エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

カテゴリ: エスパルス

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 シーズン開幕直前だけど、個人的に特別な情報も持っていないので、ブログのネタに窮している。だからというわけでもないのだが、今般エスパルスに復帰しGMに就任した久米さんが昔書いた本を読んでみた。久米一正『人を束ねる(幻冬舎新書)』(2012年)という本である。

 まあ、これを読んで、人物像はだいたい分かった気がする。Jリーグでは、アントラーズの鈴木満氏が長らくチームの強化を継続的に手掛けてきた結果、一貫したチーム作りが可能になり、それが強さの秘訣だということが良く言われる。おそらく、久米さんは、それと並ぶ手腕の持ち主だろう。だが、アントラーズの鈴木氏がどちらかというと農耕民族的に一つの土地を丁寧に耕し続けるのに対し、久米氏の場合は遊牧騎馬民族的というか、勢いとかハッタリとか、そういう手荒な手段も用いながらチームを強化しようとするというか、そういう違いがあるのかなと感じた。だから、久米さんが手掛けたチームは必ず強くなるけれど(柏はカップ戦優勝、清水は健太黄金期、名古屋はリーグ優勝)、栄華が長続きせず、しばらく後にJ2に降格しているという共通点がある。まあ、名古屋のJ2降格における久米さんの責任については、評価が分かれているようだけどね。

 あと、久米さんは名古屋のGMに就任する際、優勝のための3ヵ年計画というか、そのくらいのタイムスパンで物事を考えていたらしい。たぶん、それは今の清水でも同じだろうから(あるいは、当時の名古屋よりももっと時間がかかると覚悟しておくべきかもしれない)、辣腕の久米さんが来たからといって、1~2年ですぐに効果が出るとかは思わない方がいいだろうね。たぶん、今シーズンのルーキーは皆、久米さんが来る前に内定していたはずで、監督や補強の人選には関与したにせよ、まだチーム編成に久米色はそれほど反映されてないだろうしね。

 あと、この本を読んで面白かったのは、「有望な選手を獲得するためには、入団時点で将来のフロント入りを確約することもある」というくだりだった。「あの選手はそういう枠だったのかな?」なんて想像したりしている。

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 前のエントリーでご紹介した岐阜との練習試合の動画、YouTubeから削除されちゃったみたい。残念。なんか、権利関係の問題でもあるのかね?

 チームもお休みだし、まったく書くことがないや。

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 まあ、とにかく、自分が応援しているチームが低迷したり、負けたりというのもイヤだけれど、何がイヤといって、試合が観れないことほど、イヤなものはない。そんな次第なので、岐阜との練習試合、上掲のように、動画をアップしてくれた方がいて、もう神様、仏様というほどのありがたさである。45分を3本やって、そのうちアップされているのは2本目だけだが、4点が集中して入ったのはその2本目なので、これだけでもいいだろう(笑)。決して観やすい角度ではないが、それも許す。とにかく、久し振りに清水というチームが試合をしている様子をこの目で見て、満足感を得ることができた。

 この角度からの動画では、細かいことは分からないが、試合(というか2本目)の全体的な構図は、一目瞭然である。ボールは6割方、岐阜が握るが、ほとんどフィニッシュまで行けない。それに対し、清水は、ボールを保持する時間こそ短いものの、敵DFラインの背後を狙うシンプルな攻めや、アタッカーの個の力で上回り、効率良く得点を重ねた、といったところだろう。

 金子は試合後のコメントで、「相手に持たせている感覚があった」というようなことを言っており、手応えを口にしている。ただ、岐阜さんはポゼションに定評があるとはいえ、現実にはJ2の中でも決して上位でないということを考えると、このクラス相手には、自分たちが主導権を握る時間も作れないと、厳しくなるだろう。

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 清水サポの皆様、心穏やかに過ごしておられますか?(笑)。無理だよね、これだけプレシーズンの仕上がりが悪ければ。

