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 サッカーではよく、矛(ほこ=攻撃)と盾(たて=守備)の例えが使われる。清水はアホみたいに失点が多いチームであり、川崎は得点が多いチームである。したがって、0:5という結果は、強い矛と弱い盾がマッチアップした、必然の結果のようにも思える。

 だが、個人的にはちょっと違うかもしれないと感じた。両チームは、超攻撃的なサッカーというコンセプトは同じである。川崎の矛が強く、清水の矛が弱い、その違いが結果に出たのではないか。

 5失点は、ほぼすべて、ディフェンスラインの繋ぎのミスから発生したものである。ディフェンダーのミスでも、繋ごうとしていた以上は、攻撃の準備作業である。その部分が、決定的に劣っていた。だから、これは盾というよりも、矛の弱さだと思うのだ。

 もちろん、ピンチに陥った時の、盾の弱さも、目を覆うばかりである。レアンドロダミアンに決められた得点では、まともにシュートブロックにすら行っておらず、申し訳程度にヒョイと足を出しただけである。ただ、守備の弱さが、今回の玉砕の本質ではないと思うのだ。

 変な言い方だが、清水が最初から0:2くらいで負けることを目標に戦ったら、その程度は達成できていたかもしれない。ブロック守備を敷き、来たボールは全部、力一杯クリア。攻撃は、上手くトップに収まった時だけ、前の2~3人だけでダメモトで攻める。そんな、小林監督、篠田監督的な戦いなら、2~3失点に抑えることはできたかもしれない。

 問題は、志向しているような攻撃サッカーが、一向に花開いていないということだろう。サポの皆さんは、「まだリーグ戦は3分の1ちょっと消化しただけ。今シーズンはまだまだこれからだし、じっくりチーム作りをすればいい」とか思っているかもしれない。そんな皆さんに残念なお知らせだが、2021シーズンの開幕まで、もう半年もないのである。20チーム中4チームが降格するという恐怖のシーズンが、すぐそこまで来ている。

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