エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

カテゴリ: エスパルス

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 アウェー仙台戦。事前に、「結果的に勝ち点1でも悪くはないのではないか」というようなことを書いたが、実際にそういう結果になった。5試合連続負け無しで、勝ち点を積み上げていることに、今は安堵はしている。しかし、清水が今後、ガチでタイトル争いするようなチームになるためには、今回の仙台さんくらいの相手は、アウェーであろうと余裕で勝ち切るくらいの力がなければ、厳しいだろう。

 結局、ここ数年の清水は、ヨンソン氏であろうと、篠田さんであろうと、ピーターであろうと、優秀なブラジル人が良いコンディションで揃った時には勝てる、そうでなければ勝てないという法則で動いており、ここ数試合ピーターのチームが上向いてきたとはいえ、チーム戦術の成熟というよりも、ブラジル人助っ人の属人的能力に助けられている部分が大きい。

 そして仙台戦では、ブラジル人多神教のうち一神を欠くことになった。詳細は不明ながら、エウシーニョがベンチ入りもしなかった。左SBが奥井からソッコに代わって、オーソドックスなSB像に近付いたのに続いて、右SBも金井という(神出鬼没の癖もあるとはいえ)、比較的普通のプレースタイルのSBになった。その結果、仙台戦の清水は、J1の中か下くらいの、割と良く見るような感じのチームという印象だった。それゆえの、初のクリーンシートであり、その代償としての久々の無得点ということにもなった。

 杉山茂樹氏にDisられたこともあったが、元々清水がJ1でまったくやっていけないほどの悲惨なメンバーとは思わないし、ピーターが変に革新的な戦術にこだわらなければ、こうやって地味に勝ち点を拾っていくこと自体は可能なのだろう。序盤の連敗でつまずいたので、今はこうやって現実的に勝ち点を積み上げて、チームを立て直す時期ということでいいのではないだろうか。

 ただし、アウェーの勝ち点1を良しとするのは、ホームで3を狙うからこそとも言える。次節のマリノス戦でその難しいミッションに挑戦することになる。

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 アウェーで引き分け、ホームで勝利というのを2度繰り返し、この4試合のリーグ戦だけとれば、まるで優勝争いするチームのような戦いぶりの、我が清水。本日のアウェー仙台戦、もちろん勝ち点3がとれれば最高だが、1だとしても、勢いを継続するという意味では悪くないかもしれない。ただ、ピーターがそんな消極的な戦い方を意図的に選択するとも思えず、あくまでも「結果的に1になっても、流れとしては、悪くないんじゃないの」という意味だが。

 さて、対する仙台だが、勝ったり負けたりで、中位という成績である。上に見るように、オルンガ・パワーに屈して大敗した柏戦を除けば、すべての試合が1点差以内というのが特徴。勝っても負けても大差が多い清水とはかなり異なる。

 清水とも縁がある木山監督、J2時代は非常に手堅い指揮で、引き分けが多い監督というイメージが強かった。しかし、山形最終年だった昨年あたりからアグレッシブに変貌した。そして、今季仙台の監督に就任し、前から強くプレスに行くスタイルに挑戦しているようである。思うに、従来の守備的なイメージは、戦力が不足する中でのやむをえない選択であり、J1の戦力を任されれば、それなりに攻撃的サッカーもやりたい人なのだろう。

 一応、前節の神戸VS仙台もチェックしてみたけど、どうしても神戸の方に目が行って、仙台のプレーはあまり良く憶えていない。支配して勝ったわけじゃないけど、奪った後が速いんだよね。

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 先日の札幌戦、結果的に勝ったから良かったものの、例の鈴木武蔵に決められたフリーキックが、個人的に引っ掛かっている。GK梅田を責める声もあるようだが、所長には、壁の作り方が甘かったとしか思えない。

 というのも、2年くらい前だったか、以前も同じような場面があったからだ。小柄な金子が壁に立ち、その上を越されて、フリーキックを突き刺されたことが。今回もそうだった。金子をはじめ、なぜか身長の低い選手を壁に並べた。これは憶測だが、キッカーが鈴木武蔵に代わったのは、壁が低いのを見て、これは落とすシュートではなく、武蔵の弾丸系のシュートで狙えると、札幌側が判断したからだったのではないか。

 チームによって考え方は色々だと思う。もちろん、敵が中で合わせることを警戒し、長身の選手は壁ではなく相手をマークするというやり方もあるだろう。しかし、今回のように、明らかに壁の高さ不足で、敵に直線的なシュートコースを見せてしまうようなことは、駄目である。たとえば金子の位置に立田が入っていたら、ジャンプ力を含め、壁の高さは40cmくらいアップし、簡単に防げただろうし、そもそも札幌はあのシュートを狙えなかったと思う。反省し、今後の対策に活かしてほしい。

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 同じBチームによるルヴァンカップでも、「何も出来なかった」という印象が強かった名古屋戦と比べて、今回の鹿島戦は、まだしも試合になっていた。実際チャンスもそれなりにあり、2得点も奪えた。Bチームにもピーター戦術らしきものが多少は浸透してきたのと、2週続けての試合で試合勘が身に付いてきたのかなと感じた。

 しかし、一時は逆転まで行った試合で、再逆転を食らい負けたことは、残念としか言いようがない。カップ戦の消化試合とはいえ、鹿島に勝てれば、それなりの慶事である。消化試合でも勝つことによって、リーグ戦に勢いも出るだろうし、今度鹿島とやる時も苦手意識を持たなくて済むだろうし、出た選手の自信にもなるだろう。そのせっかくのチャンスを、みすみす手放した印象が強い。

