エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

カテゴリ:エスパルス > 戦評・分析

 クラモフスキー新監督のこちらこちらのインタビュー記事は、熱心な清水サポの皆様であれば、すでに目を皿のようにしてお読みになったことと思う。個人的に、とりわけ注目したのは、以下のくだりだ。

 「もちろん私も、欧州のトップレベルのフットボールを観ている。近年では、バルセロナやバイエルン、リバプール、そしてマンチェスター・シティらが、フットボールを大きく進化させてきた。そうしたチームのよい部分を自分の指導に取り入れることもある。けれども、アンジェと私が率いたマリノスは、どこかを真似たわけではない。彼が長年培ってきた哲学とメソッドに、ほかのモダンフットボールチームのよい部分を組み合わせてできたチームと言える」

 記者:横浜FMはマンチェスター・シティの姉妹クラブですが、昨シーズンのとくに終盤戦は前線からの激しいプレスが冴え渡り、どちらかというとリバプールに近い印象を受けました。

 「そうかもしれないけど、私はほかとは比較しない。もちろん、いい意味でね。世界中のフットボールを見ているが、このマリノスと似たチームはどこにもないと思う。アンジェ・ポステコグルーのオリジナルだ。ずいぶん前から、彼はこのスタイルを掲げ、信じ、貫いてきた。そして豪州でも、クラブと代表で成功を収めてきた。今のマリノスのフットボールにも、彼の哲学が反映されている。コーチだった私やほかのスタッフ、そして選手たちは、それを心から信じ切っていた」

 なるほどねえ。ポステコ氏のサッカーは、シティとの資本関係から、何となくシティ流の模倣のように漠然と捉えていたが、ポステコ氏のオリジナリティの部分が大きかったのか。

 あと、記事の中で、「2019年シーズンのJ1を制した横浜F・マリノス。アンジェ・ポステコグルー監督の信念が成就したわけだが、じつはチームのトレーニングの大半は、ヘッドコーチのピーター・クラモフスキーが担当していた」という部分も、耳寄りだった。我々の多くは、モフ氏の監督としての経験の無さを不安視していたわけだが、実際には限りなく監督業に近いようなことを、これまでもやってきたわけか。就任時の挨拶などから見る限り、モチベーターとしての能力も高そうだし。まあ、プロのクラブチームの監督の仕事には、それら以外にも、試合に向けた選手の選考、そして試合中の指揮、選手交代術などが求められるので、そういう現場のトップとしての役割を果たすのは初めてだとは思うけれど、今のところの印象から言えば、「監督としてやってくれそうだぞ」という期待感を抱かせる。

 ちなみに、清水は2019年のJ1優勝争いには一切かかわれなかったが、実は優勝戦線には大きな影響を与えていた。川崎からエウシーニョを引っこ抜いて、川崎を弱体化させたからである。それと同じように、2020年に清水がどれだけ上に行けるかはまだ分からないが、マリノスからクラモフスキー氏を引っこ抜いたことが、先方の弱体化に繋がり、首位戦線に異変を生じさせるということは、充分ありうるような気がする。

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 静岡学園の皆様、優勝おめでとうございます。

 まあ、はっきり言って、清水サポ(とりわけオールドファン)というのは、高校サッカーファンを「こじらせた」ような人が多い。かつて高校サッカーで栄光を誇った我が県だから、その地に生まれたクラブチームの清水エスパルスも王者であってしかるべきだと、そんな思いが出発点になっている。清水は、単に市民クラブとして誕生しただけでなく、そうした高校サッカーの覇権イメージを背景にしているという点が、Jの他のクラブとは異なるところである。まあ、その幻想ゆえに、我々はずっともどかしさを抱え続けているわけだが。

 ただ、何度も言うように、ここ数年の清水エスパルス(特にそのトップチーム)と、静岡学園サッカー部では、所在地が近いだけで、接点も類似点もほとんどない。静学サッカー部の選手たちのうち、地元出身者がどのくらいいるのかは知らないが、清水ファンという若者はほとんどいないのではないか。もし彼らがアイスタを訪れることがあるとしたら、清水VS川崎戦で大島先輩のプレーを目当てに来るくらいではないかと思う。そして、「清水って、ダッセー」と感じて、帰っていくのだ。ここ数年の、清水VS川崎の試合内容に鑑みれば、そう思われても仕方がなかった。高校とプロとで比較するのは無理があるが、それでも、ポゼション、ビルドアップ、距離感、切り替え、球際、独自のスタイルと、昨今の清水に欠けていたものを、今回の静学イレブンはしっかりと体得していた。本当に、謙虚に見習わなければならない。

 高校サッカーでは男女がダブル優勝し、静岡サッカーにとっては、何やら春から縁起が良さげなことは間違いない。今度はエスパルスが挑戦する番である(それにしてはスタートが遅いが)。

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 だいぶ前に「決定的」という報道が出て、その時はいったん覚悟したのだけど、その後情報がぱたりと止まり、そうこうするうちにSNS界隈で「ドウグラスは清水残留の可能性が高まった」なんて観測も流布されていたので、ちょっと期待しかけていたのだが。終わってみれば、結局、資金力で圧倒的に勝る神戸がもっていった。