 まあ、J3だのJ2上がりだのに勝てないのもふがいないが、実際に試合を観ることができれば、あーだこーだと論評もでき、まだしも発散できるものの、現地にでも行かない限り、肝心の練習試合を観られないというのがもどかしい。

 シーズン前の鹿児島キャンプって、どうしても必要なものなのかね? 気候面だけ考えたら、清水よりも鹿児島の方がずっと良いというわけでもなく、現にここ数日は九州南部でも雪が降ったりしている。他方、山形が御前崎でキャンプを張ったり、松本に至っては清水でキャンプを張ったりしているわけで、雪国チームにとっては静岡県こそが手近な南国キャンプ地という位置付けになっている。元々静岡県にはJクラブが4つもあるわけだから、それに他県からキャンプ地を求めて来訪するクラブを加えれば、10近くのJクラブがプレシーズンに静岡に集結する、ということも可能なはずである。そうなれば、練習試合の対戦相手にも事欠かないし、ちょっとしたプレシーズン大会すら開催が可能であろう。サポもご近所で、愛するクラブの仕上がりをチェックできるようになる。

 それとも、九州・沖縄とか、あえて遠隔地に出かけて行って、いつもとは違う環境で集中して練習すること、共同生活を送ることにより、チームの結束とか成熟が図られるとか、そういう効果があるのかね? そういうことでもない限り、コスト面からも、地元キャンプでいいような気もするが。

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 DAZNがJ3も漏れなく中継するようになり、藤枝さんや沼津さんの存在もあるので、昨シーズンは結構J3の試合も観た。所長が、J3の試合を観て、第一印象として感じるのは、

 「選手が小ちぇえな・・・」

 ということである。下のカテゴリーに行くほど、体格面でも、劣っていく傾向がはっきり認められる。まあ、中には、いわきFCさんのような変態的なクラブもあるが(笑)。

 そういう観点からすると、現在の清水のメンバー構成は、非常にまずいものだと言わざるをえない。小兵選手が多く、明らかにバランスを失している。自ら好き好んで、「J3規格」を選択しているように思えてしまう。現在、清水に所属しているプレーヤーで、一応の目安として、170cm以下の選手を整理すると、以下のようになる。

水谷拓磨:162cm

金子翔太:162cm

髙橋大悟:164cm

河井陽介:165cm

滝 裕太:167cm

村田和哉:168cm

清水航平:168cm

楠神順平:170cm

石毛秀樹:170cm

 当S研では、以前も力説したことであるが、所長は個々の小兵プレーヤーが悪いと言っているわけではない。これらの選手一人一人のことは、所長も大好きであり、活躍を心から願っている。ここで主張しているのは、あくまでも、チームの編成の中で、「小柄なテクニシャンまたはスピード・タイプ」に偏りすぎていませんか、ということである。レイソルみたいに、170cm台、180cm台の選手たちの中に、小柄な中川寛斗が1人いるというのであれば、面白いアクセントになる。しかし、もし仮に、清水の試合で、上掲の170cm以下の選手たちが3人くらい揃ってピッチに立つようなことがあったとしたら、ハイボールの競り合いや球際でことごとく敗れ、確実に劣勢に陥るだろう。多少テクニックがあったとしても、フィジカルで圧倒されたら、そもそもテクニックを発揮する余地がない。

 むろん、ヨンソン監督は体格面も考慮しながらバランス良くメンバーを選考しようと努めるはずだが、昨年みたいに怪我人が相次げば、「とにかく、いる選手を出すしかない」なんて窮状も考えられる。今季に関する所長の不安ポイントの一つである。

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 当S研では、しつこく2017シーズンの振り返りを続けてきた。普通であれば、とっくに新シーズンに関心が移ってもよさそうなものだが、遠隔地に在住し、特別な情報源も持たない所長は、まだ2018年のチームについて語るべき事柄がそんなにないのである。三保に練習を観に行ったり、ファン感謝デーに参加したりもできないので、ネットで皆さんが見ているのと同じ公開情報に接するだけであり、特別なネタもない。そこで、当S研は、新シーズンが開幕するまでしばらく、更新が途絶えがちになると思う。遅れ馳せながら、ちょっとしたシーズンオフといったところかな。新シーズンが始まったら、過密日程で試合が続き、当ブログも否応なしに毎日更新となると思うので、その時にまたよろしく!

