エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2025年03月

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 かつてのエレベータークラブを脱し、すっかりJ1中位くらいの地位を確立しつつある湘南。今季は開幕ダッシュにも成功し、これは難敵だろうと予想された。しかし、蓋を開けてみれば、そのチームを相手に、3:0の完勝! 聞くところによると、湘南は前から激しく奪いに来るという話だったので、清水が自陣で防戦一方になる悪いイメージもあったのだが、実際には積極果敢に前プレスをかけたのは清水の方だった。清水はターンオーバーは敷いたものの中2日で、湘南の方が体力面で余裕があったはずなのに、清水の方がずっとアグレッシブで、それがそのまま試合の優劣に繋がった印象だ。

 DAZN解説の水沼さんが、「勝った試合では多くの選手が輝くものだ」というようなことを言っていたけど、まさにそんな印象だった。特に、失礼ながら「不安で一杯」だった両サイドの北爪と吉田が、持ち味を発揮してくれたのが嬉しい。北爪に至っては、地上の上下動だけでなく、ロングボールの受け手として空中戦でも奮闘してくれた。

 当S研ブログでは、秋葉清水の戦術面での薄さに苦言を呈することが多いが、昨日の2点目のように、狙いが的中した綺麗な崩しでゴールを奪えると、本当に嬉しいものだ。ブエノに関しても、危険なエリアで持ちすぎたりリスクの高いパスを出したりして大ピンチに直結する問題を指摘したことがあったが、昨日のプレーはシンプルで、とても良かった。

 まあ、今回の湘南戦のようなインテンシティを、今後の連戦や、夏場の試合でも維持できるかは、まだ分からないが。それでも、とりあえず「これがうちらの生きる道」と思えるものが確認できた、気持ちの良い勝利となった。


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 報告が遅くなったが、ルヴァンカップの相模原戦を現地観戦してきたので、その感想。

 全体的には、やはり低調な試合だったと言わざるを得ないのではないか。ボールを持っている時間は長いが、狙いを持って相手ゴールに迫るということが全然できていない。前半3本、後半7本に終わったシュート数が、問題を物語っている。

 個々の選手に関して言えば、このレベルの相手でアフメドフが機能しなかったのは、残念だった。「おっ!」と思うようなプレーを見せそうになる場面もあるが、今のところすべてが未遂である。J3相手でのカップ戦であっても、1点さえとれれば、その後リーグ戦でもケチャップドバドバに繋がるかもという期待は、裏切られた。今季の清水は、センターフォワードが最激戦区などと言われていたが、蓋を開けてみれば計算が立つのは北川だけで、連戦に向け不安を残した。

 小竹のプレーにも期待が集まったが、デュエルで負ける場面が多く、これまた不発。仕掛ける際に、「はい、これから仕掛けますよ」という間合いなので、相手が対応しやすいように見えた。もっとパスの引き出しからトラップ~仕掛けまでスムーズにプレーできるようになると、相手を出し抜けるのではないか。

 小竹が決定的な仕事ができたら、「スター誕生」ということになったと思うが、実際にはその小竹に代わって72分に登場したユースの土居佑至君がゴールを決め、ラッキーボーイに。巡ってきた出番をどれだけ活かせるかで、キャリアが左右されるわけで、小竹にも次のチャンスで大きな仕事をしてほしい。

 期待の新戦力の中では、ボランチとして出場した弓場のプレーは安定していて良かった。試合勘が鈍っているのか、宮本がパスミスを見せたりしていたので、もしかしたら弓場がボランチの序列を3番手に上げたかもしれない。

 結果的には3点がとれたが、終盤の2点は相手が前がかりになったところを突いたもので、それぞれ痛快ではあったものの、攻撃の形が結実したという感じではなかった。公式戦の連敗は止まったものの、個人的には今後の連戦に向け不安を払拭できないでいる。


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17

 メンタルだけで勝てるほどJ1は甘くないので、我々はどうビルドアップしていくのか、どうフィニッシュに持っていくのか、その中でどうしっかりと守備をするのか。全部引っかけられての失点だった。守備はそんなに揃っていないわけじゃないので、もう一度ホームで勝つ、攻守、そしてメンタリティ、フィジカル、タクティクス。全てが揃わないとJ1では当たり前のように勝てない。メンタルだけでも駄目、フィジカルだけでも駄目、テクニックだけでも駄目、やはりタクティクス含めて、戦術・戦略というのは必ずどのチームにも狙いを持って我々はやっているので、もう一度そこをしっかりやれるようにしたい。

