エスパルス研究所

清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察

カテゴリ: エスパルス

GD

 次節に向けた視察とばかりに、鹿児島と千葉の試合を観ていたら、我々にもなじみの深い藤本憲明が大活躍で、千葉から計4点もとって激勝したものだから、驚いた。

 鹿児島の1点目、2点目はどちらも、ワントップの藤本が良いタイミングで裏に飛び出し、勝負ありという得点だった。千葉のディフェンスラインはその点で弱点を抱えているように見えた。

 だとすると、我々も次節、鹿児島にあやかり、北川の裏抜けで得点を重ねたいところである。では、藤本と北川、裏抜けはどっちが速いだろうか?

 日本復帰後の北川のプレーを観ていると、体が重くなり、加速にちょっと時間がかかるようになった印象である。スピードに乗ってしまえば速いが、初速が遅くなった感じだ。前節・大分戦の宮本が出した絶妙なスルーパスなんて、以前の身軽な北川だったら、追い付けたのではないだろうか。

 まあ、北川も悪いことばかりではなく、ヨーロッパに行って、プレー強度は高まった気はするし、若い頃より落としも上手くなったとは思う。本人もまだ新しいプレースタイルを模索中というところなのかもしれない。


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1756

 前節の惨敗が良い薬になったのか、攻守に安定感を取り戻し、快勝。もう1点くらいとってほしかった気はするが、悪くない再出発となったのではないか。

 前節、守備陣が裏をとられたこともさることながら、簡単に蹴らせてしまったのが問題だった。その点、大分戦では、奪われたら即時に圧力をかけることで、相手にほとんどサッカーをやらせなかった。最終ラインにも、競り勝って跳ね返す力強さがあった。

 メンバーの入れ替えが多少あったが、色んな選手がかかわって勝利したというのも、勢いを付ける上で大きいだろう。吉田の右SB先発起用、白崎のサイドハーフ投入などの新機軸があった。今季初めての3バック変更も敢行し、原抜きでそれをやれたのも、オプションを増やす結果となった。

 ここで宮本にゴールが来たのも、必然という気がする。宮本は、昨年あたりから裏狙いの面白いパスを出すようになり、実は視野が広く攻撃センスもあることを証明していたが、今季は攻撃にかかわる意識がより積極的になり、攻め上がりの回数が増えた。何より、ホナウドと違って、変なボールの持ち方をして奪われて大ピンチという場面がほぼないだけでも、宮本の方がずっと良いと感じる。

 上手く説明できないが、片野坂監督のチームは、清水にとって割と相性が良さそうな対戦相手だった気がする。その意味でも、次の千葉戦が、本当の試金石になるだろう。


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1751

 去年ですら一度もなかった4失点か。こりゃ参った。2連勝していた3チームのうち、前日に2チームが敗れ、「ここで勝てば首位!」という状況で、お約束のように負ける清水の伝統が守られたというべきか。う~む。

 前半の主導権は清水が握っていたはずだ。ボールも割とよく回っていたと思う。しかし、ビッグチャンス、シュートにはなかなか結び付かない。結局、長崎の裏狙いの縦ポンの方が、効率も確率も良かったということか。1失点目は山原のハイボール処理が苦手なところを突かれた感じだった。2失点目は、蓮川が後ろのスペースに強くスピードもあるという触れ込みに反するように、あっさりと裏をとられた(オフサイドじゃなかったか?というのはDAZNでは判断できないので分からない)。

 指揮官の「超攻撃的に、超アグレッシブに」という標語に乗せられたわけではないだろうが、人数をかけて前掛かりになったところで、攻撃を完結できず、逆にひっくり返されて即大ピンチという問題を、このチームは相変わらず抱えている。攻めている時のリスク管理という発想が、このチームには希薄過ぎるのでは?

