エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2026年05月

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 吉田監督の標語である「敵陣でサッカーをやる」ということは、ある程度できていた気がする。だが、そこから何かが生まれるかというと、厳しい。今日の試合は、相手よりはちょっと多くシュートを打ったが、決定機と呼べるものはどれだけあったか。相変わらず、セットプレーの期待感はゼロだし。

 結局、このハーフシーズンを通して、吉田サッカーを成熟させたというよりは、来季に向けて使えない選手は誰かというのを、ふるいにかけただけというシーズンに終わってしまった。それを踏まえて、この夏にはかなりの人員の入れ替えがあるだろうし、逆にこのままのメンバーではとても戦えない。

 弓場が得点に絡む気の利いたプレーを続けてくれており、今日も彼のひらめきから先取点がとれた。しかし、サッカーにおいては、先取点をとれば7割近い確率で勝利できるはずなのだが、今季の清水にはそれがまったく当てはまらない。今回も、案の定と言おうか、あっさりと同点弾を許した。今日のマリノスは、しゃかりきになって勝利をというよりは、安全運転でやり過ごそうとしていた。なので、結局同点のまま終了したが、もしもマリノスが本気モードだったら、逆転まで行かれていたかもしれない。


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 中庸と言おうか、中の下と言おうか、とにかくパッとしないままに変則リーグ戦が終了してしまった。

 良いところが一つも無かった前節とはちょっと異なり、今回のガンバ戦、前半は目を覆うほどの惨状というわけでもなかった。一応、狙いをもって戦っているのかなとは感じ取れた。逆サイドが空くというスカウティングがあったのか、右サイドから左サイドの松崎を目がけたサイドチェンジなどは、それなりに有効だった。

 しかし、清水の攻撃が、打開できそうになっても、そこからのプレー選択が常に消極的で、前を向いて仕掛けられそうな場面でも安易に下げてしまったりして、ビッグチャンスに結び付かない。「ここぞ」という場面でやり切るガンバとの差を感じた。

 意外にも先制点は清水に入ったが、今季の清水は、先制しても追い付かれる(逆に先制されても追い付く)ことが異常に多い。ウイングの戻りが遅いせいか、サイドで数的不利になり危ない場面は前半からあったが、先制後にサイドを崩されてあっさりと逆転を許し、そこからはもうサッカーの体を成していなかった。

 そんなわけで、プレーオフの2試合を残しているとはいえ、変則リーグ戦が終了した現時点で、吉田清水のチームとしての完成度は、まったくお寒い限りである。8月から始まる新シーズンに、恐らく宇野はいないだろう。来季、J1でまともに戦うためには、今いるメンバーのレベルアップというよりは、フロントが吉田監督の要求に合う戦力を揃えられるかという点に、すべてがかかっているのではないか。


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 吉田監督って、「冷蔵庫にある、ありあわせの材料で、そこそこウマい飯を作る」というのが、ものすごく下手なタイプなのではないだろうか。確かに、「自ら商店に出かけ、お金をかけ、必要な良い食材を揃えた上で、料理する」というやり方なら、素晴らしいシェフなのかもしれない。しかし、北川・カピシャーバ不在時の、チームの機能不全を見るにつけ、「やりくり下手だなぁ、この人は」という印象を禁じ得ないのだ。

 言い方を変えようか。吉田監督の指導者としての優れた資質として、「選手にフラットな競争をさせる。基準に達していない選手は使わない」ということが言われる。それでは、「基準に達している選手」で、怪我無く稼働中のプレーヤーが5人くらいしかいない場合には、どうするのか? 試合放棄するのか? むろん、そんなことはあるまい。そこは妥協して、「今は、基準に達していない選手も使わざるを得ない」と判断し、試合に臨んでいるのだろう。恐らく、今の清水のチーム状態は、そんなところなのではないか。

 そんなわけで、今回の岡山戦、本当に「無」と呼びたくなるような試合だった。ワクワクするような場面は皆無で、湧いてくる感情は「恥ずかしさ」だけ。

 いや、そもそも、「3連勝中の清水」という表現が良くなかった。誰が見ても、最近の清水はずっと低空飛行を続けていた。4試合連続で先制点を許していた。運良く追い付けた試合も、チームとしての攻撃の形は無く、力任せに押し込んだり、個人が頑張ったりしただけ。本当の勝利と言えるのは、京都戦だけで、それも相手の退場に助けられただけだった。

 第17節にして、この内容というのは、しんどい。何の積み上げも感じられない。夏に相当大胆な補強をしないと、来季に待ち受けているのは、破滅であろう。


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133

 個人的には昨日までをゴールデンウィークと捉えているのだが、その間のホームの4試合はすべて現地観戦した。できれば3つ勝ってほしい、最低でも勝ち点8くらいは、と思っていたのだが……。終わってみれば、PK勝ち2つに留まり、勝ち点は4か。