 もちろん清水の監督も選手も勝ちたいと思ってやっていたとは思うが、やはり勝負に対するこだわりの部分で、鹿島の方に一日の長があった。象徴的だったのは、清水の2失点目。清水がリードしている場面だったのに、カウンターを浴びたら、2対4の絶対的な数的不利の形を作り出され、簡単に決められてしまった。いくらピーターのサッカーが追加点を貪欲に取りに行く考え方だとはいえ、後半リードしている場面で、5バックのうち3人もが行方不明になるというのは何事なのか。

 逆の意味で象徴的だったのは、鹿島の試合の締めくくり方。消化試合なのに、最後はいわゆる「鹿島る」、つまり敵陣コーナー付近でボールを延々とキープし、そのまま試合終了のホイッスルを聞くことになった。どんな試合であっても、きっちりと勝ち切ることが、次の勝利にも繋がるということが、チームの伝統として染み付いているのだ。まあ、はっきり言って、今の鹿島は目を見張るような素晴らしいサッカーをやっているわけではないが、その伝統だけはブレないなと実感した。

 清水の選手たちも、モチベはあったはずである。しかし、何が何でも勝つというよりも、ピーター戦術を浸透させるとか、「自分が点をとってアピールしたい」とか、勝利とはやや違う方向にベクトルが向いていたのかもしれない。特に、ドゥトラ、テセの2人のFWにはそれを感じ、後半2人が揃った時間帯には2人とも攻め残りたがり、結果守備が疎かになって、バランスを崩していたと感じた。

 そんなわけで、今季のルヴァンは、失点禍が止まらず、実に11失点を喫し、3連敗で幕を閉じた。コロナのせいで3試合だけになってしまい、初戦で大敗していた我が軍にとっては、勝ち進むことはいかんともし難かった。若手のアピールという点でも、中途半端に終わってしまったし。3戦目の成岡輝瑠の動きだけは、一筋の光明となったか。

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 今日からしばらくの日程は、次のようになっている。

12日(水)ホーム鹿島戦(ルヴァン)
15日(土)アウェー仙台戦(J1)
19日(水)ホーム・マリノス戦(J1)
22日(土)ホーム横浜FC戦(J1)

 上手くターンオーバー、ローテーションしないと、チームが疲弊して、総崩れなどということにもなりかねない。

 本日のルヴァンは正式な消化試合なので、ここはBチームで行くとして、その後をどうするか? B・A・B・Aという並びで行けば消耗は最小限になるが、ピーターは古巣のマリノスにはAチームで真っ向勝負を挑みたいだろうな。もちろん、仙台戦、横浜FC戦も絶対に勝ち点の欲しい試合。そうすると、ルヴァンは別として、J1の3連戦は、ベストメンバーを先発させつつ、交代枠を上手く使いながら主力をできるだけ休ませるといったところかな。

 ただ、そのためには、レギュラー以外の控えの奮起が必要になる。そのセレクションの意味もあり、本日のルヴァンの位置付けは決して侮れない。

 清水は天皇杯の出場はたぶんないので、カップ戦は今日の試合が今年最後である。現在トップチームの試合に絡んでない選手たちにとっては、今年最後のアピールの場とも言える。いや、もっと言えば、何人かの選手にとっては、オレンジのユニフォームで公式戦を戦う、最後の機会になるかもしれない。

 前向きなことを言えば、この試合で、あんな選手や、こんな選手の、プロ入り初ゴールを目撃できるかもしれない。サポ諸君、ぜひスタジアムで盛り立てようではないか。

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 札幌戦の解説で、戸田和幸氏が来てくれることを事前に知り、色めき立った。個人的には、たとえ清水が負けたとしても、下田さんの実況や戸田さんの解説であれば、それ自体に価値があるので、負けたなりに得るものがある。今回は残念ながら実況は下田さんではなかったが、担当した蓮見さんは地方アナウンサーとしては力量がある方であり、このコンビなら放送自体にストレスはないだろうと安心できた。

 その一方で、個人的にはこんな思いもあった。まだまだモフサッカーが未完成のこの段階で、戸田さんに見てもらうのは恥ずかしいな、と。前の晩、戸田さんはCLのシティVSレアルを解説していたのだ。どうあがいたって、CLよりは見劣りするだろうから、うちのサッカーが相当お粗末に見え、Disられるのが関の山だろうかと、そんな心配をしていたのである。

 いや、もっと言えば、もしも札幌戦にまたも惨敗するようなことがあったら、解説席の戸田さんのところに直訴に行って、「もうアカン、ピーターは今シーズンいっぱい持たない。戸田さん、貴方やってくださいよ」と訴えてみようかと、そんな妄想までしていたのである(あくまでも妄想)。

 しかし、スタジアムの生観戦後に、改めて戸田解説でDAZNを観てみたが、結局そんなに戸田さんに苦言を呈されることもなかった。清水の調子が上向きで、結果的にも勝ったこともあって、酷いダメ出しはなかった。「開幕当初のように、バランスを崩して無理に攻めに行かなくなった。それによって大きく崩れることがなくなった」というのが、トータルな評価だったようである。その上で、立田のボールに食いつきすぎるクセとか、自陣ゴール近くで不用意なファウルを犯す傾向とか、そういう問題を部分的に指摘するような解説ぶりであった。

 ただ、戸田さんは観戦後に、試合の特筆すべきポイントにつきYouTube動画を配信したりするのだが、今のところ清水VS札幌戦に関してはそれが出ておらず、そんなに戦術的に特筆すべき点はなかったということだろうか?