 攻撃も、アグレッシブもいいけれど、まず無失点ベースで試合に入らないと、今日みたいに試合を難しくしてしまう。


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 もっと色々動画を載せようと思ったのだけど、オレンジウェーブのパフォーマンスとかは著作権の差しさわりがあり、公開できないことが分かりました。せめて選手入場のシーンだけでもどうぞ。ブレブレですまぬ。


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 3月2日のホーム開幕戦(愛媛戦)に現地参加できなかった方のために、動画をいくつかご紹介します。まずはチームバス到着の様子。昔は到着時にドンチャンやってもっと賑やかだったような気がするけど、最近は地味ですね。


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GD

 今季の清水と言えば、J2では贅沢なほどの分厚い選手層と、チマタでもてはやされることが多かったが、リーグ戦2試合を戦ってみて、むしろ「人手不足なのか?」と心配になった。選手交代がやたら遅いし、愛媛戦でも西澤を主戦場とは言いがたいFW起用するなど、監督が人繰りに苦心している様子が伺える。

 「怪我人が多くて、使える選手が少ないのか? もしかしたら高橋祐治や白崎は離脱中なのか?」とか思ったが、4日の名古屋とのTMで2人とも長い時間出場したようであり、怪我というわけではなさそうだ。

 ということは、秋葉監督にとっては、現状でスタメンで送り出している11人がとにかくベストメンバーで、その11人をスタメン表に書き込んだらほぼほぼもう仕事は終わりという感じなのか。はたまた、現状でメンバーから漏れている選手たちは、そんなに監督の信頼が低いのか?

 ベストメンバーの11人で本当に間違いなしというのなら結構だが、愛媛戦では先制した後の時間帯で、だいぶ気の抜けたようなプレーが目立った。昨年あれだけ、勝ち点1の価値、ゴール1つの価値を思い知ったはずなのにな。だからこそ、そうした時間帯でメンバー交代をしてハイテンションを保つのが定石のはずなのだが、なぜか監督は動かず。チーム内はどうなっているのか、気になる。


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 J2とはいえ、いつ以来か分からないほど久し振りの、開幕2連勝。初戦の山原、今回の北川と、今シーズンに賭ける思いが誰よりも強いであろう選手に得点が来たのも、不思議なものである。というわけで、ムードとしては良好なわけだが、サッカーの中身はというと、これがどうにも頼りなく。愛媛は、さすがにJ3を圧勝して昇格してきただけあり、機能的で良いサッカーをするチームで、清水相手にもまったく臆する様子はなく、我々の側がタジタジとさせられる場面も多かった。

 相変わらず、ビルドアップの機能不全が酷い。サイドで詰まる場面が多過ぎる。サイドに運んで、そこで隣のレーンの良い角度に味方がいてサポートできればいいのだが、外レーンだけで運ぼうとするので、相手の守備網に簡単に引っ掛かる。戻すしかない。もっと酷いのは、そこで無理をして変な形で奪われることであり、だいたい清水のピンチはそういう形で生まれる。

 愛媛戦では、蓮川の大胆な持ち出しが観客席のどよめきを呼び、そのあとボールを奪われて悲鳴に変わるということが、2度ほどあった。ドリブルで運ぶのは本人の持ち味らしいが、あれもチームとしてボールの運び方が確立されていないから、個人が無理をして、その無理がピンチに転じたものだろう。ロティーナだったら、あんなプレーは許さないだろう。秋葉さんは放っておくだろうが。

 公式記録によれば、この試合のシュートはわずか9本。それで2得点というのは、効率が良いっちゃあ良いが、今の清水の場合はアタッキングサードまで運べばかなりの確率でビッグチャンスに繋げられるのだから、もっとその回数を増やすべきで、そのためには一にも二にもビルドアップではないか。

 (失礼な言い方になるが)J3上がりの愛媛さん相手に、構成力の完成度の差を見せ付けられたというのは、かなりショックである。昨年とは真逆の開幕2連勝、2試合で勝ち点6という上々の結果にもかかわらず、個人的には不安で一杯だ。


