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 それにしても今季の清水の残留は、ありえない、奇跡に近いものだったと思うわけである。これまでのJの歴史を見れば、最多失点のチーム、ワースト得失点差のチームは、ことごとく降格してきたからである。

 そのことを確認するために、上掲のような表を作成してみた。J1はチーム数やレギュレーションに変遷があり、過去には1チームだけ入れ替え戦に回っただけのシーズンもあったりしたから、現在と同じ18チーム、シーズン34試合で、降格チームが3ないし2.5になった2005年以降のデータをまとめてみた。青が残留、赤が降格である。

 まず、最多失点のところから見ていくと、最多失点のチームは17位か18位で降格というケースがほとんどであり、これまでの歴史で残留に成功したのは2009年の磐田と2018年の名古屋だけだった。最多失点のチームとしての過去最高順位は2009年磐田の11位であり、今季の清水は12位に終わって、わずかに届かなかった(別にそんなことで張り合わなくてもいいが)。

 そして、得失点差のデータは、よりダイレクトに順位に直結している。ワースト得失点のチームは最下位が定位置であり、従来の歴史では、どんなに頑張っても2007年の広島の16位が最高であった(入れ替え戦で敗れて降格)。2019年の清水が、ワースト得失点差でありながら残留を果たしたのは、もちろん現行レギュレーションでは初の快挙である。それのみならず、12位というそこそこの順位でフィニッシュしたのは、空前絶後と言っていい。勝つ試合は常に1点差で、負ける試合では派手に負けるという今季の清水の大クセが、この珍現象をもたらした。

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