エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2025年04月

2124

 皆さん、今季序盤の清水の戦績には、ある傾向が出ていることに、お気付きだろうか? それは、「相手チームが新任監督だと、清水は強い! 逆に、相手チームの監督が、昨シーズンから留任しており、継続してチームを率いて場合には、清水は弱い」という法則である。整理すると、以下のような結果になっている。

相手チームが新任監督 4勝・1分・0敗

相手チームが留任監督 2勝・2分・4敗

 つまり、今季ここまでの清水は、新しい監督が就任して、まだ戦い方が確立されておらず、機能していないようなチームを相手に、その完成度の低さに助けられて、勝ち点を積み上げてきたと言える。秋葉清水自身が、組織的な完成度を高めてはいない分、相手次第という側面が大きい。

 なお、法則を発表しておいてなんだが(笑)、この法則が、次の名古屋戦、柏戦にも当てはまるかは、分からない。名古屋は長谷川監督が長期政権を築いているのに迷走中で、柏はロドリゲス監督就任から間もないにもかかわらず早くも高い完成度を見せているからである。

 さて、FC東京戦に関して言えば、先方の松橋監督は期待されて新潟から引き抜いた指揮官なわけだが、どうもあの人はチームがじっくりと熟成するのを待つタイプらしく、今回戦ってみても、タレントがいるわりには、それらがまったく噛み合っていない印象だった。先方が何をしたいのか分からず、清水としては守備の大きなミスをしない限り失点のイメージはなかった。というわけで、新任監督相手には強い清水という法則が、完全に当てはまった。

 前節、FC東京は途中出場の俵積田の大活躍で終盤3得点を重ねて快勝していたので、この清水戦でも俵積田が途中投入された時点の戦況次第では脅威になる恐れがあった。しかし、60分に彼が出てきた時点で、すでに清水がリードしていたので、清水はブロックを組んで待ち構える形となっており、俵積田が使うスペースは失われていた。同点とか清水ビハインドで終盤に彼が出てきて、間延びしたスペースを使われたら餌食になった可能性が高いが、そう考えるとやはり先制点は大事である。

 それにしても、宇野をセンターバック起用とはね。しかも、4バックの2CBの一角とは。これだけCBに怪我人が続出して、それでも出番がなく宇野にポジションを奪われる本職のCBは、もう戦力としては厳しいかもしれない。宇野のCBとしてのプレー振りも、決して合格点ではなかったと思うが、あれより期待値が低いということは、過酷な現実だ。

 ポジションは違うが、乾の存在感が高まる一方で、2018-19年のドウグラスのようになってきた。ベテラン依存からの脱却のはずが、やはり違いを作るのはあの人しかいないわけで。年齢的に海外移籍の心配をしなくていい分、逆に安心か。


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30

 個人的に、大型連戦のうち、最後の3連戦、川崎、マリノス、福岡戦は、セットで考えていた。そして、自分はネガティブ思考の人間なので、あわよくば苦しいこの3連戦を1勝・1分・1敗くらいで乗り切りたい、いや3つのうち1つでも勝って勝ち点3に終わっても御の字か、くらいに思っていたのである。メンバーも苦しいし。

 蓋を開けてみると、今回の福岡戦は、疲労ゆえか、主力選手の動きが重かったように思う。しかし、試合開始直後の松崎の一発と、前半ADの不意打ちのような二発により、なんだか分からないが勝っちゃったという印象である。

 福岡は、得点力はそんなにないが、失点も少なく、ロースコアで粘り強く戦って、勝負強さで勝ち点を積み上げてきたチームである。もちろん、3失点は今季初であり、それを前半のうちに喫したことで、あまりに前例のない試合展開で、先方は成す術がなくなったという印象だった。後半は、清水としても攻め手はなかったが、試合を殺して後半45分をやり過ごしたといったところだろうか。

 今回の福岡戦でも、清水が自陣からボールを保持して力強く前進したようなシーンはほとんど見られなかった。今季の公式戦で、ルヴァンの磐田戦を含め、「保持・前進で相手を上回った」と思える試合が、一つもない。まあ、しかし、福岡戦も先方の保持率の方がはるかに高かったように、秋葉清水は相手に持たれるくらいが、丁度良いのかもしれない。

 福岡の金監督は、鳥栖時代も、チームのオーガナイズが巧みな人だった。組織立ったサッカーをやる福岡にとっては、秋葉清水のカオスサッカーみたいなものが、実は苦手なのかもしれない。


