エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

カテゴリ:エスパルス > 戦評・分析

30

 個人的に、大型連戦のうち、最後の3連戦、川崎、マリノス、福岡戦は、セットで考えていた。そして、自分はネガティブ思考の人間なので、あわよくば苦しいこの3連戦を1勝・1分・1敗くらいで乗り切りたい、いや3つのうち1つでも勝って勝ち点3に終わっても御の字か、くらいに思っていたのである。メンバーも苦しいし。

 蓋を開けてみると、今回の福岡戦は、疲労ゆえか、主力選手の動きが重かったように思う。しかし、試合開始直後の松崎の一発と、前半ADの不意打ちのような二発により、なんだか分からないが勝っちゃったという印象である。

 福岡は、得点力はそんなにないが、失点も少なく、ロースコアで粘り強く戦って、勝負強さで勝ち点を積み上げてきたチームである。もちろん、3失点は今季初であり、それを前半のうちに喫したことで、あまりに前例のない試合展開で、先方は成す術がなくなったという印象だった。後半は、清水としても攻め手はなかったが、試合を殺して後半45分をやり過ごしたといったところだろうか。

 今回の福岡戦でも、清水が自陣からボールを保持して力強く前進したようなシーンはほとんど見られなかった。今季の公式戦で、ルヴァンの磐田戦を含め、「保持・前進で相手を上回った」と思える試合が、一つもない。まあ、しかし、福岡戦も先方の保持率の方がはるかに高かったように、秋葉清水は相手に持たれるくらいが、丁度良いのかもしれない。

 福岡の金監督は、鳥栖時代も、チームのオーガナイズが巧みな人だった。組織立ったサッカーをやる福岡にとっては、秋葉清水のカオスサッカーみたいなものが、実は苦手なのかもしれない。


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26

 浦和戦と同じような状況、同じようなメンバー構成で、2点とられるまでは浦和戦と全く同じような展開だった。そこから、信じられないような逆転劇が待っているとは。個人的には、「これは宝くじ。当たればラッキー」くらいの気持ちで観ていたので、望外の勝利に歓喜してしまった。

 まあ、しかし、前半のセットは、全く機能しなかったねぇ。アフメドフも、ルヴァンの一発で目覚めたのかと思いきや、「前の方にいるだけ」という印象の45分だったし。彼だけの責任ではないとはいえ、守備時にも全くボールを追い切れていないし。あれでは、レギュラーとしての計算は立たない。

 あと、個人的には、DFの羽田をもっと使ったらどうかと提言したこともあったが、実際に先発でプレーしているのを見て、使われないのには理由があるんだなと、妙に納得させられた。

 4バックにシステムチェンジする時に、蓮川や宇野をサイドバック起用せざるをえないのも、苦しさの表れだった。

 要するに、勝ちはしたものの、怪我人やら、実力不足やらで、現状で戦える戦力がごく限られ、そのギリギリの駒を使い回して、どうにか勝ったという試合だった。

 清水がシステムチェンジをし、レギュラーを投入して圧力を強めても、普通のJ1チームだったら崩れたりしないと思うのだが、そこで崩壊してしまうのが、今のマリノスなのだろう。試合前には、先方のネームバリューや実績だけで個人的にビビっていたが、試合を終えてみると、なるほど今季1勝しかできていないチームだなと実感した。

 マリノス、何人かの選手も、多くのサポも、泣いてたねえ。まあ、ただ、あれは「名門なのに不甲斐ない」というプライドゆえの涙で、彼らはまだ、降格の恐怖みたいなものは実感していないだろう。

 個人的には、マリノスさんはチームもサポも品が良く、悪い感情は一切抱いていない。ただ、「オリジナル10の各チーム、一回はJ2に落ちることにしませんか(笑)」という思いがあり、そうなると、まだ落ちていないマリノスと鹿島にも一回は降格を経験していただきたいという気がしている。

 もしかしたら、今年がその年になるのだろうか? もちろん、まだシーズンは始まったばかりだが、戦ってみたマリノスは、確かに大きな問題を抱えていた。

 他方、清水のJ1残留ということを考えると、だいたい勝ち点40くらいが残留ラインになるはずである。単純計算で、10勝・10分けで勝ち点40になるわけで、10勝のうち4勝をすでに挙げたと考えると、勝ち点の積み上げとしては今のところ悪くないという気がする。サッカーの中身に関しては相変わらずさっぱり手応えがないが、マリノスのような迷走・バラバラ感がない点は救われる。


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23

 取り上げる順番がリーグ戦とは逆になってしまったが、せっかくスカパー!のSPOOXを契約してルヴァンカップの磐田戦をテレビ観戦したので、それについても一言感想というか愚痴を書き留めておく。