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1741

 清水は伝統的に開幕戦に弱い印象があるが、今回は難敵熊本相手に、アウェーで逆転勝利。内容的には問題山積みだったが、逆に課題が明確になったとも言え、そういう試合で勝ち点3をゲットできたのは大きかった。遠征組の皆さん、お疲れさんです。

 なんか、清水も、熊本も、それなりにメンバーが変わりながら、サッカーの印象は、ほとんど昨年と同じだった。立ち位置の巧みさ、距離感の良さなど、組織的な面では、明らかに熊本に優位性がある。逆に清水は、選手が密集しすぎたり、逆に離れすぎたり。ビルドアップの形も整備されているとは言い難い。人数をかけて前に出たところで変な形で奪われ、危険なカウンターを浴びる傾向も、昨年のままだった。

 しかし、いったんスイッチが入った時の攻撃のスピード感、分厚さ、クオリティは清水の方が上であり、その点で熊本には決め手がないので、その差で勝利したという印象だ。

 個別のプレーヤーに関して言えば、ワントップの北川は悪くなかったと思う。奪ってから一気にスピードに乗って攻め切るという秋葉スタイルからすれば、サンタナより北川の方が適しているのではないか。周りを使うのもまあまあ上手いし。本人のゴールがどれだけ増えるかは分からないが、前線は活性化すると思う。

 好印象だったのはなにげに宮本で、攻撃参加の姿勢は意欲的だったし、決勝点も演出した。覚醒したか? 宮本が白崎のコンディションにかかわりなく主役の座をうかがうくらいになってくれば、ホナウドやヘナトの退団など痛くも痒くもなく、ボランチの選手層は安泰だろう。

 正直言うと、新加入選手については、個人的にまだ名前・顔・背番号が一致せず(笑)、良く分からなかったというのが本音。これからじっくり見ていきたい。


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1727

 鹿児島キャンプ絶賛実施中だけど、以前「秋春制移行は静岡県にとってチャンス」で書いたとおり、個人的にはシーズン移行したら清水エスパルスの鹿児島キャンプはなくなるんじゃないか、いやそうすべきだと思っている。

 前回書いたことの繰り返しになるが、秋春制になれば、まず夏にチーム作りのためのキャンプが必要となる。これは季節柄、本州では無理なので、清水に限らず、北海道の中でも特に涼しい地域でキャンプを張るチームが多くなるのではないか。

 で、清水エスパルスはシーズン移行後、冬季中断中にもミニキャンプを張るとは思うが、年に2回、清水から遠く離れた地でキャンプを張る財政的余裕はないだろう。したがって、冬季中断は地元・清水で過ごすと予想する。これが、新潟とか山形といった北国クラブになると、夏も冬も地元以外で過ごさねばならず、これがかなりの負担になるはずである。その点、冬でも絶対に雪が降らない静岡は、鹿児島などよりむしろ冬季キャンプに向いている。

 現に、今現在、甲府は清水のJステップでキャンプを張っている。また、山本海人のいる福島ユナイテッドFCは、現在、御前崎でキャンプを張っているそうである。探せば、他にもまだ、静岡県でキャンプを張っているJクラブがあるかもしれない。静岡県が冬のキャンプのメッカとなれば、練習試合の相手にも事欠かないし、前にも言ったとおり、静岡県のJクラブで「富士山カップ」のようなミニ大会を開催してもいい。

 そう考えると、鹿児島キャンプは今回含め、あと3回じゃないかなと思うわけである。2026-27シーズンからシーズン移行を実施するということなので、鹿児島キャンプは2024年、25年、26年で終わりではないだろうか。鹿児島との長年の友好関係が途切れてしまうのは残念だが、我々は前に進むしかない。


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GD

 チアゴ・サンタナ、いなくなったか。まあ、頼もしい時と頼りない時の落差が大きい選手だったかな。ドウグラスのような「常になんとかしてくれる」という感じとは違って。噂されている新たな南米アタッカーの獲得が実現すれば、それほどの戦力ダウンでもないかもしれない。

