エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

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 吉田監督って、「冷蔵庫にある、ありあわせの材料で、そこそこウマい飯を作る」というのが、ものすごく下手なタイプなのではないだろうか。確かに、「自ら商店に出かけ、お金をかけ、必要な良い食材を揃えた上で、料理する」というやり方なら、素晴らしいシェフなのかもしれない。しかし、北川・カピシャーバ不在時の、チームの機能不全を見るにつけ、「やりくり下手だなぁ、この人は」という印象を禁じ得ないのだ。

 言い方を変えようか。吉田監督の指導者としての優れた資質として、「選手にフラットな競争をさせる。基準に達していない選手は使わない」ということが言われる。それでは、「基準に達している選手」で、怪我無く稼働中のプレーヤーが5人くらいしかいない場合には、どうするのか? 試合放棄するのか? むろん、そんなことはあるまい。そこは妥協して、「今は、基準に達していない選手も使わざるを得ない」と判断し、試合に臨んでいるのだろう。恐らく、今の清水のチーム状態は、そんなところなのではないか。

 そんなわけで、今回の岡山戦、本当に「無」と呼びたくなるような試合だった。ワクワクするような場面は皆無で、湧いてくる感情は「恥ずかしさ」だけ。

 いや、そもそも、「3連勝中の清水」という表現が良くなかった。誰が見ても、最近の清水はずっと低空飛行を続けていた。4試合連続で先制点を許していた。運良く追い付けた試合も、チームとしての攻撃の形は無く、力任せに押し込んだり、個人が頑張ったりしただけ。本当の勝利と言えるのは、京都戦だけで、それも相手の退場に助けられただけだった。

 第17節にして、この内容というのは、しんどい。何の積み上げも感じられない。夏に相当大胆な補強をしないと、来季に待ち受けているのは、破滅であろう。


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 個人的には昨日までをゴールデンウィークと捉えているのだが、その間のホームの4試合はすべて現地観戦した。できれば3つ勝ってほしい、最低でも勝ち点8くらいは、と思っていたのだが……。終わってみれば、PK勝ち2つに留まり、勝ち点は4か。

 この間にはアウェーも1試合あり、それには90分勝ちだった。しかし、敵が退場で一人少なくなった試合だった。PK勝ちも、普段であれば引き分けで勝ち点1であるとするならば、GW5連戦で勝てたのは相手が数的不利の試合だけだったということになる。はっきり言って、吉田清水は機能していない。極めて危うい状況と捉えている。

 今の吉田清水は、「ベストメンバーが揃った時だけ、良い試合をする」という状態だろう。元々、豪華なスクワッドの神戸で結果を残した指揮官なので、「メンバーが見劣りする時に、それでも上手くやりくりして、それなりのサッカーをする」人なのかどうかは、分からない。今のところ、だいぶ怪しい。

 秋葉氏の自由放任サッカーを引き継ぎ、清水を率いることになった吉田監督は、チームとしての守備組織の約束事が徹底されていないことに驚き、まずはその部分に手を打ったようである。まあ、確かに、秋葉時代に比べれば、守備組織は改善したのかなと感じる。問題はその先であろう。吉田監督の口ぶりからは、どうも、良い守備をすれば自ずと良い攻撃も付いてくるというような哲学を感じるのだが、そんなに簡単なものだろうか? チーム全体で攻める形を構築・共有できていないからこそ、主力に怪我が出てメンバーが落ちたとたんに、シュートもろくに打てなくなるのではないか。

 そんなわけで、今回の福岡戦、セフンは疲労を考慮しベンチスタート、左ウイングのカピは恐らく前日練習で怪我、右ウイングの北川は結局GW連戦間に合わず(連休前の決意に満ちたインタビューはなんだったのか)ということで、だいぶ苦しい先発メンバー編成となった。そして、案の定、前半はまったく機能しなかった。

