ちょっと前まで、清水のフロントが選手を補強しても、「そこじゃないだろ!」、「また微妙な戦力を補充して…」などといった違和感を覚えることが多かった。しかし、このシーズンオフに関しては、補強および編成は、ほぼ満点だったのではないか。

 確かに、いくつかの辛い別れはあった。ただ、その代わりに獲得した新戦力は、ポジションといい力量といい、申し分のないものだった。「なるほど、これだけの実力者を新規に獲得するのなら、稼働していない旧戦力の一部を手放すのも、やむを得まい」と、納得させられた。

 むろん、この評価は、ヴァンとヘナトが、J1のレギュラークラスの実力の持ち主だという前提で申し上げている。新戦力のうち、エウシーニョと中村の力はすでにJで証明済みだと思うが、ヴァンとヘナトには未知数の部分があるのは事実だ。それでも、今のところの印象では、2年前のカヌみたいなことはないだろうという感触を受けている。このオフの選手の出入りを戦力の質という観点から総括すれば、収支はプラスだったと言い切っていいのではないか。

 本来なら、当S研が無謀にも年頭に掲げさせていただいた「J1リーグ優勝」に向け、戦力は整ったと断言したいところである。しかし、心配はやはり、「J1最強」だったはずの2トップだ。ドウグラスは、いつ戻ってきてくれて、どのくらい調子を取り戻してくれるのか。そして、あれだけバッシングを浴びた北川が、どんなメンタルを日本に持ち帰るのか。むろん本人は、自分の力のなさを痛感し、その悔しさを清水でのプレーにぶつける気でいるだろう。しかし、点取り屋というのは、とにかくデリケートな人種である。いくら本人が意欲に満ちていても、代表での挫折感を心のどこかで引きずって、悪い循環に入っていってしまうようなことが、なければいいのだが。

 ドウグラスと北川で40点以上。これが、清水のリーグ優勝の条件だろう。

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