エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2026年07月

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 百年構想リーグの戦いぶりから、吉田清水は、ベストメンバーが揃った時には良い戦いをすることもあるが、ちょっとメンバーが落ちると、とたんに機能不全に陥るという傾向が浮かび上がっていた。

 そして、今回の磐田とのトレーニングマッチから、もう一つの教訓が引き出された。吉田清水は、気候的なコンディションが良好な時だけ、そこそこ戦えるのではないかという点である。たぶん、激しい運動量を必要とするような戦術なので、30℃を超えるような夏場の戦いには向いていないのではないか。

 言い換えると、ちょっとメンバーが落ちてもそれなりのチーム力を維持したり、プランAが駄目ならプランBで凌ぐといったやり繰りが上手い監督だとは、どうも思えない。

 今回の磐田とのTM、両者の明暗を分けた最大の要因は、やはりコンディションの差だろう。磐田は敢えて高温多湿の沖縄でキャンプを張り、30℃超えの気温の中でも戦える素地ができていた。対する清水は、涼しいオーストリアから突然日本の灼熱に移動し、しかも時差や移動の疲れも癒えていないということで、体が動いていなかった。

 しかし、曲がりなりにも、今は清水のカテゴリーの方が上である。多少のハンデはあっても、力の差を見せ付けてほしかった。指揮官は、清水が留任、磐田が新任なわけで、多少のメンバーの入れ替わりはるにしても、チームとして清水の方が成熟していなければおかしい。ところが、今回のTMを見ても、ボールをどう持ってどう前進してどう相手ゴールに迫るのか、そのイメージや形というものがまったく見て取れなかった。

 まだ相当な暑さが残るであろう8-9月に、リーグ戦だけで8試合が予定されている。「暑さへの順応が上手く行きませんでした」なんてことになって、開幕で出遅れることになれば、取り返しがつかないことになる。まあ、オーストリア・キャンプのメリット・デメリットは、しかるべく検証されることになろう。いずれにしても、秋春制に移行したシーズンに「暑さ」のせいで降格する、などというマヌケなことだけは勘弁してほしい。


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 まあ、大した話もないのだけど、たまには何か書くかということで、今オフの補強・編成についてコメントしたい。

 至上命題だったセフンの完全移籍を実現したのは大きかった。まあ、おそらくレンタルの時点でも買取オプション付きだったとか、既定路線だったとは思うが、これなしでは成り立たないと言えるほどチーム作りの大前提だったので、安堵した。

 そして、当S研ブログで以前から指摘してきた補強ポイントその1が、セフンの互換プレーヤーの獲得だった。大黒柱には期待しているが、怪我や連戦の疲労といったことはどうしても出てくるので、セフンを欠いた場合でも同じ戦い方ができる互換プレーヤーの獲得が必須だった。それを、木下の獲得という形で、実現した。正直言うと、木下のポストプレーヤーとしての力量は個人的によく知らず、むしろいつの間にか良いポジションに現れて抜け目なく点を取るストライカーという印象が強い。なので、セフンとは持ち味が違うような気もするのだが、何にしても前線に大型プレーヤーが常にいてくれる安心感は大きいだろう。

 逆に言うと、高橋トシキは、運動量やワンタッチシュートの巧みさなど魅力はあるものの、吉田戦術では中央にもサイドにもはまらず、居場所を見付けられなかった。本人のためにも、移籍は正解かもしれない。

 そして、補強ポイントその2が、サイドアタッカーの拡充だった。百年構想では、右・北川、左・カピが基本で、元気ならば井上も候補だったが、とにかくハーフシーズンではサイドプレーヤーが怪我に泣かされた。消去法的に松崎あたりを使っても、キープ力や突破力は望めない。なので、この部分の選手層を厚くしない限りは、吉田戦術を1シーズン貫徹することなど、到底不可能だろう。

 そこで白羽の矢が立ったのが、まずはジャーメイン。右サイドのポジション争いを北川とすることになりそうだし、センターフォワード起用もアリだろう。アタッカーの選択肢や起用の幅を広げられそうである。

 もう一人、ベルマーレから来た藤井は、カピのバックアップというイメージか。守備は微妙、クロスやシュートも不正確との評もあるが、突破力だけならカピにも引けを取らないといった声も聞こえてくる。まあ、百年構想の時よりはサイドの人材は厚みができたかなと思う。

 補強ポイントという言い方は違うかもしれないが、ブエノと宇野が抜けたセントラルMFは当然手当てが必要だった。そこを、FC東京の小泉、ブラジル人のディエギーニョ、韓国人のウォンドゥジェで埋められたのは、助かった。戦力的には、プラマイゼロ、むしろプラといっていいかもしれない。弓場も好きな選手ではあるが、「弓場が出られないくらいのポジション争い」を期待したい。

