21日に行われた必勝祈願について、申し上げるのを忘れていたことがあった。この席で、田辺市長によるスピーチは、相変わらず言語だけは明瞭で聞き取りやすい話ではあったが、美辞麗句に終始し、市が具体的にクラブに対して何かしてくれるということは、一切なかった。当然、市長が逃げまくっている新スタジアム建設の問題には、一切触れずじまいである。

 それに対し、我らが山室社長は、「新スタジアムについては、前進ということで、大変期待しています」と、力強く言い切っている。流石である。この人は、勘所というのを、見事にわきまえている。市長が出席した公の場で、一発ジャブを打っておくことで、今後の展開を有利に持ち込めると、直感的に感じたのだろう。

 左伴前社長も、素晴らしい人ではあったが、慎重な性格だっただけに、こういう駆け引きに打って出ることは、まずなかった。それに比べると、山室社長は勝負師の資質を感じさせる。

 言葉、願いというものは、しつこく言い続けることによって、自己実現したりするものである。現に、左伴前社長も、J2に落ち、1年でJ1に復帰するために大事なことの一つとして、「必ず1年でJ1に戻るということを社長がブレずに言い続けること」を挙げていた。そして、それは実現した。新スタ建設のハードルは、それよりもはるかに高い。でも、クラブがしつこく言い続けなければ、俎上にすらのぼらないだろう。クラブは粘り強く要望を続け、我々サポもそれを盛り立てていこう。

 山室さんは清水の社長に就任する時に、「新スタジアムの問題には自分がいる間に何としても道筋をつけたい」と言ってくれた。逆に言えば、もしもこの人がいてくれる間に前進しなければ、未来永劫に不可能ではないか。我々もその覚悟をもって、気運を盛り上げなければなるまい。誰か新スタを公約に市議会選挙にでも出てはどうか。

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