 まあ、誰もが感じたとおり、冒頭の一発だけで終わってしまったな、と。アフメドフの待望の初得点は今後に繋がるはずだし、小竹の初アシストも嬉しかったが、試合が進むにつれ、尻すぼみになっていった。

 むろん、連戦中のミッドウィークで、メンバーは大幅に入れ替わっていた。メンバー的には、磐田の本気度の方が、わずかに上回っていただろう。しかし、今の清水のように、連戦だったり、怪我人が多かったり、ターンオーバーを採用した時の方が、チームとしてのトータルな完成度が試されるものである。残念ながら、秋葉清水は、チーム戦術が未完成なところを、個の力で補っている部分が大きく、レギュラーが欠場したり疲弊したりするとそのままチーム力低下に直結してしまう。磐田戦は、その苦しい部分が如実に出て、力負けしてしまった印象だ。

 磐田戦では、前半の運動量が豊富な時には勢いがあったが、疲れてくるとほとんど攻め手がなくなった。逆に磐田は、選手の距離感が適切で、試合終盤になればなるほど、磐田にいいようにボールを動かされてしまった。


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22

 川崎って、今季開幕前の下馬評が、必ずしも高くなかったはずである。独特の攻撃サッカーで黄金時代を築いた鬼木前監督が去り、守備戦術に定評のある長谷部監督に代わり、だいぶ路線が違うので、適応に時間がかかるという見方が多かった。

 しかし、監督が代わっても、上手い選手たちというのは、すぐに適応できるものなんだなぁ、また優れた監督は現有戦力でチームを機能させる最適解をすぐに見付けて結果を出すんだなぁということを、今回の試合で痛感させられた。川崎は、変わったけれど、相変わらず強かった。

 まあ、それでも、竹槍集団の清水は、良く対抗した方ではなかったか。気持ちは入っていたように思う。

 川崎は、前からの圧力はそんなにかけてこなかったと思うが、それでも秋葉清水は前にボールを運べない。最初の3分の1で失い、ショートカウンターを浴びる。積年のビルドアップ軽視の弊害は、明らかである。

 逆に言うと、この試合でも、清水がブロックを作って守っている場面では、そんなに危ないシーンはなかった。往年の鬼木フロンターレのように、最後の3分の1で敵の首を真綿で絞めるような攻撃をされると、清水は持たなかったと思うのだが、川崎はそのクオリティは失ってしまったように見えた。しかも、川崎は数的有利の終盤には、単純にロングクロスを放り込むパワープレーをしかけてきたりして、劣勢のなか守り切る気満々だった清水にとっては、あの方が割り切って対処しやすかっただろう。

 退場になった北爪のプレーは、責められない。いまやサイドの最重要プレーヤーである彼を欠いて、マリノス戦をどう戦うのかは知らんけど。


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2112

 前節・浦和戦では、「前半45分はゼロゼロで我慢」という入り方だったと思うが、それが裏目に出て、後手を踏んだ。それならば、この横浜FC戦は最初からフルスロットルで行こうという考えだったのだろう。実際、ボールを保持して攻める場面は多かったが、例によって最後の3分の1の形がないので、シュートは増えず、決定機は乾のポスト直撃弾くらい。アグレッシブには行ったが、「くたびれ損」のような前半になってしまった。

 こういう戦い方をして、前半に点がとれないと、待ち受けているのは悲劇である。今回の対戦では、むしろ横浜FC側が「前半45分はゼロゼロで我慢」と考えていたのではないか。そして、フリエは実際にそれに成功した。後半はギアチェンジをして前から奪いにくるようになり、それに戸惑っているうちに清水は先制を許してしまった。

 まあ、失点することもあるだろうが、問題は、その後の攻撃がまったく機能しなかったことである。相手が前から奪いに来ると、自分たちでボールを保持して前進するということがまったくできなくなり、個ではがすしかなくなる。苦しいプレーの連続となり、奪われてカウンターを浴びることにも繋がる。良い時もあるが、「駄目な試合では、からっきし駄目」というのが、秋葉清水の特徴だろう。残念ながら、J1ではそうした試合が増えそうである。

 個々の選手を悪く言いたくはないが、2失点とも、高木がクロス対応で負けたような形になってしまった。驚異的な運動能力で低身長をカバーし、センターバックとしても奮闘している高木ではあるが、今回の2つの失点シーンを見ると、J1のセンターバックとしては苦しく、やはりサイドバックで使いたいと思えてくる。蓮川が離脱しているがゆえの苦しいやりくりだとは思うが、羽田をセンターバックで使い、高木は右サイドで使った方が、失点は減りそうな気がする。


