正直に本音を言えば、「大恥をかかなくて良かった」という気持ちだ。あれだけ煽った国立決戦で、惨敗でもしたら、目も当てられないので。それでも、小恥はかいた。フットボールチームとして質が高かったのは、間違いなく横浜FCだったので。
語彙が足りず、上手く言語化できないが、チームとして的確にオーガナイズされ、その結果として試合を通じて優位性を持っていたのは、横浜の方だろう。ゼロゼロの時間がしばらく続いたが、点が入るとすれば横浜の方で、清水の得点はなかなかイメージできなかった。
清水が決定機を迎えるとしたら、個ではがすしかないという様相だった。ところが、乾が果敢にそれをしかけても、横浜はファウル覚悟で止めに来た。ファウルが続いた時点で、西村主審が早めにイエローでも出せば話は違ったが、横浜にはギリイエローにならないファウルで止めるリアリズムがあった。J2でほぼ失点をしないチームというのは、ああいうものなのだろう。
例によって、秋葉監督は言葉の上では「超攻撃的に行け」と命じたはずだが、首脳陣にも選手にも内心、「うちらの方が勝ち点1上回っているので、仮にこの試合が引き分けに終わっても、決して破局的ではない」という認識があったのではないか。かく言う所長も、試合前には「スコアレスドローなら上々」と考えていた。勝利を信じて声を出し続けた皆さんには申し訳ないが。
しかし、結局清水は、警戒していたクロスから、56分に失点してしまう。こうなった以上は、攻めるしかない。しかし、チーム戦術的には、反撃の糸口がない。そこで出たのが、原のスクランブル発進である。
いみじくも、先日のインタビューで、果敢なドリブル突破のことを訊かれ、原は「あれはチームが上手く行っておらず、パスコースがないので、ドリブルをしかけるしかなく、最後の手段」というような趣旨のことを言っていた。つまり、結局は今回の横浜戦でも、チームの組織的な完成度ではなく、個のひらめきで状況を打開するしかない秋葉清水という、重い現実を突き付けられた気がする。
我々が待ち望んだJ1復帰は、もう秒読みである。上手く行けば、J2優勝もあるかもしれない。しかし、横浜FCよりはるかに手強い敵が待ち受けているJ1で、秋葉清水は戦えるのか。個人的には、疑問を払拭できないでいる。
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