エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

カテゴリ:エスパルス > 戦評・分析

 清水の左サイドのビルドアップが詰まるのは、いつものことである。まあ、右サイドも詰まるのだが、右にはエウシーニョがいてキープ力があるから、まだしも誤魔化しが利く。清水は、ボランチなりがハーフポジションをとってパスコースの角度を作るということをほとんどやらないので、ビルドアップが一番外側のレーンの縦方向だけになって、相手に蓋をされると即座に行き詰るのだ。

 で、清水のその弱みを、見事に突かれた。サイドではめて奪ったボールを素早く繋いでショートカウンターという形は、仙台が想定と訓練を重ねていたのだろうか? それくらい、非常に見事に、フィニッシュまで持って行かれた。

 そして、2失点目のコーナーで、万事休す。まあ、セットプレーを生かすためのトレーニング、それを実行する集中力も、仙台が上だった。あの場面は、そもそも清水が攻めていたのに、カウンターで一気にゴール前まで持って行かれ、そこからのコーナーだった。1失点目、2失点目とも、自分たちの攻撃を上手く完結できず、奪われると一気に大ピンチになるという、このチームの問題が浮き彫りになった。

 成長、上積みというのが、一切感じられないのが辛い。

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 先日書いたとおり、清水が自力で力強く残留を勝ち取るなどということをイメージできなくなり、個人的な心境としては、限りなく他力本願に傾きつつある。その際に、最大の焦点は16位湘南の浮沈であり、第31節の各地のゲームの中から、セレッソVS湘南をDAZN観戦した。もうすぐセレッソとも対戦するので、そのスカウティングも兼ねてだ。

 結果的には、この試合はホームのセレッソが1:0と勝利し、湘南が勝ち点を積み上げられず、清水としては好都合な結果となった。しかし、連続大量失点していた湘南が、すっかり立ち直った雰囲気もあり、「このまま湘南が寝た子でいてくれるのか?」と不安も募るような試合だった。

 むしろ、前半などは、長身FW指宿のポストプレーが冴え渡り、また前線からのプレスもある程度はまっていて、湘南のペースだった。あれで、指宿がもっとフィニッシュに持って行く力があれば、日本代表クラスの大器だと思うのだが、湘南は良い形になりかけても、決定的な仕事をする人がいない。あと、指宿は良いプレーをしながら50分くらいで退いており、体力にも課題を抱えているのかもしれない。湘南は後半、攻撃にかかわる人数を増やし、いくつかの決定機を作ったが、セレッソのGKキムジンヒョンの神セーブが2~3本あり、ゴールを割れなかった。しかし、もう清水相手に6点とられた、あの時の姿はもうなかった。先発もだいぶ入れ替え、新監督の戦術も浸透し始め、チーム状態はようやく上向きになってきたのだろう。というわけで、清水の他力本願にとっては、ちょっと心配な、湘南の復調であった。

 セレッソに関して言えば、センターフォワードだけが偉大な清水の反対で、チームはちゃんとしているのだけれど、センターフォワードだけがいない感じ。シーズン序盤に都倉が長期離脱し、活躍が目立っていたブルーノメンデスも負傷離脱中で、鈴木孝司というJ1のスターターとしてはちょっと微妙な選手がセンターフォワードを務めているのだけれど、彼に渡ったところで常に攻撃が途切れてしまうような感じだ。というわけで、11月30日のアウェー・セレッソ戦の最大のポイントは、この時までにブルーノメンデスが復帰しているかどうかになりそうだ。

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 J2も佳境だけど、結局、柏、大宮といったところが順当に上がってくるのかな? 柏なんて、来年清水がJ1で対戦したら、とても勝てる気がせず、ホーム&アウェーで往復ビンタされるイメージしか沸かないので、コケることを願っていたのだけれど、さすがにもう自動昇格は固いだろう。2位以下は、まだ分からないけどねー。

 今のところ、1~3位は、関東の、サッカー専用スタジアムのクラブという共通点があり、これらのクラブが上がってきたら、個人的には、現地観戦しやすいという意味では、助かる。ただ、それを言うならジェフはどうなってんだ?という話になり、千葉は凋落に全然歯止めがかかっていない。