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2109

 浦和と清水の戦いを観ていると、無秩序と秩序の対戦という印象だった。組織だったサッカーを目指している浦和と、カオス然とした秋葉清水。もしも、スコルジャ監督の浦和が成熟を重ねたら、秋葉清水には勝ち目はないように思える。ただ、現時点で浦和の完成度は3割くらいであり、組織的なサッカーを目指しているだけに、かえってぎこちなさがある。実際、今回対戦してみても、とても歯が立たない相手という印象はなかった。その意味では、浦和を倒すチャンスだったと思うのだが、何だかよく分からない2失点で、勝負が決まってしまった。まあ、J1では危険な位置で変な奪われ方をしたら失点に直結するというのは、分かっていたことではあるが。

 他方、せっかくあれだけ前線を大胆にターンオーバーしたのだから、せめて60分くらいまで引っ張ってもいいのではないかと思った。それで、今後に繋がるなら、たとえ勝ち点ゼロでも、得るものもあったのではないか、と。しかし、後半頭からの3枚替えは、監督がしびれをきらしたということか。まあ、何もできないという印象があった前半から、後半はだいぶ期待感が高まったので、それが正解だったということか。

 古巣相手の松崎がやたら気負っていたことが気になったけど、最後のあのプレーで、まさかパスを選択するとは。清水のアタッカーって、なぜか「ここぞ」という場面で打たずにパスを選択することが多いけど、今回の松崎はその最たるものだった。

 まったく歯が立たずに負けるのも悔しいけれど、今回の敗戦は「もうちょっと何とかなったんではないか」と、別の意味でだいぶモヤモヤが残った。


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20

 かつてのエレベータークラブを脱し、すっかりJ1中位くらいの地位を確立しつつある湘南。今季は開幕ダッシュにも成功し、これは難敵だろうと予想された。しかし、蓋を開けてみれば、そのチームを相手に、3:0の完勝! 聞くところによると、湘南は前から激しく奪いに来るという話だったので、清水が自陣で防戦一方になる悪いイメージもあったのだが、実際には積極果敢に前プレスをかけたのは清水の方だった。清水はターンオーバーは敷いたものの中2日で、湘南の方が体力面で余裕があったはずなのに、清水の方がずっとアグレッシブで、それがそのまま試合の優劣に繋がった印象だ。

 DAZN解説の水沼さんが、「勝った試合では多くの選手が輝くものだ」というようなことを言っていたけど、まさにそんな印象だった。特に、失礼ながら「不安で一杯」だった両サイドの北爪と吉田が、持ち味を発揮してくれたのが嬉しい。北爪に至っては、地上の上下動だけでなく、ロングボールの受け手として空中戦でも奮闘してくれた。

 当S研ブログでは、秋葉清水の戦術面での薄さに苦言を呈することが多いが、昨日の2点目のように、狙いが的中した綺麗な崩しでゴールを奪えると、本当に嬉しいものだ。ブエノに関しても、危険なエリアで持ちすぎたりリスクの高いパスを出したりして大ピンチに直結する問題を指摘したことがあったが、昨日のプレーはシンプルで、とても良かった。

 まあ、今回の湘南戦のようなインテンシティを、今後の連戦や、夏場の試合でも維持できるかは、まだ分からないが。それでも、とりあえず「これがうちらの生きる道」と思えるものが確認できた、気持ちの良い勝利となった。


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19

 報告が遅くなったが、ルヴァンカップの相模原戦を現地観戦してきたので、その感想。

 全体的には、やはり低調な試合だったと言わざるを得ないのではないか。ボールを持っている時間は長いが、狙いを持って相手ゴールに迫るということが全然できていない。前半3本、後半7本に終わったシュート数が、問題を物語っている。

 個々の選手に関して言えば、このレベルの相手でアフメドフが機能しなかったのは、残念だった。「おっ!」と思うようなプレーを見せそうになる場面もあるが、今のところすべてが未遂である。J3相手でのカップ戦であっても、1点さえとれれば、その後リーグ戦でもケチャップドバドバに繋がるかもという期待は、裏切られた。今季の清水は、センターフォワードが最激戦区などと言われていたが、蓋を開けてみれば計算が立つのは北川だけで、連戦に向け不安を残した。

 小竹のプレーにも期待が集まったが、デュエルで負ける場面が多く、これまた不発。仕掛ける際に、「はい、これから仕掛けますよ」という間合いなので、相手が対応しやすいように見えた。もっとパスの引き出しからトラップ~仕掛けまでスムーズにプレーできるようになると、相手を出し抜けるのではないか。

 小竹が決定的な仕事ができたら、「スター誕生」ということになったと思うが、実際にはその小竹に代わって72分に登場したユースの土居佑至君がゴールを決め、ラッキーボーイに。巡ってきた出番をどれだけ活かせるかで、キャリアが左右されるわけで、小竹にも次のチャンスで大きな仕事をしてほしい。

 期待の新戦力の中では、ボランチとして出場した弓場のプレーは安定していて良かった。試合勘が鈍っているのか、宮本がパスミスを見せたりしていたので、もしかしたら弓場がボランチの序列を3番手に上げたかもしれない。

