J1昇格プレーオフ決勝の名古屋と福岡の試合を観たけど、とにかくDAZNの中継が汚物のように酷く、見るに堪えなかった。馬鹿にサッカー番組作らせるとこうなるという究極を見た思いがする。まあ、DAZNに限らず、昨今の世界的なサッカー中継の非常に悪いトレンドは、画面をガチャガチャ切り替える、特にサイドの選手がクロスを上げようとすると文字通りの馬鹿の一つ覚えでその選手の背中をアップにして全体像が分からなくなる、スロー再生を多用しすぎる(プレーがすでに動いているのにお構いなし)、誰も見たくもない観客席や監督の表情などを頻繁に映しすぎる、といった現象がある。サッカーなんてのは、ずっと俯瞰で全体を見ているのが一番に決まっているのに、やたらショーアップしようとして色んなカメラを駆使しようとするから、視聴者にとっては迷惑な落ち着きのない映像が続き、巨大なストレスを感じる。そして、DAZNの製作者は、能力もないのにそういうトレンドを上辺だけ取り入れようとするので、まったく鑑賞に堪えないサッカー中継が出来上がる。ついでに言えば、日本のサッカー中継にはなぜかピッチレポーターという下らない役目がいるが、試合の流れとは関係なく、どうでもいい感動話みたいなもので割り込んでくるのは邪魔でしかない。それで、日本人の愚かなところは、今回のようなプレーオフ決勝といった重要な試合ほど、解説者やレポーターの数を増やした方が豪華な布陣だというアホな勘違いをしていることであり、名古屋VS福岡戦でも両チームそれぞれのレポーターからの割り込みが随時入ってくるので、そのたびにイライラさせられる。
で、こんな風に日本のサッカー中継(特にDAZN)を不快と感じるのは所長くらいなのかというと、全然そんなことはない。高名なサッカーライターの後藤健生さんが、こちらのコラムの中で次のようなことを書いている。
(リバプールVSチェルシー戦で)そんな中盤での絡みがよく理解できたのは、じつはアンフィールドでの中継カメラの位置のおかげでもあった。つまり、高い位置からの「引き」の画面である。ピッチを俯瞰するアングルで広い範囲を映してくれるのである。この試合の中継では、プレーが続いている間は、ほぼこのカメラだけで映像が作られていたのだ。 高い位置からの映像だから、全体の配置がよく分かる。そして、ゲームが動いている間に、低い位置のカメラやリバースアングルのカメラ、「寄り」の映像などに切り替わることがないから、同じ角度で集中してずっと試合の流れを追い続けることができる。 「全体を俯瞰するアングル」。これが、やはりサッカーを見るには最良の視点だ。だから、サッカー専用スタジアムの傾斜が急なスタンドが一番なのである。
日本のテレビ中継を見ていると、今でもアングルをころころと切り替えることが多い。いや、ヨーロッパの国でも、そういう中継はよく見かけるものだ。それでは、見ている側はとても試合に集中しづらくなってしまう。 そんな中で、あのアンフィールドの中継映像を見ると、「さすがにサッカーの伝統国」と感心せざるを得ない。また、J SPORTSでのこの試合では、実況アナウンサーも、解説者もゲーム以外の雑情報の紹介は最低限に抑えてゲームに集中していた。その点でも、視聴者はこの好ゲームを集中して堪能することができた。 つまり、映像の面でも、そして音声の面でも、この試合の中継は「非常にストレスのない」ものだった。日本でも、こういう放送を根付かせていきたいものである。
以上が後藤さんの意見だが、全面的に賛成。
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