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 ここ何年か、忙しくてアメフトのNFLは観ていなかったのだけど、今シーズンは久し振りにプレーオフからスーパーボールまでを観てみた。数年振りなので、勢力図とかスター選手はかなり入れ替わっているけれど、やっぱ面白いなあと思った。作戦とかフォーメーションとか、ほとんど分からないのだけどね。

 ちなみに、アメフトもサッカーと同じように1チーム11人でプレーする。ただ、選手は1プレーごとに入れ替わったりする。すると、時々、選手交代の混乱が起きて、12人でプレーしてしまい、反則がとられたりする。数試合に1回くらいは、そういう珍事が起きる。長くサッカーを観ているが、さすがにサッカーで12人でプレーしてしまったなどという場面は、見たことがない。しかし、サッカーでも5人交代制になり、一気に3枚替えとか4枚替えをしたりすることが増えると、交代が上手く行かず、間違って12人でプレーしてしまったりすることも、もしかしたら起きるのではないかという気がしている。思うに、サッカーの選手交代システムは、一気に何人もが代わることを想定しておらず、混乱が起きやすいのだ。たとえば、ピーター清水は2020年の夏頃に、選手交代の混乱から失点したことがあったが、あれも清水がミスったというより、もしかしたら第4の審判が混乱したのではないかと、個人的には疑っている。

 サッカーとアメフトは、同じく「フットボール」と呼ばれるが、自由度が高くカオスなサッカーに対し、アメフトは攻撃も守備もやることがきっちりデザインされており、かなり趣の異なる競技である。しかし、ロティーナ戦術についての解説などを読んでいると、「サッカーも高度になればなるほど、アメフト的な緻密なものに近付いていくのかな?」という感覚を抱く。そういう意味でも、アメフトも案外サッカーの参考になるのかもしれないななどと思いながら、今般のNFLポストシーズンを眺めていたわけだ。

 それで、結局スーパーボールは、43歳というベテランのQBトム・ブレイディ率いるバッカニアーズが優勝した。ニューイングランド・ペイトリオッツで一時代を築いたブレイディは、今季がバッカニアーズ加入1年目だった。勝ち方を知るブレイディが来て、バッカニアーズが上向くという期待は、確かにあった。しかし、勝てるチームに変身するのには、ブレイディをもってしても、2~3年はかかるのではないかというのが、一般的な受け止め方だった。しかし、ブレイディの加入は、単に一人の名QBが加わったという以上のものだった。たとえばブレイディは紅白戦で対戦相手の守備チームに対し細かい指摘をし、一つ一つチームを改善していった。その積み重ねが、最終的に移籍1年目でのスーパーボール制覇に結実したわけである。

 これって、今の清水にも当てはまるような状況ではないか。ロティーナが来て、権田が来て、確かに「これでチームは良くなる」と期待はされているが、「とはいえ、1年目は基礎作りで、タイトル争いをするようになるのには2、3年かかるのではないか」というのが一般的な受け止めだと思う。しかし、1年目だからって、別に期待するのを遠慮する必要はない。個人的にも、長い目で見守ろうとは思っているが、それと同時に、早くも今季、躍進を遂げてくれることを大いに期待したい。

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