エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

 2017年のエスパルスは、現実的には、J1残留が最低限の目標だろう。むろん、躍進、優勝なんてことになったら言うことなしだが、足元を見て、一歩一歩前進していった方がいい。その観点から、後ろ向きのようで恐縮だが、J2降格を回避するためには、どうしたらいいかということを考察してみたい。

 所長の持論によれば、J1のクラブがJ2に降格するには、大別して、3つくらいのパターンがあるように思う。

 1.戦力不足型。地方のクラブなどで、予算が足りず、「誰がどう見ても降格は仕方のない結果だろう」と言わざるをえないケース。かつての山形さん、徳島さんあたりが典型例であり、2016年で言えば福岡さんや湘南さんがそうだった(湘南は元々タレントは揃っていたのだが、引き抜きに合って、戦力ダウンしたケース)。一方、このケースに当てはまりそうで、ここ何年もギリギリのところで踏み止まっているのが、甲府さんということになる。ちなみに、山形時代の小林伸二監督は、予算・戦力的にはこれに該当しそうなところ、その手腕でJ1残留を実現したとして、高く評価されていたわけである(ただ、そういう崖っぷち残留は、そう何年も続くものではない)。

 2.大崩壊型。2016年の名古屋さんが典型例であり、2015年の清水、かつてのガンバさんなどが当てはまる。予算・タレント的には一定水準を満たしているのに、監督の人選やそのタイミングなど、明らかにクラブのマネージメントのミスにより迷走し、陥落するケース。レジェンドのOB監督みたいのは特に危険であり、「ナントカ革命」みたいなのも危険をはらんでいる。崩壊の過程では数多くのゴシップも噴出し、部外者にとっては蜜の味。2017年シーズンに向け、現在絶賛「大崩壊」を予感させているのがマリノスさんであり、もし仮にそうなれば降格を経験していないオリ10はいよいよ鹿島1チームだけということになるが、果たして?

 3.モヤモヤ型。実は、これが一番厄介である。ある程度戦力も整っていて、試合内容もそれほど悪いようには思えないのに、肝心なところで失点したりしてなぜか勝てず、首をかしげているうちに落ちてしまうというパターン。私見によれば、磐田さんや、FC東京さんが落ちた時なんかが、これに該当する。誰が見ても明らかな「大崩壊」を起こしているわけではないので、建て直しは可能であるように思われ、現状維持を続けているうちに、いつしか取り返しがつかないことになってしまうという怖いケースだ。

 言い換えれば、この3パターンのいずれにも当てはまらなければ、残留は可能というのが、所長の持論である。2017年の清水の場合、1はないだろう。予算・戦力は、J1の中でも中の下くらいにはなるのではないか。2もありえない。小林監督という堅実な監督さんがいてくれるわけだから、変なカリスマ監督やナントカ革命で躓くということもあるはずがない。3のモヤモヤ型は、まったくないとは言い切れない。テセとゲンキが1年活躍してくれれば、点はある程度とれると思うので、やはりどれだけ失点を少なくできるかが鍵だろう(←すげぇ平凡な結論)。

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 こちらに、ノンフィクションライターの田崎健太さんが書いた、安永聡太郎氏についての物語「少年のようにサッカーを愛する男は、なぜ監督とぶつかって干されたか」が出ている。まだ第1回だが、これからエスパルスの話とか出てくるのか楽しみ。忘れないように、メモ。

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 熊本0:清水2 得点者:大前元紀2

 どうも、所長のミスで第5節アウェー山形戦の録画を録り逃したらしく、第4節から第6節に飛ぶ。

 今、この熊本でのアウェー戦を観返すと、「迫りくる2つの悲劇」のことを思い、心穏やかではいられない。

 その一つは、言うまでもなく、熊本の震災である。2016シーズンのJ2は、熊本の震災なしには語れないだろう。この熊本と清水の試合があったのが4月3日。今季開幕当初、熊本は絶好調で、清水と対戦した第6節の時点では、何と負けなしで首位に立っていた。観客席もかなり多くの観衆で賑わっており、熱気があった。ところが、清水に今季初黒星を喫する。そして、その11日後に大地震に見舞われ、サッカーどころではない状況となるわけである。この4月3日の試合の様子を見ると、東日本大震災の被災地を激励するような横断幕も見られ、熊本の皆さんは、まさか自分たちが大地震の被害に遭うとは、思ってもみなかっただろう。その後、ロアッソは厳しい変則的な日程を余儀なくされ、終わってみれば第16位。震災さえなければ、上位に進出した可能性もあり、そうなれば昇格争いもまた違ったものになっただろう。終盤はJ2残留争いに巻き込まれたが、多くの人が指摘するように、見事残留を果たしたことは、状況を考えればJ1昇格にも匹敵する健闘であろう。