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 すでに新シーズンに意識が向かっている大方のサポさんと異なり、当S研ではしつこく2017シーズンの振り返りを続けている。2017年にリーグ戦に出場したすべてのオレンジ戦士につき、昨日までの「個人別反省会」で、個別に論評した。

 しかし、2017シーズンを振り返るに、いた選手だけでなく、いなくなった選手のことも、どうしても考えてしまう。大前元紀の大宮移籍、あれは返す返すも、不幸な出来事だった。大久保が川崎から東京に移籍し、家長が大宮から川崎に移籍し、家長の後釜のような意味合いで大前が大宮に移籍したわけだったが、大久保や大前にとっては完全な失敗移籍だったし、家長も川崎が最良の選択だったという印象はない。全体として、不幸な玉突き移籍だった。

 特に大前の場合は、失った清水にとっても、獲得した大宮にとっても、そして本人にとっても、何の得にもならなかった。Win-Winという言葉があるが、大前の大宮移籍はまったくもってLose-Lose-Loseだった。

 まあ、はっきり言って、大前は清水にとって功罪両面があった。得点能力は高かったが、前線から守備をするというよりも、攻め残って得点を狙いたいタイプであり、近年の清水で守備組織が機能しない一因にもなっていた。しかし、テセと大前の2トップが健在なら、J2時代のように得点量産とまでは行かないまでも、J1でも一定の得点力は維持できたはずだ。2017シーズンの開幕前に、評論家連中が「大前の抜けた穴が・・・」と異口同音に指摘していたが、シーズンが終わってみれば、ある意味でその指摘は正しかったと認めざるをえない。

 大前本人にとっても、慣れ親しんだ清水で普通に試合に出続ければ、二桁得点くらいは狙えたのではないか。ロシア・ワールドカップは無理として、国内組限定の東アジア選手権で代表招集されるくらいのことはあったかもしれない。それが、「代表に呼ばれるためには、環境を変えなきゃ」みたいに焦った結果として、降格・大宮の戦犯となり、代表など夢のまた夢という境遇となってしまった。もはや清水と関係ない選手とはいえ、その身の上は、同情を禁じ得ない。

 本当に、誰にとって何の得にもならない、不幸な玉突き移籍だった。でも、JリーグはDAZNマネーを使って、わざと貧富の格差を作り出し、一部のビッグクラブに戦力が集中するように仕向けているわけだからね。これからそのマネーが引力となって、不幸な玉突き人事は、どんどん増えていくだろう。

 ちなみに、平山相太が東京から仙台に移籍し、今般クリスランが仙台から清水に移籍したので、これで大久保の東京移籍に端を発したアタッカー玉突き移籍は一回りしたことになる。まあ、もう大久保は出戻り、平山に至ってはこのほど引退表明しちゃったけどね。

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 昨年暮れから断続的に続けてきた「個人別反省会」は、途中で方針を変え、2017年にリーグ戦に出場した選手は全員取り上げることにしたが、それもいよいよ最終回である。2017シーズン終了時に引退した杉山浩太は、ルヴァンカップは先発出場もあったものの、リーグ戦は第2節のアウェー広島戦が唯一の出場であり、しかも数分出ただけで、走行距離も773メートルに留まった。最終節まで残留争いが続いたので、最後に花道的な出場を、ということもかなわなかった。しかし、一説には浩太は好調をキープしていたというし、思い出作りという意味合いではなく、特にボランチの人繰りが苦しくなった時などに、浩太を使えばいいのにと感じたことも何度かあった。ただ、出場機会は多くなくとも、我々の目には見えないところで、チームを支えてくれていたのだろう。お疲れ様でした。2017シーズンの個人別反省会も、これにて大団円。

