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 清水の得失点のパターンを示したこの図は、時々作ってお見せしているものだけど、2020シーズンが終了したので、2020年の最終版を作成してみた。なお、リーグ戦だけじゃなく、ルヴァンも含んでいるので、ご注意を。

 それにしても、2020年の清水の得失点パターンは、特殊というか、変態と言ってもいい。2020年、当S研では様々な「法則」を指摘してきたが、最後まで崩れなかった絶対の法則は、「2020年の清水は1点差勝ちがない」という法則である。勝った試合がそもそも少ないわけだが、それらの試合はすべて、2点差以上を付けている。

 そもそも、2020年の清水は、「試合の終盤に1点差を守り切る」というシチュエーション自体が、きわめて少なかった。そして、そのミッションに成功したのは、たったの一度しかない。それは、ホームの札幌戦だったが、ただし、アディショナルタイムにカルリーニョスが追加点を決めたので、結果的には2点差勝利になった。もっとも、あの試合は札幌に退場者が出て清水がずっと支配はしていたので、「1点差を堅い守備で守り切った」というのとはやはり違うと思う。

 あと、「試合の終盤に1点差を守り切ろうとした」試合が2試合あったが、いずれも土壇場で同点ゴールを浴び、引き分けに終わっている。ホーム鳥栖戦とホーム川崎戦である。繰り返して言うなら、「2020年の清水は、試合終盤に1点差を守り切ろうとするシチュエーション自体がごく少なかったし、成功したことはほぼ一度もない」という結論である。

 あと、試合終盤に同点の状況で、そこから勝ち越し点を奪って勝利したことも、一度もなかった。3点くらいとって大きくリードした時だけ勝てるというチームだったのである。

 皆さん、サッカーをご覧になっていて、1点リードを守備を固めて守り切る試合というのは、ごくありふれたものだということを、良くご存知だろう。そりゃ景気良く2点差、3点差にできれば理想だが、そう上手く行くはずもなく、1点差を守り切るような戦いができなければ、トップリーグで勝っていくことなどできないことは、明白である。既存の清水というチームは、まさにそれができないのだ。

 ちなみに、ロティーナ監督率いるセレッソは、2020年のリーグ戦で18勝したが、そのうち実に12勝が1点差勝利だった。2021シーズンの清水、いかに劇的な変革が必要かが、窺い知れるというものである。

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