30

 昨日、大分戦におけるチームの一体感は素晴らしかったということを書いた。

 もう一つ言えば、観客とチームの一体感も素晴らしかった。この試合では、スタジアム内の各所に、「前向きなプレーのミスにはため息ではなく拍手を」といった呼びかけが貼り出されていた。本当にそのとおりだと思う。よく試合中に愚痴やため息を連発したり、選手の悪口をしつこく言い続ける人がいるが、自分たちが醸すそういうネガティブな空気の積み重ねが、チーム自体も弱くしているのかもしれないということを、自覚するべきだ。

 ガンバなどは、遠藤の提唱で、シュートを外した時に観客がため息をつくのではなく、「ウー」という声をあげ、雰囲気を壊さず、逆に「次こそは決める」という空気を作り出すことに成功している。そういう他クラブの良いところは、貪欲に取り入れるべきだ。今回、どなたの発案だったかは知らないが、「前向きなプレーのミスにはため息ではなく拍手を」という呼びかけがなされたことは、素晴らしいGood Jobだった。勝利の何パーセントかは、その賜物だったと思う。

 さて、そのように、チームも、観客も一つになれた大分戦だったが、気になったのは、ベンチ外となっている選手たちの心境である。リーグ戦のメンバーは、だいぶ固定されてきたからだ。

 この日配られた選手の名前と背番号入りのタオル。所長は、30番・金子翔太だった。好きな選手だから全然OKなのだが(というか、清水に好きでない選手は一人もいないが)、「果たしてこのタオルは、来年も掲げることができるのだろうか…」と考えると、少々微妙な気持ちにもなってしまう。

 大分戦では、熱海の被災者支援の募金が行われ、所長が出向いた場所では、後藤などの姿が見られた。もちろん募金活動の先頭に立つのは素晴らしいことだが、サッカー選手である以上、試合当日はユニを着てピッチに立ちたいということに尽きるはずで、本人たちはどんな思いだったか。

 現在控えに甘んじている選手たちが、ロティーナ清水で生き残るために、アピールする機会は、もう本当に限られてきた。その一つ、場合によっては最後の機会になるかもしれないのが、本日の天皇杯・岩手戦ということになる。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村