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 この「個人別反省会」、当初は、主なプレーヤーだけ語ろうかと思ってたんだけど、行きがかり上、リーグ戦に出場した選手は全員取り上げることにした。で、飯田選手。右サイドバックのバックアッパーとして期待された新顔であり、開幕当初はチラホラと試合に絡んでいたものの、すぐに怪我をして、残りのシーズンはほぼリハビリに費やした。だから、どんなプレーヤーなのか、まだ良く分からない。鎌田よりは攻撃的SBということになるのかな? 一説によると、練習中に角田隊長にどやされてシュンとしてたというような話も聞いたことがあるが。。。まあ、とにかく、うちのサイドバック、手薄なんで、2年目の開花、期待してるよ。

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 センターバックも、ボランチも、サイドバックも、怪我人が続出したのに、一応それらを全部できる村松の出場機会は、少なかった。2017年で印象に残ってるのは、もう敗退が決まった後のルヴァンカップ最終節で、顔でゴールを決めたことくらいかな。

 あと、当ブログでも書いたけど、リーグ戦のホーム川崎戦で、CBとして先発した村松がファウルをとられて、そのフリーキックから先制されて、結果的にも惨敗したんだけど、負けたのは必然だったとはいえ、あれをファウルと判定されたのは、いまだに納得できない。村松らしい、粘り強い良い守備だったのに。

 結構好きな、思い出深い選手なのに、いなくなるのは寂しいな。

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 得点ゼロに、アシストもゼロ。残念ながら、それが村田の2017年リーグ戦の成績だ(ルヴァンではアシストがあったような)。得点はともかく、あのプレースタイルで、アシストゼロはきつい。レイソルの伊東純也みたいに、相手ディフェンダーにマークされても、それを押しのけて前進するような力強いドリブルならいいんだけど、村田の場合は2人くらいに前をふさがれて、はい終了ということが多い。確かに、村田が右サイドで仕掛けて、コーナーキックを獲得するところまでは行くこともあったけど、2017年の清水の場合には、コーナーがほとんどチャンスに繋がらなかったし(逆にカウンター浴びて大ピンチになることが多かった!)、相手も「村田に仕掛けられたらコーナーでOK」と割り切ってるようなフシがあった。

 村田君、キミ、2018年は正念場ですよ。役割がかぶりそうな楠神も来たわけだし。

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 この「個人別反省会」、昨年暮れにアタッカー編をやった時には、「Youは省略」なんて書いちゃったけど、それはあんまりなんで、やっぱり取り上げさせていただく。

 2016年は鳴かず飛ばずで、「Youは何しに」などと揶揄されちゃったけど、実は足の痛みを抱えてプレーしていたということだ。2017シーズンになり、ようやく本人も本来の感覚でプレーできるようになったらしく、終わってみればリーグ戦で2点、天皇杯で3点。特に、夏場の活躍は目覚ましく、一時はテセよりも頼りになる大黒柱に思えたものだ。印象深いのは、You自身の得点シーンというよりも、ホーム・セレッソ戦でYouのゴールが誤審により取り消され、アイスタのマグマが沸点に達して、それが大逆転劇への呼び水となったことだろう。スーパーゴールを2発決めた北川と並んで、あの勝利の立役者だった。ただ、秋以降は得点がなく、もしかしたらまた足のコンディションが悪化したのかもしれない。足の不調さえなければ、得点能力が高いことは2017年に証明したわけだから、2018年もぜひよろしく頼む。