 まあ、以上述べたのは、清水が来季J1に残るという願望にもとづいたものだったけど、そろそろ、清水が16位になって入れ替え戦を戦うイメージも持っておいた方がいいかもしれない。対戦する可能性があるのは、現2位の大宮から、現9位の京都くらいまでだろう。うーん、どうかねえ、清水は勝てるかなあ。一番やりにくいのは、甲府だね。近年、苦戦している印象しかない。

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 今さら、ああだこうだ言ったところで始まらないが、返す返すも、磐田戦でドゥトラの出場がわずか5分で終わってしまったのは、残念だった。変な言い方になるが、もしもドゥトラの愚行で本人が退場になったのなら、まだしも諦めはつくものの、センターバックの退場 → 控えのセンターバックを入れざるをえない → 攻撃的な選手を削るしかない、という形で交代のお鉢が回ってくるとは、本人に気の毒としか言いようがない。

 ソッコが退場になった時点で、所長も「おい、誰を削る?」と頭の中でシミュレーションしたが、個人的にも「まあ、ドゥトラだろうな」とは思った。攻撃の付加価値の部分を担っており、削った場合にチームとしての組織が崩れる度合いの少なさという観点から、彼を選ばざるをえない。ただ、好調が伝えており、本人も意気込んでいたであろうということを考えると、やりきれない思いがする。

 今季の清水は、勝った試合も、どさくさ紛れのような勝ち方が多く、攻撃力で相手を圧倒したようなゲームはほとんどない。しかし、色んな意味で苦しんでいる磐田相手であれば、また違う戦い方ができたかもしれず、ドゥトラの先発起用は(怪我人続出による消去法的なスタメンという意味合いもあるが)、現清水にとっては新境地となるような攻撃的な戦いを狙ったものだったのかもしれない。現に、試合開始から5分までの短い時間でも、ドウグラスとドゥトラのコンビネーションで相手ゴールに迫った場面があった。あの戦いを、90分続けることが、できたならば。もちろん、勝てたという保証などないが、少なくとも我が軍の新しい挑戦を見ることができたはずなのである。

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 磐田戦におけるソッコの一発レッドについて、思うところを述べる。伏線は、ルヴァンカップ決勝の川崎VS札幌戦にあったと思う。あの試合、延長前半に、川崎の谷口が札幌のチャナの決定機を阻止して、VAR(ビデオアシスタントレフリー)で見直した結果、谷口への処分が一発レッドになった。あれがVARの恐ろしいところであり、サッカーではよく見れば決定機をファウルで阻止する場面などはそこそこあるものの、いちいちそれを全部退場にしていたらキリがないので、普通はイエローくらいでうやむやになってしまうものである。それが、VARでは、主審が改めてじっくりと映像を見るから、「決定機阻止で一発レッド」という判定に、どうしてもなりやすいのだ。

 それで、J1でのVAR導入は来季からということになったので、本来は来季から気を付ければ済む問題である。ところが、ルヴァンの決勝トーナメントでVARが導入され、しかも決勝戦の勝負所で決定機阻止の一発レッドという重大な判定が下されたものだから、その厳しさがすでにJ1リーグ戦でもデフォルトになりつつあると思うのである。つまり、主審たちは、「この場面を改めてスローで見たら、決定機阻止で一発レッドだろうな」といったイメージで笛を吹くようになったと思うのである。現に、第30節では、清水のソッコだけでなく、名古屋の吉田豊も決定機阻止で一発レッドを食らっている。つまり、選手たちは、「もうVARは実質的に始まっている」と意識しておかないと、またソッコと同じ過ちを繰り返しかねないということである。

 ちなみに、小耳に挟んだところによると、清水VS磐田戦では、VARの運用テストをしていたようであり、佐藤隆治主審は、今回映像を見返さないまでも、くだんの場面が映像室でじっくりと検証再生されているというイメージを抱き、そうしたこともあってより毅然とした笛を吹いたという可能性はあるかもしれない。

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 第30節は、清水にとっては悪夢のような結果になったけれど、うちの試合結果は別にして、他会場の結果は、悪くはなかったのではないか。清水VS磐田が「残留直接対決」と言っても、いくらなんでも今さら清水が磐田に抜かれることはないだろう。17位の松本は引き分け、そして現実的に一番心配しなければならない16位を回避するためにライバルとなる湘南、鳥栖が敗戦ということで、清水の状況が悪化することはなかった。むしろ、1節消化し、しかも湘南の得失点が悪化したという意味では、ちょっとだけ残留に向け前進したなんて見方もできるかもしれない。