 この間にはアウェーも1試合あり、それには90分勝ちだった。しかし、敵が退場で一人少なくなった試合だった。PK勝ちも、普段であれば引き分けで勝ち点1であるとするならば、GW5連戦で勝てたのは相手が数的不利の試合だけだったということになる。はっきり言って、吉田清水は機能していない。極めて危うい状況と捉えている。

 今の吉田清水は、「ベストメンバーが揃った時だけ、良い試合をする」という状態だろう。元々、豪華なスクワッドの神戸で結果を残した指揮官なので、「メンバーが見劣りする時に、それでも上手くやりくりして、それなりのサッカーをする」人なのかどうかは、分からない。今のところ、だいぶ怪しい。

 秋葉氏の自由放任サッカーを引き継ぎ、清水を率いることになった吉田監督は、チームとしての守備組織の約束事が徹底されていないことに驚き、まずはその部分に手を打ったようである。まあ、確かに、秋葉時代に比べれば、守備組織は改善したのかなと感じる。問題はその先であろう。吉田監督の口ぶりからは、どうも、良い守備をすれば自ずと良い攻撃も付いてくるというような哲学を感じるのだが、そんなに簡単なものだろうか? チーム全体で攻める形を構築・共有できていないからこそ、主力に怪我が出てメンバーが落ちたとたんに、シュートもろくに打てなくなるのではないか。

 そんなわけで、今回の福岡戦、セフンは疲労を考慮しベンチスタート、左ウイングのカピは恐らく前日練習で怪我、右ウイングの北川は結局GW連戦間に合わず(連休前の決意に満ちたインタビューはなんだったのか)ということで、だいぶ苦しい先発メンバー編成となった。そして、案の定、前半はまったく機能しなかった。

 それにしても、ブエノは普段から舐めプ気味のプレーをすることがあるが、この福岡戦は特に酷かった。彼が危ない位置でも飄々とボールをキープして、トリッキーなプレーで相手をかわしたりすると、無知なスタンドが沸くことがあるが、個人的にはブエノのああしたプレーが大嫌いである。相手に詰められたら必要以上に持たず、すぐにボールを離すべきなのに、無理に持ち続けるということは、本人が自信過剰で、チームもそれに任せサポートする形ができていない証拠である。いつか大怪我をするだろうと思っていたが、案の定、彼のキープミスから、痛恨の失点を喫した。この試合のブエノは、イライラして相手を突き飛ばしたりするし、PKも外すしで、まるで良いところがなかった。それなりに上手い選手なのに、欧州等ではなく、極東の田舎チームでプレーしているということは、何らかの問題を抱えているはずであり、その問題が可視化された試合になった。サポ連中も、「ブエノの鬼キープは、チームの機能不全のバロメーター」と知るべきだろう。

 というわけで、タカさんチームが躍進できるかどうかは、スクワッド次第ということが、だんだんはっきりしてきた。夏の移籍市場で、セフン互換のバックアッパーFW、強力ウインガーあと1枚くらい、ブエノ・宇野に次ぐくらいのボランチ要員を確保できれば、上位進出もあるかもしれない。しかし、今のままでは、降格候補であろう。もちろん、どんなチームでも、成績が人材次第というのは当たり前なのだが、恐らく吉田監督はそれに左右される度合いが強い人だと思うのである。


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 試行錯誤を経て、「やっぱり4-3-3」と原点回帰しつつある吉田清水だが、このセレッソ戦も4-3-3で臨んだ(ただし、何度も言うように、個人的には限りなく4-2-3-1か4-4-2に近いと思っている)。最近の吉田監督の発言からはっきりしてきたのは、4-3-3を続けたいのは山々だったが、ウイング要員に怪我人が多発し、その布陣が組めなかったということである。

 ウイング要員と言えば、具体的には、右・北川、左・カピシャーバが、吉田監督のファーストチョイスだろう。井上がそれに次ぐ。西原も、状態が良ければ、候補になる。それ以外のアタッカーのウイング起用は、他にいないからという消去法的な意味合いが強まる。具体的には、髙橋利樹、ステファンス、そして今回使われた中原などということになる。

 結論から言えば、今回のセレッソ戦、中原が左ウイングとして機能したとは言いがたく、むしろブレーキになっていた。決定機は外すし、見せ場のフリーキックは置きに行ってしまうし、オフサイドにかかるし、判断は遅いし、ミスも目に付いた。もともと吉田清水のウイングに求められるような強度や突破力を備えたプレーヤーではなく、もっと中央でバランスをとったりするタイプだろう。チーム戦術にフィットしておらず、それがパフォーマンスの低さに繋がっているように見えた。今後の身の振り方はどうなるだろうか。