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 確かに、出場機会は少なかった。加入直後に怪我をして、リハビリが続いたから。しかし、本人はそれをふがいなく思い、球団に年俸の返上を申し出た(むろん却下されたが)という話を聞いて、所長の中での好感度が一気に高まった。イケメンの上に、男気も格好良いぞ。

 それに、何と言っても、逆転弾を含む、最終節の活躍。それだけと言ってしまえばそうなのだけど、それだけでも価値ある貢献だった。

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 セレッソのユンジョンファン監督は、ボランチの山村を攻撃的MFまたはFWにコンバートして成功したけど、うちの小林監督は選手を後ろにコンバートするのが好きだったのかな(笑)。広島からシーズン途中にレンタル移籍してきた航平は、わりと攻撃的なイメージがあったのだけど、2017年のエスパルスではほぼサイドバックのプレーヤーとして使われた。

 そんなに派手な活躍をしたわけじゃなかったけど、広島でリーグ優勝を何度も経験しているだけあって、リーグ終盤には、彼の落ち着きがチームを助けた面が結構あったのではないかと思う。「とにかくボールが来たらクリア!」という清水の中にあって、胸トラップでボールを収めて味方に繋いだり、ちょっとしたフェイントで敵をかわしたりといった航平のプレーが、チームのリズムを取り戻すきっかけとなっていたように思う。一つだけ難を言うならば、身長がないので、最終ラインに入った時に、ヘディングの競り合いで負けることが何度かあったような。いずれにしても、よくまあ広島さんがこんな選手を貸してくれたものであり(しかも2017年にモロに残留を争うことになるエスパルス相手に)、2018年も引き続きうちでプレーしてくれるということで、頼もしく思う(ヨンソン監督との関係は知らん)。

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 いなくなっちゃった人(しかもシーズン途中に)のことを論じてもしょうがないかもしれないけど、まあ一応取り上げておく。誰がどう見ても、野津田はアタッカーであり、現に開幕戦は枝村を押しのけて右サイドハーフで先発出場した。しかし、第2節の広島戦が契約の関係で出場できなかったのを経て、第3節以降はずっとボランチでプレーした。ところが、特に怪我情報などはなかったはずだが、いつの間にか出場機会を失い、シーズン半ばで清水を去って仙台に移籍していった。

 とにかく、新加入選手がほとんど戦力の上積みにならなかった2017年の清水だが、野津田も大いなる期待外れに終わったと言わざるをえない。ミドルシュートのパンチ力とか、直接ゴールを狙うフリーキックとか、良いものを持っているはずなのだけれど、清水では発揮できないままだった。ただ、野津田個人というよりも、やはりコバさんの野津田ボランチ起用に無理があったのではないか。仙台に移ってから、本来のシャドーの位置で、高い決定力や巧みなボジション取りで得点を連発している姿を目の当たりにして、「清水も、もっと使いようがあったのではないか」と後悔したのは、所長だけではなかったはずだ。

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 2017年の清水が大苦戦した大きな要因の一つに、新外国人がハマらなかったという問題があった。まあ、チアゴは一時期センセーショナルな活躍をしたから、まだいいとして、カヌとフレイレという2人のブラジル人ディフェンダーがフィットしなかったのは痛かった。

 結局、1年を通して守備の弱点は解消されなかったというか、むしろシーズンが進むにつれ傷口が広がっていくような、そんな印象だった。だが、清水の中央の守備が弱いことは、最初から分かっていたのだ。だからこそ、貴重な外国人枠のうち2枚も、ブラジル人ディフェンダーにあてた。もっとも、小林監督は、そのうち1枚を守備専のボランチとして起用する青写真だったようだが。

 しかし、カヌは確か、開幕当初、怪我で出遅れたんだったよね。フレイレは、開幕からボランチとして起用されたものの、第2節で早々と監督に見切りをつけられ、代わって野津田がボランチを務めるようになった。その後、カヌ&フレイレは控えおよびカップ戦要員という位置付けとなっていったが、ルヴァンカップでカヌが試合前のアップで故障して出場できなくなったり、フレイレも退場になったりと、ちぐはぐな状況が続いた。