 本当なら、リーグ終盤に、自力で残留を勝ち取るだけでなく、今季の1桁順位に向けたラストスパート、来季以降の躍進に向けた手応えを見せてほしかった。しかし、最下位の磐田相手に、あの体たらくではねえ。個人的には、もう心は他力本願に傾きつつある。

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 ウィキペディアによれば、「地獄へ道づれ」(じごくへみちづれ、原題:Another One Bites the Dust)は、イギリスのロック・バンドであるクイーンの楽曲。1980年にEMIよりシングルとしてリリースされ、その後アルバム『ザ・ゲーム』に収録された。シングルは、アメリカ、スペインなどでチャート1位となるなど、世界的に大ヒットした。特にアメリカにおいては、ビルボード誌が発表したBillboard Hot 100(1980年10月4日付)では1位を獲得し、シングルセールスが200万枚を超え、ブラックミュージックのチャートでも3週連続で2位を記録するなど、グループにおける最大のヒット曲となった。

 まあ、そんなことは、どうだっていいんだよ。すでに地獄行きがほぼほぼ確定している磐田に、道づれを強いられるとは。実は最下位よりも弱いという現実が、白日の下にさらされてしまった。

 誰がどう見ても、前半わずか5分でのソッコの一発レッドが、重くのしかかった。DFの処理として、あれは弾ませちゃいけないやつだろ。ルキアンへの対応は、スッポンディフェンスが持ち味の二見の方が適していたように思うのだが、どうなのだろうか。

 そんなわけで、せっかく好調が伝えられていたドゥトラを、試合開始早々に削ることになり、これまた不安で一杯の立田を投入。前半は敵の裏狙いに翻弄されまくった。

 しかし、さすがは最下位を行く磐田だけあって、数的優位を生かせない。清水は前半に1点こそ失ったものの、どうせ普段から引き籠ってドウグラス目掛けてロングボールというサッカーしかやってないので、皮肉にも、1人少なくなってもいつもとあまり変わらないという変な現象が見られた。

 後半からだったか、ボランチを3枚にして、西澤を1.5列目くらいに置いたことによって、清水の勢いが出た。相変わらず崩しやフィニッシュが拙かったが、何と今季3度目のロングスローからの得点を拾い、押しているのはむしろ清水という雰囲気すらあった。

 しかし、1人少ない中で、中盤を3枚でスライドし続ける疲労がたたったのであろう。後半の最後の方は足が止まり、そこをアダイウトンに突かれて致命的な勝ち越し点を奪われた。

 むしろ、一人少ない中で、互角に近い戦いを演じ、良く頑張った方だったかもしれない。しかし、誰もが戦前から「結果がすべて」と言っていた試合であり、その結果が1:2敗戦なのだから、文字通り、その結果がすべてである。

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 清水サポの皆さん、お待たせしました。お待たせしすぎたかもしれません。そんなわけで、どう考えても、1年で一番重要な試合がやってきた。開幕前に今年のスケジュールを見た時に、「この10月のダービーが何か重大な試合になるのではないか」などという予感がしたが、実際、清水と磐田、両クラブの運命を分ける試合となった。

 前にも書いたけど、今季5回も戦うことになったダービーの中でも、今日のこの試合こそが、最も重要な試合である。ここで負けたりしたら、これまで4回勝ったことがすべて吹き飛ぶほど、この試合は重い。

 両軍のチーム状態、戦術予想など、色々あるけれど、事ここに及んでは、もう細かい話は関係ない。どんな形でもいいから、勝利を掴んで、清水がJ1を戦うのにふさわしいチームだということを証明してほしい。それだけである。

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 また変わり映えのない表だけど、ヨンソン・篠田別勝敗表。

 篠田監督は就任以来、ずっと勝ち星先行で来ていたけれど、浦和、広島と2連敗し、貯金が1つしかなくなってしまった。

 前にも書いたとおり、篠田監督がヨンソン負債を完済してくれれば嬉しかったけど、個人的には、篠田監督自身が五分の星を残してくれたら充分であり、それでおそらく残留もできるだろうと思っていた。今も、その状況は同じである。残り5試合で、五分の星、つまり2勝・1分・2敗でも、1勝3分1敗でも、もっと言えば5引き分けでも、残留は可能であると考える。