 結果的には3点がとれたが、終盤の2点は相手が前がかりになったところを突いたもので、それぞれ痛快ではあったものの、攻撃の形が結実したという感じではなかった。公式戦の連敗は止まったものの、個人的には今後の連戦に向け不安を払拭できないでいる。


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17

 メンタルだけで勝てるほどJ1は甘くないので、我々はどうビルドアップしていくのか、どうフィニッシュに持っていくのか、その中でどうしっかりと守備をするのか。全部引っかけられての失点だった。守備はそんなに揃っていないわけじゃないので、もう一度ホームで勝つ、攻守、そしてメンタリティ、フィジカル、タクティクス。全てが揃わないとJ1では当たり前のように勝てない。メンタルだけでも駄目、フィジカルだけでも駄目、テクニックだけでも駄目、やはりタクティクス含めて、戦術・戦略というのは必ずどのチームにも狙いを持って我々はやっているので、もう一度そこをしっかりやれるようにしたい。

 と、監督は言うのだが、チームの問題を良く分かっているような、まったく分かっていないような、ちぐはぐなコメントだと感じた。秋葉監督は上手く行かない時に「他人事」のようにチームを評することがあるが、ピッチ上で起きていることは、紛れもなく監督のチーム作りの産物だ。

 秋葉清水の場合、とりわけビルドアップ軽視の姿勢がツケとなって重くのしかかっていることは直視しなければならない。今さら「我々はどうビルドアップしていくのか、どうフィニッシュに持っていくのか」と言われても、こちらが困るわけで、それを考えて実践するのが貴方の仕事のはずである。もしも本当に「中は引っかけられやすいから外で回す」という程度のリテラシーしか備えていないのなら、J1の監督としては厳しい。

 怪我人多発は確かに痛いだろうが、この程度の離脱は、どんなチームでも起きうることだ。いや、むしろ主力が欠場した時の方が、チームとしての本来の完成度や組織力が出ると言うべきである。


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2100

 J1の強度とスピードに屈したという印象。ガンバがそんなに強いという感じでもなかったが、やはりJ1の平均以上のチームではあるなと実感した。個人的に、清水がJ1で通用するか非常に心配し、「J1のチームとやったら、こんな感じになってしまうのではないか……」と抱いていたイメージがあったが、実際にそうなったなという感想だ。

 秋葉清水の現在地や問題点が、色々と浮き彫りとなった。秋葉監督は、「J1でも戦えるようなチーム作りを進めてきた」と主張するし、そう言ってくれる評論家もいるが、個人的には疑問だ。昨シーズンも、組織的には清水より上なチームがJ2にもゴロゴロいたわけで、J1に上がればほぼ全チームがそうであろう。

 ビルドアップが苦しいし、最後の3分の1の形もない。ボールが運べないので、中央で無理をして、引っ掛けられてショートカウンターを浴びる。J2だったら清水のCBの個人能力で誤魔化せたかもしれないが、J1だと失点に直結する危険がある。ガンバ戦は、その形から失点したわけではなかったが、危険な場面は多発し、劣勢の基調を作った。

 関連して気になるのは、ブエノにホナウド臭がしており、バイタルエリア等で無理に持ち過ぎ個ではがそうとして、ボールを奪われるケースが散見されたことである。接触プレーに寛容な今季のJで、ああいう危険なボールの持ち方をしたら、餌食である。

 サイドハーフに怪我人に多発しているのか、学徒出陣とばかりに嶋本が先発したが、これまただいぶ苦しかった。今季の清水のスカッドは、「前線は飽和状態だがDFラインが手薄」などと言われていたわけだが、まさかアタッカーの頭数で苦労するとは。

 ガンバ戦の前までの清水は、ひたすらツイていたと思う。しかし、この試合では山原を負傷交代で欠くこととなり、ツキにも見放された。長引かないことを願う。


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9

 シティライトスタジアムって、名前変わったのか。いつもと雰囲気違い、芝の状態も悪そうだったので、DAZNで観てて、今回はどっか別の会場でやったのかと思った。

 岡山と言えば、申し訳ないが、格下というイメージで見てしまう。昨年もダブルだったし、J2で5位のチームだし、清水から流れていった選手も多いし。しかし、戦ってみて、もう格下イメージは返上せねばと感じた。元々木山監督の指導でベースがしっかりしているところに、オフの補強は清水より力が入っていただろうし、今季ここまで好調なのもうなずけると納得した。

 お互いの時間帯があり、お互いにチャンスがあり、どちらに転んでもおかしくない試合だった。ただ、清水としては、違いを見せていたカピシャーバや松崎が欠場し、連戦の疲れもあり、攻撃のクオリティは低かった印象。同じ1:1でも、広島戦は高いレベルのスリリングながっぷり四つだったのに対し、岡山戦は泥臭いしのぎ合いという感じだった。