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 今季のJ1リーグ戦におけるWボランチの先発を整理すると、以下のようになる。

第1節FC東京戦●:中村、西村
第2節名古屋戦●:竹内、岡崎
第3節セレッソ戦●:竹内、岡崎
第4節ガンバ戦●:竹内、中村
第5節神戸戦●:竹内、中村
第6節鳥栖戦△:中村、ヘナト
第7節大分戦〇:竹内、ヘナト
第8節浦和戦△:竹内、ヘナト
第9節札幌戦〇:竹内、ヘナト

 ポイントは、中村慶太の起用法だろう。ちなみに、第3節は中村は怪我で不在だったようなので関係ない。

 第1節が象徴的だったように、ボランチ起用された中村は攻守で非常に効いていたが、70分くらいに彼が疲弊してからチーム全体が失速するという弊害が見られた。それでも、5、6節くらいまでは、中村がボランチのファーストチョイスだった。

 しかし、ヘナトが復帰したことで、ボランチの人材に余裕ができ、結果的に中村は控えに回った。ただ、力が劣るから控えというのではなく、むしろ野球のピッチャーで言うクローザー的な役割になっているのではないかという気がする。たとえば札幌戦を見ても、竹内と中村のキープ力やパスセンスを比べれば、中村の方がはるかに上であり、序盤から試合を支配しようとすれば、中村を先発起用したい。しかし、70分くらいの、これからが一番の勝負所という時間帯に、(トップ下の後藤またはボランチの竹内に代えて)中村を投入することで、チームとしての失速を防ぎ、試合全体で上手く勢いを保てているのではないか、結果的にもそれで勝ち点がとれているのではないかと、そんな気がするのである。

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 昨日申し上げたように、個人的には「今年の目標」に掲げていたほど、とにかく札幌に勝ってほしいという思いだった。そのミッションを成し遂げてくれたピーター監督には、感謝しかない。しかも、ドン引きしてカウンターで1点とって勝つとかではなく、攻撃的サッカーで渡り合って勝ち切ったわけだから。これからピーター監督と清水に、どんな運命が待ち受けているかは分からないけれど、ピーター、この勝利だけでも、貴方は我々の永遠のヒーローです。

 ちなみに、所長は昨日はバックのSS席で観ていたのだが、後ろの席に、お一人様札幌サポが座っていた。清水の聖地のど真ん中の席に、アウェーサポが堂々と座り、しかも結構ヤジを飛ばしていたのは、なかなか良い度胸だ。まあ、北海道から来たGoTo野郎なのか、それともたまたま静岡在住の札幌サポなのかは知らないが。その男が、カルリーニョスに3点目を決められた後、席を蹴って帰っていく様子を眺めるのは、なかなか痛快だった。またアウェーでの虐殺劇を見れるとでも思ってたのかね、ご愁傷。

 さて、試合自体を振り返ると、やはり札幌はそれなりに手応えのある相手だったし、結果はどっちに転んでもおかしくなかったと思う。相変わらず、清水の戦い方やプレーの精度には、首をかしげる場面も多かった。一言でいえば、幸運を味方につけたといったところか。この試合、主審の東城氏が、最近のJでは珍しいくらいファウルをとりまくり、その笛のニュアンスをどちらが味方につけるかという要因が大きかったと思う。敵は最近の試合でディフェンスラインを固定できず苦労していたと思うが、後半から入ったDFの田中が早い時間にイエロー2枚で退場になり、これで試合の流れは完全に清水優位の構図となった。

 数的優位になったチームのあるあるで、清水も一人一人の動きが鈍くなり、下手をしたらこのまま同点でタイムアップかという嫌な雰囲気が漂ったのだが。そこを、ヘナトとカルリーニョスの個の力でこじ開けてくれた。このブログで再三指摘していた、セットプレーとショートカウンター以外では点がとれないという問題を、ようやく打破してくれた形である。ただ、相手が数的不利だったのと、結局はブラジル人の属人的能力が頼りだったということで、クラモフスキー清水が本当に開眼したのかという点については、保留しておきたい。

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 個人的に、ルヴァン名古屋戦はメインスタンドのSS席で観た。しかも、前から2列目で、ピーター監督の挙動が良く分かって、それはそれで面白かった。

 ピーター監督を間近に観察して、非常に良く分かったのは、監督は戦術的な指示とかはほとんど出さないが、判定についてのクレームは連発するということだった。第4の審判に、何度も文句を言っていた。

 清水と名古屋を比べると、コーチングの分量がまったく異なる。名古屋は経験豊かな選手たちに、一部若手も混じるといった感じの編成だったから、非常に良く指示が出ていた。それに比べると、清水はリーダーシップのある選手が見当たらないので、声が少ない。

 まあ、とかなんとか言っているうちに、もう本日はリーグ戦の札幌戦である。誰も覚えていないと思うが、当S研ブログでは本年元旦のエントリーで、今年の目標は札幌に勝つことだと明言した。

 (今年の)「目標」。これに関しては、順位ではない。2020年の目標は、北海道コンサドーレ札幌に勝つことである(笑)。リアル倍返し社長が来たので、できれば16対0くらいで勝ちたいが、贅沢は言わん、とにかく勝って、2019年の屈辱を晴らしてくれ。

