エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2025年05月

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 最近になく、攻撃が機能した。後ろの方のボール運びは相変わらず危なっかしいが、相手陣に入ってからの攻撃に狙いや迫力があり、観ていて楽しかった。1得点目はそれが結実したものだった。

 当S研ブログでは何度も言っているが、山原のキックの質はコーナーキック向きではないと思う。実際、キッカーを山原から別の選手に代えると、すぐに得点に直結することが、これまでも何回もあった。右・左にかかわりなく、キッカーは松崎(または中原、矢島)固定でいいのではないか。

 いかに先方がお疲れとはいえ、神戸相手に勝つのには、やはり2点差くらいつけておかないと、安心できない。結果的には追い上げられたが、高木践の2発は本当に大きかった。

 これでまた五部の星に戻すことができた。正直言うと、前半戦のうちに7つも勝てるとは、思ってもみなかった。何とかセレッソにも引き分け以上に持ち込んで、借金なしで折り返したいものである。


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 個人的に、今回の鹿島戦、「内容」が良かったとは思わない。鹿島よりボールを持ち、パスを回したかもしれないが、それを効果的にシュートに持ち込むようなことはできていなかった。それでも何度か決定機を思わせるような場面はあったが、枠内にシュートを収めることもできていなかったわけで、相手GKが慌てるような場面はほぼなかった。

 それでも、実に「もったいなかった」と思うのは、鹿島が思ったより強くなかったからである。まず、秋葉清水は前線からハイプレスに来られるとボールを運べずにペースを失うが、今回の鹿島戦ではずいぶんと楽に持たせてもらえたなという印象が強い。レオ・セアラの欠場で、攻撃の迫力もなかった。鬼木監督の鹿島に、川崎時代のようなクオリティはなく、むしろ勝負強さが身上の鹿島の遺産で戦っているなという感触だった。

 鹿島としては、レオ・セアラだけでなく、守備の要の関川も負傷で長期欠場が確定的。それに対し清水の方はメンバーが戻りつつあり、その点で清水に優位性がある試合だった。ただ、山原がチャブリッチへの対応で後手を踏み、最後はジェラがシュートコースを絶妙に変えてしまうという、復帰が待ち望まれていた2人が失点に絡んでしまったのは皮肉だった。

 さて、今回の試合を落としてしまったという目先のもったいなさに加え、つくづく思うのは、決して負け惜しみではなく、「この程度のサッカーで首位なのか。それくらい、今のJ1には傑出したチームはないのか。清水も、世が世なら、J1の優勝争いに絡めたのではないか」という点である。

 川崎と横浜FMの2強時代には、とてもではないが、神奈川勢に勝てる気はしなかった。あの頃のフロンターレやマリノスは、タレント力に裏付けられた完成度の高い攻撃サッカーで、やられる側の清水から見ても、実に魅力的で輝いていた。

 しかし、フロンターレやマリノスは、上手く行きすぎて、タレントが海外に流出してしまったり、ACLという罰ゲームステージに臨まざるをえず、それでクラブ体力を削られた。いま首位争いをしている鹿島や柏には、あの頃のフロンターレやマリノスのような絶対的強さはない。もしも清水が、個人能力頼みではなく、保持も前進もアタックもきっちり組織的に確立した上でJ1に殴り込みをかけていたら、今季はJ1優勝のチャンスだったのではないか。そんなことを、つい妄想してしまうのである。


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 秋葉清水の問題が、1失点目に凝縮されていた。秋葉監督自身が語っているとおり、守備というよりは、ボールの運び方が悪く、GKからの苦し紛れのキックが変な形で奪われたのが、根本原因だろう。ただ、監督がそう言うのなら、「ビルドアップに興味はない」などとうそぶくのではなく、それこそが自軍の最大の課題であることを直視して、自分でノウハウがないのなら人に教えを乞うてでもいいから、ちゃんとボールを運べるチームを構築してほしいものである。

 まあ、ただ、しかし。1失点目を改めて検証してみると、CBとして先発した羽田の中途半端なプレーが問題だったことが分かる。前節の失敗にもかかわらず、またしてもポジションを外して奪おうと前に出て空振りに終わり、慌ててボランチの宇野が羽田のポジションを埋めようと下がったのだが、羽田も自分のポジションに戻ったため宇野と羽田が同じ位置で重なり、逆にバイタルがぽっかり空いて、そこを敵の西村に使われフリーでのヘッドを許したものである。まあ、怪我人が相次いだCB陣も、ほぼ全員戻りつつあるので、今後のリーグ戦のメンバー表に羽田の名が刻まれることは、まずないのではないか。

 そして、誰もが感じたとおり、2失点目も、実に痛いというかもったいないものだった。北川のPKで同点に追い付き、秋葉清水らしく内容は???ながら勢いはあったので、状況的に言って、あのまま押せ押せで逆転まで行けた可能性もあったと思う。そこで一瞬の隙を突かれて失点したことで、引き分けに追い付くのが精一杯という試合になってしまった。

 それはそうと、昨シーズンの清水はPK得点が確か1~2点くらいしかなかったと思うが、今季は量産している。VARがあり、細かいファウルもチェックされるという要因はあるにせよ、PKには恵まれたシーズンだということを実感する。今回は、乾がもらいに行った感が強かったが、女性主審の慈愛で認めてもらえた。攻めていても得点の匂いはほとんどなかっただけに、大助かりだった。そして、以前当S研ブログでは北川はPKには向かないのではないかというようなことを書いてしまったが、実際には北川は初回の失敗以降は決め続けている。今回DAZNの解説は福田氏だったが、福田氏以来の、PK多過ぎ得点王の誕生か?