 まあ、そんなような話はさて置き、目の前の1試合に全力を集中することだが。

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 リーグ戦の前節、清水VS広島戦のDAZN解説は、興津大三氏だった。正直言うと、この人の解説にあまり感心したことはないが、この試合の中で、「清水は攻める時のバランスが良くない。ボールを失うと、すぐにピンチに直結する。その点が広島との大きな違い」といった趣旨のことを述べていたのには、納得させられた。

 サッカーというのは、攻守が表裏一体になった競技であり、攻めている時にどれだけ守備の備えをしているか、逆に守っている時にどれだけ攻撃の準備ができているかが肝心である。そして、実際に攻守の切り替えをどれだけ素早く実行できるかが、勝負を分ける。

 しかるに、昨今の清水は、攻めている時には、人数をかけてイケイケになり、守備の備えを怠りがち。だから、序盤に圧倒しているように見えても、最初のピンチであっさりと敵に先制されたりする。

 また、相手に押し込まれると、とにかくクリア一辺倒になる。守備からどうやって自分たちの攻撃に繋げていけるかということこそがキモなのに、繋ぐ意識も形もないから、延々と相手に握られる。特に、最近の試合では、前半はある程度やれて、点がとれたりしても、攻撃は前半だけで店じまいということが多い。守勢に回った時に、カウンターをちらつかせることだけでも抑止効果があるのに、それさえ見せないから、ずっと自陣のゴール前に貼り付いて跳ね返すだけという展開になるわけだ。

 それにしても、課題が山積のチームである。

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 去年のJ1順位表も相当奇妙なものだったけど、これまでのところ、今年はさらに変態性が強い。清水は、前節広島に敗れ気分は絶望に近かったが、もしあの試合に引き分けていたら、一桁順位の9位になるところだった。まあ、広島戦はどう見ても必然の敗戦だったけど、試合終了間際に苦し紛れに打ったミドルが相手に当たってコースが変わって入るとか、引き分ける可能性がゼロではなかったはずである。そうしたら、9位だったんだねえ。逃がした魚はでかい。

 第29節終了時点のJ1順位表を眺めると、優勝争いしている鹿島・東京・横浜は、取りあえず「3強」と表現していいだろう。ただし、どのチームにも絶対的な強さは感じないが。

 4位広島から6位川崎までが、大きく勝ち越しており、「良」といったところ。

 7位大分と8位札幌が、だいたい五分の星で、「並」と言えよう。

 勝ち点35で並んでいる5チームを、「弱」と呼ぶことにしたい。清水はこのグループに位置する。

 14位名古屋から17位松本までが、崖っぷちという意味で、「崖」である。

 そして、18位の磐田は、もやは崖っぷちではなく、泥沼なので、「沼」と呼ばせていただく。言うまでもなく、次節清水が沼に負けたら、崖である。

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 天皇杯の戦いは、鳥栖戦のリードした後の試合内容は最悪だったけれど、一応、準決勝進出。思えば結構遠くへ来たもんだ。勝ち上がりはすべて辛勝であり、4回勝ったうちの3回が1:0、残り1回も磐田相手にPK戦で決着を着けたものだった。まあ、逆に言えば、湯水のように失点する今季の清水が、天皇杯に限っては、対戦相手の攻撃力の低さによるものとはいえ、今のところ1失点だけ。その点だけは、まあまあ評価できる。

 清水との対戦相手が決まる準々決勝の神戸VS大分を観たけれど、改めて感心させられるのが、大分の戦い振り。あんなに、安そうな日本人選手ばかりで(おっと失敬)、堂々と戦っているのは大したもんだ。守備の強度なんかは明らかに清水より上。そして、清水とは真逆で、低い位置からでも丁寧に繋ぐ。はっきり言って、低い位置で相手に奪われて大ピンチになることも多く、見ていると「そんなに繋ぐことに、こだわらなくても」と思うこともあるのだが、それでも戦い方がブレない。今の清水のサッカーは残留するためだけの発展性のない代物だが、大分は補強次第ではまだ伸びるポテンシャルを感じる。ただ、試合の方は、両者決定機が少ない中で、神戸が1点を奪って勝利した。