 ということを申し上げたわけである。

 だが、しかし、今のピーターのチームで、札幌にかなうかどうか。札幌は怪我人が大量に出ているようだけど、最近の調子はすこぶる良好だ。ピーターが言った「誰が出ても同じサッカーができる」というのは嘘だということがルヴァンカップで分かってしまったけれど、こと札幌に限っては実際に誰が出ても同じサッカーができている感じがする。

 前節の札幌VS神戸戦を一応チェックしてみたが、神戸の老獪さに屈して敗れはしたものの、札幌のアグレッシブなサッカーは非常に印象的なものだった。ロングボールを織り交ぜて札幌のペースを乱した神戸のような戦い方を、ピーターが選ぶとは思えないなあ。今の清水に、札幌を上回れる要素を見付けることは難しいが、強いて言えば、コンディションかな。出足だけは負けないようにしたい。

 それにしても、「タイ・ダービー」というのは、Jリーグ公式認定の行事なのかな? ネガティブなことばかり言って申し訳ないが、こっちのタイよりもあっちのタイの方が活躍するイメージしか湧かないな。

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 ルヴァン名古屋戦、序盤からドゥトラが孤軍奮闘し、何かやってくれそうなのは彼だけという感じだった。この日の清水の中では、唯一J1クラスの選手という雰囲気を漂わせていた。外国人枠の問題もあるので、リーグ戦のメンバー入りは簡単ではないが、ピーターへのアピールには成功か。

 あと、後半頭からの出場だったけど、違いを見せたのが、河井。止めて蹴るのはやはり一番上手く、独特の落ち着きもある。ただ、彼の場合は試合を決める決定的な仕事を毎度するようなタイプではなく、今回も当たり前のプレーに終始していた印象はあった。そもそも、最近の試合に出ていなかったのは、怪我が長引いていたからなのか、それともピーター監督の評価が低いからなのかというのは、良く分からない。

 それ以外の選手に関しては、残念ながら、リーグ戦にほとんど絡めていないのも無理はないと、変に納得させられるパフォーマンスだった。たとえば福森とか、「どうして試合に出ないのだろう」と日頃から疑問に思っていたが、今回の試合で「蹴ればパスミス」という様子を見せられて、なるほどなと納得してしまった。

 ネト・ヴォルピなあ。少なくともこの試合を見る限り、我々が思い描いたようなスーパーな助っ人の姿は、そこにはなかった。彼も、腰痛ゆえに欠場が続いていたのか、それともシンプルに梅田とのポジション争いに敗れたのかは分からないが、後者の疑いが濃くなってきた。

 若手に関しては、システムが急造だし、適材適所かどうかが怪しいし、選手交代・配置転換が激しすぎて、何だか良く分からなかったというのが、正直な感想である。右ウイングバックをやらされた平墳迅が、「心ここにあらず」といった虚ろな表情をしていたのを見るのは、辛かった。まだこれからの川本、鈴木らと違って、平墳はもう後がないだろうし。

 どこかのメディアに、この試合、清水にとっての光明は成岡輝瑠のデビュー、とか書いてあったけど、そういうのは活躍した時に言うものだよね。今回は、単に出場しただけだから、そういうのを光明と言うかどうか。

 結論として、リーグ戦の主力メンバーには、下からの突き上げは一切なく、序列は安泰ということになった。悲しいかな。

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 ルヴァンカップ名古屋戦。事前に想像していたのは、「リーグ戦の谷間のミッドウィーク・カップ戦なのだから、お互いにターンオーバーになるだろうな」ということだった。そして、詳しくは知らないが、名古屋はコロナ感染者が出て、特に若手に離脱者が出たり、満足に練習ができなかったりといったことがありそうだったので、勝機があるとすればその部分かと注目していた。

 しかし、蓋を開けてみたら、名古屋はほぼほぼ、ベストメンバーではないか。おそらく、ルヴァン初戦の鹿島戦に大勝しているので、「この大会はチャンス! 多少リーグ戦へのしわ寄せがあっても、ここで清水をしっかりたたいて、決勝T進出を手繰り寄せよう」といった判断だったのだろう。今年のルヴァンは清水にとって、つくづく不運な巡り合わせになったものである。

 そして、ゲームが始まってみると、清水は、おそらくクラモフスキー政権で初めて3バック、3-4-3の布陣だった。しかし、所長は今回はメインスタンドで観戦していたのだが、前半、手前側の清水の右サイドでは、右ウイングバックの宮本が一人で、敵の相馬と太田を両方見るような場面が何度も発生しており(反対側は遠いのでイマイチ分からなかったが)、システム的に上手くかみ合っているようにはとても思えなかった。

 今回の名古屋は強かった。清水のベストメンバーでも、まず勝てたとは思えない。増してや、清水のBチーム、若手主体、急造システムとなると…。

 はっきり言って、すべての面で名古屋が上だった。特に彼我の格差が大きかったのは、ポゼションとビルドアップの質。名古屋は、距離感や位置取りが良く、ボールホルダーに対して隣のレーンの選手が顔を出し、上手くトライアングルを作って、パス回しで簡単に清水のプレスをはがす。そして、マテウスや相馬の速さ、山崎の高さといった明確な武器をシンプルに使い、あっさりと局面を打開していく。ゴール前でも、斜めに走り込むといったアイディアが豊富だ。同じレーン内の窮屈なパスがカットされてばかりの清水とは、大きな差がある。

