言うまでもなく、世界のサッカーはヨーロッパを中心に回っている。その表れとして、Jリーグでは8月、具体的には第21節から新競技規則が導入される。ヨーロッパの新シーズンの開幕に合わせて、この夏から世界的に新ルールを、ということなのだろうが、Jリーグはシーズン途中の、半ばをちょっと過ぎた中途半端なタイミングであり、実に迷惑な話だと思う。ことほど左様に、我々は欧州中心主義の迷惑を被っているわけである。

 国際政治の世界では、白人の支配する欧米による帝国主義は、過去の遺物と化した。ところが、ことサッカーの世界においては、欧州のビッグクラブのみが利益を吸い上げるサッカー版の帝国主義、南北問題、東西問題がはびこっている。これは、考えてみれば恐るべき理不尽である。

 まあ、今から述べることについては、人それぞれ価値観が違うと思うので、あくまでも所長の個人的な見解を申し上げる。Jクラブのサポが抱きがちな、「うちの選手が国内の別クラブに移籍することは許せないけど、海外移籍だったら応援したい」という価値観は、ちょっとどうなのだろうか。

 確かに、白崎が鹿島(メルカリ?)に移籍したら、その活躍振りを日常的に見せつけられることになるし、うちと対戦した時に我々の前に立ちはだかるわけで、それは嫌なものである。じゃあ、だからと言って、日本人プレーヤーが欧州に渡ることを、我々が「夢を追いかけることは応援する」のはどうなのだろうか? それは、「Jは欧州よりも下」ということ当然視する、あまりにも卑屈な負け犬根性ではないのか。日本の若手や有望選手が、欧州に渡るのは当たり前だという風潮は、大袈裟なようだが、我々が属しているJリーグという共同体そのものの価値を毀損するものという気がする。「国内はダメ、海外なら応援」というJサポにありがちなメンタリティは、近視眼的なものに思えてならない。

 もちろん、日本人選手がどんなキャリアを追いかけようが、それは本人の自由なので、自分の思うとおりにやればいいだろう。現状では、一定の力があれば欧州に挑戦したくなるのは、やむをえない。ただ、それならば、Jの各クラブはせめてそれをビジネスにしなければ駄目である。今回、こんなエントリーを書いているのは、スポーツ報知に出ていた「【記者の目】“海外移籍ブーム”背景に“夢”のための低い移籍金…選手育てるメリット少ない」という記事を見て、なるほどなと思ったからだった。

 所長は、白崎が鹿島にとられたのは、もちろん悔しい。でも、北川を欧州にとられたことは、より根深い構造的な問題を反映している分、もっと複雑な気持ちになってしまうのである(あくまでも個人的な価値観を吐露しているだけで、賛同してくださらなくて結構です、笑)。

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