 というわけで、準決勝は、12月21日(土)14:00KO、VS神戸@ノエビアと決まった。何でも、トーナメント表の配置からして、清水は準決勝までは全部アウェーになることが、最初から決まっていたらしい。何という不公平なレギュレーションだろうか。まあ、守備意識の弱い清水がトーナメントで勝ち上がるためには、緊張感のあるアウェーの方が逆に有利だったりするのかもしれない。ノエビアに特別悪いイメージもないし、一応は期待することにしたい。

 しかし、今から2ヵ月後に、清水と神戸がどんな状態なのかは、まったく想像がつかない。特に、神戸はVIPが怪我がちであり、リーグ戦が終わったらとっととバカンスなどということも考えられ、年の瀬のメンバー構成が予想できない。準々決勝の対大分戦で、神戸は安定感はあったものの、やはりイニエスタがいる時の創造性が欠落しており、決め手に欠ける印象だった。

 そして、現時点で、清水、神戸とも、J1で16位になって入れ替え戦に回る可能性があり、その試合は12月14日(土)に設定されている。もしかしたら、清水と神戸のどちらかが、12月7日がJ1最終節、14日が入れ替え戦、21日が天皇杯準決勝などと、怒涛の日程になるかもしれない。

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 昨日のエントリーでは、つい感情的になってしまったが、それも無理もないくらい、とにかく鳥栖相手の戦い振りは情けないものだった。念のためにもう一度言うが、超絶テクを見せてくださいとか、攻撃的に行けとか、そんなことを言っているわけではない。敵の圧力が大して強いわけでもなく、充分余裕があるのに、自分のところにボールが飛んできたら、とにかく蹴り返す、その繰り返しである。清水は、守備力の弱いチームなのだから、攻撃にさらされる回数を増やすのは、危険である。それを、せっかくマイボールになっても、すぐにそれを敵にお返しし、またマイボールになってもまたお返ししと、そんなことを延々と繰り返している。その愚かさに、あきれ果てたまでである。

 清水の選手たちのプレー振りを見ていると、爆弾コントを見せられているみたいだ。彼らにはボールが爆弾に見えているのではないだろうか? 導火線に火の付いたダイナマイトを渡されたやつが、「ひゃ~、怖ぇ」と別のやつに渡し、そいつも、「ぎゃあ、おっかねえ」と別のやつに渡しと、そんな風にしか見えない。そんな渡し方だから、当然、意図のあるパスなんかにはならない。そんなにボールを持つのが怖いなら、サッカー選手をやめてしまえと言いたい。

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 天皇杯鳥栖戦、カップ戦だから、勝ち上がったという結果がすべてとおっしゃる方もおられるだろう。所長だって、喜んでいる皆さんの気分を害するようなことは、あまり言いたくない。しかし、自分が応援しているチームながら、ホント、こいつらのサッカー、大嫌いだ。別に、華麗な妙技で勝ってくれとは言ってない。1点リードしている状況で、相手が圧力をかけてきて、ある程度受けに回るのは、仕方がないだろう。

 しかし、周囲5メートルくらい、敵が一人もおらず、プレッシャーが一切かかっていない場面でも、トラップしてボールを保持したりせず、全部クリアに逃げるのは何故なのか? 相手が1人退場になって、余裕をもってボールを回せるはずなのに、それでもなおドウグラス目がけてロングボールを蹴ることしかできないのは、何故なのか? 試合終盤、なるべく相手にボールを渡したくない状況で、GKがゴールキックを誰もいないところに蹴り、律儀に相手にボールを返し続けるのは何故なのか?

 繰り返すが、華麗な妙技を見せてくれなどということは、まったく言っていない。堅守速攻で、リードしたらブロック守備ということ自体は構わない。しかし、それにしても、ボールを奪ったら、なるべく自分たちでボールを持って、時間を使った方が、合理的に逃げ切れるのである。増してや、今回の鳥栖のようにあまり迫力がなく、しかも1人退場になった相手には。

 ここ何年かで清水に染み付いた「蹴り癖」、今後長くこのクラブを蝕み続けることになるだろう。

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 サッカーのカップ戦というのは不思議なもので、リーグ戦とは違うコンペティションであり、メンバーをそっくり入れ替えたとしても、結構両者は連動するものである。近年の清水の経験を振り返っても、そのことは言える。リーグ戦の勢いがカップ戦にも出るし、翻って、カップ戦の結果がリーグ戦にも伝染したりする。結局は我慢だけのシーズンになってしまった清水にとって、天皇杯は最後の夢。しかも、相手はリーグ戦の残留ライバルである鳥栖。この週末はリーグ戦はないということもあり、全力で勝ちに行く試合であることは間違いないだろう。

