20202021

 それにつけても、ロティーナ清水は本当に勝負弱いチームである。そのことを可視化するために、こんなグラフを作ってみた。2020年と2021年の、J1リーグ戦およびルヴァンカップで、どういう点差で勝敗が決したかを示したものだ。2点差以上勝利、1点差勝利、同点引き分け、1点差敗戦、2点差以上敗戦という分類になっており、青系が勝利、赤系が敗戦と色分けされている。

 2020年のクラモフスキー~平岡清水は、実に特異なチームだった。何しろ、1点差勝利が一度もなかったのである。調べたわけではないが、J史上初の珍事ではないだろうか。ついでに言えば、ウノゼロで勝つこともなければ、ウノゼロで負けることもなかった。勝つにしても、負けるにしても、常に大量得点差がつくというのが、2020年の清水だった。

 もっとも、こうやって見ると、2020年には1点差敗戦が12回(割合にして32%)と意外に多かった。ただ、皆様ご記憶のとおり、これは早い段階で2失点くらいして、完全に勝負の行方が決した後になって、試合終盤に焼け石に水の反撃弾を決め、結果的に数字上は1点差になったけれど、ゲーム内容は惜しくもなんともなかったというパターンばかりだった。徹頭徹尾、「大敗の清水」だったのだ。

 ともあれ、1点差以内の試合を「僅差の試合」と呼ぶならば、2020年には引き分けを含め19試合、割合にして51%が僅差だった。

 それが、予想されていたこととはいえ、2021年にロティーナ体制になって、1点差以内の僅差の試合が、激増しているのである。これまでのところ、14試合、78%が、僅差の試合となっている。大勝も大敗も少なくなった。

 2021年に目立つのが引き分けの多さであり、8試合、実に44%が引き分けに終わっている。しかも、スコアレスドローが4回あったが、残りの4回はすべて、終盤に追い付かれての引き分けである。清水が追い付いて同点になったことは、1度もないのだ。

 4回あった1点差敗戦についても、そのうち2回までが、敵に後半、手痛い勝ち越し点を許したものだった。ともにアウェー戦だったので、我慢して引き分けに持ち込めればそれでもOKだったのだが、それができなかった。

 本当に勝負弱い。開幕戦の鹿島戦だけは、試合終盤に重要な勝ち越しゴールを奪えたが、それ以外は、試合の終盤は敵に勝ち点を左右する1点を奪われるのみであり、こちらが値千金のゴールを決めるということがまったくできていない。

 紙一重で、戦績が大きく上向くはずと、言えなくもない。しかし、チームが変わらなければ、このまま試合終盤に痛恨の失点を喫し続けることになるだろう。


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