
ロティーナ体制で躍進を遂げることは、今後の5年、10年の清水の行方を左右するが、もっと長期、数十年単位で見て、最重要な課題は、やはり新スタジアムの建設である。そんな中、19日に、「『清水港スタジアム構想』見送り」という気になるニュースが伝えられた。
静岡市の新しいサッカースタジアムの候補地として注目されている清水港にある土地の活用について、土地を所有する企業の検討が続いているとして、県は1月にまとめた港の将来像を示す計画に、この土地に関する記載を見送りました。スタジアム構想の具体化は遠ざかる見通しです。
静岡市では、サッカーJ1・清水エスパルスの本拠地となっているスタジアムが、Jリーグの施設基準を満たさず、交通も不便だとして、エスパルス側は7年前から市に新しいスタジアムの建設を要望しています。こうした中、エネルギー大手「エネオス」が清水港に所有する土地の活用について、去年7月、県と協定を結んだ際、大田社長がスタジアムについて「検討する場面があろうかと思う」と発言し、この土地が候補地の1つとして注目されていました。県は、ことし清水港の将来像を示す港湾計画に土地の活用方針を反映する方針でしたが、その後、エネオス側の検討に時間がかかっていて、どの程度の土地が提供されるかわからないとして、1月にまとめた計画案では、この土地に関する記載を見送りました。
エネオスは取材に対し、「引き続き行政と連携して検討を進めていく」と話しています。県港湾企画課は「エネオスから具体的な方針が示されしだい、計画への反映を改めて検討する」としていますが、スタジアム構想の具体化は遠ざかる見通しです。
まったく、この絶望的なまでの煮え切らなさ、スピード感のなさは、一体何なのだろうか? まあ、エネオスさんは私企業で、自社の利益を最大化するために活動なさっているわけだから、スタジアムよりももっと利益になりそうな事業があって、そちらを優先するということならば、それは仕方がない。しかし、今回のニュースを見る限り、そういう具体的な活用の代案があるわけではなく、単にズルズルと決定を引き延ばしているというニュアンスである。一応、駅の目の前の一等地なのに、何年も塩漬けにして、どうしたいのだろうか? 思うに、県の側の「是が非でも」という押しが弱いのではないだろうか。お役人さんの、「具体的な方針が示されしだい、計画への反映を改めて検討する」という受け身で消極的な姿勢には、失望を禁じ得ない。
日本の官僚機構に特有の、根回し、調整、ご機嫌伺いといったやり方では、清水の新スタは一歩も進みそうにない。この問題こそ、まさにPENETRATEが必要だ。つまり、「やる」と決めて、突き進んでいく、突破していくという姿勢こそが必要だ。行政が煮え切らないというなら、クラブがその強力なリーダーシップを発揮するしかあるまい。
よかったらクリックお願いします
にほんブログ村