 ただ、最近まで入れ替え戦に回る16位に位置していたとはいえ、今の鳥栖は普通に強いチームだと考えた方がいい。今季の前半鳥栖が苦しんだのは、監督の人選の誤りや、トーレスの思い出作りにつき合わされたことによる迷走にすぎなかった。タレントはそれなりに揃っており、今の金監督に代わってからの力は、J1の中でも中位くらいだろう。まあ、鳥栖の順位やチーム状況が依然として苦しいのは事実なので、先方が今日の試合をどう位置付けて戦ってくるかは不明だが、清水にとって「格下」でないことは間違いない。しかも、清水はここ何年か、鳥栖でのアウェー戦で、無残な敗北を繰り返しており、良いイメージが湧かない。

 清水にとって一番嫌なのは、豊田が先発して、最初から放り込んでくることかもしれない。そうされたら、90分間守り切れる気がしない。

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 先日の清水と広島の試合。ともに最近ヨンソン監督に率いられた時期があったり、城福・篠田両氏はFC東京の監督を前後して引き受けたことがあったり、一説には近年清水が城福氏にオファーを出したことがあったりと、監督およびそのスタイルをめぐる機微が交錯した試合だった。論点を整理すれば、以下のとおりではないか。

  • 城福氏は、甲府時代は「堅守速攻」というイメージが強かったが、それは甲府の戦力や位置付けゆえであり、監督本来の志向ではなかった。
  • 城福氏は、2016年にFC東京の監督に就任し、本来の哲学である攻守に主導権を握るサッカーでの勝利を目指したが、その転換が上手く行かず低迷、解任された。
  • 城福氏の後を襲ってFC東京の監督に就任した篠田氏は、堅守速攻をベースにチームを立て直し、見事J1残留させた。しかし、そのオフにフロントの進めた大型補強は、必ずしも篠田監督の意に沿ったものではなかったりして、翌2017年は成績が出ず、篠田監督は9月に解任された。
  • 広島が2017年に残留争いを演じたこともあり、2018年に広島監督に就任した城福氏は、どちらかというと堅守速攻の現実路線を採り、攻撃はパトリックにお任せという雰囲気があった。しかし、2019年は、堅守速攻型から、城福監督が本来志向するポゼション、ゲームコントロール、攻守の主導権といった路線へとアップグレードし、それにより好成績を収めているように思える。

 で、以上のように論点を整理した上で、我が篠田エスパルスについて考えると、今のところ清水は堅守速攻型のチームコンセプトである。ただし、現実には「堅守」ではないので、ロースコアの堅い試合よりも、ノーガードの打ち合いの方が勝率が高いという、チームコンセプトとは矛盾した傾向になっている。

 広島は、本当に上手く、堅守速攻型からゲームコントロール型に転換したと思う。言い換えれば、城福氏は、東京で失敗した課題を、広島では首尾良く実現しつつあるということにもなる。どうだろう、篠田監督には、今のような出来損ないの「堅守速攻」だけではない、さらなる引き出しはあるだろうか? そして、仮にあったとして、選手たちはその転換に適応できるだろうか? まあ、今季残留できた場合の、その先の話だが。

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 今季の清水はリーグ戦で先制点を奪って勝った試合が7試合あるが、そのうち2試合はいったん同点に追い付かれ、その後に突き放したというパターンである。したがって、先制してそのまま優位を保ったり、あるいは点差を広げて勝ったという安定的なパターンは、本当に数えるほどしかない。

 前にも書いたとおり、ざっくり言うと、サッカーでは先制すると、勝ち70%、分け20%、負け10%といった確率であろう。統計は知らないが、先制点をとったチームが追加点を挙げる確率の方が、とられたチームが追い上げのゴールを挙げる確率よりも高いのではないだろうか。しかるに、今季の清水は、どうにも先制点の優位を生かし切れていない。浦和、広島と、2試合連続で逆転負けを食らってしまった。

 ただ、広島戦で、同点・逆転を食らった時に、「まさか」というよりも、「やはり」と感じたサポさんが多かったのではないか。ドウグラスの先制点が31分というのは、明らかに「早すぎた」のであり、残り60分もの長い時間を清水が無失点で切り抜けられるはずはないのである。今季の清水は、前半に先制して、そのままリードを保って勝った試合は、3試合しかないのだから。清水にとって一番良いのは、試合終了間際に勝ち越し点を奪って、残りの守りの時間を短くすること、これに尽きる。