 新加入選手の中で、DF高木践の愛されキャラは別として、個人的に一番強い印象を受けたのが、GK沖悠哉の立ち振る舞いだった。

 特に、新加入会見時に、秋葉監督が「権田と沖のレギュラー争い」と口にしたのに対し、沖が監督の発言をあえて否定するように、「5人のGKによる厳しいレギュラー争い」と訂正したのが、高い意識、強い決意、同僚全員へのリスペクトを感じさせ、立派だと思った。

 鹿島から来た選手ということで、ちょっと異物感はあるわけだが、この選手をぜひ応援していきたいと、心の底から思えた。


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GD

 クラブから新体制発表の一連の動画が公開されたので、一通り観てみた。

 なんか、あれだな。2020年や、2021年の始動時にあったようなワクワク感が、まったく感じられなくなったな。特に、社長、強化部長の会見は、見るに堪えなかった(副部長2名が多少の救いだった)。社長も、「外車はしゃぎ事件」で批判されてたりして、何やら老け込んだような感じだし。内藤強化部長は、誠実そうではあるが、人の上に立つとか、強力に情報を発信するとか、そういうタイプではないので、こういう会見の矢面に立たせるのは、ちょっと無理がある。

 そんな中で、秋葉監督だけは、相変わらずコミュニケーション能力が抜群に高く、彼が加わると急に場が生き生きとしてくる。サッカーの戦術家としては多くは期待できないにしても、チームのスポークスマンとしてはすごい能力の持ち主である。

 なので、一番、というか唯一面白かったのは、[第4部 新加入選手紹介]の動画だった。新加入選手の会見で、監督が同席し、各選手の特徴や期待する点などを監督がいちいち語るというのは、なかなか斬新な趣向だった。

 それにしても、コーチングスタッフも、新加入選手も、完全に秋葉色に塗り替えられたな。つい1年前には、思いもしなかったことだ。


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30

 2024年初めての更新なんで、一応、明けましておめでとうございます。

 遅れ気味だったチームの編成も、ようやく形が見えてきたような、こないような。

 去就が決まった選手の中では、ホナウドの満了というのが、一番大きな話題かもな。彼は評価がわかれるプレーヤーだったと思う。個人的には、正直言うと、あまり信頼を置いていなかった。

 確かに、一対一でボールを狩り獲ったりするのには、無類の強さを発揮した。しかし、彼が無理にボールキープをしたり、曲芸的に相手をかわそうとして、逆に奪われて大ピンチになったことが、何度あったか。

 たとえば、ワンタッチでボールがスムーズに流れている時に、相手が体をぶつけて倒されたら、ファウルをとってもらえ、フリーキックを獲得できる。しかし、ホナウドは無理なボールキープが目立つので印象が悪く、同じ接触でもファウルをとってもらえない。本人もそれが不満なので、すぐに守備に切り替えずに、しばらくその場で怒ったりしている。

 昨今の清水で、「それほどピンチが多くないのに、奪われ方が悪くて、一気に失点まで持って行かれる」という現象の、起点になることが多かったのが、ホナウドだった。

 秋葉清水は、個人戦術のパッチワークなので、ある意味でホナウドはそれに合ったボランチだった。しかし、いくらなんでも、2024年は少しは組織的な要素も取り入れないと、勝ち抜くのは無理であり、2023年のボランチの軸だったプレーヤーを失うのは確かに影響が大きいが、清水としてはそれを良い方向に持って行くしかないだろう。


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1685

 まあ、Jの中で、一番最後まで所属カテゴリーが決まらなかっただけあって、来季に向けた編成は、出遅れるわな。増してや、GMが退任となれば、編成も難航するだろう。

 それにしても、大熊GM、連れてきた選手が悪かったとは決して思わない。クラモフスキーには冷たかったが、ロティーナの引き抜きは見事で、それに合わせた選手獲得もちゃんとやった。しかし、そのロティーナで降格危機に陥ってしまったのが、大誤算だった。あそこで、踏みとどまれていれば、今頃J1でAクラス争いくらいはしていたと思うのだが、意中の監督で失敗し、あとは後手後手の監督起用になってしまった。

