近年の清水が低迷し、とりわけ今季降格の危機に瀕しているのには、必然的な原因がある。もちろん、その原因は一つではないが、所長が見るところ、一番根本的な問題は、守備の意識や厳しさだと思う。これは、誰でも心がけややる気があればできることであり、戦術とかテクニックといったレベルの話ではない、もっと初歩的な問題である。相手のボールの出どころに激しく寄せる、もしもシュートを打たれたら身を挺してブロックすると、Jの他のチームがどこでもやっていることを、清水はできていない。

 たとえば、セレッソ戦の1失点目。河井に当たってコースが変わって入ったのは、アンラッキーだったと考えたくなる。しかし、河井は立っていただけで(いつもの清水イレブンのように、よけなかっただけマシとも言えるが)、もしも河井がシュートに対してもっと激しく寄せていたら、結果は違ったのではないだろうか。

 相手のクロスに対しても、そう。ワールドカップの時のスウェーデンのように、クロスは上げさせても中で跳ね返すということがキチンとできているのならいい(ヨンソン監督はそういうスウェーデン流をやろうとしていた節もあった)。しかし、DFのクロス対応が弱い清水では、まずクロスの上げ手に激しいプレッシャーをかけて、その精度を狂わす必要がある。

 しかるに、現実には、まさにその部分が甘い。西澤あたりのクロス対応を見ていると、2メートルくらい離れて立っているだけであり、まるで充分な車間距離をとって安全運転に徹するマナーの良いドライバーみたいだ。サッカー守備は、思いっきり幅寄せする、すぐ前に立って相手を追い詰めるという具合に、「煽り」じゃなきゃ駄目なんだよ。

 果たして、本日の鳥栖戦で、尻に火のついた清水イレブンは、心を入れ替えてタイトな守備を見せてくれるだろうか? この期に及んで、惰眠をむさぼり続けるなら、そんな自分たちにふさわしい場所に落ちていくだけの話である。

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