最近はコロナ中断のことばかりが焦点となってしまっている。戸田和幸氏が最新の『エスパルス・ニュース』に寄稿した巻頭コラムは、本来であればもっと話題になっても(いや、物議を醸しても)よさそうな内容だったが、ご時世からか、あまり皆さんに取り上げられなかった印象だ。

 それにしても、忖度という言葉を知らない男だと思う。さすがに清水の公式会報なので、多少オブラートにはくるんでいるが、戸田氏がここで指摘していることは(ルヴァンとJ1を1試合ずつ消化した3月11日に執筆)、モフサッカーへの期待感を高めているサポにとっては、氷水をぶっかけるような、そのくらい辛辣な内容である。所長なりに、それを意訳して整理すれば、以下のとおりとなる。

  • 清水は難しいサッカーを選択してしまった。夢を追うのは結構だが、プロの指導者は育成が仕事ではなく、結果責任が問われるわけで、この方向性には疑問を感じる。
  • このサッカーを形にするのには、選手の質が必要。テクニックはもちろん、インテリジェンスが求められる。しかしながら、清水の現有戦力がその条件を満たしているかは疑問。
  • このサッカーのキモになるのはボランチだが、実際にはボランチが本来の持ち場にいない場面が散見される。
  • FC東京戦では立田のインターセプトがたまたま成功し先制点を奪えたが、ディフェンダーが本来の持ち場を離れてあのようなイチかバチかのプレーをするのは考え物で、自分が監督だったらああいうことはやらせない。
  • 石毛のサイドバック起用など、ボール保持をベースにしたチーム作りを目指していても、実際には効果的なビルドアップはできていない。下手なポゼションは自分たちの首を締めるだけ。
  • リーグ戦で結果を残すのは守備が安定したチームというのが絶対的な法則だが、今の清水の守備は烏合の衆で、組織化されておらず、危うい。いくら攻撃型のチームを志向しても、これでは多くを望めない。

 と、ざっとこんなような指摘だった。もちろん、実際のテキストはもっと婉曲な表現になってはいるのだが。

 多くの人は、分かってはいるんだよ。分かってるけど、それでもこの方向に、舵を切ったんだよ。


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