 気休めを言っておけば、おそらく、今回神戸が清水に支払う違約金は、2018~2019年に清水がドウグラスに払ったお給料1年半分に、ほぼ匹敵するのではないか。だとすれば、清水は2018年、2019年の残留を、タダで買ったようなものだ。ビジネスとしては、非常に上手く行った。ハハハ…

 一部でタイ人プレーヤーのティーラシンの獲得が噂されているように、まだ2020年の攻撃陣の全容は見えていない。しかし、結論はシンプルである。もうドウグラスはいないのだ。困った時に預ける大黒柱、無茶振りに近いパスを収めてくれるスーパーマン、そして信じられないようなゴールでチームを助けてくれる神は、もういない。かくなる上は、組織で戦い、得点を奪う方法を身につけていくしかないのだ。もう後戻りはできない。

 もう日本人プレーヤーたちも、惰眠をむさぼっているわけにはいかない。

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 昨日は、高校選手権の静学の試合を、一部だけだけど、観てみた。今大会では、初めて観たんだけど、いやあ、強いねえ。ここから先は分からないとはいえ、徳島市立戦を観た限り、高校レベルでは無敵じゃないかと思えるほどだった。

 静学というと、テクニックがクローズアップされるけど、今回ちらっと見た限りでは、テクニックや戦術(確かに距離感はものすごく良いが)というよりも、球際の強さとか切り替えの速さに目を見張った。相手ボールになっても、すぐに奪い返して、ずっと攻撃してるような感じである。強い時のフロンターレを見ているような。

 それで、思い出したことがあった。当S研では、2017年の9月に、「静岡学園中学の子供たちは何を思ったか…」というエントリーをお届けしたことがある。等々力に天皇杯の川崎VS清水の試合を観に行ったら、前座で静岡学園中学と川崎の中学生の試合をやっていて、静学の子供たちは清水の応援席に挨拶に来てくれたりしたけど、もし彼らがそのあとの川崎VS清水戦を観たら、川崎のサッカーに憧れ、地元の清水には絶望するだろうなと、まあそんなようなことを書いたわけである。

 正確なところは知らないが、もしもあの時の静学の中学3年生が、そのまま静学高校のチームに入ったら、今は高校2年生のはずだから、今大会のベンチ入りしている子もいるのかもしれない。

 2年前も魅力あるチームとは言いがたかった清水だけど、その後もブランドは地に落ちたままである。静学の松村君も、結局清水でなく、鹿島を選んだ。ことほどさように、静学と清水は近いようで遠いままだ。球際とか、切り替えとか、昨今の清水が最も弱かった部分で、違いを見せている静学サッカーを眺めてみて、複雑な気持ちになった。

 ただ、うちのユースと静学の力関係って、どうなってるんだっけ? ひょっとしてうちの方が強い?

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 昨日1月2日、コーチ人事が発表になった。この中で、キモとなるのは、今矢直城氏のコーチ就任だろう。日本産まれながら、オーストラリアで選手キャリアをスタートさせた人であり、欧州に渡ってUEFAカップに出場したこともあるそうだ。ポステコ氏やクラモフスキー氏とは付き合いが長いようで、2018年にはマリノスの通訳を務めた。しかし、本人は指導者としての夢を捨てきれず、2019年にはマリノスを離れ「早稲田ユナイテッド」の監督を務めた(早稲田大学ではない)。

 オーストラリアで長く過ごした今矢氏は英語が堪能で、自ら立ち上げた「TOCサッカースクール」では子供たちにサッカーと英語を両方教えていたという。そのあたりの異色のキャリアについては、こちらのオフィシャルサイトや、こちらの動画を参照のこと。海外で揉まれてきただけあった、飼い犬的なコーチではなく、かなり野心の強い人なのだと思う。

 そんなわけで、新体制において、今矢氏は監督と選手を結ぶ要の位置を占めることになるのではないかと思う。マリノス時代と違って「通訳」ではなく「コーチ」だが、実質的に「通訳コーチ」みたいな感じになるのではないだろうか。

 これも昨日発表された安野努フィジカルコーチも、2018~19年にマリノスでコンディショニングコーチを務めていた。これで、モフ監督を、今矢コーチ、安野コーチというノウハウを共有し気心も知れた腹心が支えるという体制が、ひとまず整った。「外様監督が孤立するのではないか?」といった不安は、取りあえずは払拭されたか。

 一方、ユース監督からトップチーム監督へと異動になった平岡宏章氏は、まさか「二見に次ぐロングスローワーの養成役」ということはないと思うので、ユースの延長上で、若手の基本指導とか、2019年は兵働が任されたAチーム遠征時のBチームの指導とかを担うのではないだろうか。

 そう考えると、ますます、篠田コーチの役割が不透明である。まさか、三保の草むしりとか、久能海岸の石拾いということはないよな。「男気」で残ってくれた篠田さんに、対戦相手の分析担当とか、やりがいのある仕事が与えられるといいのだが。

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 それにしてもなあ。先日、懺悔したとおり、所長は2019シーズンのJ1順位予想(願望も含む)を外しまくったのだけど、以前書いた「ミキティの欲しい欲しい病を誘発しないか心配」なんていう不安に限って、的中してしまうとは。伝えられている情報から推測すれば、かなりの確率で、ドウグラスは神戸に引き抜かれることになりそうだ。