 今季ここまで、清水が悪くない戦いができているのは、すべての試合で先制できていることが大きい。ただ、2試合連続で追い付かれたのも事実である。

 北川のPK、不安しかなかったが、的中した。ストライカーがPKが上手いとは限らず、現に歴代の名ストライカーでPK役を固辞した人も少なくない。北川は瞬間的なひらめきタイプで、精神的なムラもあり、PKのような間の駆け引きがキモの役割には、向いていないのではないか。


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5

 試合前、「あれ? 変なメンバー構成だ。さては、広島相手にミラーゲームに持ち込むべく、3-4-2-1で行くのか?」と思った。しかし、キックオフすると、山原左サイドハーフの、4-2-3-1のように見えた。ただ、試合が進むに連れ、山原がディフェンスラインまで下がることが増え、なんだ結局3バックだったのかなどと、頭を捻りながら見ていた。秋葉監督監督は試合後に、「実は4枚も3枚もうちはあまり関係ない。どのみち広島さんはマンツーマン気味にくるチームなので、あまりシステムどうこうというよりは、どうマンツーマンにくる相手を剥がすのか、という話を選手たちとしていた」とコメントしている。まあ、要するに可変だったということか。

 当S研ブログではいつも、秋葉清水にはアタッキングサードの形や質がないと苦言を呈することが多い。しかし、この広島戦では、前半は割と良い攻撃ができていた。クサビのパス、ポケットをとる動き、ドリブル突破、何度も会場が沸いた。松崎がキレているのも大きかった。広島の3バックは、両脇が開くという読みがあったのか、清水はサイドに突破力・走力のある戦力を配置し、その結果として試合途中までは優位に運べたと思う。

 まあ、とはいえ、広島が連戦で疲弊していたことは、割り引かねばなるまい。3バックの不動の一角であるベテラン塩谷を温存したのも、その影響だろう。ハーフタイムで塩谷を投入して以降の広島は格段に落ち着き、王者の戦いを取り戻した。ついでに塩谷は同点ゴールまでゲット。

 後半にも清水には何度かチャンスもあったが、寒空の中で押され気味の試合を観ていたオレンジサポの多くは、「このまま勝ち点1で終わってくれ」という思いだったのではないか。最初から広島がフルスロットルで来たら、飲み込まれていたと思われ、つくづく今季ここまでの清水はツイてるなと感じる。


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3

 マンオブザマッチは、カピでも松崎でもなく、乾だろうな。あの退場劇を誘発したという意味で。

 そう思わせるくらい、この試合の序盤は劣勢だったし、彼我の格差を実感させられた。新潟はとにかくボールを動かすのが上手い。誰がどこに立って何をするのかがはっきりしている。清水はその逆。

 考えてみれば、清水はJ2で過ごした2年間も、こういう「安い選手たちを監督がしっかりと仕込んで機能的にサッカーをしてくるチーム」が苦手だった。それをより高い次元でやってくる新潟に、苦戦するのは当たり前か。あれでもうちょっと決め切るストライカーがいたら、もっと恐ろしかった。

 驚いたのは、新潟が一人少なくなって以降も、若干慎重にはなったが、基本的には同じような戦いを続けていたことである。一人少なくても、清水程度なら行けるという判断だったか。まあ、そう思われても仕方ないのが、今の我が軍の力だろう。

 いずれにしても、清水が数的優位になったことで、ようやく活路が開けた。退場劇に続いてラッキーだったのは、前半終了間際に、セットプレーから先制できたこと。そして、後半も効果的な攻撃はまったくできていなかったが、ラッキーパンチのような形で、追加点がとれたこと。むろん、両得点とも、シュートは素晴らしかったが、一人少ない相手を理詰めで追い詰めて決め切ったという感じではなかった。

 2点リードで余裕が生じ、次節ミッドウィーク連戦もにらんでか、秋葉監督の割には交代策も早かった。おそらく2トップのテスト、その組み合わせも、色々試したかったのだろう。

 しかし、誰が見ても、意気消沈した新潟を押し込みながら、3点目、4点目をとれなかったことが、いただけない。相変わらずアタッキングサードの「形」が見られず、選手の思い付きだけでやっているので、決定機が生まれない。秋葉監督も言葉では「ポケットをとれ」と言うが、それを具体的に落とし込むトレーニングはできているのか? 開幕2連勝は夢のようだが、同時に我が軍の厳しい現在地も痛感することになった。


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2084

 個人的に、多忙につき国立には行けなかったのだけど、現地組の皆さん、ご苦労さんでした。

 まあ、何しろ昨年のJ1で6位だった相手だし、会場が会場なだけに、もっと苦労するかと思ったのだが、見事な開幕戦勝利。うちのチャンスも多くなかったが、相手に危ない場面はほとんど作られなかった。

