メンバーが動けているうちはある程度期待が持てるが、先発が消耗し、力の落ちる選手への交代を行い、相手が守備を固めると、まったく機能しなくなるチームである。なので、清水が先制されれば、敵は9割方逃げ切り、清水が追い付ける可能性はせいぜい5%、逆転まで行ける可能性も5%と考えた。

 それに基づいて、年間の期待勝ち点を合計すると、35。う~む、まずいな。これでは降格だ。恐らく、先制されると9割方負けるというチームカラーは、ずっと変わらないだろう。ならば、先制する試合を増やすしかない。上表では先制する確率が3割、される確率が6割としたが、これを先制する確率を4割、される確率を5割に改善すれば、期待勝ち点は42.6になり、どうにかぎりぎり残留というところまで持って行ける。


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20260816_100015

 リーグ戦翌日の午前で、炎天下ではあったが、せっかくなので湘南とのトレーニングマッチを観に行ってきた。

 TMとは言え、「これが、ある日のJ1リーグ戦の先発メンバーでした」と言われても、驚かないくらいの、実績のあるメンバーが先発に名を連ねた。何しろ、大エースのセフン先生も諸般の事情でこちらのTMに出場したし。

 1本目の先発メンバーは、1.沖、3.高橋、4.蓮川、7.カピシャーバ、9.オセフン、17.弓場、21.松崎、28.吉田、37.小泉、70.高木、81.小塚という面々。非常に雑な計算だと、おそらくこの人たちのJ1出場試合を合計したら、1000試合近くになるのではないか。湘南側は知らないが、どんなに多くても50試合くらいではないかと思う。実績面から言えば、それくらい差のある対戦だった。

 若干面白かったのは、普段のリーグ戦では個人的に4・3・3と感じないが、今回のTMではむしろ普段以上に4・3・3ぽかったことである。アンカーが弓場で、小泉はそれよりは高い位置にいて、右インサイドハーフ然としていた。その他のポジションは、小塚が左インサイドハーフという名のトップ下、松崎が右ウイングだったと思う。

 さすがに、準レギュラークラスの1本目は、圧力や勢いがあり、だいたい敵陣でサッカーをしていた。しかし、ゴールへの設計図を欠いた状態は相変わらずで、決定機はごく少ない。せっかく奪ったPKも、セフンがミス(百年構想の時は百発百中だったが)。おまけに前半途中で小塚が怪我を負い、そのままピッチを後にしたりして、不満や不安が募る前半だった。高橋の安定したプレー振りや、沖のグッドセーブ、弓場の躍動(やや持ちすぎのところも)あたりが、収穫と言えば収穫だったか。

 後半はメンバーが若手やユース主体に変わり、行ったり来たりの試合になった。セットプレーの期待度がゼロなのはトップチームと同じ病状だったが、セットプレー崩れからゴール前の良い位置にいた千葉が押し込んで待望の得点を奪い、そのまま1:0で試合終了。

 こうやって、Bチーム・Cチームの試合を観ると、あぁ本当に組織としてのボールの保持・前進、相手ゴールに迫る方法論などがまったく確立されていないチームなんだなと、改めて感じる。属人能力でごまかせるAチーム以上に、ある意味でBチーム・Cチームの方が、そのあたりは可視化されるものなのかもしれない。


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 どっちが勝ってもおかしくなかった試合だと思う。内容からすれば、引き分けの確率が50%、清水が勝つ確率が25%、マリノスが25%といった感じだったのではないか。まあ、だから、負けてしまったのは、運が悪かったと言えなくもない。

 問題は、やはり、ビハインドを負ってから、チャンスらしいチャンスがまったく作れなかったことである。開幕戦のマリノスVS鹿島を観た時には、鹿島が追い付くべくして追い付き、逆転するべくしてしたという印象だった。今回の清水はまったく逆で、追い付けないのは必然という気がした。

