
この試合、終盤にサンドバック状態となり、最後に決壊して勝ち越し点を奪われたので、悪い印象が強かったのだけど、今回試合全体を通して観直してみて、意外に清水も攻撃の形は作っていたんだなと感じた。ちゃんと隣のレーンに良い距離感で味方がいて、ワンタッチで繋いで展開するようなことが、少なくとも前半はできていた。そうした流れから、サンタナの同点弾も生まれたわけだし。ロティーナの目指すような落ち着いたサッカーだったかどうかは別として、前半は割と互角で、実際にも1:1で折り返した。
しかし、マリノスと清水を比べると、清水は2つの意味で、攻撃の「厚み」が足りなかった。まず、マリノスは、後ろから色んな選手が湧いてくるように飛び出して攻撃にかかわるのに対し、清水はアタッキングサードに入っていくのはほぼブラジル人の3人(サンタナ、カルリ、エウシーニョ)と、後はせいぜい片山くらいに限られた。なので、時折攻め込むことはあっても、攻撃が単発に終わりやすい。5バックで後ろに重いシステムだったとはいえ、攻撃の迫力には欠けた。
もう一つの「厚み」は、選手交代の要因である。結局、マリノスの決勝点は、後半途中投入の水沼&レオセアラのコンビが決めたものだった。それに対し、清水は72分にサンタナ&カルリのコンビを鈴木唯人&中山に交代させて以降、明らかに前線の収まりも推進力もなくなり、ゆえに後半の最後の方はブロックを作って跳ね返すだけとなってしまったのである。
それで、ふと思ったのだが、今季の清水って、途中投入の選手が得点を奪ったことが、ほぼ無いよね。調べてみたら、リーグ戦で、この第17節までに途中投入の選手が決めたのは、開幕戦の後藤が唯一だった。ちなみに、これ以降の試合では、第19節の仙台戦でディサロが決めることになるわけだが、それを入れても、今季これまで、全部でわずか2ゴールだけである。まあ、得点自体が少ないチームだし、後半弱いチームでもあるので、途中投入選手だけの責任ではないだろうが、いくら何でも少なすぎる。
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