 そんなわけで、チームをめぐるモヤモヤは晴れないが、数少ない朗報として、新スタジアムに関しては、ちょっとだけ前進した感がある。こちらによれば、

 静岡市の難波喬司市長は22日、JR清水駅東口の製油所跡地で民間企業と連携して新しいサッカースタジアムや商業施設などを開発する方針を明らかにした。工業専用地域の区分を商業地域に変更するほか、今年度中に民間企業からアイデアを募り、来年度から開発に向けた本格検討に入る。

 しかし、静岡市は、条件整備はするけれど、カネを出すつもりはないということが、ますますはっきりしてきた。この点では、難波市長は田辺前市長と同じ姿勢であり、失望を禁じ得ない。恐らく、鈴与が巨額投資をして、商業的に成り立つ複合開発に踏み切らない限り、スタジアムは動かないだろう。

 ところで、新スタジアムに関連し、個人的にはぜひとも実現してほしいと思っている点がある。静鉄電車の、JR清水駅東口(すなわちスタジアム前)までの延伸である。そのイメージ図が、上の地図だ。

 一部、車と一緒に走る路面電車になってしまうかもしれないが、ぜひやるべきである。ただ、直角に曲がるのは厳しく、ルート上にある区画の再開発や立ち退きなども必要になるかもしれない。そうなれば、まさに行政の出番だろう。静岡市は、スタジアム建設費を出さない、せめてもの罪滅ぼしのために、静鉄と連携して、静鉄電車の延伸をぜひとも実現してほしい。


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2022slogan

 町田で監督をやっている黒田という人が嫌いだ。しかし、今季のJ2で、成功したのがあの人であり、失敗したのが我々だ。この事実から、謙虚に学ばなければ、清水の再生はない。

 自分が、町田における黒田監督のマネジメントに関し、一番強く印象を受けたのは、こちらの記事に見る以下のようなくだりである。

 チーム体制が変わり、戦力も大幅に入れ替わりがありながら短期間でチームをまとめあげた黒田監督のマネージメントは見事だった。昨季の町田は42試合で50失点。その失点の多さから、黒田監督はすべての失点シーンの映像を徹底的に分析し、守備から立て直しを図ったという。

 これこそ、昨今の清水に最も欠けている点ではないだろうか。昨年、2022シーズンの清水は、試合終盤の失点により、数えきれないほどの勝ち点を落とした。サッカーでは、後半アディショナルタイムの失点で勝ち点を落とすのは、まあ時々はあることだが、どんなに多くても、年に2~3回ではないだろうか。それが、2022年の清水の場合には、正確には覚えていないが、10試合近くあったのではないか。これはほとんど、オカルトの世界である。

 だが、オカルトで片付けていいはずはなく、試合運びにしろ、個人戦術にしろ、何か必然的な原因があったからこそ、試合終盤の失点で勝ち点を落としまくったはずなのだ。

 では、清水というクラブは、試合終盤の失点という怪奇現象を徹底解析して、それをチーム全体で共有し、対策を練り上げ、2023年のチーム作りに生かしたのか? とてもそうは思えない。そもそも2022年終盤の時点でゼ・リカルドは求心力を失っており、選手たちは監督の手腕に疑念を抱きながら、2023シーズン入りしたようだ。そんな状態で、前年の失敗を検証し全員でそれを克服するような気運が生まれるはずはない。「まあ、J2だから、何とかなるっしょ」くらいの感覚だったのではないか。

 秋葉監督に代わり、失点したり、敗戦したりした時の、反省の度合いは増したと思う。そのあたりは、「我関せず」といった雰囲気のゼ・リカルドよりはマシだったと思う。しかし、秋葉監督は精神論に終始し、「集中力が足りなかったから」といった話で片付けがちだった。対策は座禅。これでは、黒田監督のように、一つ一つの失点を具体的に検証し、映像を使いながらその再発を防ぐ手をしっかりと打つ町田に、上回れるはずはない。


