静岡市が清水区の新しいサッカースタジアム建設に向けて、2021年度の予算案に調査費を計上するというニュースは、何日か前に伝えられたものだったが、28日に田辺市長が地元財界との会合で表明し、SBSがニュース番組の中で報じたことにより、反応したサポさんが多かったようである。
本件に関し、所長の見立てを申し上げれば、今回の調査費計上を「実現に向けた進展」などと捉えるのは、大きな間違いだと思う。
だいたい、新スタ建設議論はもう10年近くも続いているのに、これまで市は「調査」しなかったのだろうか? 今さら何を「調査」するというのか? 清水の新スタをめぐる諸課題は、もう議論が出尽くしている状態である。素人がネット検索で情報をかき集め、一晩徹夜するだけでも、それなりのパワポ資料くらいは作れそうだ。今さら「調査」などと、何を悠長なことを言っているのか。
今回の調査費計上は、「本格的な検討をさらに1年先延ばしにする」という、むしろ後ろ向きの意思表明だろう。令和3年度は「調査」の年とされ、向こう1年間は「今は調査中だから具体的な決定はできない」という免罪符として使われるのだろう。
調査費は300万円とされているが、どうせ市の職員が鳥栖に視察に行って「ほお、駅前スタジアムはさすがに駅から近いですなあ」とか、仙台に視察に行って「ほお、屋根があると濡れなくて便利ですなあ」とか、そんなのサポなら誰でも知ってるよという今さらの話を、おざなりなレポートにでもまとめるのだろう。そして、現地で美味い物でも食って、「やはりご当地グルメも大事ですなあ」などと語らいながら、予算を消化するのだろう。そして、1年後には、「まだまだ課題は多く、引き続き各方面と調整の上、検討を進めていく」などと、結論とも言えないような結論が出るのだろう。そして、そんなことをのらりくらりと繰り返していけば、自分の任期中は逃げ切れるというのが、田辺市長の考えのはずである。
個人的には、具体的な方針とスケジュールが明示されない限り、一切信用しないつもりである。
よかったらクリックお願いします
にほんブログ村