 もっとも、2020シーズンの清水は、欧州最先端の流れをくむ組織サッカーを目指し、脱「戦術ドウグラス」という課題に取り組む。脱ドウグラス依存を試みるチームにとって、ドウグラスがいなくなることは、ある意味でロジカルなのかもしれない。

 もちろん、サッカーってやつは、いくら組織で完璧に崩したところで、最後を決めるべきFWがヘボならば、点は入らない。人はそれを「決定力」と呼ぶ。2020シーズンに清水のモフ革命が進んで、チームで崩せるようになった時に、最後の仕上げをドウグラスに任せられるのなら、鬼に金棒である。だから、所長にしてもドウグラスが残留してくれたら万々歳だと思うし、現実にそれによって清水の得点力は大きく左右されるはずである。そのことは、個人的に、もちろん良く分かっている。

 ただ、ここ1年ほどで(あるいはもっと前からか)すっかり「蹴り癖」のついてしまった清水イレブンに、新しいサッカーを植え付けるのは、至難の業である。もしも前線にドウグラスがいたら、困った時には染み付いた癖で、全部ドウグラス目がけてのロングボールということになってしまう恐れがある。J2降格のリスクさえ厭わずに、清水のサッカーを根本から変えるのなら、退路を断つという意味で、ドウグラスがいない方が、変革が進みやすいのかもしれない。もちろん、個人的にも残留を熱望するが、もし神戸に奪われたなら、その時はその時で、クラブもサポも、覚悟を決めるべきだろう。

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 もしかしたら当事者になっていたかもしれない、スタジアムの観客席にいたかもしれない、新国立競技場での天皇杯決勝を、結局はテレビ観戦。

 「誰が新国立でのゴール1号になるか?」という関心をもってた人は多かったと思うけど、まさか犬飼のオウンゴールとはね。まあ、1失点目はしょうがないけど、2失点目はプロのディフェンダーとは思えないようなクリアミスで、犬氏が最大の戦犯となってしまった。2019シーズンずいぶん貢献したはずの白崎も、コンディションゆえか決勝戦ではぱっとしなかったし、前半だけで交代。「清水勢」にとっては散々な試合だった。

 っていうか、天皇杯決勝だけ見てたら、「うちら、こんな弱いチームに、2019年のリーグ戦で2度も惨敗したのか」と思うほど、とにかく鹿島は古臭く、くたびれて見えた。退任する大岩監督にも、修正能力や引き出しはなさそうだったし。鹿島の堅守・安定感・試合運び・セットプレーなどは敬服すべきものではあるが、それだけでタイトルをとれるほど、もう日本のサッカーも甘くはないということなのかもしれない。この決勝を称して、ある有識者が「現代サッカーの勝利」と称していたけれど、妙に納得させられた。

 老舗の鹿島が敗れ、新興勢力の神戸が勝ったというのは、時代の大きな変わり目なのかもしれないね。鹿島みたいな企業城下町のチームで、ジーコのカリスマ性とか鈴木強化部長の眼力とか、そういう属人的な強みで勝ってきたチームが斜陽化し、資金と科学で勝つ時代に移行していくのかもしれない。まあ、科学というのは、資金で買うこともできるだろうから、要は資金力の勝負だ。神戸の場合、2019年の前半までは、資金力にものをいわせて獲得した資源を有効活用できていなかったが、フィンク戦術が浸透するにつれリーグ終盤から噛み合うようになり、ついにカップ戦の頂点までたどり着いた。2020シーズンのリーグ戦の戦い次第では、名実ともにビッグクラブの仲間入りする可能性がある。

 清水には、潤沢な資金はないけれど、取りあえず「現代サッカー」には舵を切ろうとしている。「その方向性でいいのではないか」と、ちょっとだけ意を強くした、天皇杯の決勝であった。

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cup

 一年最後のエントリーが、つまらない話で恐縮である。

 12月7日のJ1第34節ホーム鳥栖戦。残留がかかった一戦ということで、サポの皆様は、それぞれにゲンを担いだり、お百度を踏んだり(?)と、神にもすがる思いだったのではないかと思う。

 所長は神も仏も信じないタイプなので、自分からゲンを担いだりといったことはなかったのだが、12月7日の当日、不思議なことがあった。朝、お茶を飲もうとしたところ、マグカップのフチがちょっと欠けていたのだ。そのマグカップはかれこれ10年以上使っているもので、その時は2週間振りくらいに手にしたのだが、いつどうやってフチが欠けてしまったのか、まったく覚えがなかった。

 「まあいいや、これでも飲めるし」と思い、お茶を飲んだあと、カップを洗おうと思って、流し台に持って行こうとした時に、今度はあろうことか、カップを落としてしまい、派手に割れてしまったのだ。これで、もう完全に使い物にならない。個人的に、食器を落として割ることなんか、これまでの人生で、ほぼなかったのに。

 最初は、「清水の決戦の当日に、カップが欠けたり割れたりするなんて、何て不吉な」と、嫌な予感がした。しかし、「いや、このカップは、清水の身代わりに死んだんだな。なら清水は生き残る。そう思うことにしよう」と、考え直したのである。