 と、監督は言うのだが、チームの問題を良く分かっているような、まったく分かっていないような、ちぐはぐなコメントだと感じた。秋葉監督は上手く行かない時に「他人事」のようにチームを評することがあるが、ピッチ上で起きていることは、紛れもなく監督のチーム作りの産物だ。

 秋葉清水の場合、とりわけビルドアップ軽視の姿勢がツケとなって重くのしかかっていることは直視しなければならない。今さら「我々はどうビルドアップしていくのか、どうフィニッシュに持っていくのか」と言われても、こちらが困るわけで、それを考えて実践するのが貴方の仕事のはずである。もしも本当に「中は引っかけられやすいから外で回す」という程度のリテラシーしか備えていないのなら、J1の監督としては厳しい。

 怪我人多発は確かに痛いだろうが、この程度の離脱は、どんなチームでも起きうることだ。いや、むしろ主力が欠場した時の方が、チームとしての本来の完成度や組織力が出ると言うべきである。


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 J1の強度とスピードに屈したという印象。ガンバがそんなに強いという感じでもなかったが、やはりJ1の平均以上のチームではあるなと実感した。個人的に、清水がJ1で通用するか非常に心配し、「J1のチームとやったら、こんな感じになってしまうのではないか……」と抱いていたイメージがあったが、実際にそうなったなという感想だ。

 秋葉清水の現在地や問題点が、色々と浮き彫りとなった。秋葉監督は、「J1でも戦えるようなチーム作りを進めてきた」と主張するし、そう言ってくれる評論家もいるが、個人的には疑問だ。昨シーズンも、組織的には清水より上なチームがJ2にもゴロゴロいたわけで、J1に上がればほぼ全チームがそうであろう。

 ビルドアップが苦しいし、最後の3分の1の形もない。ボールが運べないので、中央で無理をして、引っ掛けられてショートカウンターを浴びる。J2だったら清水のCBの個人能力で誤魔化せたかもしれないが、J1だと失点に直結する危険がある。ガンバ戦は、その形から失点したわけではなかったが、危険な場面は多発し、劣勢の基調を作った。

 関連して気になるのは、ブエノにホナウド臭がしており、バイタルエリア等で無理に持ち過ぎ個ではがそうとして、ボールを奪われるケースが散見されたことである。接触プレーに寛容な今季のJで、ああいう危険なボールの持ち方をしたら、餌食である。

 サイドハーフに怪我人に多発しているのか、学徒出陣とばかりに嶋本が先発したが、これまただいぶ苦しかった。今季の清水のスカッドは、「前線は飽和状態だがDFラインが手薄」などと言われていたわけだが、まさかアタッカーの頭数で苦労するとは。

 ガンバ戦の前までの清水は、ひたすらツイていたと思う。しかし、この試合では山原を負傷交代で欠くこととなり、ツキにも見放された。長引かないことを願う。


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9

 シティライトスタジアムって、名前変わったのか。いつもと雰囲気違い、芝の状態も悪そうだったので、DAZNで観てて、今回はどっか別の会場でやったのかと思った。

 岡山と言えば、申し訳ないが、格下というイメージで見てしまう。昨年もダブルだったし、J2で5位のチームだし、清水から流れていった選手も多いし。しかし、戦ってみて、もう格下イメージは返上せねばと感じた。元々木山監督の指導でベースがしっかりしているところに、オフの補強は清水より力が入っていただろうし、今季ここまで好調なのもうなずけると納得した。

 お互いの時間帯があり、お互いにチャンスがあり、どちらに転んでもおかしくない試合だった。ただ、清水としては、違いを見せていたカピシャーバや松崎が欠場し、連戦の疲れもあり、攻撃のクオリティは低かった印象。同じ1:1でも、広島戦は高いレベルのスリリングながっぷり四つだったのに対し、岡山戦は泥臭いしのぎ合いという感じだった。

 今季ここまで、清水が悪くない戦いができているのは、すべての試合で先制できていることが大きい。ただ、2試合連続で追い付かれたのも事実である。

 北川のPK、不安しかなかったが、的中した。ストライカーがPKが上手いとは限らず、現に歴代の名ストライカーでPK役を固辞した人も少なくない。北川は瞬間的なひらめきタイプで、精神的なムラもあり、PKのような間の駆け引きがキモの役割には、向いていないのではないか。


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