 なぜ、開幕戦の鹿島の大逆転劇は、必然に見えたのか。やはり、鹿島の攻撃は、再現性の高い「形」を持っているからだと思う。鈴木優磨のようなチンピラ然としたプレーヤーも、実はとても賢く、冷静にプレーしている。チャブリッチなど、選手交代も見事にはまった。

 一方、現時点での吉田清水は、前線に放り込んでハプニング期待という域を出ていない。マリノスのようにある程度守備強度のあるチーム相手では、まず隙を作ってくれない。増してや、試合終盤に先制して、守備意識が高まれば、吉田清水のようなプリミティブなサッカーで崩すのは、まず無理である。この日は割と数が多かったセットプレーが、まったく期待感がないのも、百年構想の時から変わっていない。

 もう一つ頭が痛いのは、オフに積極的に補強をしたと持ち上げられた清水ながら、やはり交代選手が違いを作れないことである。「基準」を満たさないと使わないと言われる吉田監督のこと、セフンと木下の入れ替わりはこの試合特有の事情だったとはいえ、先発で送り出したメンバーたちこそが「基準クリア」であり、なるべく引っ張りたい(仮に交代しても効果薄)という考えだったのだろうか。しかし、北川などは後半はかなり消耗しており、例の決定機を外してからは、ほとんど動けていない状態だった。マリノスの得点シーンも、北川が守備に戻らず、清水の右サイドを楽々と運ばれたことから始まったように見えた。

 繰り返しになるが、マリノスに負けてしまったのは、運がなかっただけだとは思う。しかし、この程度(と言っては失礼だが)の相手に先制されたくらいで、その後は見せ場もなく、同点・逆転に持っていけないようでは、タイトルなど夢のまた夢である。タイトルと一番力強く口にしていたFWが戦犯というのも皮肉だが。

 あと、失点は梅田のミスっぽいね。彼であれば当然弾けたのではないか。


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 個人的には、吉田清水のシステムが4・3・3と言われることに、違和感しかない。上の図は、百年構想の時のある試合における配置を示したイメージ図である。とにかく左右非対称であり、右IHと左IHの位置取りが全く違う。

 右IHははっきり言ってダブルボランチの右だろう。それに対し左IHはトップ下もしくは2トップの一角というイメージである。攻守で可変しているなどとも言われるが、個人的にはむしろ一貫して4・4・2か、4・2・3・1というイメージの方が強い。

 それで、2026/27シーズンが始まり、開幕戦は、いわゆる右IHの位置に嶋本、いわゆる左IHの位置にジャメが入った。率直な感想を言うと、百年構想の時よりも、より一層、明確に4・4・2になったという印象だった。完全にセフンとジャメの2トップであり、ジャメがセフンより高い位置にいる時も多い。あんな絵に描いたような4・4・2を、なぜわざわざ4・3・3と呼ぶのか、理解に苦しむ。当の吉田監督だって「ボランチの嶋本が」とか、口を滑らせているくらいだ。

 ただし、名古屋戦が古典的とも言える4・4・2になったのは、出場選手のキャラクターゆえかもしれない。ジャメであれば、やはり前線に構えるストライカーという色合いが、より濃くなるだろう。そして、開幕戦では便宜的に嶋本が先発し、本来は攻撃に持ち味があるとはいえ、本人もボランチ修行中ということでより守備に重点を置いたプレーに徹したのだろう。

 ホーム開幕戦は、セフンが不在なだけに、誰をどこに当てはめるのか、読めないところがある。そして、出る選手によって、またポジション取りとかプレー振りも変わってくるだろう。自分のサッカーに選手を当てはめる傾向が強いと言われる吉田監督だが、やはり駒の持ち味でサッカーは違ってくる。

 嶋本のボランチとしての安定感に関しては、DAZN解説の長谷川氏が、まだまだ危なっかしいといった評価だった。他方、賞賛する声も出ており、個人的には評価に迷うところである。