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1660

 J2の今季ベストイレブン、1位や2位のチームからは1人ずつしか選ばれていないのに、4位の清水から権田、鈴木義宜、乾の3人が選ばれたということが、やや物議を醸しているようである。

 ある意味で、象徴的だと思う。これが意味するのは、やはり清水は個人に依存する部分が大きかった、あるいは、清水は個の力はあるのにそれを上手く組み合わせて結果を出すことができなかったということだろう。

 他方、町田や磐田は、傑出した個の力は限られていたが(エリキは確かに傑出していたが)、それでも組織として上手くマネジメントした結果、J1昇格を勝ち取ったということである。

 もちろん、個の力を証明した清水勢3名は称賛に値するが、清水というクラブとしては大失敗の1年だった(それでも体制は継続の方向らしいが)。


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1202

 「勝負弱い」チームがプレーオフに回った時点で、それはもう難しいわけだが、かと言って、こんな悪趣味なマンガのような結末が待っていようとは。絶望のあまり、言葉が出ない。

 近年の清水は、PKを得ることも、与えることも、少ないチームだったと思う。今季も、リーグ戦ではPKをとられたことは記憶にない。判定は限りなく誤審に近いとは思うが、それにしても、あれだけ無難にコントロールしていた試合展開で、あまりにも軽率なプレーだった。

 秋葉監督は、あの人ができることはすべてやってくれたとは思う。前監督の負の遺産さえなければ、普通に自動昇格できていたはずである。その意味では、来年頭から秋葉さんで行けば、今度は大丈夫と、思いたくもなる。

 しかし、秋葉さんがやったのは、前任者の呪縛から解き放っただけで、それ以上の何かを構築できたわけではない。清水の予算規模からすれば、高給取りの選手たちに自由にプレーをさせれば、ある程度の結果は出る。ただ、その結果が、勝負所での星をことごとく落としてのJ2の4位、プレーオフ敗退だったわけで、秋葉体制継続の論拠としては弱い。選手が残ってくれたとしても、戦術型の監督ならチームの成熟を期待できるかもしれないが、気合型の秋葉さんが空元気を吹き込み続けたとしても、全員一つずつ歳を食うわけで、むしろ劣化が進みそうである。

 一年でのJ1復帰という前提での既存戦力保持、ベテラン依存だったと思うが、ここまで上積みがないとすると、解体的出直しが必要なのかもしれない。


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 今季2試合を戦った印象では、山形に負ける気はしていなかったのだけど、いやいやどうして、非常に面倒くさい相手だった。

 さすがは渡邉晋監督、ポジショナルプレーをチームに上手く落とし込み、機能的なサッカーをやっていた。戦術が浸透しチームの完成度が高まったからこそ、シーズン終盤を5連勝で終え、プレーオフに滑り込んだのだろう。

 その姿は、秋葉清水とは対照的だった。秋葉監督が初陣を飾った東京ヴェルディ戦と、今回の山形戦、何か積み上げがあったようには思えなかった。個人戦術のパッチワークのままである。まあ、それは周知の事実であり、今さらジタバタしても仕方がない。

 山形の戦い方、特に3トップの両翼が幅をとり、時にはMFも加わって、常に裏を狙っているのには、ヒヤヒヤした。あれだけ前線に人数を割けば、どこか手薄な場所があるはずなのだが、どうも清水のプレスははまらなかった。

 というわけで、90分+α、チーム戦術的にはずっと劣勢に立っていた印象だ。あれで山形に決定的な仕事をするストライカーがいたら、清水の守備は決壊していただろう。

 権田欠場の原因は知らないが、択生が代役と呼ぶのには失礼なほどの安定振りを発揮。配球は別として、ゴールを守るだけなら、権田と遜色ない能力を見せた。

 ところで、サイドを使われて序盤バタバタしたことを考えたら、今日こそ早い時間に3バックへの変更があってもよさそうだったが、なぜか秋葉監督は今日に限っては4バックを長い時間貫いた。このあたりの監督の考え方はどうたったのか、興味がある。


