ヨンソン監督の就任以来、テセが随分と冷遇されているということは、皆さん感じていることだと思う。今般、読んだ記事の中で、次のようなくだりがあり、これはただごとではないと感じた。

 一昨年、チーム唯一の2桁得点を挙げた男も、昨季はFWドウグラスらに押され定位置を失った。アピールしたい気持ちが先行し、ヤン・ヨンソン監督(58)の求めるプレーを体現できずにどなられた日もあった。実績は群を抜くベテランが「ボールを受けるのが怖い」とさえ言った。

 「監督の求めるプレーを体現できずにどなられた」と言うが、具体的にどのようなことなのだろうか? 推測するしかないが、クリスランやドウグラスにできて、テセにできないこと、と考えてみると、「なるべく前線で張って、ポストプレーの的になるとともに、深みを作るような役割」だろうか。

 皆さん、イメージだけで「テセはポストプレーが上手い」と思っておられるかもしれないが、実はテセはポストがあまり上手くはないのではないかということは、当S研では何度も書いたことがある。たとえば、こちらの記事などだ。その代わり、テセには味方が押し込まれた時に自陣に戻って、場合によってはゴールライン付近まで戻って守備をする献身性がある。ただ、そういう風にFWが持ち場を離れることを嫌う監督もおり、たとえばかつてのゴトビ氏などは「ワントップは常に前線で待機」という考え方だった。ヨンソン監督にも、それに通じるような譲れないFW像があり、テセはそれに合わないということなのだろうか?

 しかし、神戸戦で明らかになったとおり、若手の滝などは途中出場等で「ラッキーボーイ」的な活躍は期待できても、先発させてチーム戦術の柱にするには、まだ線が細すぎる気がする。いくら監督とテセでFW像が合わない部分があるにせよ、FWとして違いを作れる存在が誰かと言えば、明らかではないかという気がするのだが。

 もう一つ、テセが一般的なイメージと違っているのは、彼は実はとても繊細なメンタルの持ち主であるということだ。見かけのように、豪放磊落というわけじゃない。監督のビジョンを押し付けるだけじゃなく、ある程度本人のイメージ通りにプレーさせた方が、結果が出ると思うんだけどね。

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