 それにしても、ブエノは普段から舐めプ気味のプレーをすることがあるが、この福岡戦は特に酷かった。彼が危ない位置でも飄々とボールをキープして、トリッキーなプレーで相手をかわしたりすると、無知なスタンドが沸くことがあるが、個人的にはブエノのああしたプレーが大嫌いである。相手に詰められたら必要以上に持たず、すぐにボールを離すべきなのに、無理に持ち続けるということは、本人が自信過剰で、チームもそれに任せサポートする形ができていない証拠である。いつか大怪我をするだろうと思っていたが、案の定、彼のキープミスから、痛恨の失点を喫した。この試合のブエノは、イライラして相手を突き飛ばしたりするし、PKも外すしで、まるで良いところがなかった。それなりに上手い選手なのに、欧州等ではなく、極東の田舎チームでプレーしているということは、何らかの問題を抱えているはずであり、その問題が可視化された試合になった。サポ連中も、「ブエノの鬼キープは、チームの機能不全のバロメーター」と知るべきだろう。

 というわけで、タカさんチームが躍進できるかどうかは、スクワッド次第ということが、だんだんはっきりしてきた。夏の移籍市場で、セフン互換のバックアッパーFW、強力ウインガーあと1枚くらい、ブエノ・宇野に次ぐくらいのボランチ要員を確保できれば、上位進出もあるかもしれない。しかし、今のままでは、降格候補であろう。もちろん、どんなチームでも、成績が人材次第というのは当たり前なのだが、恐らく吉田監督はそれに左右される度合いが強い人だと思うのである。


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 試行錯誤を経て、「やっぱり4-3-3」と原点回帰しつつある吉田清水だが、このセレッソ戦も4-3-3で臨んだ(ただし、何度も言うように、個人的には限りなく4-2-3-1か4-4-2に近いと思っている)。最近の吉田監督の発言からはっきりしてきたのは、4-3-3を続けたいのは山々だったが、ウイング要員に怪我人が多発し、その布陣が組めなかったということである。

 ウイング要員と言えば、具体的には、右・北川、左・カピシャーバが、吉田監督のファーストチョイスだろう。井上がそれに次ぐ。西原も、状態が良ければ、候補になる。それ以外のアタッカーのウイング起用は、他にいないからという消去法的な意味合いが強まる。具体的には、髙橋利樹、ステファンス、そして今回使われた中原などということになる。

 結論から言えば、今回のセレッソ戦、中原が左ウイングとして機能したとは言いがたく、むしろブレーキになっていた。決定機は外すし、見せ場のフリーキックは置きに行ってしまうし、オフサイドにかかるし、判断は遅いし、ミスも目に付いた。もともと吉田清水のウイングに求められるような強度や突破力を備えたプレーヤーではなく、もっと中央でバランスをとったりするタイプだろう。チーム戦術にフィットしておらず、それがパフォーマンスの低さに繋がっているように見えた。今後の身の振り方はどうなるだろうか。

 今回、スタンドで観戦していて、危ない場面が多く、「やられてばっかり」と嘆いている女性客が近くにいたが、スタッツを見れば、セレッソのシュートは前半4本、後半2本に過ぎなかった。清水は前半6本、後半8本。ただ、その数字以上に、内容的に敵に上回られたという印象は、確かにある。セレッソも清水も選手の配置は同じような感じだったが、ボールの保持や前進の部分で、セレッソの方が洗練されているので、どうしても隣の芝生が青く見える。

 セレッソは、低い位置で清水のプレスをはがすと、そこからスムーズにスピードアップし、清水ゴールに迫る。対する清水は、今回の試合では、必ずしもセフンめがけたロングボール一辺倒ではなく、珍しくGKからビルドアップする姿勢を見せていた。このあたり、チーム作りが、新しい段階に入ったということなのだろうか? しかし、それで攻め込めるかというと微妙で、結局はチームのメカニズムというよりは個人が無理をしてボールを運ばないと前に進めない感じだ。

 それでも、セレッソ側は日程的な条件がより厳しく、その疲れからか、結果的に清水が敵陣に入る場面はそこそこ多かった。問題はそこからだろう。この試合、最後に追い付けはしたものの、前節のスーパーミドル2発、今節のPKと、チームとして再現性のある攻撃の形というよりは、押し込んだ勢いでどうにかもぎ取ったという印象で、やはり攻撃のデザインはまだまだだと感じる。

