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 昨日清水市内で開催されたシンポジウム第2弾「どうしても新サッカー場が欲しい」に参加してきた。細かい運営上の改善点などはあったものの、まずは、手弁当でシンポジウムを実現してくれた関係者の皆様に感謝したい。

 総論的だった第1回から、今回は、吹田スタジアムの建設を寄付金方式で実現させた元ガンバ社長の野呂輝久さんにじっくり話を伺うというのが目玉だった。以下、個人的に感じたことを3点に絞ってまとめておく。

 第1に、新スタ実現のためには、組織であれ、個人であれ、強力なリーダーシップを発揮する主体が絶対的に必要ということである。そもそもがスタジアム建設は行政・クラブ・スポンサーなどの利害が複雑に絡み合うわけだが、清水の場合は市と県の二重行政の弊害がモロに生じているわけで、余計に、岩盤を突破するだけの強力な推進力が不可欠だ。

 結論から言えば、清水では、行政に任せていたら、未来永劫、新スタなどできず、清水エスパルスと、親会社の鈴与が自ら主体となってやらなければならないということだろう。

 ちなみに、ガンバの場合は他ならぬ野呂社長が強力なリーダーシップを発揮したようだ。今回のシンポで野呂さんは、自分が吹田で得た知見を惜しみなく他クラブの新スタ建設にも提供したいという姿勢を示してくれていた。これから清水で実際に新スタ建設となれば、各方面の調整とか許認可のクリアとか山のような作業が必要であり、何だったら野呂さんを新スタ建設問題特別顧問として清水にお迎えしたらどうかと、そんなことも感じだ。

 第2に、新スタの建設は、見切り発車でもいいから、とにかく走り出すことが大事だということである。今回のシンポで、一番面白かった話は、ガンバの吹田スタジアムの建設では、ゼネコンの竹中工務店と、「停止条件付建設契約」を結んだということだった。つまり、ゼネコンと契約した段階では、必要な額の寄付金が集まるかどうかは不透明だったので、たとえば90億円しか集まらなかったら、ゼネコン側は90億円分で工事を止める(!)という、そういう契約だったそうである。恐らく日本で初めての契約形式ということだった。

 司会者から、「資金が全額集まってから、建設に着手するということは考えなかったのですか?」と尋ねられた野呂さんは、「それはまったく考えませんでした」と明答していた。まあ、ガンバの場合は、最終的に不足分はパナソニックおよびその関連会社が何とかするという含みだったとは思うが、清水でも、まず走り出してみるという姿勢が大事なのだろうと感じた。

 第3に、昨年の第1回、そして今回の第2回のシンポジウムはそれぞれ有意義だったものの、もう市民シンポジウムは役割を終えつつあるというか、むしろ終えるべきではないかと感じた。というのも、このシンポジウムには清水エスパルス、鈴与、エネオス、市、県というステークホルダーがまったく参加しておらず、あくまでも市民が環境醸成と認識深化のために催しているものだからである。

 シンポジウムはその役割を十二分に果たしたと思う。もう、市民ではなく、当事者が実際に動くべき時期ではないか。もちろん、今後もシンポジウムはあってもいいと思うが、今後は当事者もパネリストとして招かなければ、意味がないのではないか。

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