 犬飼が負傷離脱すると、カヌが一時期センターバックとして定位置を掴んだ。カヌはセットプレーのターゲットとなり、甲府戦で二見の決勝ゴールを呼び込んだりもした。しかし、ディフェンスラインで右サイドの鎌田とカヌのコンビネーションが上手く行かず、何度も背後をとられて決定的なピンチや失点を招いた。言葉の面でコミュニケーションが難しかったのかもしれないけど、ブラジル人ディフェンダーなら本能ででも守り切れよと言いたくなった。所長は一度、当ブログで、「ダメモトで、カヌ&フレイレのCBコンビを見てみたい」と進言したことがあったが、実際にそのCBコンビが実現したにもかかわらず失点を重ねた試合(天皇杯の川崎戦)を目の当たりにして、「ダメだこりゃ」と頭を抱えるしかなかった。結局シーズンを振り返ってみれば、カヌはごく一時期CBとして存在感を発揮しただけ、フレイレは逃げ切りを図る試合終盤の守備固めとして時々仕事をした程度で、2人が清水の守備の救世主となることはついぞなかった。

 このオフの動きで、カヌは契約終了、フレイレは更新という結果となった。でも、フレイレって、本当に、レギュラークラスのCBとしては使えないのかね? まあ、コバさんの「外国人嫌い疑惑」は別として、フレイレは、監督が代われば、やってくれそうな気がするんだけどな。あんなカッコいいのに、サッカーが下手なわけ、ないっしょ。

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 2017年に六平は、主にボランチとして、時に右SBとして、コンスタントに出場した。出場試合数、出場時間などは、チーム屈指の数字だった。シーズン終盤に負傷欠場があったものの、あれは確か試合中の接触プレーが原因だったから、公傷ということでやむをえないだろう。

 だが、しかし、1年を振り返ってみても、六平が攻撃面で光るプレーをしたような場面を、ほとんど思い出せないことも、否めない。ボランチはまず守備が大事だし、特に2017年の清水のように守勢に回る時間が多かったチームではそうなって当然だが、それにしても、「ここぞ」という場面でボランチが攻めあがったり、ミドルを決めたりというシーンが、もうちょっとあってもいいと思うんだよね(現に増田はわずかな出場時間にもかかわらず、最終節でそれをやってみせた)。

 六平のゴールと言えば、2014年にアウェー川崎で劇的な勝利を収めた時に竹内とのコンビネーションでペナに侵入して決めたやつが印象深いけど、清水での得点はそれが唯一のようだ。言い換えれば、ミドルシュートは、1回も決まってない。ミドルシュートの球筋は、ランパードっぽい低い弾道で(褒めすぎか?)、悪くないんだけどね。不思議と決まらない。

 2018年は、まずは早く怪我を治して、引き続き主力としての活躍を期待するとともに、少なくとも1本はミドルシュートを決めてほしい。

 そういえば、最近、六平パパの話をあまり聞かないが、元気かな?

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 2017年、清水に生じた誤算の中でも、シーズン序盤、竹内涼の怪我での出遅れも、かなり痛い出来事だった。開幕前には、テセや角田らが口を揃えて、「竹内、イイネ、代表もあるんじゃないの?」なんて称賛してたほどだったんだけと、怪我で開幕には間に合わず、ようやくベンチ入りしたのが4月30日の第9節ホーム仙台戦、初出場は5月5日の第10節アウェー・ガンバ戦にまでずれ込んだ。開幕戦で河井が大怪我したことに加え、竹内が出遅れたことで、真ん中にぽっかりと穴があき、野津田をボランチに回したりと、小林清水の迷走が始まったわけだしなあ。

