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 今季のJ3の日程を眺め、左伴社長とGK西部がいる富山が、枝村のいる藤枝に乗り込むという試合がゴールデンウィークの5月1日にあるというのを知って、「これは行くしかない?」と考えた。藤枝の本拠地である藤枝総合運動公園サッカー場は、前から一度行ってみたいと思っていたのである。

 まあ、しかし、このプチ遠征は、ちょっと失敗だった。実際に行ってみると、「え、藤枝って、静岡からこんなに遠かったっけ?」という感じだった。車で行けばそうでもないかもしれないけど、個人的にはJRと路線バスで行ったので、不便なことこの上ない。驚いたことに、コロナで入場制限があるからなのかもしれないけど、藤枝駅からのシャトルバスすら出てないんですねえ。だから、本数がやたら少ないコミュニティバスみたいのに乗っていかなければならない。

 そして、大いに当てが外れたのが、西部が怪我をしたらしく、遠征に参加していなかったこと。左伴社長はどこかにいたらしいが、どこにいるのか分からず、姿を見ることもできなかったし。

 そして、最悪だったのが、この日は酷い雷雨だったことだ。まあ、藤枝のスタジアムは、メインスタンドだけは屋根がしっかりあって、試合観戦中に濡れたりすることはなかった。だが、後半開始直後に雷が酷くなって、試合が中断し、1時間くらいで再開はしたものの、個人的にバスに乗り遅れそうだったので、途中で席を立ち、試合を最後まで観ることすらできなかった。

 西部がいないということは、枝村のプレーを楽しむしかない。彼もベテランになり、動きの鋭さとか、ゴール前に詰める迫力とか、そういうのはなくなった。それでも、彼のパスから局面を打開するようなシーンはしばしばあり、藤枝の中では良いアクセントになっている印象だった。

 さて、個人的にはなかなかしんどい参戦になってしまったが、藤枝を一度見学させていただいたことは、良い経験になった。身に染みて良く分かったのは、スタジアムの立地が圧倒的に不便ということである。アイスタの場合は、まだ周辺に民家らしきものもあり、まだしも街の延長上にある感じだが、藤枝のスタジアムは完全に山奥といった風情である。スタジアムの箱自体は、J2仕様に拡張する予定があるらしいが、いかんせんあの立地では、気の毒ながら、クラブとしての発展性は限定されてしまうのではないか。

 スタジアムが山の中にあると、サッカークラブが市民に深く根差した「文化」になることは、まず困難だと思う。藤枝の場合には、高校サッカーという文化はしっかりと根付いているが、あの不便なスタジアムでは、サッカーが教育、スポーツ振興、行政主導の街興しの施策として機能することはできても、やはり市民の日常に根付いた文化には転じにくい。

 本当にスタジアムの立地は大事。清水としても、中長期的な視点に立てば、そのことこそがクラブの浮沈を大きく握っているわけである。藤枝の地で、そのことを改めて感じた。

 (下の写真は、この日は島田市デーだったので、島田市のお茶ゆるキャラが)

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