
結果の分かっているサッカーの試合を観るのは味気ないものだが、増してや惨敗した試合を、しくじったテストの答え合わせのように観るのは、しんどいね。この試合がまさにそう。何しろ試合後にロティーナ監督が「名古屋との差は1ヶ月や数ヶ月で埋まらない」と述べたくらいだからね。
ただ、この試合に臨むに当たって、危機感が強かったのはむしろ名古屋の方だっただろう。なにせ名古屋は前節鹿島に完敗し、シュートゼロに終わっていた。その危機感が、この清水戦での高いインテンシティーになって表れた。名古屋はマッシモ監督がしばらくコロナ感染で不在だったが、この試合から復帰という、清水にとっての巡り合わせの悪さもあった。
この試合、清水はあまり前から強くプレスに行かなかった。名古屋はどちらかというと低支配率のリアクションチームだから、名古屋に持たせて引き込んで、清水の側からカウンターを仕掛けた方が勝機を見出せるという首脳陣の判断だったのだろうか? 結果的に、あまり上手く行ったとは思えない。確かに、名古屋は基本的に遅攻からあまり点をとれるチームではないが、マテウスという飛び道具があり、またこの日先発の柿谷もトリッキーなプレーができる。そうした「武器」を有する名古屋に、守備の弱い清水が相手を自陣に引き込むのは、リスキーだったか。
もう一つのポイントは、この日の名古屋のプレースピードがやたら速く(中2日で日程的に清水より不利だったはずなのだが)、清水が対応できずに、ファウルを重ねたことである。今季、反則ポイントで優秀な数字を示している清水が、この試合では珍しく3枚ものイエローをもらった。結局、ファウルで与えたフリーキックから、絶対に避けたかった先制点を名古屋に献上したわけである(名古屋は先制すれば必ず勝つチーム)。
この試合、今季初めて、リーグ戦で鈴木義宜が先発を外れた。ロティーナによると、ヴァウドの空中戦の強さを買っての起用だったという。しかし、皮肉にも1失点目、2失点目は、ハイボールではなく、低めのライナー気味のマテウスのキックを清水守備陣が処理し損ねて喫したものだった。特に1失点目なんか、ああいうボールを跳ね返すのは義宜が一番上手く、不在が嘆かれた。思わずロティーナもハーフタイムにヴァウドに変えて義宜を投入したが、後の祭り。FW山崎を予想してヴァウドをぶつけようとしたのか、読みが完全に外れた。
ちなみに、この試合で名古屋側のDF丸山が負傷(これは清水のファウルではなかった)、今季絶望となってしまった。この試合はファウルが多かったとはいえ、今の清水は基本的にフェアプレーのチーム。ただ、FC東京の内田といい、意外と清水戦で大怪我を負ってしまう人がいるなという印象を受けている。
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