松本がJ1自動昇格を逃した時に、「これでアルウィンであと2試合できる」なんて前向きなムードが支配的だったと聞くけど、とんでもなかったな(1試合しかできなかったし)。つくづく、J1昇格プレーオフは鬼門で、我が清水があんな地獄絵図に巻き込まれなくて良かったものだと思う。改めてストレートで決めてくれたチームに感謝だ。

 松本VS岡山戦、プレーヤーレベルの感想で言えば、岡山の矢島のパスセンス、視野の広さ、ゲームを読む力は相当ヤバい。特に、うちもやられたが、矢島から豊川へのホットラインは、得点に直結する質があり、それが今回の松本戦でもアディショナルタイムの勝ち越し弾を生んだ。逆に言うと、今季の岡山の躍進は矢島の活躍に負うところが大きく、仮に岡山がJ1に上がったとしても、矢島は浦和に戻る方向と聞くので、来季の岡山は苦しいのではないか。一方、松本のGKのシュミット・ダニエルは、体格から来るポテンシャルの大きさは感じるものの、まだポジショニングや反応が一流に達してはいないような印象を受けた。

 そんなわけで、決勝はキンチョーでセレッソVS岡山となったが、セレッソが試合終盤に守備がユルくなって失点する癖は相変わらずのようで、岡山守備陣が無失点で耐えれば、最後に岡山にも勝機が生まれるのではないか。

 ところで、当ブログのサブタイトル、最初は「清水エスパルスのJ1リーグ優勝と新スタジアム建設に向けた考察」にしていたのだけれど、「清水エスパルスの躍進と新スタジアム建設に向けた考察」に変更した。いや、究極の目標がJ1優勝であることに変わりはないのだけれど、今の清水の力ですぐにそれを狙えるほど甘くないということは分かっているつもりなので。大榎監督が「優勝」を掲げた年に、現実にはチームが崩壊して降格の憂き目に会ったという苦い経験もあるので、拙速に「J1優勝」という目標を掲げるのは避け、単に「躍進」とすることにした。

 まあね、J2を跳躍台にして、J1昇格初年度に優勝を遂げたチームがあることは事実だけれど、はっきり言って、今の清水にそこまでの安定感や完成度はないと思う。2017年の目標は、J1に定着して今後の飛躍への足掛かりを得ることであり、当S研の立ち位置として今の時点で「J1優勝」といったことを軽々しく掲げるのは止めようと考えた次第だ。

 さて、当S研が掲げるもう一つの目標が、新スタジアムの建設である。これについて、現時点で私がつらつらと思っていることを、述べさせていただく。私が参考例として興味を抱いているのが、サンフレッチェ広島のケース。ご存知の方も多いと思うが、クラブ側が街の中心部の広島市民球場跡地でのサッカー専用スタジアムを要望しているのに対し、広島市の行政や議会はそれに乗り気ではなく、郊外での建設でお茶を濁そうとしている、といった構図である(政治家がクソなのは、静岡だけではないようですな)。

 それで、私が広島ですごいなと思うのは、サンフレッチェの関係者が、ことあるごとに、「中心部にサッカー専用スタジアムを」と、しつこく言い続けていることである。監督もそうだし、選手たちも機会を捉えてはその発言を繰り返している。スカパー!の試合後のインタビューでも、おそらく事前にインタビュアーにスタジアムについての質問をするように頼んでいると思うのだが、その話題が出ることが多い。クラブ関係者全員が、明確な意思統一にもとづいて、メッセージの発信を続けているのだ。

 翻って、我が清水はどうだろうか? 何年か前に東静岡の建設案が出たりといった具合に、断片的に話題になることはあるが、行政に粘り強く継続的に働きかけている様子は感じられない。まあ、ここ2~3年は降格・昇格のことで精一杯だったとはいえ、セレモニーの席などで経営者や首脳陣が新スタに言及することはないし、選手が新スタの話をしたことなどまったく記憶にない。むろん、今ある日本平スタジアムがプレーヤーにとってはピッチの面等で満足の行く施設だということもあるだろうが、それにしても情報発信力のある選手たちを巻き込まないで、新スタ建設という機運がクラブ全体で高まっていくはずはない。

 広島を見習い、クラブの経営陣はもちろんのこと、監督や選手といった現場も含め、関係者全員がしつこいくらいに新スタのことを言い続けなければだめだと思う。もちろん、サポーターも然りだ。


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