J1最終節終了後のセレモニーで、社長とキャプテンが天皇杯に向け妙に熱い煽り言葉を発していたけど、サッカーの中身がないまま、気持ちだけで勝てるほど、甘くはなかった。神戸は、イニエスタのアクセントを除けば、ものすごく強いという印象はなかったし、時折隙も見せてくれたけど、試合全体で見れば、清水が負けたのはまったく順当だったと考えざるをえない。

 今季の清水は、J1の底辺に何としてでもしがみつこうと、恥も外聞もなく、ただただ残留するためだけのサッカーに終始した。何度も言うように、それが篠田監督就任時の皆のコンセンサスだったわけだから、それ自体については今さら是非もないことである。ただ、これだけ出来損ないのサッカーで、残留以上の何かを得たいというのは、虫が良すぎたということだろう。リーグ戦終盤から見え始めた傾向だけど、今回の神戸戦でも、ロングボールをドウグラスに当てるという形は多くなく、むしろ最終ラインから繋ごうとしていた。しかし、そこでボールを持てない、繋げない、挙句の果てにはスローインもできないと来れば、現状でJ1の中の上くらいの神戸に、太刀打ちはできない。頼みの綱のドウグラスが決定機を3回も外せば、そりゃもう勝ち目はないというものである。清水は、一応はJ1で12位のチームということになっているが、2試合目で見たJ2の12位の長崎よりも明らかにクオリティは低く、公平に言って天皇杯の決勝を戦うには値しないチームだった。

 所長にしても、新国立で戦う最初のチームになりたい、久し振りのタイトルが欲しいと人並みに望んではいたが、現実的に考えれば、清水が決勝に進出すれば、来季に向けたチーム作りに、色々と歪みが生じてくる。来季の清水は、とてつもなく難しい(というか不可能に近いような)挑戦をすることになる。それに向けて、なるべく早く切り替えられるという意味では、この時点で2019シーズンが終了したことは、大局的には悪くないという受け止め方もできるのではないか。

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