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 アウェー浦和戦。セットプレーだけで4得点を奪った前節の勢いそのままに、前半は相手を押し込み、前半だけで実に10本のコーナーキックを獲得。しかし、大分とは異なり、浦和は決定機までは作らせてくれなかった。聞けば、浦和は今季、まだセットプレーからの失点がゼロだと言うではないか。

 考えてみれば、コーナーの数があれだけ増えたということ自体、必ずしも朗報というわけではない。相手が分厚い守備ブロックを作って構えているところに、力技で押し込もうとするからこそ、コーナーが増えていったのだろう。クロスを上げようとしても相手に阻まれたり、シュートを打ってもブロックされるからこそ、コーナーが増える。押せ押せのように見えても、決して得点に近付いていたわけではなかったのかもしれない。

 ハーフタイムに入った時点で、「果たして、清水がこの攻勢を得点に繋げられるか。それとも、前半押しながら、あっさりと安い失点を献上し、敵にリードを許すのか」と思いを巡らせたが、案の定、後者だった。後半に入ると、なぜかがらっと雰囲気が変わる。そして、何ともマヌケで馬鹿馬鹿しい失点を喫し、試合は一気に難しくなる。

 この試合、守備が固く、試合運びも巧みな浦和に先制を許したら、まず絶望的だろうと思っていた。実際、後半は清水にチャンスらしいチャンスはほとんどなかった。しかし、セットプレー崩れから、同点弾が生まれる。事前に用意していた形は不発で、浦和にしっかり守られていたのに、「崩れ」からアドリブ的なプレーで得点を奪ったというのは、この試合を象徴していたかもしれない。

 ここ数年の浦和との力関係を考えれば、特に前半、圧倒的に押し込めたことは、隔世の感がある。清水が最後に浦和に勝った試合は「戦術バレー」だったが、今回の浦和は「戦術レオナルド」であり、清水の方が先々楽しみなサッカーをやっていると信じていいかな?

 前半、圧倒的に押していながら、実はシュートはそれほど打てておらず、浦和が本当に慌てた場面はほとんどなかっただろう。もっと緩急をつけたり、試合全体を上手くコントロールできたりしないと、勝てるチームにはならない。ただ、ほぼ負け試合だったところから引き分けに持ち込み、3試合連続で勝ち点を獲得したことは、一定の進歩と捉えることができる。

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