シーズン開幕直前だけど、個人的に特別な情報も持っていないので、ブログのネタに窮している。だからというわけでもないのだが、今般エスパルスに復帰しGMに就任した久米さんが昔書いた本を読んでみた。久米一正『人を束ねる(幻冬舎新書)』(2012年)という本である。
まあ、これを読んで、人物像はだいたい分かった気がする。Jリーグでは、アントラーズの鈴木満氏が長らくチームの強化を継続的に手掛けてきた結果、一貫したチーム作りが可能になり、それが強さの秘訣だということが良く言われる。おそらく、久米さんは、それと並ぶ手腕の持ち主だろう。だが、アントラーズの鈴木氏がどちらかというと農耕民族的に一つの土地を丁寧に耕し続けるのに対し、久米氏の場合は遊牧騎馬民族的というか、勢いとかハッタリとか、そういう手荒な手段も用いながらチームを強化しようとするというか、そういう違いがあるのかなと感じた。だから、久米さんが手掛けたチームは必ず強くなるけれど(柏はカップ戦優勝、清水は健太黄金期、名古屋はリーグ優勝)、栄華が長続きせず、しばらく後にJ2に降格しているという共通点がある。まあ、名古屋のJ2降格における久米さんの責任については、評価が分かれているようだけどね。
あと、久米さんは名古屋のGMに就任する際、優勝のための3ヵ年計画というか、そのくらいのタイムスパンで物事を考えていたらしい。たぶん、それは今の清水でも同じだろうから(あるいは、当時の名古屋よりももっと時間がかかると覚悟しておくべきかもしれない)、辣腕の久米さんが来たからといって、1~2年ですぐに効果が出るとかは思わない方がいいだろうね。たぶん、今シーズンのルーキーは皆、久米さんが来る前に内定していたはずで、監督や補強の人選には関与したにせよ、まだチーム編成に久米色はそれほど反映されてないだろうしね。
あと、この本を読んで面白かったのは、「有望な選手を獲得するためには、入団時点で将来のフロント入りを確約することもある」というくだりだった。「あの選手はそういう枠だったのかな?」なんて想像したりしている。
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