エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

2019年05月

 鹿島戦の負け方はショッキングだったが、個人的にはヘナトの負傷交代にも大いに動揺した。ここ何試合か、中盤の守備がある程度安定したのは、彼の貢献によるものであることは、明らかだったからだ。ただ、ヘナトもチームが押し込まれるとバイタルで相手を見失ってしまう傾向があり、鹿島戦で土居に決められた1点目は、サイドで崩されたのが発端だったが、ヘナトが土居を最後までマークしていれば、生まれなかったのではないかと思う。まあ、そんな不満はありつつも、とにかくヘナトは今のうちにとって欠くことのできないキープレーヤーとなっており、鹿島戦で負った怪我がどれくらい長引くのか、非常に気がかりだった。

 昨日あたり、ハムストリングスの肉離れで1ヵ月くらいの離脱という発表があるのではないかと、ビクビクしていた。連休明けで、病院が開業して、精密検査をするタイミングではないかと思ったからだ。しかし、昨日はそのような発表は出なかった。ということは、軽傷だったということか? 週末の川崎戦は難しいにしても、その次ぐらいは出られるということなのだろうか?

 もう一つ、個人的に気になっていたのが、滝がU20W杯のメンバーに選ばれるかどうかということで、それは昨日選出が決まった。本来であれば喜んであげたいところなのだが、現状、リーグ戦のFWまたはサイドハーフのバックアッパーとして、滝は必要なピースになっており、彼が不在の時に代わりにベンチに置けそうな代役が思い浮かばない。滝のことは気持ちよく送り出してあげたいが、この若者1人がいなくなっただけで、ベンチ入りメンバーの人選に苦労しそうな選手層は、やはり心もとない。

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 まあ、我が軍にとっちゃあ、浦和戦がミッドウェー海戦、鹿島戦が沖縄戦、そして来たる川崎戦が本土決戦のようなもんだろうな。サポさんたちの中には、最後まで可能性を信じて戦うという人もいるだろうし、所長もそういう方々の献身には心から敬服する。しかし、そろそろ戦後のこと、復興のことを考え始めた方がいいだろう。焼け野原に呆然と立ち尽くしている余裕は、我々にはないのだ。明日のカップ戦? 知らん。

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 昨日、監督論の最後に、「個人的には戸田さん第一希望です。誤解を恐れず言えば、戸田さんとだったら、J2に落ちてもいいと思っている。むろん、1年でJ1に復帰し、すぐに上位争いするという前提で」と書いた。それについて、もう少し丁寧に持論を述べたい。

 昨日は、今季J1に残留するためにはどのような現実的な選択肢があるかという観点から論じた。それに対し、所長の戸田和幸推しは、ロマンの続きというか、清水が近い将来に強豪に化けることを目指した賭けである。

 周知のとおり、今日の日本のサッカー論壇で、マニアの間でカリスマ的とも言える人気を集めているのが、戸田和幸である。戸田氏がネットで日本代表戦の裏中継をやると、お金を払ってでも戸田氏の解説を聞きたいという人が多数集まる、そういう人だ。とりわけ、戦術、システム、スカウティングといった部分に、高い定評がある。試合の解説で高度過ぎる話をして、所長なども付いていけないことが多いが、とにかく現代サッカーの造詣、頭の回転の速さ、それを瞬時に言語化する能力は、ずば抜けている。

 たとえば、昨年のアウェー横浜戦のDAZN解説を戸田氏が務め、試合は清水がリードするも、なぜか1人少ない横浜の反撃にタジタジとなり、ヨンソン監督はなすすべもなくオロオロするだけだったが、戸田氏は清水の守り方の問題と改善点を冷静に解説していた。ああ、この人ならば清水の守備に秩序と強度をもたらしてくれるのではないかと、所長は改めて思ったわけである。プロの監督には、戦術以外にも、育成、モチベ―ターとしての能力も要求されるが、戸田氏が情熱家であることを我々は良く知っており、その部分にも期待できるのではないか。

 問題は、戸田氏がプロリーグの監督経験がないことであり、たぶん大学サッカーの指導経験しかないのだと思う。高度な知識・理論を持っているということと、プロのチーム作りをするということは、別だろうから。所長の希望がかなって、戸田氏が清水の監督になった場合、その部分で苦労するかもしれない。選手がどれだけ戸田理論・戦術を吸収できるかも未知数で、それには1シーズン以上の時間を要するかもしれない。戸田監督自身も、アンチフットボールで勝つよりも、しっかりと内容を伴った勝ち方にこだわるかもしれず、そうなれば今季の残留は厳しくなる。しかし、我々の苦い教訓として、2016年に「1年でJ1に戻る」という目標を立て、その目標を達成したのは見事だったが、その結果出来上がったのは、J1で勝てる仕様のチームではなく、2017年の大苦戦に繋がった。今度は、万が一J2に落ちるにしても、かつて柏やガンバが成し遂げたように、J1復帰後すぐに優勝争いできるような再建を目指すというのも、一つの考え方ではないだろうか。昨日、「戸田さんとだったら、J2に落ちてもいい」と述べたのは、そのような意味である。いくら高度な知識や理論があっても、監督としては新人になるわけだから、戸田監督と一緒にチームも成長していくというような、そんな選択肢があってもいいと思う。