 怪我や連戦でベストメンバーを組めないというのは、清水もセレッソも同じだったか。いつも、セレッソの外国籍アタッカーの個の力にねじ伏せられる印象があるが、今回のセレッソのメンバー表は漢字多目で、それで助かったという気はする。

 何にしても、PKとはいえ勝ちは勝ち、沖が活躍、ホーム連敗ストップと、それなりに有意義な試合にはなった。


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 前節と今節で、数的有利・不利はデカいなという当たり前のことを再認識した。余計なことを言わせていただけば、グスタボ・バヘットは2枚のイエローで退場になったわけだが、両方のプレーとも、一発レッドに相当だったのではないだろうか? 笠原寛貴氏のジャッジは以前に比べて安定してきたと思うが、その点は疑問として残った。

 気になったのは、ハイラインが信条の吉田清水が、2試合続けて、裏を取られ重大な結果を招いてしまったことである。前節のジェラの退場を招いた場面に続き、この試合でもマルコ・トゥーリオに抜け出され先制点を許してしまった。今さら戦法を変えることはないと思うが、どうにかしてほしいものである。

 しかし、逆転できたから良かったものの、数的有利で戦った後半の攻撃にも、逆転した後の戦い方にも、個人的に納得は行かなかった。

 まあ、確かに、ハーフタイムにも、ミドルシュートを狙っていこうといった指示が出ていたようなので、その意味では狙い通りの逆転劇だったのかもしれない。ただ、宇野、嶋本のゴールはそれぞれ素晴らしかったとはいえ、逆に言えば必ずしも再現性のあるゴールではない。数的有利で、アタッキングサードまでは確実に持ち込めるのだから、そこからは可能性が低い長いクロスを放り込むよりも、もっとコンビネーションを使ってポケットをえぐるような崩しが必要だろう。残念ながら、この試合でもそのような工夫は見られず、日頃のトレーニングでそのような形を植え付けているとも思えない。どうやってチームとしてゴールに迫るのかという部分が、相変わらず見えてこないと感じた。

 そして、嶋本のゴールが決まり、逆転した後の試合運びが、相変わらず稚拙だと感じた。逆転するまでは、ずっとボールを握っていたわけだから、一番確実に勝つ方法は、圧力を弱めず3点目を狙いに行くことだろう。11対10の戦いなのだから、充分できたはずである。それが、変に守りに入り、結果的に際どいシュートを許す場面もあった。

 試合終盤に獲得したコーナーキックでも、カウンターには警戒しつつ、普通に点を取りに行くのが一番良い。いくらセットプレーの期待度が絶望的な吉田清水とはいえ、偶然入ることもあるかもしれないし、相手も普通に攻められた方が嫌だろう。それが、中途半端にコーナー付近で時間を稼ごうとして、結果的に10秒くらいしか時間が稼げず、すぐに相手のターンに変わってしまう場面が続いた。あのあたりの拙さを見ていると、このチームまだまだだなと感じる。


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119

 よく、「清水はサッカー王国なので、観客も良くサッカーのことを知っている」と言われるが、あれは大ウソであろう。少なくとも、アイスタで観戦していて、周りの観客の反応を見ている限り、「こいつらサッカーのこと全く分かってないな」と感じることの方が多い。

 今回の長崎戦もそうだった。ジェラのプレーは、誰がどう見ても、絵に描いたようなDOGSOで、一発退場間違いなしである。実際に山下主審は即座にその判定を下した。しかし、周りの観客たちの反応は、「そんなに激しく当たってないじゃないか」と怒っている様子だった。いや、DOGSOの4条件というのを知らないのか、激しいか激しくないかなんて関係ないのだ、入れ替わられて決定機を阻止するため後ろから手をかけて倒したのだから、いかに「そっと」であろうと、あれは退場なのである。山下主審が優れた審判だとは思わないが、あの判定は100%正しい。

 この長崎戦、序盤は、全員の矢印が前に向いていて、良い入りだと感じていた。あの入れ替わってしまった場面は、その前への矢印が裏目に出てしまったような印象だ。もちろん、冷静に考えれば、GKと一対一になっても外す可能性も半分くらいはあるわけで、あそこでリスクのあるファウルを犯して8分という早い時間に数的不利に陥る愚は犯すべきではなかった。「やられてはいけない」というディフェンダーの本能で止めてしまったというところだろう。