 名古屋戦では左ウィングの藤井が効いていたが、あれはカピのコンディション不良ではなく、藤井こそがファーストチョイスだったということか? 右・北川と左・藤井が好調を維持してくれれば、攻撃の期待感はだいぶ高まる。


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 ミシャ名古屋については個人的に苦手イメージが強く、事前にはかなり悲観的な気分だったのだが、終わってみれば1:0勝利。吉田清水のサッカー、相変わらず観ていてワクワクする感じは一切ないが、「メンバーが揃った時にはそこそこ戦える」というチームではあり、百年構想より選手層が厚くなった新シーズンに関しては、多少は期待していいのかなという安堵感を得ることができた。

 前半の飲水タイム以降は、五分五分ないし優勢に戦えていた我が軍だったが、誰がどう見ても、セフンの愚行で戦況が一変した。本人は、「OK、OK、確かにイエロー相当のプレーだよ」くらいの感覚で拍手&サムアップしたのかもしれないが、ワールドカップを観て世界サッカーのトレンドを理解していたら、審判に変なアピールをするのはご法度ということくらい、我々素人でも知っている。あの人は時々きわどいことをするので、これで本当に最後にしてほしいものである。

 その後、名古屋がずっと握って攻め続ける展開となったが、必ずしもそれで清水の勝ち切る確率が下がったわけでもなかった。確かにセフンがいて11人のままだったら、2点目、3点目が取れて、完勝するシナリオもあっただろう。しかし、より激しいトランジションの応酬になり、清水が追い付かれていた確率も上がったかもしれない。実際には、試合後にミシャ監督が嘆いていたように、セフンの退場後にむしろ名古屋の攻撃は緩慢になり、本当にヤバいシュートは梅田がスーパーセーブした中山のヘッドくらいだった。名古屋の方は、なまじずっとボールを持てている分、清水に完全に構えられ、攻めあぐんでいた。

 数的有利・不利以前の問題として、コンディションが上がっていないのか、どうもこの試合は全体として名古屋のテンションが低く、それで助かったという印象が強い。特に、万全でないマテウスを先発させたことで、マテウスさんなんとかしてくださいみたいな空気が名古屋イレブンに感じられ、「オレが勝たせてやる」みたいな決意が他の選手からあまり感じられなかった。清水と違って、プレスを剥がしてパスを2本、3本と繋いでいく形はさすがだが、この試合に限っては恐さをあまり感じなかった。


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 百年構想リーグの戦いぶりから、吉田清水は、ベストメンバーが揃った時には良い戦いをすることもあるが、ちょっとメンバーが落ちると、とたんに機能不全に陥るという傾向が浮かび上がっていた。

 そして、今回の磐田とのトレーニングマッチから、もう一つの教訓が引き出された。吉田清水は、気候的なコンディションが良好な時だけ、そこそこ戦えるのではないかという点である。たぶん、激しい運動量を必要とするような戦術なので、30℃を超えるような夏場の戦いには向いていないのではないか。

 言い換えると、ちょっとメンバーが落ちてもそれなりのチーム力を維持したり、プランAが駄目ならプランBで凌ぐといったやり繰りが上手い監督だとは、どうも思えない。

 今回の磐田とのTM、両者の明暗を分けた最大の要因は、やはりコンディションの差だろう。磐田は敢えて高温多湿の沖縄でキャンプを張り、30℃超えの気温の中でも戦える素地ができていた。対する清水は、涼しいオーストリアから突然日本の灼熱に移動し、しかも時差や移動の疲れも癒えていないということで、体が動いていなかった。

 しかし、曲がりなりにも、今は清水のカテゴリーの方が上である。多少のハンデはあっても、力の差を見せ付けてほしかった。指揮官は、清水が留任、磐田が新任なわけで、多少のメンバーの入れ替わりはるにしても、チームとして清水の方が成熟していなければおかしい。ところが、今回のTMを見ても、ボールをどう持ってどう前進してどう相手ゴールに迫るのか、そのイメージや形というものがまったく見て取れなかった。