 サポの皆さん、それぞれに、ゲンを担いで、当たっただの、外れただの、色々あったと思うが、皆さんぜひ、清水の身代わりに死んだマグカップがいたということを、心の片隅に覚えておいてほしい(笑)。

 さて、そんな風に、クラブの浮沈や、選手のキャリアや、サポの思いや、すべてを賭けて、皆で勝ち取ったJ1残留だったが、来年は、あえてそのJ1の地位を、自らリスクに晒すことになる。J1で実績のある監督を選んで、堅実なチーム作りをすれば、来年も10~15位くらいで残留することはできそうなのに、あえて「躍進もあれば最下位もある」という道を選んだ。チームスタイルの変革ということ自体がリスキーなのに、それを経験・実績のない監督に任せるという、リスクの二乗みたいなことをやろうとしている。

 個人的に、挑戦は否定しないし、期待したい気持ちはある。願わくば、目標、ノルマ、忍耐期限、責任の所在等を明確にしてもらい、皆が納得できるような挑戦であってほしいものである。方針がブレたり、後出しでゴチャゴチャ言ったり、責任をなすりつけ合うようなことだけは勘弁してもらいたい。

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 J1からJ2に落ちたチームの経営者・首脳陣・選手・サポは、「必ず1年でJ1に復帰する」と、合言葉のように言うものである。清水が2015年に落ちた時もそうだったし、もしも今年落ちたら同じことを言っていただろう。もちろん、J2からJ3に落ちたチームも同様である。

 しかし、所長は最近、この「1年でJ1に」というセリフに、疑問を覚えるようになってきた。もちろん、カテゴリーが違えば、経営規模や選手の待遇をはじめ、何から何まで違うわけだから、1年でJ1に復帰できれば、それに越したことはないに決まっている。しかし、ここ5年ほどの我が身を振り返ってみて、もちろん大前提としてJ1に残留したりJ2からJ1に上がったりすることは大事だけれど、ではJ1で何ができるかということも、同じくらいというか、もしかしたらもっと大事じゃないかと思えてきたのである。

 清水にとって、2016年にJ2を戦い、1年でのJ1復帰を決めたことは、誇るべき成果だし、当時は所長も大いに感動したものだった。しかし、そのチームは、翌年のJ1でまったく通用しなかった。2018年のプチ躍進こそあったものの、結局2019年も残留争いである。2016年のJ2時代は、J1でも戦えるような競争力のあるチームを作るある意味チャンスだったのに、J2を勝ち上がるためだけの無難なチーム作りに終始し(ちなみにJ2でも清水はポゼション率が決して高くなかった)、それがJ1再昇格後のこの3年の苦戦に繋がっているのではないかと思えてならない。

 したがって、所長としては、J2に落ちたチームが「必ず1年でJ1に復帰します」と言うのは実は間違いであり、「次、上がった時に、二度とJ2に落ちないチームを作ります」とか、「3年後くらいにJ1で優勝争いできるチームを作ります」と言う方が正解ではないかと、最近思うようになったわけである。

 問題は、来期、2020年の清水が、短期的な視野でなく、どこまで中長期的な視野に立てるかだろう(もちろん、クラモフスキー新監督の方向性が正しいという前提になるが)。もしも、J1残留こそがクラブとしての最低限の目標というなら、今からでもいいから、監督の人選は考え直した方がいいと思う。そうではなく、「新しいサッカーに挑戦するので、もしかしたら今季は降格どころか、圧倒的な最下位に終わるかもしれない。それでも、このサッカーが完成すれば、必ず清水は確固たるスタイルを築き上げ、J1で優勝争いできるようなチームになるはずだ」ということであれば、所長も支持するのにやぶさかでない。最悪なのは、2020シーズンの序盤に思うように勝ち点が伸びず、挑戦をあっさりと諦めて、またぞろ「現実的な」サッカーにシフトすることである。そんなことをするくらいなら、初めから挑戦しない方がいい。

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 社長・GM・監督という「三役」が全部入れ替わることになり、何だか、あのおぞましい2019年のサッカーのことなど忘れてしまいそうだが、キチンと総括しなければ、未来などない。今年の清水のサッカーを見ていて、所長が一番印象に残ったことを書き留めておく。

 今季、清水はリーグ戦で11回勝った(あれだけ酷い内容の割には、結構勝った方だと思う)。その勝利した11試合で、清水の勝ち越し点が入った時間をまとめると、以下のようになる。

36分(VS磐田、2:1)
82分(VSセレッソ、1:0)
89分(VS仙台、4:3)
90+1分(VS横浜、3:2)
90+5分(VS名古屋、2:1)
68分(VS神戸、2:1)
50分(VS横浜、1:0)
18分(VS山雅、1:0)
54分(VS名古屋、3:2)
25分(VS湘南、6:0)
68分(VS鳥栖、1:0)

 まあ、湘南戦の夢スコア以外、全部1点差勝利だったということにまず驚くが、それよりも、清水が勝ち越し点を奪ったのは、試合終了間際か、そうでなくても後半ある程度時間が経ってからだったことがお分かりいただけるだろう。前半リードを奪って、そのまま逃げ切ったという試合は、3試合しかない。

