138

 最終節、アウェーのガンバ戦に2:0で勝利。おあつらえ向きに、裏番組では仙台と湘南がスコアレスドローに終わったため、清水にとってはベストシナリオとなり、順位を16位に上げてフィニッシュした。当S研ブログで秋口くらいからずっと言い続けてきた最下位回避、バーチャル自動降格圏回避を、どうにか達成することができた。

 戦前には、ガンバが大幅にメンバーを落としてくるのではないかとの報道もあった。一方、清水は、そろそろカルリーニョスもヘナトも復帰するのではないかと、勝手に期待していた。ところが、試合前にメンバー表を見て、愕然。ガンバは欠場が噂された倉田やパト氏がいるし、逆に清水はカルリ、ヘナトだけでなく、ヴァウドまでいないと来た。「ハハハ、駄目だこりゃ」と笑うしかなかった。

 これだけブラジル人を中心とした外国人への依存度が高いチームで、この日のメンバーにベンチを含めて助っ人がエウシーニョ一人というのは、異常事態である。開幕戦の頃からは、想像もできなかった事態だ。

 しかし、平岡監督は日本人プレーヤーたちに魂を吹き込み、上手く配置と交代をさせ、勝ち点3を取り切った。表現が適切かどうかは分からないが(たぶん不適切)、冷蔵庫のありあわせの食材でウマい飯を作ったようなものであり、その手腕は評価されるべきだろう。

 誰がどう見ても、この日の清水の勝因はハードワークに尽きるだろう。前の4枚に「激しく追える」系のアタッカーを並べたことからも、監督の意図した戦いがうかがえる。選手の動きは「飛ばし過ぎ」とも思えるもので、これでは90分は持たないだろうなと思いながら観ていたが、ガンバは先制したら絶対負けないチームであり、逆に清水は先制されたらまず勝てないので、力を出し惜しみせず、前半をゼロで乗り切ったことが大きかっただろう。そうすれば自ずと後半に勝機が出てくるということが、改めて証明された。

 サッカーにおいては、相手に厳しく寄せる、シュートは体を投げ出して防ぐ、素早く切り替えるといったことは、大前提である。戦術だの技術だのといったものは、その土台の上に重ねるものだ。今季を含め、清水が何年も低迷しているのは、その当たり前のことを疎かにしていたからに他ならない。そう言えば、先日のスポパラで名波氏も、清水の根本的な問題はその部分だと指摘していた。平岡監督になって清水がそれなりに勝てるようになったのも、「戦う集団」という表現で、その「当たり前」を徹底させたからだろう。

 ただ、ちょっと結果が出ると、すぐに緩んでしまうのが、うちの悪いクセである。鹿島戦、湘南戦では、また甘さが目立っていた。尻に火がつかないと本気にならないというのは困ったものだが、33節で最下位に沈んだという危機感から、ガンバ戦では今季最も目を見張るようなハードワークを見せてくれたというわけである。

 誰が監督をやるにしても、どんなシステムや戦術をとるにしても、このハードワークが大前提。最終節にして、ようやくデフォルトになったという気がする。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村