 もはや、清水のブランドは地に落ちたが、もしも戸田氏が清水の監督になってくれたら、日本のサッカーマニアがこぞって注目してくれるチームになるだろう。このような人物がOBにいることは、我々にとって最後の切り札じゃないかと思うのだ。むろん、リスクはあるし、そもそも本人が受けてくれるかどうかも分からないけれど。

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 監督人事については遅きに失する傾向がある清水だが、さすがに事ここに至って、ヨンソン氏の後任を検討していないなどということはないだろう。ただ、確定していないうちにそんなことをほのめかしたら、監督本人や選手たちに動揺を与え、ますます求心力を失うだろうから、今のところ「ブレずにやる」と言っているだけで、水面下では懸命に人選や交渉を進めているのだろう。いや、頼むから、そうであってくれ。

 思うに、ヨンソン氏は、ちゃんとしたベースがあるチームでは、そこそこの結果を残すタイプなのかもしれない。以前も当S研で指摘したように、広島時代には普通のポゼションサッカーもちゃんとできていた。しかし、清水というのは、鹿島戦の3失点目で裏付けられたように、スローインすらできないチームである。こういうダメダメ、甘々チームを根本から立て直すということには、向いていない指揮官だったのかもしれない。ヨンソン監督の戦術にはディテールというものがなく、問題を見付けても日頃の練習でそれを改善することができず、最近はチームの崩壊をすべて個々のミスのせいにするような発言に終始していた。

 それにしても、問題は後任である。一番ショックが小さいのは、篠田さんの監督昇格、ないしは監督代行に据えて様子を見るといったところだろう。J1の監督経験もある人であり、今の清水のことも良く知っているので、安全パイではある。その場合には、今季のミッションはJ1残留一本となり、上位争いの夢は封印することになる。ただ、篠田監督のFC東京はパッとしなかったし、チームの崩壊に歯止めをかけられるかは未知数である。

 身近なOB候補で言うと、三浦のヤスさんや、森岡のリュウちゃんあたりか。どちらも守備系の人であり、根性重視なので、守備の文化が欠如している今の清水には合っているかもしれない。まあ、ただ、J2やJ3でも大して成功していないだろというツッコミは各方面から聞こえてきそうである。

 個人的には、トニーニョ・セレーゾなんて良さそうな気がする。悔しいが、Jリーグ発足後、鹿島は大成功し、清水は大失敗したのだ。恥も外聞もなく、鹿島のすべてを模倣したらいいのではないだろうか。浦和だって、それこそ恥も外聞もなく、広島を輸入したし、今現在は鹿島をコピー中である。清水の遺伝子を組み替えて、鹿島のDNAを導入する、それで強くなれるなら、万々歳ではないか。

 PS 言い忘れたけど、個人的には戸田さん第一希望です。誤解を恐れず言えば、戸田さんとだったら、J2に落ちてもいいと思っている。むろん、1年でJ1に復帰し、すぐに上位争いするという前提で。

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 白崎と犬飼は、「うちらは泥船から上手く逃げた勝ち組」と思ってるかな。まあ、サッカーでは「ゴールの匂いを嗅ぎわける」なんて表現もよく使うから、彼らが「清水にいたらヤバい」と感じて逃げ出したとしたら、それはそれで、サッカー選手としての嗅覚が優れていたということになり、彼らを褒めるべきなのかもしれない。

 ヨンソンさんのことを、人格的に批判したりしたくはない。仮にも我々の託した夢を引き受け戦ってくれた指揮官だし、昨年はちょっと良い夢も見せてくれた。でも、かくなる上は、監督の更迭を、正式に希望します。

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goals

 平成時代の清水の戦績をまとめたので、その延長上で、リーグ戦におけるゴール数の上位20人というのも作ってみた。基本的には、こちらのサイトに依拠しているが、同サイトはなぜか2016年途中で更新が止まっており、その後のデータは当方が別の出所から追加した。あくまでも、リーグ戦のみの数字であり、カップ戦は入っていない。また、上から2番目の人のように、チームを渡り歩いた人もいるが、ここに示されているのはあくまでも清水在籍時の数字である。J2時代を入れるかどうかは微妙なところだが、一応それを加えた上でJ1・J2の内訳も示した。オレンジ色が現在の在籍選手。

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