 いや、前半に先制点を奪った試合は、もっとたくさんあったのである。しかし、今季の清水の場合は、先制が早すぎると、その後、攻撃は閉店ガラガラで、引きすぎて相手にボコられるということが多かった。一体何度、逆転負けを食らったことか。以前も申し上げたとおり、サッカーでは先制したら7勝・2分・1敗くらいが普通なのに、今季の清水は前半先制しても、「どうせいつものフリでしょ」という感じしかしなかった。

 感覚的に言うと、清水が先制して、その後、守り切れるのは、残り時間30分くらいが限界である。だから、先制するなら、60分以降、できれば試合終了間際にして、リードを守る時間をなるべく短くしないと、勝ち点3は望めないというチームだったのである。それだけ守備が脆弱で、なおかつ試合運びがお粗末だったのだ。

 表現が下品で恐縮だが、所長は今季の我が軍の勝ち方を、「ヤリ逃げ清水」と呼んでいた。試合終盤のどさくさに紛れて勝ち越し点を奪い、ホナさいならと勝ち点3を頂戴する。そんな試合がいくつかあったからこそ、生き延びたのだ。その最大の立役者こそ、西澤だった。

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 こちらのページに、2019年のJ1の反則ポイントの表が出ているので、それを見てみよう。

 反則ポイントというのは、チームの強さや弱さに比例しないというところが面白い。何しろ、優勝した横浜Fマリノスが反則ポイントではワーストで、2位のFC東京がベストになっているくらいだ。

 反則ポイントでベスト3の顔触れを見ると、FC東京、広島、セレッソと、守備組織が非常にしっかりしているから、あまり反則する必要がないというパターンだろう。大分、仙台あたりもそんな感じがする。

 逆に、マリノスは、ピンチになったらチアゴ・マルチンスが力づくで止めるような感じなので、それで警告が増えるのだろう。あと、優勝が決まった最終節でも、GKが飛び出して東京の永井を倒してしまい、一発レッドなんてのもあったわけで、リスクの高いハイライン戦術の表れと言える。

 我が清水はと言うと… 反則ポイントは、良くも悪くもない数字だ。しかし、昨今の清水の場合は、守備組織も整っていなければ、「ピンチの時にファウルででも止める」という文化もなく、敵の攻撃を指をくわえて見てるだけというパターンが多いので、反則ポイントの数字が劣悪でないといっても、まったく誇れることではない。むしろ、最多失点のチームなのに、この程度の反則ポイントで収まっているのは、いかに「何としてでも止める」という意識が欠けているかの、証左である。

 所長が、来季について大きな不安を覚えるのは、まさにこの点なのである。リスクの高いハイライン戦術を敷いて、ピンチを迎えた時に、横浜には「ファウルをしてでも止める」というチアゴ・マルチンスがいるけれど、清水にはそのようなディフェンダーがいないのである。それでなくてもワースト失点の清水を、さらにリスクにさらしてどうする?と言いたい。センターバックを総入れ替えでもしなければ、クラモフスキー流は無理なのではないか。

 もう一つ気になるのは、来季清水がクラモフスキー監督指揮下で、マリノス流をコピーして、もし仮にチアゴ・マルチンス的な「ファウルをしてでも止める」という守備が清水に根付いたとしても、来季からVARが導入され、より厳しい判定が下されるようになるのではないか?ということだ。つまり、VAR導入によって、東京・広島・セレッソ的な、組織でクリーンに守るチームの方が、有利になるのではないだろうか?

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 篠田政権について、思うところはすでに当S研で何度か述べているが、改めてそのまとめである。

 確実に言えることは、17位の状態でチームを引き継ぎ、内容はどうあれ、結果的に12位でフィニッシュさせるというのは、誰にでもできることではなく、その仕事をやり切った篠田監督には心から感謝したいということである。

 もちろん、篠田監督就任と、ドウグラスの復調の時期が重なり、「ドウグラスさえ復活してくれれば、ヨンソン監督のままでも残留できたのではないか」というよく言われる話も、まあそのとおりだとは思う。しかし、個人的には、残留に向けたシフトチェンジをはっきりさせる上で、やはり監督交代は不可避だったと思っている。

 今季我々がうんざりしながら見続けたあのサッカーが、篠田監督の本来志向するサッカーだとは、思わない方がいい。はっきり言って、あんなサッカーを進んでやりたいと思う指導者など、この世にいないだろう。あくまでも、順位等の状況や、現有戦力を前提にして、最も効率的に勝ち点をとるための方法を選択し、それを今いる選手たちがやってみたらああいうサッカーになった、というだけのことであろう。篠田監督が別の状況で、別の戦力を率いたら、サッカー自体も別のものになるはずである。

 「だったら、来季も篠田監督でいいのではないか? 篠田さんが本来志向するような、もっとしっかりしたサッカーをやってもらおう」とも考えたくなるが、個人的には、それはちょっと違うだろうと思う。同じ監督、ほぼ同じ戦力で来季を戦うとすると、2019年の惰性の延長になってしまう恐れが強い。2019年終盤にあれだけ手詰まり感が生じたわけだから、2020年はさらにじり貧となることが必定だろう。それゆえに、篠田監督に勇退していただくことは正しいというのが、当S研の結論である。

