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 個人的に、サッカー以外の五輪競技を、たとえテレビでも、観る予定はない。五輪期間中、J1のリーグ戦が中断するのはまあ仕方がないが、せめてJ2は開催し続けてほしかったな。清水ゆかりの選手も多いので、なるべくJ2もチェックしたいのだが、普段はJ1をフォローするのに精一杯で、J2の試合はダイジェストで眺める程度である。だから、J1が中断している間に、J2の試合があればぜひじっくり観てみたかったのだが、残念である。

 それでも、この週末には、今年初めて、J2の試合を、DAZNでフル視聴した。磐田VS山形である。磐田に関しては、もしかしたら金子が出場するかなという関心があったし、周知のとおり山形はクラモフスキー監督を迎えてから絶好調である。結果は、2:1でアウェーの山形が勝利した。

 山形がピーターを招聘するという話を聞いた時、個人的には、「山形さん、下手打ったな」と思ったものである。何せ、ピーターは、夢や希望を託すのなら結構だが、残留争いには甚だ不向きな監督というイメージだった。ところが、山形の戦績を見ると、ピーター前は3勝・5分・5敗だったものが、ピーター後は9勝・1分でいまだ無敗なのである。結果、上掲の順位表に見るとおり、山形は完全に昇格圏を射程に入れた形である。現時点で、J2で一番勢いのあるチームであることは間違いない。

 ピーターが就任して以降の試合を、フルで観たのは、今回の磐田戦が初めてだった。「勢いだけ、監督交代ブーストだけで勝っているのかな?」などと想像していたのだが、どうしてどうして、今の山形のサッカー、本当に素晴らしい。ハードワークに、高い守備意識。ビルドアップは巧みだし、フィニッシュの形も整備されている。

 こういうのを見せられるにつけ、「清水におけるピーターの大コケは、一体何だったのか?」と、考えさせられてしまう。2020年のピーター清水と、2021年のピーター山形が対戦したら、絶対に山形が勝つと思う。同じ監督で、ここまで結果が対照的とは、やはり巷間言われているとおり、清水の選手の質の問題なのかと、暗い気持ちになってくる。

 2020年のロティーナ・セレッソと、2021年のロティーナ清水も、サッカーはずいぶん違っているし、困ったことに、明らかに昨年のセレッソの方が強い。

 まあ、個人的な持論だけど、監督も、選手も、単純に能力を点数では測れない。両者の食い合わせや、経緯が大事なのだと思う。今の山形だって、恐らく元々素地は悪くなく、そこにピーターの持ち味が良いスパイスになって、結果が上手く行っているのだと思う。古い話になるが、長谷川健太監督がガンバで成功したのも、元々ガンバには西野監督が築いた高度な攻撃サッカーがあって、そこに健太氏が規律を持ち込むことで、良い塩梅になったのだと理解している(健太氏自身には特別な攻撃戦術などないので)。

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