674

 クラモフスキー前監督は、スタメンの変更について話を向けられると、「いや、誰が出ても同じサッカーができます」とコメントするのが常であった。しかし、現実には、優秀なブラジル人助っ人がその属人的能力を発揮して活躍した時にだけ勝てるチームであったことは、否定できない。

 その点、本日の対戦相手の横浜FCは、まさに、誰が出ても同じサッカーができるチームである。下平監督のきめ細かい指導の賜物により、J2からJ1に昇格し、そしてJ1の舞台でも悪くない戦いをしている。横浜FCのメンバーを見ると、スーパースターは見当たらず、いつもだいたい安そうな、と言ったら失礼だが、若手・中堅の日本人選手だけという場合が多い。そして、チームを率いる下平監督自身、上の表に見るように、決して高報酬というわけではない。横浜FCと清水、どちらがコスパが高いかは、歴然としている。

 ただ、「横浜FCにも、レアンドロドミンゲス、中村俊輔、そしてカズがいるではないか」というツッコミが聞こえてきそうである。それはそのとおりなのだが、そうしたベテランはちょっと事情が違う。所長が横浜FCの事情を良く知る関係者から以前聞いた話によると、何でもユニフォームスポンサーの社長がカズのファンらしく、「カズを一定の試合数に出場させること」を条件にチームを支援しているそうである。中村俊輔については知らないが、もしかしたらそういうスポンサーの好みも反映した獲得だったのかもしれない。

 横浜FCというのは、そういう「闇」の部分も抱えたクラブということらしい。つまり、下平監督は、それでなくても豪華とは言いがたいプレーヤーをやりくりして戦わなければいけない上に、「時々カズを使わなければいけない」という縛りまで課せられ、今季それでいて清水よりもずっと立派な成績を残しているのである。二重の意味で尊敬に値する。

 いつも言うことだが、せめて清水には、予算相応のサッカーくらいは見せてほしいのだ。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村