 残念だったのは、11節終了時点で篠田監督がチームを引き継ぎ、当面は守備重視、ロングボール多用、ドウグラスを活かしたカウンター主体の戦い方を選ぶのは必然だったものの、しばらくその戦い方で勝ち点を稼ぎながら、徐々に新しい戦術も浸透させていくようなことを、篠田監督ができなかったことである。代表週間等でJ1が中断したこともあったわけだから、そういう時間を使ってポゼションの形とか攻撃イメージの共有とかを作ってほしかったのに、秋以降もそういう手応えがまったく感じられなかった。相手チームの分析と対策を持ち味とする篠田監督だけど、「対策の対策」をされるとなす術がなくなるような感じだった。結局は、チームが追い込まれれば追い込まれるほど、「戦術ドウグラス」に純化していったような印象だった。そういう具体的な上積み、引き出しを示せなかったことが、「篠田体制はここまで」というクラブとしての順当な判断に繋がったと言える。

 それにしても謎なのは、来季、篠田コーチがチームでどのような役割を果たすかである。まさか、選手のモチベを高めるための円陣での声出し専門コーチとか、クラモフスキー監督の指示をベンチからデカい声で伝える人間拡声器の役割、ということはないはずだが… もしかしたら、これからクラモフスキー新監督を交えて、役割分担を決めていく予定で、現時点では明確に決まっていないのかもしれない。

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 2019シーズンが終わったばかりで、こういうことを言うのはなんだが、はっきり言って、来季に関しては巨大な不安しかない。

 個人的に、篠田監督に勇退していただくというのは、それでいいと思う。ポゼション重視、攻撃型に舵を切るということにも、異存はない。しかし、100%残留モードの篠田監督から、戦力は基本的に現状維持で、満足な監督経験もないクラモフスキー氏へのバトンタッチというのは、あまりに飛躍が過ぎると思う。

 J1の他のチームの事例を見ても、「180度方針転換」というケースが、ないわけではない。たとえば、名古屋の風間監督からフィッカデンティ監督への交代などは、まさにそれだろう。しかし、普通そういうのは、攻撃型のサッカーをやって上手く行かず、危機に直面したチームが、現実主義に転じて、守備型にシフトするものである。清水のように、引きこもりカウンターサッカーから、いきなり超攻撃型への方針転換というのは、ほとんど聞いたことがない。

 また、たとえば今の横浜Fマリノスで、ポステコグルー監督が何らかの理由で退任した後、ヘッドコーチのクラモフスキー氏が監督に昇格するということであれば、政権移行はスムーズだろう。選手も、新監督も、前任者のやり方を良く知っているからである。しかし、清水の場合には、今のチームとは真逆の哲学の持ち主を監督に招聘し、しかも当人はプロチームの監督は事実上初体験となるわけだから、そのリスクは巨大である。横浜のようにメンツが揃っているならいいが、今の清水には守備の文化が欠如し、まともなセンターバックが一人もいないのが現状であり、ずいぶんと無謀な大バクチである。

 例えて言えば、こういう話である。清水君は、J1学校の中でイケテないグループに属すいじめられっ子だった。2019年は、湘南君が家庭の事情でイケてないグループに転落し、清水君もこれ幸いと湘南君をいじめる側に回ったことで、清水君は何とか生き延びることができた。そんな清水君が来年、突然チャラ男に変身して、イケてるグループの仲間入りすることなど、できるのだろうか? 中身はヘタレのままなのに、髪だけ金髪に染めて、かえっていじめられたりしないだろうか?

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 J1最終節終了後のセレモニーで、社長とキャプテンが天皇杯に向け妙に熱い煽り言葉を発していたけど、サッカーの中身がないまま、気持ちだけで勝てるほど、甘くはなかった。神戸は、イニエスタのアクセントを除けば、ものすごく強いという印象はなかったし、時折隙も見せてくれたけど、試合全体で見れば、清水が負けたのはまったく順当だったと考えざるをえない。

 今季の清水は、J1の底辺に何としてでもしがみつこうと、恥も外聞もなく、ただただ残留するためだけのサッカーに終始した。何度も言うように、それが篠田監督就任時の皆のコンセンサスだったわけだから、それ自体については今さら是非もないことである。ただ、これだけ出来損ないのサッカーで、残留以上の何かを得たいというのは、虫が良すぎたということだろう。リーグ戦終盤から見え始めた傾向だけど、今回の神戸戦でも、ロングボールをドウグラスに当てるという形は多くなく、むしろ最終ラインから繋ごうとしていた。しかし、そこでボールを持てない、繋げない、挙句の果てにはスローインもできないと来れば、現状でJ1の中の上くらいの神戸に、太刀打ちはできない。頼みの綱のドウグラスが決定機を3回も外せば、そりゃもう勝ち目はないというものである。清水は、一応はJ1で12位のチームということになっているが、2試合目で見たJ2の12位の長崎よりも明らかにクオリティは低く、公平に言って天皇杯の決勝を戦うには値しないチームだった。

 所長にしても、新国立で戦う最初のチームになりたい、久し振りのタイトルが欲しいと人並みに望んではいたが、現実的に考えれば、清水が決勝に進出すれば、来季に向けたチーム作りに、色々と歪みが生じてくる。来季の清水は、とてつもなく難しい(というか不可能に近いような)挑戦をすることになる。それに向けて、なるべく早く切り替えられるという意味では、この時点で2019シーズンが終了したことは、大局的には悪くないという受け止め方もできるのではないか。

