エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2024年09月

GD

 今回の横浜FC戦を国立で開催したことに関して、賛否が分かれている。個人的な見解を申し上げるならば、今後はちょっとやめておいた方がいいのではないかという気がする。

 残念ながら、清水は近い将来、仮にJ1に所属したとしても、常に降格の危険を意識しなければならない身分のままだろう。勝ち点1が、本当に死活的である。

 オレンジ戦士たちが、たとえ国立の大舞台であろうと、平常心で普段通りのプレーが出来ればいいのだが、今回の横浜FC戦を観る限り、明らかにそうではない。言葉は悪いが、田舎者のおのぼりさんサッカーであった。むろんピッチ状況なども関係しているのだろうが、バックパスの角度や距離が狂い、大ピンチになりかけたことが何度かあった。クラブの生死にかかわるリーグ戦は、やはりアイスタで開催すべきだというのが個人的な意見だ。

 ただ、エスパルスというクラブのブランドを格上げするために、年に1度くらい国立での試合をやりたいという趣旨は理解できる。それだったら、たとえば、欧州クラブとの親善試合を国立で開催したらどうか。欧州の一流クラブが対戦相手であれば、首都圏在住のライト層の来場も期待できる。勝ち負けをあまり気にせずに、首都圏でエスパルスの存在感を誇示できる。

 ただ、親善試合だけだと、わざわざ静岡から出向く人は、限られるかもしれない。それならば、OB戦とか、ファン感謝祭とか、社長やGMによるトークショーとか、とにかく盛りだくさんな企画を用意し、1日楽しめるようなエスパルス祭りにすればいいと思う。

 ところで、今回の横浜FC戦で残念だったのは、所長の理解する限り、バスリニューアルのクラウドファンディングに関する告知などがほとんど行われなかったのではないかという点だ。もしかしたら、そういうブースなどあったかもしれないが、個人的には気が付かなかった。清水を盛り立てたいと思う人が5万人以上集結した場所で、募金をすればそれなりの額が集まったと思うのだが、そういう試みはなかったと思う。バスのクラファンの足しにするだけでなく、能登半島の被災者支援の募金などがあってもよかったと思うのだけど、そういうものもなかったと思う(違ったらゴメン)。


よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

1966

 正直に本音を言えば、「大恥をかかなくて良かった」という気持ちだ。あれだけ煽った国立決戦で、惨敗でもしたら、目も当てられないので。それでも、小恥はかいた。フットボールチームとして質が高かったのは、間違いなく横浜FCだったので。

 語彙が足りず、上手く言語化できないが、チームとして的確にオーガナイズされ、その結果として試合を通じて優位性を持っていたのは、横浜の方だろう。ゼロゼロの時間がしばらく続いたが、点が入るとすれば横浜の方で、清水の得点はなかなかイメージできなかった。

 清水が決定機を迎えるとしたら、個ではがすしかないという様相だった。ところが、乾が果敢にそれをしかけても、横浜はファウル覚悟で止めに来た。ファウルが続いた時点で、西村主審が早めにイエローでも出せば話は違ったが、横浜にはギリイエローにならないファウルで止めるリアリズムがあった。J2でほぼ失点をしないチームというのは、ああいうものなのだろう。

 例によって、秋葉監督は言葉の上では「超攻撃的に行け」と命じたはずだが、首脳陣にも選手にも内心、「うちらの方が勝ち点1上回っているので、仮にこの試合が引き分けに終わっても、決して破局的ではない」という認識があったのではないか。かく言う所長も、試合前には「スコアレスドローなら上々」と考えていた。勝利を信じて声を出し続けた皆さんには申し訳ないが。

 しかし、結局清水は、警戒していたクロスから、56分に失点してしまう。こうなった以上は、攻めるしかない。しかし、チーム戦術的には、反撃の糸口がない。そこで出たのが、原のスクランブル発進である。

 いみじくも、先日のインタビューで、果敢なドリブル突破のことを訊かれ、原は「あれはチームが上手く行っておらず、パスコースがないので、ドリブルをしかけるしかなく、最後の手段」というような趣旨のことを言っていた。つまり、結局は今回の横浜戦でも、チームの組織的な完成度ではなく、個のひらめきで状況を打開するしかない秋葉清水という、重い現実を突き付けられた気がする。

 我々が待ち望んだJ1復帰は、もう秒読みである。上手く行けば、J2優勝もあるかもしれない。しかし、横浜FCよりはるかに手強い敵が待ち受けているJ1で、秋葉清水は戦えるのか。個人的には、疑問を払拭できないでいる。


よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

1945

 まさか秋葉監督が試合後のインタビューで泣くとは思わなかった。西澤推しのYouTuberが泣くのは分かるが、優勝や降格が決まった試合後ならともかく、選手個人のことで指揮官が涙するのは珍しいだろう。