 今回、スタンドで観戦していて、危ない場面が多く、「やられてばっかり」と嘆いている女性客が近くにいたが、スタッツを見れば、セレッソのシュートは前半4本、後半2本に過ぎなかった。清水は前半6本、後半8本。ただ、その数字以上に、内容的に敵に上回られたという印象は、確かにある。セレッソも清水も選手の配置は同じような感じだったが、ボールの保持や前進の部分で、セレッソの方が洗練されているので、どうしても隣の芝生が青く見える。

 セレッソは、低い位置で清水のプレスをはがすと、そこからスムーズにスピードアップし、清水ゴールに迫る。対する清水は、今回の試合では、必ずしもセフンめがけたロングボール一辺倒ではなく、珍しくGKからビルドアップする姿勢を見せていた。このあたり、チーム作りが、新しい段階に入ったということなのだろうか? しかし、それで攻め込めるかというと微妙で、結局はチームのメカニズムというよりは個人が無理をしてボールを運ばないと前に進めない感じだ。

 それでも、セレッソ側は日程的な条件がより厳しく、その疲れからか、結果的に清水が敵陣に入る場面はそこそこ多かった。問題はそこからだろう。この試合、最後に追い付けはしたものの、前節のスーパーミドル2発、今節のPKと、チームとして再現性のある攻撃の形というよりは、押し込んだ勢いでどうにかもぎ取ったという印象で、やはり攻撃のデザインはまだまだだと感じる。

 怪我や連戦でベストメンバーを組めないというのは、清水もセレッソも同じだったか。いつも、セレッソの外国籍アタッカーの個の力にねじ伏せられる印象があるが、今回のセレッソのメンバー表は漢字多目で、それで助かったという気はする。

 何にしても、PKとはいえ勝ちは勝ち、沖が活躍、ホーム連敗ストップと、それなりに有意義な試合にはなった。


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 前節と今節で、数的有利・不利はデカいなという当たり前のことを再認識した。余計なことを言わせていただけば、グスタボ・バヘットは2枚のイエローで退場になったわけだが、両方のプレーとも、一発レッドに相当だったのではないだろうか? 笠原寛貴氏のジャッジは以前に比べて安定してきたと思うが、その点は疑問として残った。

 気になったのは、ハイラインが信条の吉田清水が、2試合続けて、裏を取られ重大な結果を招いてしまったことである。前節のジェラの退場を招いた場面に続き、この試合でもマルコ・トゥーリオに抜け出され先制点を許してしまった。今さら戦法を変えることはないと思うが、どうにかしてほしいものである。

 しかし、逆転できたから良かったものの、数的有利で戦った後半の攻撃にも、逆転した後の戦い方にも、個人的に納得は行かなかった。

 まあ、確かに、ハーフタイムにも、ミドルシュートを狙っていこうといった指示が出ていたようなので、その意味では狙い通りの逆転劇だったのかもしれない。ただ、宇野、嶋本のゴールはそれぞれ素晴らしかったとはいえ、逆に言えば必ずしも再現性のあるゴールではない。数的有利で、アタッキングサードまでは確実に持ち込めるのだから、そこからは可能性が低い長いクロスを放り込むよりも、もっとコンビネーションを使ってポケットをえぐるような崩しが必要だろう。残念ながら、この試合でもそのような工夫は見られず、日頃のトレーニングでそのような形を植え付けているとも思えない。どうやってチームとしてゴールに迫るのかという部分が、相変わらず見えてこないと感じた。

 そして、嶋本のゴールが決まり、逆転した後の試合運びが、相変わらず稚拙だと感じた。逆転するまでは、ずっとボールを握っていたわけだから、一番確実に勝つ方法は、圧力を弱めず3点目を狙いに行くことだろう。11対10の戦いなのだから、充分できたはずである。それが、変に守りに入り、結果的に際どいシュートを許す場面もあった。

 試合終盤に獲得したコーナーキックでも、カウンターには警戒しつつ、普通に点を取りに行くのが一番良い。いくらセットプレーの期待度が絶望的な吉田清水とはいえ、偶然入ることもあるかもしれないし、相手も普通に攻められた方が嫌だろう。それが、中途半端にコーナー付近で時間を稼ごうとして、結果的に10秒くらいしか時間が稼げず、すぐに相手のターンに変わってしまう場面が続いた。あのあたりの拙さを見ていると、このチームまだまだだなと感じる。


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