
前節、鈴木唯人をFWのプレス役に起用し、いわば第2形態に移行したロティーナ清水。ほぼ同じような布陣でこのガンバ戦に臨んだが、結果はスコアレスドロー。関西遠征2連戦は、手応えを掴みながら、2試合連続で引き分けという結果になった。
むろん、個々にメンバーの変更はあった。何と言っても、原が離脱し、ロティーナ・サッカーの肝であるはずの片山と原が両方いない試合が、これからしばらく続くことになる。とはいえ、それと入れ替わるようにエウシーニョが復帰したことが大きく、また左SBを主戦場とするようになる奥井の活躍は嬉しい誤算だった。
また、このガンバ戦では、立田がリーグ戦としてはかなり久々の先発出場。一時はベンチにも入れないことが多かった立田がここで使われたのは、練習でアピールしたのか、パトリック対策だったのか、はたまた顔に怪我をしたヴァウドを適度に休ませるためだったのか。結果、試合を通して、パトリックにはほぼ競り勝ち、大きなミス無く乗り切った(試合の最後のシーンでパニック的に蹴り出して敵にコーナーを与えたのはいただけなかったが)。
さて、このガンバ戦、敵の宇佐美と井手口にポスト・バー直撃弾を打たれた印象が強いので、どちらかというと押され気味の試合だったと思っていたのだが、今回改めて観てみると、むしろ清水の内容の方が良かったんだなあと、認識を改めた。清水のボール支配率は46.1%だったが、ボールを保持してグループで繋ぎながら相手ゴールに迫るシーンは数多く作っていたし、ボールを握って攻めることができていたという意味では、今季ベストだったかもしれない。得点の確率は、カウンターの方が高いのは当然なので、結果的に点はとれなかったけれど、自分たちが思い描くような攻撃はかなりできていたということを感じる。中山、鈴木唯人の躍動は印象的だった。
チャンスを実際に得点に繋げられるかどうかは、最後の質であり、工夫であり、また運でもある。さらに言えば、この日の敵のGKとCBは日本代表クラスだったわけで、良い攻撃をしても、そう簡単にゴールは割れないのも事実だ。
この試合、ロティーナは75分まで選手交代を行わなかった。最終的にも、交代カードを余らせる形で、試合を終えた。矢継ぎ早に交代カードを切った第7節ホーム徳島戦などとは対照的に、ガンバ戦では上手く行っているがゆえに、代える必要がなかったのだろう。ただし、逆に言えば、清水は途中投入で大きな仕事をできるような切り札をベンチに持っていないということでもあり、実際この日交代で入ったディサロや後藤は大きなインパクトを残せなかった。残念ながら、今の清水には、選手交代をすると尻すぼみになっていくという現実がある。
ともあれ、このガンバ戦。内容は良かった、後は決めるだけだ、チームは良い道のりを歩んでいるというロティーナの常套句に、この日はまあまあ納得できたかな。
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