第32節は不思議な節で、清水も負けちゃったけど、清水の周りのチームも全部負けたので、清水の11位は変化なかったし、10位のセレッソとも勝ち点3差のままだった。
ただ、これはもしかしたら、ある程度必然性があったのかもしれない。上位はタイトルやACL枠獲得争いで野心に燃え、下位は残留争いで必死なのに対し、10~15位くらいの中位のチームは、リーグ戦終盤のモチベーションを維持しにくい。中二病ならぬ中位病といったところか(ウマい!)。
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清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察
第32節は不思議な節で、清水も負けちゃったけど、清水の周りのチームも全部負けたので、清水の11位は変化なかったし、10位のセレッソとも勝ち点3差のままだった。
ただ、これはもしかしたら、ある程度必然性があったのかもしれない。上位はタイトルやACL枠獲得争いで野心に燃え、下位は残留争いで必死なのに対し、10~15位くらいの中位のチームは、リーグ戦終盤のモチベーションを維持しにくい。中二病ならぬ中位病といったところか(ウマい!)。
外国人の審判って、日本人ほどこまめにアディショナルタイム取らないよね。昨今、後半アディショナルタイムは、どんなに短くても5分くらいはあると思うのだが、この試合では、何とわずか3分! 個人的には、「どうにかして勝ち点1を」と思いながら観ていたので、3分というATが表示された時に、この試合で初めてお粗末主審に感謝したのだが、その短いATの間に、まさかの被弾。もう後の祭りで、清水に反撃の時間は残っていなかった。
最近、負けなしで来ていて、残留も事実上確定なので、守備ブロック一辺倒の戦い方を脱し、アグレッシブに奪いに行く挑戦をしたかったということは、理解できる。しかし、試合の流れというものがあるだろう。この試合の後半、DAZN中継では、両チームのシュート数が再三表示されたが、清水は後半の最初の方で10本目のシュートを打ったあと、シュート数がまったく伸びず、神戸側のシュート数だけが増えていく試合展開だった。もちろんアグレッシブに勝ちに行きたい気持ちはあるが、現実に前にボールを運べておらず、選手交代も失速しかもたらさなかったのだから、終盤は割り切って、勝ち点1確保に舵を切ってもよかったはずだ。
優勝争いしている神戸相手に、清水が引き分けに持ち込めば、今季のJ1優勝争いに、清水が大きな一石を投じることになる。今季のJ1を振り返るドキュメンタリーみたいなものが制作されたら、清水相手に勝ち切れず、がっくりとうなだれる神戸イレブンの姿が記録されたはずである。個人的には、清水のそういう渋い役割を見たかった。残念ながら、もしも今季神戸が逆転優勝をしたら、「あの清水戦の劇的ゴールがターニングポイントだった」として、その場面が繰り返し映像で流され、 我々は長らく恥をさらし続けることになるだろう。
終盤の清水は、押し込まれてはいたが、先方も決め手はない様子だった。確か、今季の神戸は逆転勝利がなかったはずである。清水が自ら隙を作らなければ、かなりの確率でドローに持ち込めたはずである。しかしながら、やはりそこで隙を作ってしまうのだ。WBとして途中投入されたの高木は上がりっぱなしで、矢島の戻りも遅く、清水の右サイドの守備はスカスカだった。結局、その右サイドにアバウトなボールを放り込まれ、そこから決壊して決勝ゴールを奪われた。
今季ここまでの清水の戦いについては、秋葉監督にも選手たちにも感謝しているし、ほぼ残留を成し遂げた今、再度アグレッシブなサッカーに挑戦する資格はあると思う。ただ、返す返すも、この試合の終盤に関しては、現実主義で勝ち点1確保でよかったのではないかという悔いが残る。
2連勝で錯覚していたが、秋葉清水というチームが保持も前進もできないという現実が解決されたわけではなく、それが如実に出た一戦となった。先方は調子が上がっておらず、かなり疲弊もしていたので、うざい相手を倒すチャンスだったが、まったく内容が伴わなかった。試合の立ち上がりこそ、勢い任せで何度かチャンスを作ったが、あとは耐え忍ぶだけの試合展開だった。