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26

 浦和戦と同じような状況、同じようなメンバー構成で、2点とられるまでは浦和戦と全く同じような展開だった。そこから、信じられないような逆転劇が待っているとは。個人的には、「これは宝くじ。当たればラッキー」くらいの気持ちで観ていたので、望外の勝利に歓喜してしまった。

 まあ、しかし、前半のセットは、全く機能しなかったねぇ。アフメドフも、ルヴァンの一発で目覚めたのかと思いきや、「前の方にいるだけ」という印象の45分だったし。彼だけの責任ではないとはいえ、守備時にも全くボールを追い切れていないし。あれでは、レギュラーとしての計算は立たない。

 あと、個人的には、DFの羽田をもっと使ったらどうかと提言したこともあったが、実際に先発でプレーしているのを見て、使われないのには理由があるんだなと、妙に納得させられた。

 4バックにシステムチェンジする時に、蓮川や宇野をサイドバック起用せざるをえないのも、苦しさの表れだった。

 要するに、勝ちはしたものの、怪我人やら、実力不足やらで、現状で戦える戦力がごく限られ、そのギリギリの駒を使い回して、どうにか勝ったという試合だった。

 清水がシステムチェンジをし、レギュラーを投入して圧力を強めても、普通のJ1チームだったら崩れたりしないと思うのだが、そこで崩壊してしまうのが、今のマリノスなのだろう。試合前には、先方のネームバリューや実績だけで個人的にビビっていたが、試合を終えてみると、なるほど今季1勝しかできていないチームだなと実感した。

 マリノス、何人かの選手も、多くのサポも、泣いてたねえ。まあ、ただ、あれは「名門なのに不甲斐ない」というプライドゆえの涙で、彼らはまだ、降格の恐怖みたいなものは実感していないだろう。

 個人的には、マリノスさんはチームもサポも品が良く、悪い感情は一切抱いていない。ただ、「オリジナル10の各チーム、一回はJ2に落ちることにしませんか(笑)」という思いがあり、そうなると、まだ落ちていないマリノスと鹿島にも一回は降格を経験していただきたいという気がしている。

 もしかしたら、今年がその年になるのだろうか? もちろん、まだシーズンは始まったばかりだが、戦ってみたマリノスは、確かに大きな問題を抱えていた。

 他方、清水のJ1残留ということを考えると、だいたい勝ち点40くらいが残留ラインになるはずである。単純計算で、10勝・10分けで勝ち点40になるわけで、10勝のうち4勝をすでに挙げたと考えると、勝ち点の積み上げとしては今のところ悪くないという気がする。サッカーの中身に関しては相変わらずさっぱり手応えがないが、マリノスのような迷走・バラバラ感がない点は救われる。


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23

 取り上げる順番がリーグ戦とは逆になってしまったが、せっかくスカパー!のSPOOXを契約してルヴァンカップの磐田戦をテレビ観戦したので、それについても一言感想というか愚痴を書き留めておく。

 まあ、誰もが感じたとおり、冒頭の一発だけで終わってしまったな、と。アフメドフの待望の初得点は今後に繋がるはずだし、小竹の初アシストも嬉しかったが、試合が進むにつれ、尻すぼみになっていった。

 むろん、連戦中のミッドウィークで、メンバーは大幅に入れ替わっていた。メンバー的には、磐田の本気度の方が、わずかに上回っていただろう。しかし、今の清水のように、連戦だったり、怪我人が多かったり、ターンオーバーを採用した時の方が、チームとしてのトータルな完成度が試されるものである。残念ながら、秋葉清水は、チーム戦術が未完成なところを、個の力で補っている部分が大きく、レギュラーが欠場したり疲弊したりするとそのままチーム力低下に直結してしまう。磐田戦は、その苦しい部分が如実に出て、力負けしてしまった印象だ。

 磐田戦では、前半の運動量が豊富な時には勢いがあったが、疲れてくるとほとんど攻め手がなくなった。逆に磐田は、選手の距離感が適切で、試合終盤になればなるほど、磐田にいいようにボールを動かされてしまった。


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22

 川崎って、今季開幕前の下馬評が、必ずしも高くなかったはずである。独特の攻撃サッカーで黄金時代を築いた鬼木前監督が去り、守備戦術に定評のある長谷部監督に代わり、だいぶ路線が違うので、適応に時間がかかるという見方が多かった。

 しかし、監督が代わっても、上手い選手たちというのは、すぐに適応できるものなんだなぁ、また優れた監督は現有戦力でチームを機能させる最適解をすぐに見付けて結果を出すんだなぁということを、今回の試合で痛感させられた。川崎は、変わったけれど、相変わらず強かった。