 そして、もう一つの悲劇が、この試合の78分に我らが守護神・西部洋平が途中交代したこと。結局、2016シーズンにその後彼がピッチに復帰することはなかった。今年は清水の多くの選手が負傷離脱し、しかも好調で「この人がいなくなったら、どうなってしまうのだろう?」と思える選手に限って怪我をしてしまう傾向があったが、中でも間違いなく一番痛かったのが西部の離脱だった。このロアッソ戦、苦戦こそしたものの、実は枠内シュートは1本も打たれておらず、GKがそれほど激しい動きを迫られた場面はなかった。接触プレーなども、皆無である。なのに、ゲンキの2得点で清水が2:0とリードし、「これで行ける」と思った瞬間、なぜか西部が倒れ込み、緊急にGK交代となったことは、まったく訳の分からない事態だった。何が起きたのか、今もって謎としか言いようがない。

 この試合を観て、その他の気付きの点としては、まずデュークが悪くない。確かに粗削りな部分はあるにせよ、彼の運動量や躍動感、意外に気の利いたワンタッチプレーなど、捨てがたい魅力を感じる。シーズンオフに突入し、サポたちの話題は「誰が要る、誰が要らない」というトピックに移行しているが、所長としてはデュークにはもうちょっと期待したい気がする。あと、福村も、この時期の感想としては、そんなに悪くなかったんだよな。リードしてから、パスワークで時間を使うようなシチュエーションでは、彼のセンスが生きていた。クロスの安定感も、松原よりはずっと上だし。その後、ポジションを奪われるのは、時折見せる守備の軽さが原因であり、努力次第では改善は可能であるようにも思われるのだが。。。

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 2016年のエスパルスは、観客動員でもJ2のナンバーワンを目指していたわけだが、結果的には惨敗だった。ホームゲームの平均入場者数は、上掲の表のとおりである(特に珍しいデータではないと思うが、数字はこちらからとった)。清水はかろうじて1万人越えで4位という成績であり、クラブの歴史、実際にも競技の順位は2位であったことを考えれば、とてもではないが満足できる動員数ではあるまい。

 優勝した札幌が、観客動員でも首位であったことは、合点が行く。ハコがあのように素晴らしいスタジアムであることを考えれば(サッカー場という情緒は乏しいとはいえ)、先方にはアドバンテージもある。しかし、ここで所長が注目したいのは、今季札幌の都倉がずっと、「2万人キャンペーン」みたいなものを張っていたことである。つまり、「札幌ドームを2万人のサポーターで埋めよう!」というアピールを続け、観客動員自体にイベント性を持たせていたのである。実際、そういう取り組みを続けていれば、2万人を越えた試合では、選手にも観客にも達成感と一体感が生まれ、それでますますチームが上向くわけである。

 翻って、我が清水はどうだったか? 選手がヒーローインタビューで漠然と「多くの方に足を運んでいただき」云々と言及することはあるが、その域を出るものではない。「こんな観客動員じゃ物足りません」、「1万5,000人を達成しよう」、「アイスタが満員になったら、オレ、勝ちロコの時にダンスパフォーマンスしちゃいます!」なんて煽ってくれる選手はいないものだろうか? 今季のテセの活躍については文句のつけようがないが、試合後に自分のラインスタンプの宣伝をする一方で、「アイスタを満員に」というアピールをしてくれなかったことだけは、残念であった(所長が知らないだけで、どこかで発言はしてくれているのかもしれないが)。

 まあ、札幌の都倉のパフォーマンスが、自主的にやっているのか、それとも野々村社長に振り付けされたのかは知らないが、とにかくクラブは情報発信力の強い選手を使って、明るく楽しく集客努力をすることが大事だと思うのである。人間というのは、楽しそうなイベントにつられて集まってくるものなのだから。