 一番象徴的なのは、2失点目だったか。確かあの場面は、清水が攻めていたのだが、例によってああでもない、こうでもないと時間をかけて敵の穴を探しているうちに、ボールを奪われ、マテウスに一発で裏をとられて(現場ではオフサイドに見えたのだが…)、ヴォルピをあざ笑うかのようなループシュートを決められたものだった。リアリズムに徹し、自分たちの武器をシンプルに活かす名古屋と、迷い道をくねくねとさまよい歩いている清水の差が、残酷なまでに出た場面だった。

 この試合、一つだけ清水が上回っていたとしたら、ホームグロウンの若手を多く送り出したという点だろう。まあ、そのうち一人でも、爪痕を残してくれたら良かったのだが。。。

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 「静岡にトロフィーをもたらす」と公約したピーター監督。前にも書いたとおり、監督が、今年優勝するつもりなのか、それとも来年以降の話なのかは、謎である。

 さらに言えば、とろうとしているタイトルは、あくまでもリーグ優勝なのか、それともカップ戦も含んだ話なのかというのも、明らかではない。

 もしも、ピーターのトロフィー宣言が、今年の話であり、なおかつカップ戦も含んでいるのだとしたら、本日のルヴァン名古屋戦はきわめて重要である。初戦で川崎に大敗している清水が、グループ2位以内に入るためには、本日の勝利は必須であろう。

 J1リーグ戦は、川崎が首位を突っ走っており、エグいまでの強さを見せている。今後の清水の浮上に期待はしたいものの、すでに5敗もしており、現実的にこれから清水が勝ちまくって川崎やその他の上位クラブを追い抜けるかというと、難しいだろう。そして、今季は天皇杯に出場できるのはJ1リーグの上位2チームだけであり、リーグ戦で優勝争いできないということは、必然的に天皇杯も駄目ということになる。つまり、今季タイトルをとる実質最後のチャンスがルヴァンカップであり、今日負けたら今季も無冠になることがほぼ確定すると言っていい。「19年連続でタイトルなし」という現実が、我々に突き付けられることになってしまう。

 ピーター監督の下では、リーグ戦に絡む選手と、まったく絡めない選手が、はっきり色分けされてきている印象が強い。そうした中、本日の試合は、今季の清水にとって初めて、「ターンオーバー」で臨むことになるだろう。ルヴァン初戦の川崎戦はリーグ戦を想定したメンバーだったし、その後のリーグ戦では人は入れ替えても「ローテーション」だったから、谷間の試合でメンバーを落とすという意味での「ターンオーバー」は初めてだ。出場機会に飢えている選手たちにとって、残された数少ないアピールの場となるはず。感染の問題でバタバタしている名古屋に比べ、準備万端の控えは、うちの方に多いのではないか。ぜひ、大いに暴れ、ピーターの序列をかき乱してほしいものである。

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 今シーズン、清水がリーグ戦で挙げた全得点を整理すると、

  • FC東京戦:ティーラシン(ショートカウンター)
  • 名古屋戦:金子(ショートカウンター)
  • ガンバ戦:立田(セットプレー崩れ)
  • 神戸戦:西澤(ショートカウンター)
  • 鳥栖戦:カルリーニョス(セットプレー)
  • 大分戦:ソッコ(セットプレー)、カルリーニョス(セットプレー)、立田(セットプレー)、ヴァウド(セットプレー)
  • 浦和戦:ヴァウド(セットプレー崩れ)

 という具合になる。要するに、ショートカウンターとセットプレーでしか点がとれていないのだ。

 ピーター監督の基本哲学が、パスを数多く回して相手を崩し切って得点を奪うというものであるとしたら、今季のリーグ戦で狙った形ではまだ1点もとれていないという結論になる。唯一の例外は、ルヴァンカップの川崎戦で石毛が決めたヘディングシュートということになろうか。

 最近の清水の試合を観ていると、相手からボールを奪って、明らかにあえてスローダウンさせている場面が目立つ。攻撃の人数が揃い切らないところで無理に攻めて、ボールを奪われることを回避しようとしているのだろうか? でも、現実には、攻撃をスローダウンさせ、横パスとかをしている間に、変な形で奪われ、決定的ピンチを招くことが多いのだが。

 まあ、遅攻に関しても、徐々に惜しい場面は増えてきたかなという気はする。そもそも、遅攻で押し込んでいるからこそ、セットプレーの機会も増えているのだろうし。

 個人的には、ルヴァンの石毛ゴールのように、数多くのパスを繋いで生み出した得点の方が価値があるなどと考えるのは、ナンセンスだと思う(もちろん、今季の清水はパスワークで崩して点をとることもできるという可能性を示したという点では意味があったが)。1点の価値は1点であり、もっと効率的に奪えるなら、その方が良いに決まっている。「遅攻できる」という点が肝心であり、それだけにむやみにこだわる必要はない。

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 若い方はご存知ないと思うが、日本が初めてワールドカップに出場した頃は、日本のFWが全然世界に通用しなかったので、「農耕民族はフォワードに向かない。やはり狩猟民族をルーツとするヨーロッパ人の方が点取り屋には向いている」などと言われたものである。「欧州や中南米のフォワードを見ろ。皆、殺し屋みたいな顔をしてるじゃないか。それに比べて日本人の顔には、怖さが全然ない」なんてことを、したり顔で語る論者もいた。あと、「やたら稟議書を必要とするような日本社会では、決断力が磨かれず、だから点取り屋が出てこない」なんて言説もあったか。