 清水も、町田も、波に乗り切れていないチーム同士であり、2:2ドローは妥当なところか。


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 そう言えば、ロティーナ格言の一つに、「私は常にインターセプトを狙うセンターバックは好きではない」というのがあったな。柏にボールを握られる苦しい試合でも、大ピンチはほとんどなく、敵の攻撃を上手くやり過ごせてたんだが、センターバックの一つの判断ミスが、致命的な一失点に繋がってしまった。

 とまあ、ミスを攻めたくもなるが、全体として、やはり柏の方がずっと組織的に洗練されたサッカーをやっており、勝ち点に値する内容だったのが我が軍よりは先方だったことは、否定しようのない事実である。今回の試合では、とくに「相手をはがす」プレーで、雲泥の差があった。柏の側は、選手の立ち位置、サポートの距離感と角度、お互いの連携で、相手の圧力をかわし、ボールを前に運んでいく。それに対し、秋葉清水は個人任せなので、個人が良いターンとか果敢なドリブルとか、カピ的な鬼キープでもしないと、ボールを保持・前進させられない。挙句の果てには、出し所がなく、敵2人くらい背負っている味方に無理につけようとして、奪われてショートカウンターを浴びる。というようなことは、周知の事実なわけだが、はがせるチームを作る名人であるロドリゲス監督のチームと対戦して、彼我の格差が可視化された。

 ただ、サッカーというのも、つくづく変なスポーツであり、これだけ明白にクオリティに差があっても、スコアは0:1だった。主審にサッカーのリテラシーがあれば、タンキのゴールが認められて、引き分けられたかも(あるいは勢い余って勝ったかも)しれなかった。

 また五分の星に戻ってしまったが、怪我人続出のチーム状態で、ゴールデンウィークの連戦に臨んだことを考えれば、ここまでの結果が最悪というわけではないだろう。次の試合もすぐ来るので、切り替えて戦ってほしい。


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 国立の名古屋戦は、DAZNが言うところの「ピックアップマッチ」となった。DAZNというところは、有料配信なのにCMを入れるといった犯罪的な会社だが、とにかくやることなすこと全てが的外れなサービスである。くだんの「ピックアップマッチ」というのも最悪な代物。何が不快と言って、解説者を2人立てるというのが、バカ丸出しである。実況に加え、解説が2人もいると、言葉が渋滞し、試合の臨場感を伝えるというスポーツ中継の本分が置いてきぼりになる。林凌平氏も、テセも、それぞれ話の中身は悪くないのだが、試合後のレビューならともかく、試合中に2人してずっと戦術論を語っているのを聞かされるのは、辟易とする。お前らのトークショーを聴きたいんじゃなくて、試合を観たいだけなんだよと、叫びたくなる。日本のスポーツ中継には、「重要な試合ほど、解説者を複数立てて豪華にする」という謎風習があり、DAZNの「ピックアップマッチ」はその日本の悪い部分を猿真似しているだけの、お粗末な仕様である。サッカーの中継なんてものは、映像は基本的にずっと俯瞰の画面にしてガチャガチャとカメラを切り替えたり無駄にリプレーを入れたりしない、話は実況と解説1人がベストなのであり、DAZNという低脳企業が無駄に頑張ろうとするたびに、どんどん放送が劣悪になっていくのは、本当に耐え難い。

 おっと、失敬。試合に負けたので、つい怒りをDAZNに向けてしまった(笑)。にしても、名古屋戦、成す術もない完敗だった。その敗因に関しては、上では否定的に言及してしまったが、試合中に林氏とテセが語っていたとおりであろう。所長のような素人が付け加えることはない。

 ただ、秋葉監督の無策を指摘するのは酷であり、連戦や怪我人続出などで、誰もが思い付きそうな3バックへの変更はやりたくてもできなかったのだろう。強いて言えば、高橋・宇野・羽田の3バックでいいじゃないかと考えたくはなるが、そうしないのはおそらく「羽田はJ1のセンターバックとしては厳しい」という判断からなのだろうし、要はそれだけ台所事情が厳しかったということだろう。

 前節、選手のピッチ上の判断で、3バックへの変更を取り止めて4バックに戻し、「監督が指示しなくてもピッチ上で解決できる成熟エスパルス」みたいな持ち上げられ方をしたのも、悪い振りになってしまったかもしれない。これもダブル解説が言っていたように、今回ばかりは選手だけではどうしようもなく、監督が前半途中でも思い切った決断が必要だったかもしれない。まあ、何度も言うように、決断したくてもできない事情があったのだが。

 清水の場合、Bチームが機能せずにAチームにメンバーチェンジして盛り返すことはあるが、最初からAチームで上手く行かなかった場合には、成す術がない。「アウェー」の国立では、神通力も働かない。私見によれば、ダメな時はとことんダメというのが秋葉清水であり、そういう悪い日だったと、切り替えるしかない。

 もっとも、これも豪華ダブル解説が言っていたように、今回の名古屋戦で、「好調(?)」清水対策がバレてしまった感がある。今回のケンタ名古屋は、切羽詰まっていたがゆえに露骨な清水対策を仕掛けてきた形だが、他のチームもなりふり構わず同じような清水封じを狙ってきたりすると、今後が心配である。


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