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 清水0:札幌2

 この試合も、前半はそれなりに可能性を感じるチャンスがあった。しかし、全体としては、まだメンバー構成も、攻め方も、手探りの状態。平均身長は札幌の方が5センチくらい高かったらしく、小兵の目立つ当時の清水イレブンは全体に当たり負けしていた。不運なセットプレー2発で2失点すると、それを跳ね返す力はなかった。この試合は清水のコーナーが10本近くあったのだけれど、ゲンキのキックの精度がイマイチであり、中央の高さもないという中で、得点の匂いはしなかった。

 第4節にして、初失点と、初敗戦。そして、まだ続く、ホーム勝ち無しとノーゴール。この第4節のあたりから、敵のセットプレーに対する守備の苦手意識みたいなものが、頭をもたげてきた気がする。むろん、不運なセットプレー2つではあったが、ビョンのオウンゴールは、ニアサイドの味方(三浦?)がかぶってしまったのが原因だろう(その後、清水のコーナー守備が安定するようになったのは、テセがストーンに入るようになってからかな)。2失点目のフリーキック崩れは、札幌の選手が2~3人ゴール前に詰めていたのに対し、清水の選手の足は動いておらず、この時期にはまだこういう甘さが目立った。

 話があちこち飛んで申し訳ないけれど、この札幌戦で敵のスローインから隙を突かれて一気にシュートまで持ち込まれる場面があり、スカパー解説の安永氏が、攻守にわたるスローインの重要性について力説していた。まったく我が意を得たりという思いであり、とにかく清水というクラブは伝統的にスローインが下手であり、2016年も根本的な改善はなかった。最終節の徳島戦では、あろうことか、マイボールのスローインを簡単に敵に奪われてシュートまで持ち込まれる場面すらあったのである。どうも、清水の選手たちはスローインのことを「休憩ポイント」だと思っている節があり、実はそれが勝敗を分けたりするといいう自覚が、まるでないのだ。ホント、まずここから直さないと、J1定着なんて夢のまた夢だろう。

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 金子の勝ち越し弾でJ1復帰が決まり、皆さん、あの試合の細かいことはすべて吹き飛んでいるかもしれないけど、ちょっと時計の針を巻き戻して、J2最終節徳島戦、70分過ぎくらいのことを思い出してほしい。あの時間帯、小林監督は金子に次いで、村田を投入しようとしており、すでに村田はサイドラインでスタンバっていた。あと1つプレーが切れたら、村田は入るはずだった(たぶん枝村に代える予定だったのだろう。上の写真に見るように、今季の定番交代だった)。ところが73分、その状況でのラストワンプレーで金子がゴールを決めたため、小林監督は急遽村田投入を取り止め、交代カードは85分の本田、88分の鎌田と、逃げ切りを図る状況で守備的な選手を入れることができたわけである。

 所長は今でも考えるのである。金子のシュートが決まらなかったら、あの試合は一体どうなっていたのだろうか? むろん、村田が入ることにより、清水のカウンターのキレが増し、得点できる可能性も高かっただろう。もしかしたら2点くらいとれたかもしれない。しかし、枝村から村田への交代は、守備を犠牲にするわけだから、清水が失点するリスクもまた高まる。おそらく、アディショナルタイム含め最後の20分は、ずっとカウンターの応酬のようなオープンな試合展開になり、観ている側はとても生きた心地はしなかっただろう。ジェットコースターのようなその20分だけで、静岡県の平均寿命がちょっと下がったかもしれない。

 2016年シーズン、村田は9月くらいまではコンスタントに活躍していた。所長は、後半村田が敵陣をかき回して、面白いように追加点を重ねていくゲーム展開を、「虐殺コース」と呼んで楽しみにしていた。しかし、村田は10月2日の古巣セレッソ戦で、クロスへの対応で競り負け敵に先制点を与える原因となってしまってから、輝きを失った印象がある。その後の目立った仕事と言えば、10月16日のアウェー金沢戦で、カウンターからテセのゴールをアシストしたくらいか。リーグ最終盤のしびれるような数試合で、彼の活躍はなかった。何しろ村田のプレースタイルははっきりしているから、J2のリーグ戦も終盤になると他チームにその情報や対策法が行き渡り、封じ込められてしまったのかもしれない。