 まあ、その後の20年あまりで、アタッカーとして欧州で活躍する日本人も出てきたので、さすがに最近は、そういうトンデモ理論を聞かなくなった。

 しかし、浦和戦のティーラシンのプレーを見て、かつてのトンデモ理論に近いことを言いたくなってしまった。やはり、敬虔な仏教徒は、ストライカーに向かないのではないか? 微笑みの国から来た人には、FWとしてのエゴが足りないのではないか? つい、そんなバカなことを考えてしまったのである(周知のとおり、日本とタイは仏教という点では同じでも、敬虔さがまったく異なる)。

 ティーラシン、テクニックはあると思う。シュートセンスは悪くないし、速攻の時のワンタッチプレーとか、秀逸である。しかし、消えている時間があまりに長い。センターフォワードであれば、相手DFをなぎ倒すくらいの迫力や、体ごとゴールにねじ込むくらいの勢いが欲しいのだが、どうもそういうゴリゴリした部分が見当たらない。上手く自分のところに来れば良いシュートを打つが、自分から引き出したり、あるいはボールが来るところを嗅ぎ分けたりといったセンスがあまり感じられない。

 浦和戦では、センターフォワードとしてのカルリーニョスは抑え込まれていた印象が強いし。後藤はやはりトップ下の方が活きるし。チーム全体は良い方向に転じつつある中で、センターフォワードの人材不足問題が露わになってきた感じだ。

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 アウェー浦和戦。セットプレーだけで4得点を奪った前節の勢いそのままに、前半は相手を押し込み、前半だけで実に10本のコーナーキックを獲得。しかし、大分とは異なり、浦和は決定機までは作らせてくれなかった。聞けば、浦和は今季、まだセットプレーからの失点がゼロだと言うではないか。

 考えてみれば、コーナーの数があれだけ増えたということ自体、必ずしも朗報というわけではない。相手が分厚い守備ブロックを作って構えているところに、力技で押し込もうとするからこそ、コーナーが増えていったのだろう。クロスを上げようとしても相手に阻まれたり、シュートを打ってもブロックされるからこそ、コーナーが増える。押せ押せのように見えても、決して得点に近付いていたわけではなかったのかもしれない。

 ハーフタイムに入った時点で、「果たして、清水がこの攻勢を得点に繋げられるか。それとも、前半押しながら、あっさりと安い失点を献上し、敵にリードを許すのか」と思いを巡らせたが、案の定、後者だった。後半に入ると、なぜかがらっと雰囲気が変わる。そして、何ともマヌケで馬鹿馬鹿しい失点を喫し、試合は一気に難しくなる。

 この試合、守備が固く、試合運びも巧みな浦和に先制を許したら、まず絶望的だろうと思っていた。実際、後半は清水にチャンスらしいチャンスはほとんどなかった。しかし、セットプレー崩れから、同点弾が生まれる。事前に用意していた形は不発で、浦和にしっかり守られていたのに、「崩れ」からアドリブ的なプレーで得点を奪ったというのは、この試合を象徴していたかもしれない。

 ここ数年の浦和との力関係を考えれば、特に前半、圧倒的に押し込めたことは、隔世の感がある。清水が最後に浦和に勝った試合は「戦術バレー」だったが、今回の浦和は「戦術レオナルド」であり、清水の方が先々楽しみなサッカーをやっていると信じていいかな?

 前半、圧倒的に押していながら、実はシュートはそれほど打てておらず、浦和が本当に慌てた場面はほとんどなかっただろう。もっと緩急をつけたり、試合全体を上手くコントロールできたりしないと、勝てるチームにはならない。ただ、ほぼ負け試合だったところから引き分けに持ち込み、3試合連続で勝ち点を獲得したことは、一定の進歩と捉えることができる。

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 これは、以前「妄想!シリーズ」で書いたことのコピペなのだけど。清水が浦和に勝ったのは、2013年4月が最後。「戦術バレーで勝ち逃げして浦和サポが荒れた試合」と言えば、どんなに昔の話なのかがお分かりいただけるだろう。それ以降の試合でも、清水がリードした場面は、何度もあったのである。しかし、その都度、同点・逆転を許してきた。2018年8月のホーム戦に至っては、3度リードして3度追い付かれるという、ありえない試合を演じたこともあった。上の表を見ても、2010年代の半ば以降、浦和に勝てなくなって以降の時期というのは、そのまま清水の暗黒時代と重なっているということが、お分かりいただけるだろう。つまり、浦和を倒さない限り、清水が低迷期を完全に脱して、タイトル争いをすることなど、不可能なのだ。

 清水も浦和も、ここ何年かでメンバーもサッカーの中身も大きく変わっている。ただ、その割には、浦和への苦手意識みたいのは、ずっと引きずっている印象がある。

 前節の横浜FCと浦和の試合をチェックしてみたけれど、今の浦和は際立った特徴がないというか(一番の特徴は監督のやかましさか?)、妙にオーソドックスなチームになっている。ミシャサッカーの遺産などは、片鱗も見られない。もちろん、選手は粒ぞろいなのだが、スタイルは堅守速攻に近く、確固たる攻撃スタイルみたいなものはほとんど見られない。

 ここ数年の清水は、敵の赤いユニを見ると、それだけでビッグクラブとして過剰にリスペクトしてしまったところがあった。その過剰な意識を払拭することが、トンネルを抜ける近道なのかもしれない。

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 「エスパルスドリームハウス5店舗閉店のお知らせ」という情報に、ざわついているサポさんも少なくないだろう。以下の店舗が、2020年9月23日をもって閉店となるということである。

  • SDH静岡葵店 (静岡市葵区相生町12-18) 
  • SDH静岡駿河店 (静岡市駿河区恩田原2-4) 
  • SDH藤枝店 (静岡県藤枝市青葉町1-1-23) 
  • SDH富士店 (静岡県富士市久沢237-3) 
  • SDH駿東店 (静岡県駿東郡清水町卸団地313)

 これは、以前から検討が進んでいたものなのか、それとも新社長が経営にシビアな人なので今年に入ってから急に決まったものなのか?