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 そんなわけで、辛かった今シーズンの最後のお楽しみ、天皇杯の準決勝、神戸戦の日がやって来た。

 今年は神戸にリーグ戦で負けていないので、何となく「得意意識」を抱いているサポさんも多いかもしれない。しかし、J1の最終順位表を見ると、最終的には神戸にずいぶんと水をあけられたことが分かる。割と終盤まで残留争いに片足を突っ込んでいたガンバと神戸という関西勢2チームが、ともに最後の5試合を4勝1敗で乗り切っており、勝ち点も同じ47で、7位と8位でフィニッシュしているわけである。最終順位表を見た時に、「あれ? いつの間にこんなに勝ち点を稼いでいたのか?」と驚いたものだった。優勝した横浜ほどではないが、それに迫るくらいのラストスパートだった。

 今季、清水はたまたま神戸相手に勝ち点を稼げたけど、別に「相性」が良いとまでは思わない。先方の豪華外国人のコンディション次第という気もするが、普通にJ1でトップクラスの相手だと覚悟しておくべきだろう。

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 以前、平成最後の日に、「平成の清水のリーグ戦戦績」というのをお目にかけたことがある。せっかく作ったので、平成だけで終わるのはもったいなく、令和の数字も足して、今季終了時点の清水の通算成績表を作成してみた。

 何となく嫌な予感はしていたが、今季大量失点を重ね、リーグ・ワーストの得失点差を記録した結果、清水の通算得失点(J2は除いたJ1リーグ戦のみ)は、わずかプラス5になってしまった。

 あのオレンジ色のユニフォームを着た連中は、事の重大さを認識しているのだろうか? このままでは、来期、この数字がマイナスに転落することは、必定であろう。何なら、この表を印刷した年賀状を、全スタッフ・選手に送り付けてやろうか。あるいは、Ichi-meterとかYoshi-meterみたいに、通算得失点のボードをスタジアムに常設してやろうか。

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 以前作った清水の順位推移の図だけれど、2019年の順位が確定したので、更新して再録することにする。

 今さらながら気付いたが、清水が「12位」という順位になったのは、初めてだということが分かった。今まで清水がなったことのなかった順位は、18位、16位、13位、12位、そして1位(涙)だったが、そのうち12位を埋める形となった。

 しかし、今年の清水の残留は、ただただ、湘南さんのパワハラ騒動(しかもJリーグ側が解決を長引かせたこと)に助けられた形であり、文字通りの他力だった。鳥栖がトーレスというお荷物に振り回されて迷走したことも然りであり(ただ、そのお荷物に2点もとられた試合があったなあ)、磐田のフベロ監督起用があと1~2ヵ月早かったら磐田にもまくられていた恐れがあった。

 清水は最終節で一気に順位を12位まで上げたが、これは明らかに出来過ぎであり、名古屋と浦和がすでに事実上残留を決めてモチベを失っていたことが作用しただけである。経営規模の大きな名古屋や浦和よりも上の順位に終わったということは痛快ではあるが、「12位」という順位を過信して、危機感が薄れるようなことがあってはならない。

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 そんなわけで、クラモフスキー新監督の就任と、篠田監督のコーチへの格下げが正式に発表になった。ここで微妙なのは、篠田さんは「ヘッド」コーチとはされていないことである。これは、クラモフスキー氏に、自分の気心の知れた専門家をヘッドコーチに据えたいという意向があり、そのポストを空けているからなのだろうか? だとすれば、篠田さんはチームでどのような役割を与えられるのか? 取りあえず監督退任を飲ませるためにコーチ起用をオファーしたけれど、結局、飼い殺しなどということがなければいいのだが。

 今回のクラモフスキー氏の監督起用、個人的な考えを言えば、期待はしたいのだが、今のところ不安の方が大きい、といったところである。所長は以前から、清水の監督に起用していいのは、トップチームの監督として(それもできればJ1の監督として)実績のある人に限るべきだと考えていた。サッカーおよびチーム作りを知識として知っているというのと、実際に現場の最高責任者としてチームを率いるというのはやはり別物であり、またJリーグ固有の特徴や環境もある。清水のような体力が弱いクラブには、海のものとも山のものとも分からないような原石の指導者を招聘するリスクは、許されないと思っている。以前当S研でも推したように、戸田和幸氏のような期待値の大きいOBだったら話は別だが、基本的には新米監督は避けたいというのが、所長の考えである。

 「できればJ1監督経験者がいい」というのには、こんな考慮もある。たとえば、数年前に清水の監督を務めたゴトビ氏に関し、いまだにサポ間で評価が二分されており、不毛な論争のネタになったりする。彼だって、Jの他のチームを率いたことがあったら、もっと客観的で冷静な評価ができたと思うわけである。たとえば、ゴトビ氏が名古屋グランパスを大躍進させたけど、清水では上手く行かなかったというなら、明らかに清水の戦力の低さが原因ということが分かる。しかし、Jでは清水の指揮しかしていない以上、ゴトビ政権が失敗したのは監督が悪かったのか、選手が悪かったのかなんてことを、証明する術はないのである。来季、考えたくないが、クラモフスキー監督がしくじった場合にも、「監督が悪い」、「いや選手が悪い」という不毛な論争・対立が巻き起こることは、目に見えている。