 しかし、あれほど相手との接触プレーを嫌がるサッカー選手も、珍しいよなあ。一芸はすごいんだけどなあ。ドリブルで切れ込んで鋭いクロスを上げるという一点だけとったら、それこそ代表クラスなんだけどなあ。

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 スカパーで2016年のJリーグの全試合をアンコール放送しているので、それを第1節から全部観直して、このブログのネタにしようと思ったのである。しかし、残念、所長がアンコール放送に気付いた時には、もう第2節までの放送が終わっていた。だから、第3節のホーム松本戦から始めさせていただく。

 周知のように、このホーム松本戦、2015年の5月からホームでの勝利がなく、開幕からホームでの得点もないという状況での試合だった。この時期は完全に、アウェーに強くホームでなぜか空回りするオレンジ軍団であった。この頃はまだ、敵が「J1の名門」という残像を引きずり勝手にリスペクトしてくれるような感じで、それゆえに引いた相手に手こずっていた。

 今振り返ると、この松本戦、そんなに悪かったというわけではない。ゲンキの落としからの鎌田のシュート、福村のクロスからのゲンキのヘディングシュート、終了間際のゲンキのスルーパスからの村田のシュートなど、入ってもおかしくなかった。

 おそらく、この試合のポイントの一つは、まだ松本にFWの高崎が加わっていなかったということだろう。反町さんのサッカーは、強いワントップがいないと、少々辛いところがあり、この時期の松本ではまだそのピースが足りていなかったのだ。9月の松本でのアウェーゲームの前に、確か反町監督は、「前回は何もやらせてもらえなかった」とコメントしていたが、3月と9月の松本の最大の違いは、まさに高崎の有無にあったと言えよう。対する清水も、まだMr.「分かっちゃいるけど止められない」鄭大世の欠場が続いており、松本のゴールをこじ開けられなかった。

 かくして、愛媛相手の開幕戦に続き、ホームでは2戦連続のスコアレスドロー。嗚呼、いつになったらゴールネットが揺れるの? そしていつになったら勝ちロコが踊れるのと、もどかしい春先であった。

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 しかし、世の中には色々便利なウェブサイトがあるもので、こちらのサイトでは、2016年のエスパルス各選手のJ2リーグ戦における出場時間がグラフで示されるようになっている。上の画像はそのイメージ図だが、ぜひリンク先の原典でチェックしてみてほしい。青がフル出場した時間、黄緑が先発して途中交代した試合の出場時間、オレンジ色が途中出場、茶色っぽいのが途中入退場(たぶん2016年の清水で該当する選手はなかったと思うが)、グレーがベンチ入りしたが出場しなかった試合の長さということになる。元のサイトでは、カーソルを当てると、具体的な数字も示される(西部のフル出場は450分とか)。

 皆さんご存知のとおり、2016年の清水では、主力選手はほとんど全員が何らかの形で戦線離脱した時期があり、全試合フル出場といった選手は出なかった。その影響もあり、大部分の選手がベンチ入りし、出場機会を得ることになった。その中で、トータルの出場時間が最も長かった選手は、河井ということのようである。一方、先発フル出場時間が最も長かったのは、白崎だった。2016年のチームMVPは鄭大世以外にありえないと思うが、所長的には河井と白崎に「陰のMVP」の称号を授けたい思いである。

 ゴールキーパーは、1人がずっと先発フル出場というチームが多い中で、この面で2016年の清水は特異だった(第5GKまでスタンバイとか、普通はありえない)。

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 ご存知の方も多いと思うが、こちらのネット番組で、鄭大世が1時間あまりにわたって2016年の清水、Jリーグ、サッカーについて語っているので、よかったらご覧いただきたい。色んな人が入れ替わり立ち代り登場するマラソン番組のようで、テセの出番は16時間48分くらいからとなっている。しかし、本当にすごい人だ。発言のすべてが、金言である。

 大前元紀は「清水の王様」と呼ばれて久しく、本人もそう自負しているだろうし、チームメートたちも認めている様子である。しかし、今季の清水における鄭大世の存在感は、別次元だった。ゲンキが「王様」だとしたら、テセは「帝王」ではないかと、そんな感じがする。