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7

 チームがアレなので、気晴らしに、少しポジティブな話をしてみたい。Jリーグの秋春制移行は、静岡のサッカーにとってチャンスになるのではないかという仮説だ。

 Jリーグが春秋制から秋春制に移行すると、シーズン中にも、ウインターブレークが入ると見られる。たぶん、12月後半から2月上旬くらいまでが、冬季中断になるはずだ。そうなると、各チームは、シーズン開幕前の夏にチーム作りのためのキャンプを張るのに加え、冬の中断期間にもチーム状態を落とさないため(あるいはそのタイミングで監督交代となり新たなチーム作りのため)キャンプが必要になる。年に2度キャンプを張ることになって、これがかなりの出費となりチームの財政を圧迫する。

 その際に、夏のキャンプは、本州・四国・九州では無理だから、北海道の涼しい地域が夏のキャンプ特需に沸くのではないかと言われている。

 そう考えると、静岡は、「冬のキャンプ地」に名乗りをあげればいいのではないか。エスパルスは、冬に鹿児島でキャンプを張っているが、良く考えてみれば、あれはどうしても必要というわけではない。自宅から離れ、環境を変え、一緒に生活することによって、チームの一体感が生まれるといった効果はあるだろうが、純粋に気候的観点だけから言えば、冬の静岡だって充分にサッカー適地だ。とにかく、「絶対に雪が降らない」土地なのである。エスパルスは、夏のキャンプは北海道で張り、冬のキャンプは地元で過ごすという形で、出張キャンプは年に一回で済み、経営的な観点から他のJクラブよりも有利な立場に立てる。

 そして、清水エスパルスだけでなく、磐田、藤枝、沼津が申し合わせ、冬には地元でキャンプを張るようにすれば、練習試合の相手にも困らない。ていうか、冬の中断期間中に、「富士山カップ」みたいな大会を毎年開催してもいい。静岡県のサッカーバカたちがこぞって観戦に出かけて、興業的にもおいしいだろう。負担増どころか、プラスに転じられる。

 さらに言えば、県外のJクラブも、静岡県でのキャンプに誘致したい。Jステップや草薙競技場もあるし、何なら県の施策として新たなキャンプ地を整備してもいい。シーズン移行の頃には、清水の駅前スタジアムも完成しているはずなので(?)、アイスタも貸し出せる。県外のクラブにとっても、遠い九州や沖縄でキャンプを張るよりも、静岡の方が安上がりに決まっている。特に山梨や長野のクラブはそうだ。上述の「富士山カップ」に、県外のクラブも2チームくらいゲスト参加してもらうと、中断期間に暇を持て余した県外のサッカーバカさんたちも観戦に来てくれるだろう。

 静岡県にとっての経済効果もサッカー強化効果も期待できるこのプラン。どうだろうか?


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1640

 J2を過ごした2016年と2023年を比べると、今シーズンは悪いことばかりではなく、上位の町田、磐田、ヴェルディにも勝てた。2016年には、札幌、山雅に、まったく勝てなかったからね。

 その代わり、2016年には、下位チームとやって、負ける気はまったくしなかった。それに対し、今シーズンは、どう見ても弱そうな相手に、あっさりと勝ち点を落とすことが多い。

 もっと言えば、今年はルヴァンでJ1相手に勝つこともあったが、天皇杯でJ3相手に負けることもあった。序列とは関係なく、サイコロの目のように、勝ったり負けたりしてきたシーズンだったと言える。最後の最後に、悪い目が出てしまったなという印象だ。

 確かに、今季は爆発的な大量点で勝てた試合もあった。しかし、いつも言うように、それは気絶した相手を殴り続けるのが得意なだけで、相手がちょっとでもガードを固めると、とたんに攻め手を欠いてしまう。