 はっきり言って、藤枝に先制点を奪われた時には、かなり絶望的な気持ちになった。ああいう、共通の戦術理解、高い再現性、3人目の動きとか、まさに秋葉清水に欠けている部分であり、チーム戦術の完成度の差を見せ付けられた。清水のサッカーは個人の思い付きの積み重ねという様相が濃く、特にアウェーでリードされたりすると、ますますバラバラな個人プレーに走り、崩壊していくのが常だからだ。

 藤枝の2点目が取り消されたのが大きかった。むろん、明確なオフサイドだったが、VARのないJ2では見過ごされることが多いシチュエーションでもあった(現に清水も去年のホーム・ヴェルディ戦とか何度か助けられている)。清水の選手が主審に詰め寄って、それで主審の気が変わったのか、そいうことは分からないが、とにかくあれには助かった。

 もう一つ思うのは、最近の清水は妙に後半に強くなったということだ。最近、交代選手が活躍するということが良く言われるが、むしろ後半に強いと言った方が正確だろう。清水の勝ちパターンと言えば、前半早々に先制点を奪い、そのまま優位に進めて勝ち切ることが多かった。それが、8月24日の鹿児島戦以降は、前半は五分五分で我慢し、後半に勝負を決めるという感じの試合が増えている。

 徳島の実況アナのフェイク情報は置くとして、つい最近までの清水は、先制点でほぼ決まるチームであったことは事実である。それが、2試合連続逆転勝利というのは、確かに一皮むけた印象はある。個人戦術とチーム戦術が7:3くらいの浪花節サッカーで横浜FCに勝てるのか、J1で通用するのかは知らないが、チームが上向きであることは確かだろう。


よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

GD

 「今季このまま、ホーム無敗でフィニッシュしたら、ひょっとして、J史上初の快挙か?!」などとちょっと思ったのだけど、軽く調べてみたら、そうでもなかった。

 というのも、J1ですでに、

  • 2006年浦和レッズ(15勝2分け)
  • 2021年川崎フロンターレ(16勝3分け)

 と、年間ホーム無敗の事例が存在するからである。J2、J3は時間がなくてちょっと調べられないが。

 というわけで、清水には今季のホーム無敗は是非とも達成してほしいが、J1でそれを達成したチームが2つもある以上、J2での達成はそれほどの偉業とは言えない。まあ、「ホームは鬼門」などと言われていた時よりはマシだが、仮に無敗を達成できたとしても、勘違いはしない方がいいだろう。


よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

85

 タンキに関しては、一頃は鳴かず飛ばずで、このままでは短期契約になるのではないかと思っていた。使わないんだったら、岩手にでもレンタルに出して、タクオの残留の手助けでもしてあげたらどうか、と。そうすれば、岩手の前線で孤軍奮闘しているオタボー・ケネスの御多忙振りも軽減されるだろうし。

 とか何とか思っていたら、山口戦の1ゴール・1アシストに続いて、この徳島戦でも2ゴールと大爆発! タンキは重要な戦力だった! ぶっちゃけ、この試合だけでも、高額年俸も惜しくないと思えるほどである。

 他方で、コンディションが不明ながら、この徳島戦ではアジズは存在感を示せず。これまでアジズは途中交代で出場し、だいたい清水がリードしてスペースがふんだんにある中でプレーしたから、そういうカウンターにおあつらえ向きの状況で生きたのではないか。清水は、押し込んでスペースのない状況が多く、今回の徳島戦で示されたように、狭くてもフィジカルで押し切れるタンキは、もしかしたらアジズよりも先発向きなのかもしれない。

 結果的に勝ったから良かったものの、大幅にメンバーを入れ替え、本来であれば先発メンバーが奮起して、リードまたは同点でレギュラー組に入れ替えたかった。この徳島戦の結果で、選手起用の選択肢が増えて秋葉監督が嬉しい悩みというよりは、「やはりいつものメンバーでないと」という結論になってしまった気がする。同じ選手が1試合に3度も致命的なパスミスをして、悲鳴を上げた経験は、個人的に初めてだった。

 この試合で実況を担当したのは、榎本真也という人物である。試合中何度も、「今季の清水は逆転勝利が一度もない」と断言していたが、清水サポなら皆知っているように、実際には開幕戦で熊本相手に逆転勝利を挙げている。試合後のインタビューで、秋葉監督がそのことを訂正したのに、榎本氏は10回くらいは繰り返したのではないかと思われる自らの発言を撤回しなかった。人間、誰しも間違えるが、間違いに気付いたときに、素直にそれを認め訂正できるかどうかで、品格が決まる。


よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

75

 いやぁ、やっぱり矢島は上手い。飛び出しも巧みだったけど、何より、清水の選手のシャレオツ・ループが決まるのなんて、見たの藤本淳吾以来という気がする。

 矢島、もうちょっと長い時間使った方がいいんじゃないかな。しつこく言うけど、コーナーキック担当者としての山原の適性が微妙なだけに、押し込んでセットプレーのチャンスが増えるはずの清水にとって、そのキッカーとしてだけでも、矢島は充分に期待できる気がする。増してや、3連戦の初戦、プレー時間管理のためにも、交代策はもっと前倒しで良かったと思うのだが。