 2019年にマリノスを大躍進させたポステコグルー監督は、マンチェスター・シティ流のポジショナルプレー、5レーン理論、ニセSBなどの現代的な戦術を駆使して成功したと考えられている。しかし、専門家に言わせれば、一見シティのやり方に似ているけれど、細部の詰めの甘い「なんちゃってシティ」の域を出ていない、なんて声も聞かれる。「小ポステコ」ことクラモフスキー氏の指揮官としての手腕は未知数であり、「なんちゃってシティ」の「劣化コピー」にならなければいいが、というのが現時点の所長の心境だ。ポステコ横浜はシティの国際ネットワークで可能となった的確な補強によって支えられていたが、清水にその芸当は無理(GMのビデオチェックが頼り?)だということも認識しておく必要がある。

 清水というチームをガラっと変えようとする試みだから、少なくとも半年、いや2年くらいかかるかもしれない。もう今日から新監督で練習を始めたいくらいだが、まだ清水にとっての今季は終わっていないし、悪いことに来季の開幕は早いので新たなチーム作りに許される時間は短い。クラブ、サポは、どこまで我慢するか。「東京五輪中断を最下位で迎えてもいい」というくらい覚悟を決めないと、清水は変わんないぞ。

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 「清水の来季新監督に横浜F・マリノスのピーター・クラモフスキー・ヘッドコーチが就任することが13日、濃厚となった。続投が基本線だった篠田善之監督は今季限りで退任し、来季はコーチとしてチームに残る予定。14日にもクラブから正式発表される」と報じられている。数日前に名前が挙がったうちの1人に、実際に白羽の矢が立ったようだ。

 個人的に、今回の話が出るまで、クラモフスキーなんて存在は認識していなかったし、その手腕や人となりも知らず、「分からん」としか言いようがない。

 クラモフスキー氏がポステコグルー監督と同じようなサッカーを志向するという前提で、直感的に論評するならば、確かに楽しみな部分はあるものの、やや危うさを感じる。単に、「今季の横浜のような楽しい攻撃サッカーをやりたいから、ポステコ本人を引き抜くのは無理にしても、小ポステコを引っ張ってくるか」的な発想でクラモフスキーの招聘に動いたのだとしたら、落とし穴が待ち受けているのではという不安を感じる。

 今の清水にとっての一番の課題は、守備の規律や組織の立て直しであろう。クラモフスキー氏にその手腕はあるのか? 篠田さんがコーチで残る方向のようだが、篠田さんの持ち味は相手チームのスカウティングや対策であり、今季の実績を考えても、篠田さんが清水の守備を見違えるように良くしてくれるとは思えない。では、新たに守備専門のコーチでも招聘するのか? その部分がはっきりしないと、来季に向けて安心できない。

 今季のマリノスは、失点が38と、優勝チームの割には多かった。しかも、チアゴ・マルチンスという今季のJ1の守備のMVP級のCBが広いエリアを奇跡的にカバーしてくれたからこそ、その程度の失点で収まったのであり、もちろん相棒CBの日本代表・畠中の存在も大きく、属人的要素が大きい。さらに言えば、マリノスでGKに求められているような役割を果たせる、足元の上手いGKは、今の清水には見当たらない。今の清水のディフェンス陣の陣容で、今季のマリノスのような戦術をとったら、危険なことこの上ない。新監督の主導で守備系総入れ替えくらいの大ナタを振るわないと、無謀な挑戦になりかねない。

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 それにしても今季の清水の残留は、ありえない、奇跡に近いものだったと思うわけである。これまでのJの歴史を見れば、最多失点のチーム、ワースト得失点差のチームは、ことごとく降格してきたからである。

 そのことを確認するために、上掲のような表を作成してみた。J1はチーム数やレギュレーションに変遷があり、過去には1チームだけ入れ替え戦に回っただけのシーズンもあったりしたから、現在と同じ18チーム、シーズン34試合で、降格チームが3ないし2.5になった2005年以降のデータをまとめてみた。青が残留、赤が降格である。

 まず、最多失点のところから見ていくと、最多失点のチームは17位か18位で降格というケースがほとんどであり、これまでの歴史で残留に成功したのは2009年の磐田と2018年の名古屋だけだった。最多失点のチームとしての過去最高順位は2009年磐田の11位であり、今季の清水は12位に終わって、わずかに届かなかった(別にそんなことで張り合わなくてもいいが)。

 そして、得失点差のデータは、よりダイレクトに順位に直結している。ワースト得失点のチームは最下位が定位置であり、従来の歴史では、どんなに頑張っても2007年の広島の16位が最高であった(入れ替え戦で敗れて降格)。2019年の清水が、ワースト得失点差でありながら残留を果たしたのは、もちろん現行レギュレーションでは初の快挙である。それのみならず、12位というそこそこの順位でフィニッシュしたのは、空前絶後と言っていい。勝つ試合は常に1点差で、負ける試合では派手に負けるという今季の清水の大クセが、この珍現象をもたらした。

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