 しかし、吉田監督の対応は興味深いもので、3バックから4バックに変更し、メンバーチェンジは行わなかった。その賜物か、21分には弓場の持ち上がりから、中央のセフンに渡り、最後は嶋本が先制点を決める。はっきり言って、長崎の攻撃に高度な設計や精度はなく、もしかしたらこのまま勝ち切れるのではないかという雰囲気もあった。

 その期待感を破ったのが、早くも33分に喫した同点ゴール。本当に、吉田体制になってからのセットプレーは、自分たちは一切チャンスを生み出せず、敵チームだけが得点の可能性があるという、究極のハンディキャップとなっている。今回のように、数的不利に陥った試合では、「セットプレーは人数関係ない」とよく言われるのだが(統計的に真実かどうかは知らない)、そのセットプレー(スローインだったが)で簡単に決められてしまったというのが、痛恨だった。

 退場後、4バックでしのいではいたが、危なっかしかったことは事実である。そこで、ハーフタイムに蓮川を入れてスタートの3バックに戻したこと自体は、理解できる。吉田流ではないが、数的不利に陥ってしまった以上は、低い位置で構えて戦おうという考えだろう。しかし、またしても誤算だったのは、その後半早々に失点してしまったことである。あの場面、ポジティブトランジションになりかけて、弓場が攻め上がろうとした背後を突かれてしまった。前半の得点シーンでは弓場の良いプレーで得点を引き寄せただけに、本人も「行ける」と踏んで前に出て、それが裏目になってしまったのだろう。

 これで万事休す。後半のシュートはゼロ。1試合を通してもシュート3本というお寒い試合に終わってしまった。J1の普通のチームなら、この清水からもっと追加点を奪ったところだろうが、長崎はリードしても後ろに人数を残し、ジェズスやキャンベルのような攻撃の武器は温存し、堅く勝ち切ることを選んだ。


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102

 5バックのブロックで相手の攻撃を吸収しつつ、ロースコアのゲームに持ち込み、カウンターで得点を狙うというようなゲームプランだったか。ある程度はできていたと思うが、5人も6人も前線に並び、ボランチも左右のセンターバックも攻撃に加わるようなミシャ式攻撃サッカーの圧力に耐えきることができなかった。

 先制点の場面、その直前にも原のクロスから中央でヘッドの決定機を作られていたわけだから、その再現ビデオのようなシーンだっただけに、もっと激しく寄せてほしかった。次々と攻撃に顔を出す名古屋相手に、スライドが間に合わなかったということなのかもしれないが、素人目には、嶋本が寄せなければいけない場面だったように見えた。

 それにしても、攻撃の形というものが、まるでない。たまに相手ゴール近くまで迫っても、そこからのアイディアや形がなく、増してやチームとしての共通理解もない。ファストブレークになりかけても、思い切って仕掛けるような姿勢は皆無であり、自分でスローダウンし、そうこうするうちに相手の人数が揃い、圧を受けてバックパス、といった繰り返しだった。

 選手層が薄いゆえではあるが、交代策もハマらない。この試合、前半ステファンスは一定の存在感があり、セフンと2人でツインタワーを形成している感があって、それなりにボールの受け皿にはなっていたのだが、そのステファンスはなぜかハーフタイムでの交代となった。ただ、交代で入った小塚は、お世辞にも競り合いに強いタイプではなく、この試合のようにサイドで起用して「一人で何とかしてくれ」という苦しい状況では、力を発揮しにくい。

 個人的にも、福島孝一郎氏のジャッジには、不満である。ただ、福島氏のジャッジが試合を壊したというよりは、清水自身のサッカーが機能不全であることと、福島氏のジャッジが拙いことの相乗効果で、清水イレブンもサポもストレスがMAXになったのではないかと感じる。清水のサッカーが上手く行っていないので、相手を無理に止めたり、苦しいキープを迫られて敵に潰されたりして、微妙な判定が増え、それがことごとく清水に不利に吹かれたという印象だ。もちろん福島氏はお粗末だったが、清水のサッカーが上手く行っていたら、ジャッジに苦しめられることもなかったはずだ。