 経営的な判断としては、分からないでもない。何しろ、大型書店ですら、ほとんど街から姿を消しつつある昨今だ。ドリームハウスも、単体として見れば、赤字だったのかもしれない。クラブのショップは、客単価は相応に高いかもしれないが、回転が悪く、それでいて便利な場所になければ意味がないので、家賃や人件費といった固定費と、売上とを天秤にかければ、どうしても赤字になってしまうのかもしれない。時代の流れに沿って、ネット販売に切り替えていくという判断は、合理的ではある(物販はアパレルが主体なので、やはり手に取ったり試着したりして選びたいというのはどうしてもあると思うが)。

 ただ、オフィシャルショップには、情報・ブランドの発信拠点という意味もあるはずだ。それがなくなるというのは、エスパルスのプレゼンスを確保していく上で、重要な武器が失われることになる。

 特に気になるのは、旧静岡市(葵区・駿河区)におけるプレゼンス低下の恐れである。清水区の皆さんはなかなか実感が湧かないかもしれないが、たとえば静岡駅周辺におけるエスパルスの存在感は、泣きたくなるくらいに希薄である。新幹線で静岡駅に降り立った時に、ここがエスパルスのホームタウンとは、とても思えないくらいである。葵区のドリームハウスがなくなることで、その嘆かわしい現状がさらに悪化することを、強く危惧する。

 当然、クラブとしてもグッズ販売をおろそかにするつもりはなく、ネット通販と、SNS等を通じた訴求を従来以上に強化していくということなのだろう。その部分が弱体だと、先細っていくばかりなので、ぜひとも抜かりなくお願いしたい。

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 それにしても、日曜日の大分戦、あまりの豪雨により、上の写真に見るように、中断中の一番酷い時には、水が浮いていた。アイスタで水たまりらしきものを見たのは、個人的にこれが初めてだった。

 ところが、1時間の中断を挟み、試合が再開する頃には、すっかり正常なピッチ状態に戻っており、二度ビックリである。恐ろしい性能のスタジアムだなと思った。

 ところで、先日も述べたと思うが、所長はシーズンシートがバックスタンドであり、その理由は「屋根があるから」ということに尽きる。シーズンが再開して、ガンバ戦はチケット購入で出遅れてメインスタンドになってしまったのだが、その時は雨が降らずに助かった。それでも、大分戦に関しては、嫌な予感がしたので、とにかくバックスタンドのしっかりと屋根に覆われた席をとりたいと思った。ところが、大分戦までは、座席の配置までは選ぶことができず、機械的に割り振られた場所になってしまっていた。そして、何度トライしても、バックスタンドの前の方の席が選択されてしまうのだ。前列では屋根からはみ出してしまい、バックスタンドを選択する意味がない。タイミングをずらして、何度か選択をし直した結果、ようやく屋根に覆われた席、それも絶対に雨に濡れないであろう最後尾の席を奇跡的に買うことができた。

 実際、蓋を開けてみたら、大分戦は周知のような大嵐である。しかし、個人的には最後尾だったので、余裕しゃくしゃくだった。気の毒にも、前列の皆さんは雨と雷を避けるために、後列の方に避難してこられた(下はそれで密になった様子の写真)。

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 そうした中、先日クラブから、「8月のホームゲームチケット販売分から、お客様がお好きな席を選択できる『座席指定選択可能サービス』を導入します」ということが発表になった。やれやれ、これで問題解決だと安堵し、早速ルヴァン名古屋戦のチケでも買うかと思って試してみたのだが、どうも様子がおかしい。座席指定選択可能と言いながら、実際に選べる席が、特定の区画に偏っているのである。しかも、バックスタンドは、前列の方ばかりとなっている。

 これは、おかしいのではないだろうか? シーズンシートや、後援会の枠で、優先的に買える人が、屋根下の席を選べないという、おかしなことになっているのではないだろうか? 今年くらい雨が激しいと、屋根ゆえにバックを選びたいという人も多いはずなのに。

 しかも、スタジアムの様子を見ると、一部の区画には全然人がいないのに、別の区画では結構人が密集している。これは、感染拡大防止の観点から、疑問視せざるをえない。もっと広い範囲から座席を自由に選べるようにしてほしいものである。

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 大分戦の大勝(未遂)は、半分以上、大分の不振、コンディション不良に助けられたものだったとは思う。とはいえ、選手起用がはまり、今季一番、自分たちのやりたいサッカーが表現できたことは事実だろう。

 試合開始前に、メンバー表を見た時には、ディフェンスラインもオフェンスラインも、どういう布陣になるのか、さっぱりわからなかった。すわ、3バックかとか、トップレスか(ゼロトップとは違う)とか、色々妄想させられ、それだけでも楽しかった。