 まだ相当な暑さが残るであろう8-9月に、リーグ戦だけで8試合が予定されている。「暑さへの順応が上手く行きませんでした」なんてことになって、開幕で出遅れることになれば、取り返しがつかないことになる。まあ、オーストリア・キャンプのメリット・デメリットは、しかるべく検証されることになろう。いずれにしても、秋春制に移行したシーズンに「暑さ」のせいで降格する、などというマヌケなことだけは勘弁してほしい。


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betsu

 皆さんがワールドカップや移籍話で盛り上がっても、当S研ブログではしつこく百年構想リーグの振り返りを続けている。

 S研では以前「評論家リーグ」というのを開催し、有識者の順位予想と実際の最終順位を照らし合わせて、評論家たちを戦わせてランク付けるという悪趣味な企画を手掛けていた。一応、半年の特別大会ではあったが、開幕前には、サッカーダイジェストに上掲のような順位予想が掲載されていた。以前の「評論家リーグ」は手間がかかりすぎて大変なので、今回は開幕前の順位予想をしみじみと眺めるだけにする。なお、実際の最終順位は下に見るとおりなので、見比べていただきたい。

 予想と結果を照らし合わせて、まず目立つのは、最も下馬評が高かったロドリゲス柏が、大コケしたことである。京都も前評判が高かったが、振るわなかった。逆に、優勝した神戸は、事前の評価はあまり高くなかった。

 清水は、事前の予想が14位で、実際の順位も14位という、ビンゴパターン。「まあ中の下くらいだろう」という目で見られ、実際に「中の下」だった。恐るべき中庸力と言わざるを得ない。

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2026

 先日、「時間帯で見ると、得点は集中、失点は満遍なく」と題し、ハーフシーズンにおける吉田清水の時間帯別得失点を図にしてお目にかけた。

 ただ、その後、また一つ気になるポイントが出てきた。吉田清水、得点が期待できるのは75分くらいまでであり、試合終盤の得点が乏しかったということは、言い換えれば、途中投入選手の得点が極端に少なかったのではないか? そう思い、先日の図をカスタマイズし、途中投入選手による得失点を赤で示して、図を作り直してみた。

 そうしたところ、予感は的中した。ハーフシーズンの吉田清水、途中投入選手による得点は2つしかなかった。逆に、敵の途中投入選手によるゴールは7に上っているわけで、これでは勝負弱くなるのは当然である。

 よく、途中投入したストライカーがゴールを奪うと、実況や解説が「監督の采配、ずばり的中!」などと騒ぐことがあるが、守備側が疲れた時間帯にフレッシュなアタッカーが投入されれば、ゴールが生まれやすくなるのは当然であり、交代選手はむしろかなりの確率で得点を奪うものなのである。そのような場面が、ハーフシーズンの吉田清水では2度しかなかったわけで、はっきり言ってこれは異常値である。

 しかも、問題は2度あった途中交代選手による得点の中身である。1度目は5月10日のホーム福岡戦であり、この試合では疲労を考慮してベンチスタートになっていたセフンが56分に投入され、75分にゴールを挙げた。なので、本来はスタメンである選手が、たまたま連戦の疲れで途中投入された事例だったわけで、実質、先発のゴールみたいなものである。

 2度目は、5月24日のホーム(国立)ガンバ戦における弓場のゴールである。しかし、この試合では負傷した宇野に代わり19分に投入された弓場が58分に先制点を奪ったものであり、試合終盤にアタッカーを投入して得点を奪うような通常の「交代選手による得点」とは違った。

 要するに、ハーフシーズンの吉田清水には、「スーパーサブ」と言えるような、途中交代で得点を奪える選手が、皆無だったのである。何度も言うように、怪我人多発、選手層の薄さに加え、チームとして組織的に得点を奪うような共通理解が落とし込まれておらず、「個の力のあるスタメンが疲れて退いたらジ・エンド」というチームだったのだ。


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