12月某日。とあるJ1クラブでは、リーグ戦終了を受け、強化部と監督との緊急会談が開催されていた。

 GM お前ら、テープ回してないやろな。

 監督 え?

 代理人 録音されると、まずいことでも?

 GM 当たり前だ。記録が残ったら、オレの得意な後出しジャンケンができなくなっちゃうだろ。

 監督 思い出した。確かGMは前の監督の時にも、「第10節終了時で『勝ち点9』が最低限のノルマだった」とか、後出しで言ってましたね。ま、まさか、せっかく残留を達成したのに、後出しで、私の仕事に、ケチをつけるんですか。

 GM ご名答。はっきり言って、監督のサッカー、嫌いです。守備的で、カウンター一辺倒。

 監督 そんなぁ。だって就任する時、「守備とカウンターを中心とした現実的なサッカーで残留を目指します」って、私はっきり言いましたよね。GMもうなずいてました。

 GM そうだっけ? とにかく、オレはパスを繋ぐ楽しいサッカーが好きなの。

 代理人 GM、そんな理不尽なことばかり言ってると、監督のなり手がなくなりますよ。

 GM そうかもな。そこで、サポの間から沸き起こってくるわけよ。「レジェンド待望論」が。

 監督 「レジェンド」って、まさか…

 GM みなまで言わせるなよ。

 代理人 GMを待望してるサポって、あんまいないと思いますけど。

 GM そうかなあ? この間だって、パチンコ屋で会ったサポに、「ぜひ貴方の再登板を」って、熱心に懇願されたぞ。オレが「OK」って答えたら、嬉しそうに、「ランラランララーン」とか歌って、飛び跳ねてたけどな。

 監督 それ、たぶん隣のサポですよ。

 このエントリーはフィクションで、実在の人物や団体などとは関係ありません。

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