 普通のチームなら、先制点をとれば勝率7割だが、清水はせいぜい5割。それも、早い時間の先制は、ちょっと微妙。「敵に先制されるよりはマシ」というくらいの意味しかないのだ。悲しいかな。

 ただし、先制されても、オープンな打ち合いに持ち込めば、結構な確率で逆転勝ちできたりもする。それが今季の清水の不思議なとこ。

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 先制もできたし、1点差負けなので、一見すると、いわゆる「惨敗」ではなかったようにも思える。しかし、私見によれば、広島戦のこの敗戦は、0:4、0:8の負けに匹敵するくらいに重い。先方としては、ああいう形で先制点をとられるのはもちろん計算外だったろうが、そんなの関係ないとばかりに、その後の試合展開は、完全に広島の掌中にあった。まるで、詰め将棋で詰められるように、必然の敗北を喫したという印象が強い。最終的に1点差に終わったのは、先方は無理に3点目、4点目をとりに行くよりも、清水相手なら1点差で充分逃げ切れるし、そういう試合運びの方が安全だからそうしただけであって、仮に得失点の関係で広島が大量点を必要としていたら、この試合も大差を付けられた可能性が高い。

 痛感したのは、遅攻のクオリティの差である。広島はパスを回せば回すほど相手をはがしていくのに対し、清水はパスを回すとだんだん自分たちが苦しくなってくるという、真逆の構図。後半は、カウンターと、ドウグラス狙いのロングボールしか形を持っていないチームの悲哀がモロに出てしまった。点差以上の完敗だったと言わざるをえない。

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 ドウグラスとヘナトの復帰により、広島戦でブラジル3本柱が揃うかと思いきや、エウシーニョが全体練習に参加しておらず、鎌田の先発が有力だという。

 今季、清水が挙げた勝ち星の中には、エウシーニョの印象的な活躍で掴んだ勝利が少なからずあった。有名な話だが、今季の清水は、エウシーニョが出場した試合と欠場した試合では、勝率が全然違うのだそうだ。

 しかし、個人的には、エウシーニョの存在には依然として、功罪両面を感じる。持ちすぎて、独特なポジショニングをして、トリッキーなプレーをして。確かに、それが上手く行って救われることもあるのだけれど、「そこは普通にクロスでいいじゃん」「今、味方空いてただろ」という場面でも奇抜なプレー選択をしがち。その結果、チーム全体としてのパスの巡りが悪くなり、ボールを奪われてピンチを招いたり、金子が活きなかったりと、明らかな弊害も生じるのである。むろん、功罪比べれば功の方が大きく、欠場が痛いことは間違いないのだが。

 なので、鎌田が先発して、普通のサイドバックらしく、まず守備から入って、機を見て駆け上がり、オーバーラップからのクロスとかね。エウシーニョがいないのなら、そういう「普通のサイドバック鎌田」に期待してみようかと、今は思っているわけである。まあ、試合後に、「やはりエウシーニョの欠場で攻め手がなかった」ということになるかもしれないけど。

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 広島との対戦が迫ってきた。残念ながら、今季、広島の試合は個人的にあまり観ていないので、詳しいことが分からない。確実に言えるのは、失点数24はリーグ3位タイの少なさで、清水はこういうタイトなディフェンスのチームを苦手としているということである。

 一方、広島の得点は清水と同じ40であり、とりたてて多いわけではない。自分たちからガンガン仕掛けていくというよりも、守備から入って粘り強くチャンスを伺い、ここぞという場面で決める勝ち方だろう。要するに、爆発力はないが、試合運びが上手く、安定感があるわけである。

 清水としては、もしかしたら、序盤にビッグチャンスを連発したり、ボールを持つ時間帯を作ったりもできるかもしれない。しかし、仮にそうなっても、実は相手が試合をコントロールしており、相手の掌の上で踊ってるだけだった、なんてことになりかねないのが、広島という相手である。攻めている時もリスク管理を怠らず、一瞬の隙から失点するようなことは絶対に避けてほしい。先制点を奪われてボールを持たされ、試合後に「内容は良かった」などというコメントは聞きたくない。

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