 リードしたあと、後半の前半は、前プレスがはまり、完全に優勢だった。欲を言えば、もっと上手く終盤の試合運びができた気もするのだが、昨シーズンからのパターンで、秋葉監督の交代策が遅い。ただ、この日のベンチ入りメンバーを見ると、メンバーチェンジをすることで逆に流れを悪くしてしまう可能性もあり、慎重だったのもまあ何となく理解はできる。

 北川がイエローを受けたこともあり、注目のアフメドフは割と早く投入されたが、ちょっとプレーが淡泊で、前線から猛烈にプレスをかけるような印象はなかった。アフメドフはサンタナのようなボックスストライカーで、味方にお膳立てしてもらって最後を決め切るのが持ち味なのかもしれない。この日の後半の後半のように清水が跳ね返すだけの展開になってしまうと、活きないのではないだろうか。タンキの方が、前で収めてくれる分、今回のような試合展開には向いているような気がした。

 先発メンバーは全員が持ち味を発揮していたが、交代策がパワーアップではなくダウンに繋がってしまったのが、少々残念。控え枠が拡大されても、矢島や小塚らの名前がなかったということは、コンディション不良だろうか。


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 やあ、皆さん、お元気でしょうか。仕事が忙しく、シーズンオフをいいことに、だいぶブログの更新を怠ってしまった。とはいえ開幕ももう目前に控えているので、当S研ブログもそろそろ新シーズンの始動を。

 それで、開幕前の風物詩として、サッカーダイジェストの順位予想がある。くだんのサカダイ3月号は本日発売であり、早速Kindle版で購入して、気になる清水の順位予想だけチェックしてみた。

 結論から言うと、清水の順位予想は、そんなに悪くない。清水に関しては極端なブレは見られず、皆さん、中の下というか、下の上くらいに予想している。20人の有識者(?)の中で、清水の降格を予想しているのは、小宮良之氏一人だけだった(18位予想)。昇格クラブであることを考慮すると、まあまあ好意的に評価されていると言えるのではないか。

 全員の予想を集計すると、清水は15位予想ということになっている。気の毒ながら降格候補にされてしまったのは、下から、横浜FC、岡山、新潟である。

 とりあえず今日のところはこのへんで。


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94

 実に奇妙な試合だった。「豪華メンバーによるど根性サッカー」VS「格安メンバーによるインテリジェンスサッカー」と言おうか。

 まあ、もちろん、今回の熊本戦では、清水が若手主体に切り替えたので、実際にピッチに立った選手は全員が高給取りだったわけではないが、そういうターンオーバーが可能なことを含め、清水の方が選手層が厚く膨大な人件費をかけていることは否定できない。

 ちなみに、確認しておけば、熊本は最終的にJ2の12位のチームであり、一時は降格危機にもあった。そのチーム相手に、サッカーの組織面で完敗し、前半などはほぼ相手のサンドバッグにされた。観ていて誰もが感じたように、もし熊本に「決める人」がいたら、清水は何失点していたか分からない。

 彼我の格差は、何から生まれるのか。指揮官の差。それに尽きるだろう。普通、あるJクラブが成績で躍進すると(特に地方クラブとかが)、そこの監督は引き抜きにあったりするが、J2優勝を遂げた秋葉監督がJ界隈で争奪戦になっているという話は聞いたことが無い。今季の清水の成績が、監督の戦術の賜物ではないことは、周知の事実だからだ。

 誤解してほしくないが、所長も秋葉さんは人間として大好きであり、一生清水にいてほしいと願っているくらいである。ただし、監督以外のポジションで。試合前の声出し係とか(?)。別の言い方をすれば、秋葉さんは少なくとも清水には合っていない。あの人は、それこそ水戸のような、低予算の若手主体のクラブで、選手をハードワークさせることで最大値を引き出すようなタイプなのだと思う。そういう役割だったら、最強だろう。残念ながら、実績のある選手や高給取りとはミスマッチだ。

 明らかに、反町GMは、秋葉さんの監督としての能力を疑問視している。J2優勝したのに、評価は歯切れの悪いものであり、来季の続投も明言していない。

 J2優勝させた監督が解任されたなどという例は恐らくJの歴史になく、秋葉監督は続投とならざるを得ないだろう。それは来季のJ1に向け、丸腰で戦場に出向くくらいの危うさである。来季に向けて、清水は大きなジレンマをしょい込んだ。


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88

 何はともあれ、ファミリーの皆様、おめでとうございます。

 それにしても、優勝がかかった一戦というのに、「ターンオーバーか?」と思うようなスタメン。北川不在は織り込み済みだし、権田と高橋の欠場はたぶんトレーニング中の脳震盪からの回復期間が続いていると思われ納得だが、それ以外もずいぶん斬新な顔触れとなった。