 まあ、それでも、竹槍集団の清水は、良く対抗した方ではなかったか。気持ちは入っていたように思う。

 川崎は、前からの圧力はそんなにかけてこなかったと思うが、それでも秋葉清水は前にボールを運べない。最初の3分の1で失い、ショートカウンターを浴びる。積年のビルドアップ軽視の弊害は、明らかである。

 逆に言うと、この試合でも、清水がブロックを作って守っている場面では、そんなに危ないシーンはなかった。往年の鬼木フロンターレのように、最後の3分の1で敵の首を真綿で絞めるような攻撃をされると、清水は持たなかったと思うのだが、川崎はそのクオリティは失ってしまったように見えた。しかも、川崎は数的有利の終盤には、単純にロングクロスを放り込むパワープレーをしかけてきたりして、劣勢のなか守り切る気満々だった清水にとっては、あの方が割り切って対処しやすかっただろう。

 退場になった北爪のプレーは、責められない。いまやサイドの最重要プレーヤーである彼を欠いて、マリノス戦をどう戦うのかは知らんけど。


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2112

 前節・浦和戦では、「前半45分はゼロゼロで我慢」という入り方だったと思うが、それが裏目に出て、後手を踏んだ。それならば、この横浜FC戦は最初からフルスロットルで行こうという考えだったのだろう。実際、ボールを保持して攻める場面は多かったが、例によって最後の3分の1の形がないので、シュートは増えず、決定機は乾のポスト直撃弾くらい。アグレッシブには行ったが、「くたびれ損」のような前半になってしまった。

 こういう戦い方をして、前半に点がとれないと、待ち受けているのは悲劇である。今回の対戦では、むしろ横浜FC側が「前半45分はゼロゼロで我慢」と考えていたのではないか。そして、フリエは実際にそれに成功した。後半はギアチェンジをして前から奪いにくるようになり、それに戸惑っているうちに清水は先制を許してしまった。

 まあ、失点することもあるだろうが、問題は、その後の攻撃がまったく機能しなかったことである。相手が前から奪いに来ると、自分たちでボールを保持して前進するということがまったくできなくなり、個ではがすしかなくなる。苦しいプレーの連続となり、奪われてカウンターを浴びることにも繋がる。良い時もあるが、「駄目な試合では、からっきし駄目」というのが、秋葉清水の特徴だろう。残念ながら、J1ではそうした試合が増えそうである。

 個々の選手を悪く言いたくはないが、2失点とも、高木がクロス対応で負けたような形になってしまった。驚異的な運動能力で低身長をカバーし、センターバックとしても奮闘している高木ではあるが、今回の2つの失点シーンを見ると、J1のセンターバックとしては苦しく、やはりサイドバックで使いたいと思えてくる。蓮川が離脱しているがゆえの苦しいやりくりだとは思うが、羽田をセンターバックで使い、高木は右サイドで使った方が、失点は減りそうな気がする。


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2109

 浦和と清水の戦いを観ていると、無秩序と秩序の対戦という印象だった。組織だったサッカーを目指している浦和と、カオス然とした秋葉清水。もしも、スコルジャ監督の浦和が成熟を重ねたら、秋葉清水には勝ち目はないように思える。ただ、現時点で浦和の完成度は3割くらいであり、組織的なサッカーを目指しているだけに、かえってぎこちなさがある。実際、今回対戦してみても、とても歯が立たない相手という印象はなかった。その意味では、浦和を倒すチャンスだったと思うのだが、何だかよく分からない2失点で、勝負が決まってしまった。まあ、J1では危険な位置で変な奪われ方をしたら失点に直結するというのは、分かっていたことではあるが。

 他方、せっかくあれだけ前線を大胆にターンオーバーしたのだから、せめて60分くらいまで引っ張ってもいいのではないかと思った。それで、今後に繋がるなら、たとえ勝ち点ゼロでも、得るものもあったのではないか、と。しかし、後半頭からの3枚替えは、監督がしびれをきらしたということか。まあ、何もできないという印象があった前半から、後半はだいぶ期待感が高まったので、それが正解だったということか。

 古巣相手の松崎がやたら気負っていたことが気になったけど、最後のあのプレーで、まさかパスを選択するとは。清水のアタッカーって、なぜか「ここぞ」という場面で打たずにパスを選択することが多いけど、今回の松崎はその最たるものだった。

 まったく歯が立たずに負けるのも悔しいけれど、今回の敗戦は「もうちょっと何とかなったんではないか」と、別の意味でだいぶモヤモヤが残った。


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