 結局、ピーターはシステムはいじらず、人だけを配置転換したわけだが、結果的に、かなりしっくりしていたと思う。

 カルリーニョスのセンターフォワード起用は、当ブログでも提唱したことがあり、実際やってみたら、まあポストプレータイプではないものの、それなりに体を張って頑張っていたし、迫力は出せていたのではないか。カルリーニョスにしてもCFが適所かどうかは微妙だが、今いる選手たちの中では一番CFに適任と思われ、継続してほしいと思う。

 左ウイングの西澤。相変わらず、攻撃に転じる時になぜかスピードアップするのではなくあえてスピードダウンする傾向が見られるし(攻め急がないというチームの決め事なのだろうか?)、もっと一対一で仕掛ければいいのにと思う場面でバックパスしたりと、ワイドの選手としては物足りなさがある。しかし、大分戦で、今の清水にとっての最大のストロングはセットプレーであることが明白になったので、西澤は起用せざるをえず、となればやはり左が順当なのだろう。

 実は、今回の大分戦で、個人的にかなり見直したのが、後藤だった。スタジアムで間近で見て実感したが、非常に気の利く選手であり、味方がパスの出しどころがなくて困っている時に顔を出したり、西澤の守備の戻りが遅い時にそのスペースを埋めたりと、とにかく献身的にチームを支える選手だということを実感した。あれでラストパスの鋭さやシュートの正確性があったらもっといいのだが、今のままでも欠かせない存在であろう。

 問題は、右の金子がやや精彩を欠いていることだな。もともと、決して足が速い選手ではないし、なにせ懐が浅いので相手が対処しやすく、しかも今年は接触プレーを容認する方向性なので、敵に潰されることが多い。大分戦でも、Mr.セルフジャッジの悪い癖が出て、相手の突破を許した場面があった。まあ、彼の苦労は良く分かる。同サイドのエウシーニョは相変わらず欲しいタイミングでは渡してくれないし、典型的なA型人間の金子としては、周りに色々気を使って、伸び伸びとはプレーできないのだろう(調べたらO型だったけど)。もしかしたら、右は序列の変化もあるかもしれないな。所長としては、以前も言ったように、鈴木唯人はむしろサイドの方が面白いんじゃないかと思ってるんだけど。

 あと、左SBに回り、大方のファンの心配(?)をよそに、堅実なプレーを見せてくれたファンソッコ。まあ、奥井は監督のサッカーを体現しようと頑張ってくれていたとは思うけど、左SBは当面、守備専のソッコでいいかもしれないな。まあ、左右非対称にはなっちゃうけど、奇抜な動きは右SBだけでいいのでは。何しろ、SBの奇抜な位置取りで、失点したことは数知れず、逆にチャンスを作り出したことはほとんどないわけだからねえ。奇抜な位置取り自体が目的ではなく、あくまでも勝つことが目的なわけだから。

 考えてみれば、中村慶太がいなければ何もできないと思われていたチームが、大分戦ではほぼ彼の力を借りずに勝ったわけだね。とはいえ、ボランチ2枚のベストメンバーと言ったら、ヘナトと慶太ということになるんじゃないかな。

 だいたい、ベストメンバーが見えてきたかな。他方で、試合に絡む選手と、全然絡まない選手が、色分けされてきた。

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表1_試合関連経費

 大分戦でたたき出した入場者数2,697人という数字、個人的にはかなりショックだった。特殊な状況下とはいえ、当然、クラブ史上最低記録だろう。

 仮に制限いっぱいの5,000人でもクラブの経営にとっては打撃のはずだが、2,697人では、試合開催に伴う正味の収入は、ほぼゼロだと思う。

 こちらのサイトをご覧いただくと、J1のチームが年間で試合を開催するために支出した経費というデータが出ている(上の表はこのサイトから拝借したもの)。癪に障る話だが、2016年のデータなので、J2だった清水の数字が出ていない。ただ、おそらくここにある数字の中央値くらいと考えると、スタジアム使用料、警備費、運営設営費等のホームで試合を開催するために、年間2.5億円程度が必要と思われる。主催試合がリーグ戦17試合、カップ戦3試合で20試合と仮定すると、1試合当たり1,250万円という計算になる。

 他方、単純化して、大分戦の観客2,697人が、皆5,000円のチケットを買ったと仮定すると、入場料収入は1,350万円ほどという計算になる。うーん、辛うじてトントンというレベルか。

 もちろん、選手の人件費があり、スポンサーやDAZNの放映権収入がありと、最終的には総合的な収支が問われるわけだが、単純計算で、主催試合の収支がトントンであれば、クラブの経営はピンチになることは言うまでもない。

 みんな、待ちに待ったリーグ戦再開じゃなかったの? 現時点で観客動員が振るわない原因を考えてみると、

  • チームの成績が悪すぎる。
  • 降格がないなど、変則的なシーズンなので、どうも本気になれない。
  • コロナ対策のプロトコルで、騒げない、歌えない、踊れないなど制限が多く、これでは楽しめない。
  • 最近豪雨が多いので、屋根のないアイスタはしんどい。
  • やはり自分もコロナ感染が心配で、あまり人ごみに出たくない。
  • 普段はそれなりにいると思われる遠方サポが、ご時世ゆえに参戦を見合わせている。

 といったところだろうか。とりあえず、今年はやり過ごして、来年ピーターのサッカーが花開く(はず)頃に本格的に参戦しようと、そんなことを思っている人が多いのかもしれない。

 でも、チームの財政が干上がったら、来年、花開くものも開かなくなっちゃうよ。みんな、厳しい今年こそ、チームを支えないと。

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