 基本は3バックだったと思うが、ビルドアップの時は原を前に出して4バックっぽくなり、相手のロングキックの時には原と西澤が入れ替わって原が競る形をとり、ディフェンシブサードでは西澤がディフェンスラインまで降りて5バックと、結構ややこしい可変をしていた。

 しかし、そういう工夫も虚しく、ボールが全然前に運べない。GKからのロングボールが多かった栃木戦と違って、今回はディフェンスラインからのビルドアップが基本だったが、いわきの圧力が結構強く、DFの苦し紛れの繋ぎが相手に渡って破局的な大ピンチになったことが、前半3回くらいあった。結局、シーズンを通して、ビルドアップの形は構築できないままだった。普段は乾先生や山原、カル、ブラガらの突破で誤魔化しているが、彼らが不在だと、機能不全が如実に出る。

 とはいえ、この試合に関しては、希望の光は、セットプレーである。今季再三申し上げてきたとおり、山原のキックは面白く直接FKには向いていると思うが、たぶんボールの高低を操るのが得意でなく、コーナーキック向きではないと思う。実際、キッカーが矢島や西澤に代わると、コーナーキックの期待度が増すことを、今季何度も見てきた。その矢島と西澤が両方先発でいるのだから、チームとしてのオーガナイズがイマイチでも、ある程度力任せで押し込んでセットプレーをとれば、得点の可能性はあるのではないかと思っていた。実際、攻撃はまったく機能していない中で、セットプレーでどうにか1点をもぎとった。

 去年と違って、娯楽的に大量得点する試合はなくなり、総得点の数字も、得失点差の数字も、チャンピオンらしからぬ平凡なものである。それでも1位になれたということは、秋葉監督がこだわった勝負強さが実ったということだろう。今日の前半を見せられて、来季に向けバラ色の希望を抱くというのは無理な話だが(笑)、今日ばかりはファミリーとともに欲しかった「結果」を手にしたことを喜びたい。


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1984

 正直言うと、今回の栃木戦、チームおよびサポ層と自分との間で、温度差を感じた。所長も2016年の昇格決定の時には徳島の地まで駆け付けたが(というか、その感動で弊ブログを始めた)、今回はとにかく前節ホーム山形戦の失望が大きく、また都合も悪かったので、現地参戦は回避し、自宅でDAZN観戦しかできなかった。本音を言えば、自分のアイスタ参戦が確定している次節・いわき戦で決めてくれた方が個人的に嬉しいのだが…といった感情も多少あった。

 他方、個人的には長崎との勝ち点差が大きく開いた時点で、昇格は時間の問題と思っていた。なので、焦点は、J2優勝を達成できるか、そして来季J1に上がっても戦えるような基盤が作れるかだと考えていた。J2優勝するためには、当然この栃木戦は必勝である。そんなこんなで、だいぶ屈折した思いを抱えながら、この栃木戦を自宅観戦したわけである。

 それにしても、秋葉清水のサッカーの中身は、シーズン終盤にかけて、ヤバい下降線をたどっている。今回の栃木戦では、練習中のアクシデント等あり主力を何人か欠いていたが、それは栃木も同じだし、そもそもチームとしての戦い方が確立されているのなら、多少メンバーが変わっても質は落ちないはずである。確かに、降格危機の栃木は必死だったが、失礼ながら、今の栃木さん相手にろくにチャンスクリエイトもできないのは、相当深刻である。なので、セットプレーでかろうじて1点を奪うだけの勝利は、相当お寒いなというのが観ていての感想で、個人的には高揚感ほぼゼロであった。

 なので、試合終了のホイッスルが鳴り、選手、チーム、そしてサポさんたちがあんなに喜ぶとは、思わなかった。北川の、ありえない愚行すらも、「美談」のようにされ、皆が喜びと安堵に浸っている。

 それで、試合終了後に、FC横浜VS岡山の試合をダイジェストで観て、ちょっと心境が変わった。はっきり言って、今J2で一番強く、また競争が激しいのは、プレーオフ進出に向けしのぎを削っている千葉、岡山、仙台、山形だろう。サッカーというのは、状況次第で波がある。あのフリエですら、死に物狂いの岡山には、4失点することもあるのだ。だとすれば、シーズントータルで結果を出したチームこそ勝者であり、曲りなりにも清水が再び順位表のトップに立ったのだから、今日のところは喜んでいいのではないか。シーズン終盤は、とにかく「結果」であり、近年成し遂げられなかったその「結果」を、今こうして達成したのだ。今はファミリーとともに、この結果を喜ぼう。そんな心境に変わった。

