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 今季のJ1の日程が発表された時に、最終節がホームでのセレッソ戦というのを見て、一体どんな状況で最終節を迎えているのだろうかと、色々と思いを巡らせたものだった。それが、まさかJ1残留を賭けたヤバイ試合になるとは思わなかったし、増してやベンチにロティーナがいないなどということは想像もできなかった。「最終節は新旧ロティーナ・ダービーか。楽しみだな」なんて思っていたのに、もう我々の意識にはロティーナの残像もあまり残っていない。

 今季のセレッソは、ロティーナからクルピへの監督交代が案の定失敗し、第27節ガンバ大阪戦から小菊昭雄監督が指揮を執っている。そこで、それ以降のリーグ戦の戦い振りを上表のとおり整理してみたのだが、なかなか特徴的な戦績だ。6勝・6敗の五分の星であり、なんと引き分けが一度もないのである。個人的に最近のセレッソの試合はほとんど観ていないのだが、想像するに、アグレッシブに戦って、勝つか負けるか、勝負がはっきりつく戦い方なのだろう。

 「中位のチームは、上位争いも降格も関係なく、リーグ戦終盤でモチベを失う」とはよく言われることだが、どうも最近のセレッソは本気度が高いようだ。それというのも、チームのレジェンドである大久保嘉人に、最後に点をとらせて、良い形でスパイクを脱がせてあげたいという雰囲気が強いからだろう。

 ならば、本日の清水VSセレッソ戦、大久保嘉人の得点と、清水の勝ち点をバーターしないか、などとフラチな取引を持ち掛けたくなるが、まあそんなわけにもいかんだろうし、難しい試合になるだろう。

 他方、セレッソに関しもう一つの要因は、まだ天皇杯で勝ち残っており、12月12日(日)に準決勝・浦和戦を残していることだ。リーグ戦で大久保嘉人に最後のゴールをとらせてあげたいというモチベとともに、「嘉人さんを国内タイトル無冠のまま引退させるわけにはいかない」という思いもあるようで、もしかしたら先方の優先順位は天皇杯準決勝の方にあるのかもしれない。仮にそうだとすると、1週間空くとはいえ、今日の清水戦では、主力はフル出場させないとか、嘉人は温存するとか、何らかの影響があるかもしれない。

 本来であれば、清水自身の戦いにフォーカスし、「対戦相手も、他会場も関係無い」などと言い切りたいところだが……。なかなかそこまでの気持ちにはなれないので、謙虚な気持ちで最終節を見守ろうと思う。

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