 クリーンシートは達成できなかったけど、あの1失点はまあ仕方ないよね。この試合、ジェラのプレー振りはいつになく安定しており、満点に近かったと思う。失点の場面も、ジェラはちゃんとブロックに行ってたし、その跳ね返りがたまたま敵FWの打ち直しに繋がってしまったわけで、しょうがないだろう。

 後半の展開が劇的だったので、影が薄くなってしまったが、北川の待たせてSorry弾は本当に良かった。その前に、ゴール前の決定機を力ないシュートで外した時は、スタンドから失笑が起きていたが、もっと難しいやつを決めてみせた。まだ全体的にプレーに力みが見え、完全復活と言えるかどうかは分からないが、ノッていってほしいものである。

 山口には結構苦戦させられた。果敢な前プレスは印象的だった。40番の長身SBをしつこく山原と競らせるところもいやらしかった(他のチームも最近よくやるが)。同点に追い付かれた時には、どうなることかと思ったが、最終的に電光掲示板に刻まれた4:1というスコアを眺め、「あたりめえだろ、いくらカネかけてると思ってんだ」と内心つぶやきながら、家路についたのであった。


よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

48653_ext_04_0

 北川と南野。南北コンビ。そんな言葉ないか。でもこの2人、同世代のバケモノFW同士で、数年前までは、横一線だったと思うんだよね。

 それが、今や南野は世界に名の売れたアタッカーとなり、日本代表でも主力となっている。方や北川は、J2で戦う清水で、しばらく得点から見放されている。

 北川と南野で、テクニック自体にそんなに差があるわけではないだろう。北川だって、冴えている時のプレーは、南野と遜色ない。

 恐らく南野は、持ち前のふてぶてしさゆえに、自分の色やテクニックを安定的に発揮しやすいのだろう。それに対し、北川はキャリアに色んな紆余曲折があった分、自分が今置かれている状況で、ムラが出やすい。

 誰もが思っていることだろうが、最近の北川は、シュートに力みが目立ち、ミートしなかったり枠を超えたりということが続いている。先日の中国戦で南野がゴールにパスするような得点を立て続けに決めていたのとは、対照的だ。

 北川も代表戦を観ているだろうか? かつてのライバル、南野の活躍に焦りを募らせるのではなく、良い意味で力の抜けた南野のプレーを見習ってほしいものである。


よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

1939

 試合後の監督インタビュー、レポーターには是非、「引き分けOKだったんですね」と訊いてほしかった。サッカー文化が成熟した国なら、そういう一番肝心なことを訊くだろう。予定調和的なことばかりではなくて。

 秋葉監督本人は、「あくまでも勝ち点3を狙う中で」と表向きは言っているが、後半途中から、勝ち点1でもOKという判断に切り替えたと思う。というか、昇格の直接的なライバルである長崎に勝ち点3を間違っても与えないことを優先した。

 サポの間でも、「絶対優勝」という声と、「いや、自動昇格に万全を期すべき」という声が、分かれている気がする。普通であれば、両者の目標は別に矛盾はしないわけだが、昨日の長崎戦のように、引き分けてさえしまえば、2位と3位の差が詰まらず、長崎が清水を逆転するのが限りなく難しくなるという状況では、引き分けOKという選択もありうる。たとえ裏番組で横浜FCが勝ち、勝ち点差が4に広がっても。

 秋葉監督には、まだ直接対決もあれば、未消化試合もあるので、勝ち点差4はひっくり返せるという計算があったのだろうか…

 最近の長崎は後半に弱いらしく、実際この試合でも、後半になると長崎の攻撃の脅威はほぼ失われた。あそこでたたみかけて、逆転まで持って行くことは、充分に可能だったのではと、思いたくなる。

 他方で、この試合でも清水は、相手が引いてブロックを作っている時には得点はできなかった(いつも言うように、どんなチームでもそれは難しいが、清水はとりわけ下手である)。唯一の得点は、カウンターだった。シュートまでは行けていたので、鈍い解説者などは清水ペースのような的外れなことを論評していたが、前半の戦況につき、矢島が「相手ペースだった」といみじくも述べているように、一見押せ押せで攻めながら、変なボールの奪われ方をしてカウンターで即失点というのが、清水の典型的な負けパターンである。

 我々は試合終盤、もっとたたみかけてほしかったと思うわけだが、組織的な完成度の低い秋葉清水でそれをやると、最悪の失点を招きかねない。だから、適当にボールを回して、チャンスがあったら攻めるという感じの終盤になったのだろう。

 もう一つ思うのは、昨日のメンバーでは、交代カードを切っても、あまりギアが上がらないという現実である。アジズ不在が大きく、タンキには多くを期待できない。西原はリードした状況のカウンター要員として力を発揮するタイプだろう。北爪から吉田に交代して攻撃のギアが上がるはずもない。

 何度も言うように、山原のキックは、直接フリーキックには良いが、コーナーキック向きではない。この長崎戦でも、たくさんあったコーナーのチャンスを、ほぼドブに捨てた。最初から矢島がいればと、思わざるを得ない。


よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村

↑このページのトップヘ