試合後のインタビューで秋葉監督は、穴熊のように引き籠り無失点で終えることはできても、それは自分たちが望むフットボールではなく、これでは上位進出は不可能であり、ジレンマを痛感したというようなことを述べていた。秋葉監督にしては、正しい指摘だと思うが、そのジレンマは誰あろう貴方自身に起因しているのですよ(笑)と、言いたくなる。
この試合で、ヒジョーーーーーーに気になったのは、清水のスローインの下手さ・遅さである。自分たちの良い流れになりかけても、スローインからリズムを失う。せっかくマイボールのスローインにしたのに、そのスローインをあっさり失ってピンチを迎えるということが繰り返された。対する浦和の側は、スローインを素早くスッとやって、流れを失わない。スローインというのは、試合の中で何度もあり、その重要な要素で大きなハンディキャップをしょい込んでいたら、勝てる試合も勝てなくなる。
ことほどさように、清水が上位進出できないのには、れっきとした原因があり、決して怪奇現象などではない。そうした課題に一つ一つ向き合って解決していくことでしか、躍進は果たせない。秋葉監督も、「ジレンマ」を嘆いているヒマがあったら、チームが抱えている問題に対し具体的な処方箋を示すべきであり、とりあえずはスローインの改善から始めるべきだ。
実を言うと、最近、大きな衝撃を受けた出来事がある。試合後に配信される内幕動画「THE REAL」については、熱心なファンの皆さんなら、欠かさずチェックしていると思う。いつものように、新潟戦後に配信された「THE REAL」を視聴したところ、秋葉監督が驚くべき発言をしていたのである。
「自分たちで解決策を見出せ!」
いやぁ、驚いたねえ(笑)。普通、サッカーの戦術的な解決策は、監督が考えて、それを選手に授けるものだろう。むろん選手の自主的な要素はあるにせよ、大枠は監督が決めるはずである。それを、秋葉監督は、守り方も攻め方も自分で考えろと、選手たちに通告していたのである。秋葉清水は、戦術は選手に丸投げという傾向があることは、以前から知られていたが、監督自身がそれを堂々と選手たちに告げる様子が(会員限定とはいえ)動画として発信されるとは、なかなかの衝撃であった。「このオジサン、ある意味、パワハラ監督以上に怖ぇよ」とビビッてしまった。
むろん、秋葉監督が何もしていないわけではない。走り勝つ、一対一で負けない、気迫で上回るといったことは、徹底してチームに植え付けている。それが、秋葉監督が言うところの「フットボールの本質」である。くしくも、首位たたきを成し遂げた今回の京都戦において、試合後に殊勲者の矢島も、秋葉監督も「フットボールの本質」と口にしており、それがこの試合のキーワードだったことを印象付けた。
所長自身は、秋葉監督の戦術面での薄っぺらさに不満を感じており、折に触れて当S研ブログでもグチっている。しかし、今の清水にシャレオツ系の戦術家監督が来て、それで上手く行くかというと、なかなか想像できない。清水が、J1で、終盤まで降格の心配をしなくて済んだのは、過去10年あまりで1度しかない(2018年)。秋葉監督は、「フットボールの本質」の一枚看板で、どうやらJ1残留を成し遂げつつある。2度目の降格をした2022年には、試合終盤に失点をして勝ち点を落とし続けるというオカルト現象があったが、今季はそういう場面がほぼ皆無だ。サッカーは、気合だけでは駄目だが、それがなければ始まらず、今はその部分が秋葉イズムのお陰でしっかりしているということなのだろう。
問題は、ど根性サッカーでクリーンシートは達成できても、どうやってそれをゴール、勝ち点3に結び付けるかだが、そのヒントも今回の京都戦にあった。矢島は、今回のゴールが、「居残りの自主練習」で繰り返していた形だと明言していた。つまり、やはり監督が授けたゴールへの道筋ではなく、文字通り、「選手が自分たちで解決策を見出した」ものだったのだ。つくづく、不思議なチームだなぁとは思うが、その結果として、10年に1度あるかどうかという「J2降格を心配しなくていいリーグ戦終盤」を迎えているのだから、分からないものである。