 悲しかったのは、追加点を決められた時点で、アイスタの席を立ったサポが多かった点だ。ただ、観客のマナーを責める気にはならない。残り時間で清水が一矢報いてくれる期待感を抱くことすらできない、それくらい絶望的な試合だったということだ。


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 個人的には初めてアットエスのアプリで清水のTMを観戦した。これまで清水が時々やってくれたTM中継のように、俯瞰の画像だけの中継なのかと思ったら、画像は結構臨場感があり、実況・解説まで付いていて、ビックリ。遠隔地に居ながらにして、試合をそこそこリアルに楽しめたことには感謝したいが、実況・解説の質の低さは残念だった。実況の人は、明らかにサッカーが好きでも、詳しくもない。発する言葉がすべて的外れ。サッカーを知らなくても、アナウンス技術はあるかと思いきや、そもそも日本語が怪しい。そして、清水OBについて悪いことは言いたくないが、六反氏もサッカー解説者としての観戦眼・知見、言語化能力を有しているとは言い難いだろう。人間としては大好きな人だが、解説者の適性があるのかという疑問は拭えなかった。

 さて、試合の方は、アフメドフの2得点などがあり、アウェーの清水が4:1で勝利。敵地で宿命のライバル相手に完勝したことは痛快ではあったが、いかんせん先方が前日にリーグ戦を戦った後だ。清水もAチームというわけではなかったが、状況的に清水が有利だったことは間違いなく、あまり参考にはならないだろう。個人的に磐田のイレブンは名前の知らない人がほとんどだった。

 ずっとくすぶっていたアフメドフの2得点は朗報ではあるが、果たしてJ1の強度で再現できるか? そもそも、ジュビロの中央がスカスカだったがゆえに、アフメドフに縦パスが入ったと考えられる。J1だったら、それをワンタッチで素早くターンして決めないといけないわけだが、アフメドフは決めたとはいえ、だいぶボール処理に手間取っていた。ロングボールの収まりやプレスの強度などから考えても、セフンの交代要員に位置付けるのは、引き続き厳しいのではないか。

 ステファンスも、悪かったわけではないが、どうも「これぞ」という長所が見えてこない。すべてに中途半端という印象なのである。

 ところで、吉田監督というと、4-3-3が代名詞のように言われるが、今季実際に清水の陣形を見ると、左インサイドハーフがFWに近いような高い位置をとり、4-4-2や4-2-3-1のように見えることの方が多い。ところが、今日の試合は、吉田監督になって初めて(今日、指揮をとっていたのかは未確認)、実際に4-3-3の布陣に見えたのだが、どうなのだろうか。後半は弓場がアンカーから右インサイドハーフに位置を変えたのかな。結果的には1失点で済んだが、後半の清水の守備もハーフスペース侵入を許したり、インターセプトに失敗して簡単に入れ替わってしまったりで、だいぶユルかった。

 価値観は人それぞれだろうが、個人的には、静岡県の4チームが高いレベルで切磋琢磨することの方が、長い目で見て清水のためにもなると思う。もちろん、その中では常に清水が圧倒的なトップであってほしいが、かといって、磐田にこのまま凋落してほしいとは思わない。完全に明と暗が分かれた今日の試合であったが、清水としては勝って驕ったり、負けた相手を嘲笑したりするのではなく、少しでも気を緩めればうちだってずるずる落ちかねないことを肝に銘じ、自分たちのクラブ力向上にこそ注力していきたいものである。


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70

 終始、広島側にペースを握られたこの試合。ワンチャンスを活かして先制したので、そのまま勝ち切れれば最高だったが、そこまで甘くはないだろう。90分の対決は、引き分けに終わった。

 久し振りのPK敗戦となったが、開幕直後は準備不足で、負けるべくしてPK戦に敗れている印象があった。それに対し、今回の広島戦にしても、キッカーもGKもちゃんと集中できており、勝敗を分けたのは紙一重の時の運だったと思う。なので、勝ち点2と1で広島と明暗が分かれてしまったことは、致し方ない。全体としては、苦しいメンバーの中、完全に広島のペースだったのに、大崩れはせず、粘ってよく90分負けを免れ、勝ち点を確保した試合だったという評価になるだろう。