 サイドバックは、ベテランの存在に加え、高木さえしっかりしてくれれば、それなりに計算が立つはずなのだが、高齢化が進行、高木が怪我がち、ブルは肝心なところでデュエル負け、日髙はまだ頼りないと、弱点になっていた。須貝の獲得で、不安感がだいぶ薄れた。

 そんなわけで、個人的に補強ポイントと思っていたポジションに、的確な補強がなされ、個人的にはかなり納得感が大きい。ただ、一つ気になるのが、果たしてこのチームでは誰がセットプレーのキッカーになるのか?という点だ。レギュラークラスをイメージしてみると、蹴れそうな選手は嶋本くらいしかいない。小塚や松崎は蹴れるにしても、常にピッチにいるわけではなかろう。新加入選手で、誰かキッカーはいるのだろうか? ハーフシーズンの吉田清水で、最大の弱点であったセットプレーの部分が、果たして手当されているのかということだけは気になる。


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 Jリーグが秋春制に移行し、シーズン前のチーム作りを夏のキャンプでやることになったわけだが、ご存じのとおり清水は、2026年7月10日(金)~7月20日(月)の日程で、オーストリア共和国 チロル州ゼーフェルト・イン・チロルにおいてキャンプを張ることになった。練習試合も2試合予定されている。

 ただ、ちょっと気になったのである。最近、ヨーロッパでは40℃を超えるような猛暑が伝えられている。清水のキャンプ地は大丈夫なのだろうかと、心配になったのだ。

 情報を集めたところ、結論から言えば、問題はなさそうだ。清水がキャンプ地に選んだゼーフェルト・イン・チロルは、アルプス山中の高原リゾートで、ヨーロッパのサッカークラブが夏季キャンプによく利用する場所の一つということである。標高約1,180mであり、そのため、平地のオーストリアやドイツで猛暑になっていても、ゼーフェルトはかなり過ごしやすい気候になるそうだ。平年の7~8月は、日中が20~22℃前後、朝晩が10℃前後というのが典型的で、日本の感覚では「軽井沢よりさらに涼しい」くらいということらしい。真夏でも30℃を超えることは珍しく、日中も長袖が欲しくなる日があるほどだという。午後ににわか雨が降る日もあるが、サッカーのトレーニングにはむしろ好条件ということだ。

 ゼーフェルトは冬はクロスカントリースキーや冬季五輪の会場として有名だが、夏は天候が安定している、涼しい、芝生のピッチの管理が良い、インスブルック空港から車で30~40分程度という条件がそろっているため、欧州各国のクラブがプレシーズンキャンプを行う定番の場所になっているということである。

 ただ、個人的に驚いたのだが、この夏のキャンプを、沖縄でやるJクラブが11くらいあるらしい。ジュビロ磐田も然りで、秋葉監督も、「(開幕は暑い8月なので)暑さに順応できる沖縄が最適」といったことを述べていた。まあ、真夏には、本州よりも沖縄の方が気温が低かったりするが、それにしても夏に沖縄でキャンプとは盲点だった。

 要するに、今回の夏キャンプには 「涼しい場所で追い込む」型 と、「8月開幕に向けて暑さに慣らす」型 の2つがあるということらしい。沖縄キャンプ組は後者ということになる。しかも真夏の沖縄は、気温だけ見ると東京・名古屋・大阪・静岡あたりより極端には高くなりにくい。海洋性気候なので最高気温35〜38℃のような「内陸型の灼熱」にはなりにくい一方、湿度・日差し・風を含めた体感は十分に厳しい。つまり、危険すぎる酷暑ではなく、開幕に備えた実戦的な暑熱環境として使えるわけだ。今回、沖縄では「琉球カップ2026」という大会形式のトレーニングマッチも組まれており、藤枝、浦和、京都、長崎、湘南、FC琉球などが参加予定。これは秋春制移行後の8月開幕に向け、沖縄キャンプの価値を高める取り組みと説明されている。

 一方、エスパルスのゼーフェルトは真逆で、欧州型の高原キャンプになる。涼しい環境でコンディションを整え、海外クラブと強度の高い練習試合を組む。浦和や磐田の沖縄型とは、同じ「夏キャンプ」でも狙いが異なる。北海道もこの制度変更を商機と見ていて、道庁が「6〜7月の暑い時期に変わるので、本州より冷涼な北海道での実施が期待される」とキャンプ誘致情報を出している。なので、今後は暑熱順化なら沖縄、コンディション重視なら北海道・高原、資金や野心があれば欧州という使い分けが出てきそうだ。


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