game_photo_image11663

 Jリーグ再開後、特殊な条件での試合開催により、清水について良く分かった点がある。このチームには、声を出すリーダーが少なすぎるということだ。アイスタで数試合を観戦したが、すべての試合で、アウェーチームに声量で完敗だった。このチームは数年前から「おとなし過ぎる」ということが指摘され、また失点すると下を向いて立ち直れなくなると言われていたが、それが納得できるくらい、とにかく声を出さない。

 はっきり言って、でかい声でチームを鼓舞しているのは、立田一人といっていい。その点、彼のことは高く評価したい。ただ、立田一人で、「戦うぞ。ここから行くぞ」などと叫んでも、呼応する人間が誰もいないので、一人で浮いてしまっている雰囲気である。また、立田自身、まだミスも多いので、自分のことで精一杯であり、技術的なコーチングまでは至っていないのかなという気がする。

 一つには、このチームの構造も影響している。人数が多いのは日本人だが、プレーのカギを握っているのはブラジル人である。ではブラジル人がチームリーダーになるかというと、ポルトガル語ででかい声を出しても日本人には意味不明なので、そういうことにはなりにくい。

 他のチームを見ていると、経験豊かなゴールキーパーがチームで一番声を出しているところが多い。しかし、新人類・梅田は淡々と自分のプレーをこなすタイプであり、自分より年上のフィールドプレーヤーたちをコーチングで動かすという雰囲気は皆無である。

 本来であれば、キャプテンの竹内や金子が声を出してチームにエネルギーを注入すべきだろう。しかし、両者とも声というよりもプレーで引っ張るタイプである。横浜FC戦では、後半清水のペースが上がらない中で、竹内が意を決して前プレスに加わる光景があった。なので、プレー振りで引っ張ろうとはしているものの、声という要素がないと、やはり今一つチームリーダーとしては物足りなく感じてしまう。

 ちなみに、清水の声量がだいたい相手チームに負けているのは、「監督が静かだから」というのもある。前にも書いたように、ピーター監督は時々ジャッジにクレームはつけるが、ピッチに指示を出したり鼓舞したりといったことがほとんどないからである。今のところ、ビッグボイス篠田コーチも、監督に遠慮してか、静かにしているし。

 現在の観戦スタイルは、こういう新しい発見もあるので、個人的には結構楽しんでいる。ところが、清水の運営は相変わらず、プレー中にチンドン屋のような録音応援を垂れ流しており、我々からサッカーの生の音をじっくり味わう権利を奪っている。今からでもいい、頼むからやめてほしい。

よかったらクリックお願いします
にほんブログ村 サッカーブログ 清水エスパルスへ
にほんブログ村