 秋葉清水が確実に勝てるのは、第1に、明らかに崩壊したチームであり、金沢、大宮などがそれに該当した。第2に、清水とは関係なく自分たちのサッカーを貫こうとするチームであり、いわき、山口、アウェーの藤枝などが該当した。逆に、下位との対戦でも、相手が清水対策をちゃんとやり、きっちりガードを固めてくると、清水の勝敗は運任せのようになってしまう。

 それもこれも、何度も言うように、チーム戦術の欠如、ビルドアップ軽視の弊害であるように、個人的には思える。今回の水戸戦、別に選手が弱気であったわけでも何でもなく、自陣からボールを持って前進できないのだから、致し方がない。そして、ビルドアップの拙さが、変な形でボールを奪われ、押し込まれているわけでもないのに、少ないピンチでコロッと失点する現象に繋がる。

 でも、しょうがないではないか。クラモフスキーも、ロティーナも、他のクラブでは結果を出している人なのに、確固としたプレーモデルを植え付けようとするタイプの指揮官は、清水ではまったく結果が出なかった。ゼ・リカルドは最初から微妙だったが、とにかく駄目だった。ならば、指揮官はモティベーター型しかなく、秋葉さんがそれにはまった。秋葉戦術というよりも、選手たちを解き放ち、4バックか3バックかさえもピッチ上に任せるという異例のチームとなった。

 チーム戦術を事実上欠き、個人戦術のパッチワークのようなサッカーでも、J2であれば何とかタレント力で押し切れるのではないか。あと1試合、ごまかしきれるのではないか。個人的には、秋葉清水を信用するわけではなく、「ごまかしきってくれ」と願うような気持で見ていたが、届かなかった。

 予想されたように、敗戦後に秋庭監督は、ひたすら気持ちの弱さについてのみ語った。プレーオフも、「ごまかしきれるかどうか」という戦いになりそうだ。


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34

 前節の反省を踏まえた、上手くコントロールした上での勝利だったと思う。

 観客席で、近所のバカが、「なんでもっと早く出さないんだよ。なんでもいいから前に出せよ」とか、ずっと愚痴っていたけれど、この試合に限っては、イケイケでなく、無失点で確実に勝つことがテーマだったと思う。確かに、自分たち自身で攻撃にリミッターをかけて、制御してしまっている気がしてイライラする場面もあったが、ずっとリードはしていたわけだし、強引に仕掛けて変な形で失い、カウンターを浴びたりするよりは、ゲームコントロール重視で試合を運ぶということだったのだろう。

 この試合で2度あった大ピンチは、チーム戦術のミスによるものではなく、個人的な問題だった。序盤の枠に当てられたシュートは高橋が揺さぶりに対応できなかったもの、後半の権田のセーブでしのいだやつは原がクロスにかぶる悪い癖が出たものであり、チームとして乱れたわけではなかった。

 こういう、コントロール重視の試合で、4点とれたのだから、まあ良かったのではないか。磐田が5点とった日に、清水が4点しかとれなかったのは癪に障るが(笑)、大量得点には変わりない。

 残念だったのは試合後のグダグダで、例によってなんちゃらMVPとかの表彰が長すぎて間延びするわ、運営とゴール裏が噛み合ってないわで、最悪だった。「王者の旗」といえば、我が軍の聖歌のようなものだろう。クラブの聖歌を、チャントでかき消すゴール裏というのは、何なのだろうか。秋葉監督にリバイブを持ち上げられて、何か勘違いしたのか。

 ちなみに、もう10年以上前だが、シーズン終盤、日本平で湘南のJ2降格が決まったことがあった。その時、清水のゴール裏は、相手に配慮して勝ちロコを自粛した上で、湘南にチャントを送った。相手もそれを返すという、感動的な場面があった。今の清水のゴール裏は、J3降格が事実上決まってしまった大宮に、エールを送る度量もないのか。


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