 清水の先制点は痛快なファストブレークだったが、広島の同点弾も見事だった。絵に描いたような、再現性のある崩しだった。あの場面、守備がまったく付いていけなかったのは反省すべきだし、逆に我々もああいう崩しができるよう、連携を磨いてほしい。

 今回は勝ち点1で甘んじるにしても、長い目で見ると、この程度の負傷離脱で、ほとんど攻撃ができなくなってしまうという選手層の薄さは、心許ない。吉田清水のチーム作りはポジティブな方向に進んでいるものの、J1での躍進を目指すのであれば、夏以降の戦力の見直し・補強が必須であろう。


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112

 いやはや、なかなか楽しい娯楽だった。「最低」という言葉が飛び交った水曜の試合から、中3日で、ここまで建て直せるとは思わなかった。「控えの力が劣る」という評価も、見事に覆して見せた。

 まあ、ここまで余裕をもって楽しめる試合になったのは、やはりセフンの鮮烈先制弾に尽きる。あれが「シュート」とカウントされるのかどうかは知らないが、とにかくあれで我が軍は完全に勢いに乗り、敵は出鼻をくじかれた。

 嶋本は、高校時代は「アタッカー」という印象だったのだが、清水に来てからはボランチとか汗かき役になっていた。今回は、トップ下というかシャドー的な位置で先発し、本来の得点能力が活かされたという感じである。

 そんなわけで、わずか4分で2点をリードする展開になったわけだけど、リードした後、攻め急がずに、相手に全くボールを触らせることなく、何分かパス回しをした場面が素晴らしかった。以前の試合では、有利な試合展開でも、同じように前線にロングボールを入れ続けて行ったり来たりの展開になってしまったことがあったが、今回のように状況によってはボールを保持できるようになれば、戦い方の幅が広がるし安定もする。今後は、1点差のよりしびれる展開や、試合終盤の中でも、同じような落ち着きを出せるかが、課題だろう。

 後半にダメ押しの追加点がとれれば百点満点の試合だったが、まあそこまで贅沢は言えまい。連戦で、必ずしもベスメンでない中で、ここまで楽しい試合を見せてくれたことに、感謝したい。


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110

 いやぁ、誰がどう見ても、今季最低の試合だった。監督自身がそう言っているのだから、間違いないだろう。前節の広島戦が「今季最高」だっただけに、そこからの落差が激しい。

 ウェストは混戦だし、「その気」になり始めた清水サポも多かっただろう。現に、この神戸戦に、大量得点差で勝てば、清水は暫定首位に浮上するはずだった。しかし、その夢は、つかの間に終わった。この変則リーグも折り返し地点に過ぎず、まだまだ上位進出の夢は諦めたくないが、厳しい現実を見せ付けられた思いだ。

 むろん、北川、ブエノの不在が、機能不全となった最大の原因だろう。しかも、具体的な情報はないが、カルロストシキ、ステファンスあたりも使えない状態だったようである。ハーフタイムでカピが引っ込んでしまったのも、コンディション不良だろう。開幕直後はディフェンスラインの怪我人が目立ったが、ここに来て(頭数だけは多いはずの)攻撃陣に故障者が続出している模様である。

 しかし、主力の負傷欠場という意味では(この試合中の負傷も含め)、神戸も苦しかったはずだ。残念ながら、主力を欠いてもある程度チーム力を維持できた神戸と、そのままチームの機能不全に直結した清水との差が出た。それは選手層の厚さの違いもあるだろうし、属人的でないチームとしての戦術共有の差でもあるだろう。吉田清水と言えば、セカンドボールが面白いように自分たちに転がり込んでくる設計になっているはずなのだが、今回の神戸戦では真逆であり、それだけ散々な出来だったということだ。

 この試合の先発も、ハーフタイムでの選手交代およびシステムチェンジも、「こういう狙い」という明確なものがあったわけではなく、「使える選手を当てはめたらこうなった」という消去法だったと見られる。本当に、悪い夢でも見たと思って、忘れた方がよさそうな試合だ。今はただ、怪我人がなるべく早く復帰し、この神戸戦のようなお粗末なサッカーがずるずると長引かないことを願うばかりである。


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