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 先日のガンバ戦、清水の攻撃の見せ場は少なかったが、立田がドリブルで果敢に持ち上がって、金子のシュートに繋げた場面は、清水サポを多少沸かせるものだった。

 恐らく、本人の中では、向上心、コパで得た経験がやたらに肥大化し、その割には自分のプレーが付いて行かず、クラブ内での出場機会も限られ、忸怩たる思いがあるのだろう。その理想と現実のギャップを埋めるのに必死で、それがああいうプレーになって表れたのではないか。まあ、ガンバ戦では、立田を含め、守備の怠慢から食らった失点というのはなく、ファンソッコの存在も絶対ではないので、引き続き立田がスタメンで起用されることもあるのかもしれない。

 それにしても、Jリーガーにとって先日のコパは変な大会だった。明らかに東京五輪チームの強化が主眼なのに(それ以外の人選も五輪のオーバーエイジ枠を意識したような選出だった)、位置付けは一応国際Aマッチであり、お蔭様で立田も数分の出場で代表キャップ1を刻むことができた。山本海人なんか、ガチでA代表に呼ばれたことがあっても、結局試合への出場機会がなく、「元日本代表」という肩書を得られなかったことを思えば、立田は何と幸運かと思う。

 それと関係するような、しないような話だが、コパのメンバーも含め、日本の若い世代の欧州流出が、ますます加速している。鹿島なんか根こそぎ抜かれているし、リーグ戦1点の松本の前田にすらお声がかかっているようである。たぶん、同世代の飛躍に、立田も焦っていて、ヨーロッパからのオファーでもあれば、後先のことを考えずに飛びついてしまいそうな雰囲気も感じる。

 しかし、立田は日本だからこそ体格に恵まれたポテンシャルの大きなディフェンダーと評価されているのであって、ヨーロッパに行けば、あの程度の体格と能力の若手DFなんて、ゴロゴロいそうだ。安部とか久保のような小型俊敏アタッカーなら欧州で重宝されるかもしれないが、日本人のセンターバックやゴールキーパーには大きな壁がありそうだ。

 むしろ、立田がサイドバックを本職としたのなら、あのサイズのサイドバックは欧州にもそういないだろうから、逆に需要があるかもしれない。実は、本人のスペックとしても、空中戦よりは、地上戦の方が得意だからなあ。

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