 まあね、竹内は、戦列に復帰して以降は、コンスタントに出場を続け、チームにとってなくてはならない存在とはなったものの、何しろプレシーズンの前評判があまりに高かったものだから、どちらかというと期待外れの印象の方が強まってしまったかもしれない。竹内が加わって、多少、ボールの巡りは良くなったものの、彼のパスミスやボールロストで致命的な失点をした試合も結構あった。

 1年遅れでもいいから、テセや角田らが言っていた「竹内、代表あるかも」という期待に応えるような活躍を、2018年にしてほしい。

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 2017シーズン、もしも河井陽介が1年を通してプレーできたら、清水はもっと勝てたか? それは、分からない。もしかしたら、もっと負けたかもしれない。

 しかし、もしも河井陽介が1年を通してプレーできたら、清水のサッカーが全然違ったことは、間違いないだろう。少なくとも、ボール支配率が43.8%でJ1の最低なんてことは、なかったはずだ。「ボールが自分のところに飛んできたら、全部、力いっぱい蹴っ飛ばしてクリア」なんていう、小学生のサッカーみたいなことにも、ならなかっただろう。むろん、ディフェンスラインから河井に繋ごうとしてカットされたり、河井が潰されたりして、失点を招くケースも増えたかもしれない。でも、河井がいてくれれば、ひたすら相手チームに蹂躙されるのを耐え忍ぶだけのサッカーでは、なかったはずである。観ていて少しは楽しい、期待が持てる、プロらしいサッカーにはなったはずである。

 だからこそ悔やまれる、あの開幕戦の怪我。接触プレーでもなんでもなく、ただ単に、少しずれたパスを収めようとして、無理な体勢になっただけだったんだけど。その1プレーで、1シーズンの清水のサッカーが左右されてしまったわけだから、まったく恐ろしいものだ。

 新監督の下で、どう使われるか分からないけど、まずは怪我なく1年元気で過ごしてほしい。ていうか、花の1989年生まれ組も、だいぶ少なくなっちゃいましたな。

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 仕事が忙しくて、2日ほどブログ休んじゃったけど、個人別反省会の再開。ていうか、もう新体制の発表があったから、いつまでも昨シーズンのことをしつこく語るのも、当S研くらいかもしれないけど、まあ行きがかり上、続けるか。

 それにしても、J2を戦った2016シーズンには、コバさんの選手配置がそれなりにハマった印象があったけど、2017シーズンはむしろコバさんのコンバートが物議を醸したことの方が多かった。その代表例が、「二見は対人に強い」という理由で、コバさんが二見のセンターバック起用にこだわったことだろう。まあ、こだわったというよりも、左SBは松原の指定席になったし、逆にCBが駒不足に陥り、窮余の策だったのかもしれないが。いずれにしても、二見は元々「2番手の左SB」みたいな位置付けのプレーヤーであり、清水でも松原のバックアップみたいな役回りだったら、あそこまで致命的な守りのミスを重ね、サポから非難を浴びることもなかったと思うのである。ここ数年の清水は、J2からレンタルで獲得した左SB(フクちゃん)がいつの間にかスリーバックを真ん中で統率してたり、昨年の二見のように左SBがCBにコンバートされて、J1ではちょっとお目にかからないようなお粗末な失態を繰り返したりと、奇怪な現象が続いている。二見にはしっかりしてほしいと思う反面、状況の被害者という気がしないでもない。

 2017年に、清水にとって数少ない痛快だった出来事の一つとして、天皇杯のいわきFC戦で、二見のロングスローからYouが頭ですらして秒殺で先制というのがあったけど、ああいうの、もうちょっと見たかったよね。あと、忘れちゃいけない、ホーム初勝利をもたらした甲府戦の得点は、二見が決めたものだった。2017年に清水が残留できたのは、ひとえに甲府相手に2勝したからだと言って過言でないが、二見もその立役者の一人だった。

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