 まあ、ひとしきり喜んだら、またJ2優勝と来季以降を見据えて、グチっぽい内容が増えると思うが(笑)。チームも、すぐに切り替えるものと信じる。


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1992

 自慢ではないが、所長は今季、現地参戦した試合はずっとすべて勝っていた。まあ、苦手のアウェーにあまり参戦してないだけという説もあるが(笑)、それでもアウェー千葉戦の勝利は現地で見届けたし、今季は参戦全勝なんて慶事に恵まれるのではないかなどと期待していた。

 しかし、国立での横浜FC戦でそのジンクスも途切れ、せめて現地観戦した試合は無敗でいてほしかったのだが、今回の山形戦でそれも途切れ。

 個人的なことは別として、チームに目を向けても、良いジンクスが、最近ことごとく崩れている。国立の長崎戦では、今季初めて、ホームで敵に先制を許した。そして、今回の山形戦では、今季ホーム初黒星の上に、初の逆転負け。今季は、過去2シーズンとは異なり、試合終了間際の失点で勝ち点を落とすということがほぼなかったが、今回の山形戦の敗戦は、2022年のAD失点清水を見ているようだった。

 落語家に指摘されるまでもないが、機運が最高潮に盛り上がり、「ここで勝たなきゃ」という試合を、ことごとく落としてきたのが、我が清水の歴史である。またもそれが繰り返された。

 ということ以上に、痛感したのは、「渡邉晋監督のチームは、シーズン終盤にかけて完成度を上げ、しり上がりに強くなっていく。秋葉監督のチームは、シーズン終盤に勢いを失い、しりすぼみになっていく」という格差である。秋葉さんはそれを気力・体力の問題だと捉え、シーズン前のキャンプでハードな走り込みをすれば解消できると思っていたようだが、山形と清水の格差はプレーモデルの有無、オーガナイズの質の違いである。

 まあ、最近はあんまりポジショナルプレーという言葉も聞かなくなったが、今回の山形のサッカーを見ていて、久し振りに「ファイブレーン」という言葉を思い出した。それくらい、山形は選手がどのコースを走り、どういう風に攻撃を組み立てるかということが、整理されていた。

 対する清水は、試合後のコメントで矢島がチームへの強烈な駄目出しをしているとおり、とにかく個人任せで、グチャグチャである。試合後の監督コメントには見るべき点が一つもなく、途中出場の一選手の方がチームの状況を雄弁に語っているというのは、なかなか珍しい現象だ。昇格目前で、まだ優勝の可能性もあるチームが崩壊寸前というのも、これまた珍しい。


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1976

 清水が近く自動昇格を果たすことは確実だが、去年よりも力を付けたからそれが実現するとは言いがたい。J1が18チームから20チームに拡大した結果、町田、磐田、ヴェルディといった強敵がJ2からいなくなり、J2のレベルが落ちただけだ。現に、上から落ちてきた横浜FCに、結局清水は勝てなかった。今、清水が自動昇格圏を維持しているのも、長崎が勝手に失速してくれたお陰だし。このまま、優勝できずに、単に2位で自動昇格を果たすだけだったら、清水は自力では何も成し遂げていないに等しい。

 そりゃあ、去年の悔しい経験があるから、今年は何としても昇格というのが、至上命題ではある。そして、それを達成しつつあるのだから、最悪というわけではない。しかし、この低レベルなJ2で、自分たちのサッカースタイル、J1に上がっても通用する組織的な戦い方をしっかりと構築することなく、昇格という結果だけを手にするとしたら、不毛な1年だったと言わざるを得ない。

 失礼ながら、水戸さんというのは、1試合で1点とれるかどうかというチームである。それを相手に、前半だけで2失点というのは、あり得ない話だ。先方は、自分たちから仕掛けて相手を崩すことはできない。つまり、清水が勝手に崩れて2失点したということである。

 この水戸戦で浮き彫りになったのは、結局秋葉清水は、ボールを運ぶ形も、相手を崩す形も、持っていないことだ。力任せ、個人任せのサッカー。ボールの繋ぎは個人のアドリブの積み重ねなので、綱渡りのようになる。その綱渡りをやってのけた時には「上手っ」となるが、失敗すると奈落の底に落ちる。

 秋葉監督のビルドアップ軽視の弊害は大きい。水戸戦での1失点目も、よくある右サイドのビルドアップの詰まりからだった。右SBの原は孤立し出し所がない場面を良く見るが、今回も相手に密着マークされているブラガに無理やりつけようとして、そこからほころびが生じた。

 最近、カルリーニョスが先発で使われず、不思議に思っていたが、この水戸戦のパフォーマンスを見て、納得させられた。悪い時の彼にありがちなように、舐めプレーに終始した。今季限りでの退団が決まっているのか、集中力がまったくなかった。良い選手で、これまでの貢献には感謝しているが、もう居ないものと考えた方がいいだろう。

 最近、秋葉監督よりも、矢島や権田のコメントの方が、チームの問題を如実に語っている気がする。


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