残り10試合となった時点で、たぶんあと2回くらい勝てば、引き分けの勝ち点1コツコツも含め、どうにか残留できるのではないかという状況。そして、残りの対戦カードを見た時に、現実的に勝てそうな相手というと限られており、この新潟戦は是が非でも勝ち点3が欲しいところだった。内容はどうあれ、そのミッションをクリアしてくれたことに、安堵している。万年野戦病院化しているのか、また苦しい人繰りだったが、いるメンバーが良くやった。下位集団が軒並み勝ち点を落としただけに、めでたい節となった。
清水の虎の子1得点は、見事としか言いようがなく、「ロドリゲス柏か!?」と色めき立ちたくなるような綺麗な崩しだった。ああいう複数人数がかかわった再現性の感じられるゴールは、秋葉清水では珍しい。もっとも、「再現性」がありそうな割には、実際には上手く行ったのはあれ一回だけで、全体的には低調な内容だった。
戦ってみた新潟は、まあやはり最下位に沈むだけの実力だなと実感した。アタッキングサードまで運んでも、そこからの迫力、アイディア、精度がない。先方には申し訳ないが、「この相手で助かった」というのが実感だ。
ただ、ビルドアップのスムーズさは清水よりずっと上であり、ボールを運んでいる時に自陣で変なボールの奪われ方をして即ピンチというような場面はなかった。この試合でもぎこちないボールの運び方で何度か危険なロストをした清水とは対照的である。
清水もいい加減、せめて最下位・新潟くらいのビルドアップができなければ、J1定着や、増してや躍進はおぼつかないだろう。ここ何試合か、残留モードの失点回避の戦いを続けているだけに守備は安定しているが、秋葉監督の言うようなクリーンシートを維持した上で3、4点奪って勝つチームへの道は、限りなく遠い。残留に向けては明るい展望が開けてきており、今季はそれで充分とは思うが、来季以降に向けては、課題は手付かずのまま残っている。
前半戦の鹿島戦では、清水が主導権を握った時間帯もあったが、今回は鹿島の「速さ」に対応できず、ずっと圧力を受け続ける苦しい試合となった。それでも先制点をとれたのは望外だったが(いつ以来だ?)、警戒していたはずのセットプレーから同点弾を喫し、あえなくドロー。ゾーンとマンツーマンを併用するようになってから、コーナーキックの守備は安定していたと思うのだが、今回は植田にマークが付いていなかったように見えたんだけど、何だったんだろうか。
センターバック2枚の出場停止。試合直前で、キープレーヤー(カピ?)が出場できなくなるハプニングもあり、準備してきたゲームプランが狂ったようだ。諸々考えれば、上位相手の難しい試合で、最低限の勝ち点1を確保したとも言えるが、まあ何にしても久し振りの勝利を見たかったものである。
監督は、上からの指示であることは否定していたが、この試合の清水はGKからのビルドアップは断念し、ロングキックでボールを捨て続ける戦い方を選んだ。個人的には、今は状況ゆえやむを得ないとも思うし、だからこその勝ち点1ゲットだったとも思えてくる。しかし、ど根性サッカーで勝ち点1を拾い続ける戦い方で、下に落ちるのを回避はできても、上に行くのは無理である。秋葉監督は、まだまだ成長できるということを強調しているが、秋葉清水には残念ながら伸びしろというものがない。他のJ1勢がシーズンが深まるにつれ成熟してきているのに対し、秋葉清水は堂々巡りを続けているので、それで清水が後半戦に苦戦しているのだと、個人的には解釈している。
秋葉清水というチームの特徴は、監督よりも一部のプレーヤーの方がサッカーIQが高いという点である。今回の試合後、松崎が次のようにコメントしている。
(監督がアクシデントでプランが変わってしまったと言っていたが)プランどうこうの問題ではなく、結局あれだけビルドアップができずに押し込まれると、どこかで決壊はしてしまう。もっとミドルサードでボールを持ちたいし、そこからアタッキングサードに押し込んだ時に少し攻撃の展開が速く、もっと時間を掛けてもいいのにと感じる場面が何回かあった。(今回3バックで点がとれ、チームの課題解決に向けポジティブかというと)いや、変わらないと思う。どうビルドアップして前進していくかという根本の問題はずっと課題。