 ホーム最終戦となった岡山戦でも、テセが敵のオウンゴール誘発して、追加点もとって、相手のセットプレーは全部跳ね返して、最後はゴールライン上でATフィールド展開して、試合後のエンターテイメントまで引き受けてと、なんだ結局全部テセじゃんというような試合だった。もちろん、本人が謙虚に語っているように、ゴールは周りのお膳立てあってこそという面もあるが、かといって味方が作ったチャンスをことごとくものにする決定力は、異次元だ。

 確かに、2015年の惨状に比べれば、2016年の清水は個々もチームも見違えるように復活した。しかし、所長のイメージでは、ほとんどの選手はまだまだJ1.5くらいのレベルではないかと思う。そうした中で、テセ1人だけが特J1クラスのプレーヤーであると、そんな印象を受けている。

 岡山戦を観ていて、所長はこう思った。ああ、たぶんテセにセンターバックをやらせても、この中で一番強いんだろうなあ、と。つまり、「逆・闘莉王」のようなものであり、闘莉王は普段センターバックであるのに、いざという時には前線に上がっていって、並のフォワード以上に点を決めてしまう。テセは、普段はセンターフォワードだが、ピンチの時にはゴール前に戻って、ディフェンダー以上に強固な守備力を発揮してしまうわけである。

 しかし、ここまで1人のプレーヤーが偉大だと、チト困ることにもなる。今季テセは、試合中に、「自分か大前のどちらかを交代させて、守備ができる選手を入れてくれ」と、監督に要求したことがあったと聞く(うろ覚えだが)。また、上掲の動画でも、来季に向けた編成に関する持論をほのめかしたりもしている。まあ、監督やフロントがテセの言うことをいちいち聞き入れるということもないと思うが、とにかくテセの影響力がチームの中で絶対的なものになりつつある。もちろん所長もテセの強力なリーダーシップで清水が躍進してくれることを期待しているが、テセにダメ出しされて面白くないと思う選手も現実的には出てくるだろう。

 基本的にはテセは清水のことを「終の棲家」と考えてくれていると認識している。しかし、未確認だが、テセは「プレミアから10億円のオファーがあったら行く」というようなことを最近どこかで発言したと聞いた。プレミアから10億は分からないが、中国やUAEから3億くらいのオファーならいつ来ても不思議でない。その時にあたふたしないような、強靭な清水であって欲しい。

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 鹿島も、当然のことながら世代交代という課題はあって、2010年オフに小笠原の後釜という意味合いで清水からホンタクを強引に獲得したと思うのだけれど、タクが清水に出戻って試合には出たり出なかったりであるのに対し、いまだに鹿島のピッチ中央に君臨しているのが小笠原だというのは、皮肉なものだ。曽ヶ端にしても、結局櫛引に1秒も出場機会を譲らなかったわけだし。年齢に関係なく、強い者が生き残っていくチームが、チームとしても力を発揮するのだろう。

 しかし、小笠原って、チャンピオンシップ準決勝で川崎を下した時に「まだ何も達成していない。喜ぶな」とか言っていたのは理解できるけれど、浦和を破って優勝してもそれほど喜ばずに、「勝率1位で完全優勝したかった」、「来季以降に繋げていかなければ」とか、さらなる欲をむき出しにしていたのが印象的だった。どこまで貪欲なんだろうね。もはやタイトル中毒の域。

 さて、2016年シーズンの清水の振り返りの続き。今季、奔放に得点をとりまくった割には、ハットトリックは生まれなかった。まあね、テセも、ゲンキも、1試合で2点とって、あと1点でハットトリックというシチュエーションは結構あったのだけれど、エゴを捨ててフリーの味方にパスを出したりして、おすそ分けに徹していた。

 一番ハットトリックに近付いたのは、確かホーム金沢戦でゲンキが裏に抜け出してGKと一対一になった場面だったと思うけど、シュートは決められず、こぼれ球をテセが押し込んで決めた。

 ちなみに、リーグ戦で清水からハットトリックが出たのは、2013年10月19日のホーム鳥栖戦での伊藤翔が最後。2014、2015、2016年とハットトリックは生まれていない。過去の清水のリーグ戦におけるハットトリック達成者は以下のとおり(こちらのサイトで調べた)。

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