Jリーグには、日本人の若手選手がちょっと活躍すると、すぐにヨーロッパに移籍してしまうという問題があるわけだが、ここ数年の清水は、幸か不幸か、際立って活躍する若手がいなかったので、そういう問題には直面しなかった。まあ、唯一当てはまったのは大前氏だったが、すぐに出戻ってしまったし。デビュー当時は「シティが3億円出す」などという噂のあった石毛は、海外ではなく一時J2クラブに修行に行ってしまった。

 海外クラブから目を付けられてもおかしくないほどの活躍を見せる若手が、ついにうちにも現れた。北川航也である。我々としては、せっかく選ばれた代表なので、試合に出てほしい、点をとってほしいという気持ちはあるものの、そうなればなるほど、清水からいなくなる可能性が高まる。

 ヨーロッパのサッカーのスケールからすれば、北川を買うくらい、タダ同然だろう。我々が手塩をかけて育てた逸材を、「安いから買っとくか」と、ダメモトくらいの感覚で買われるとしたら、実に悔しい話だ。ドイツ一部くらいで活躍できればまだしも納得できるが、ドイツ二部、ベルギーリーグ、増してや東欧の微妙な国などに行ってしまうようなことがあったら、釈然としない。しかし、日本のサッカー選手は「海外」の二文字にとにかく弱いので、いったん海外移籍の可能性が出てきたら、盲目になってしまいがちである。

 むろん、一度しかない、決して長くない本人のサッカー人生なのだから、本人が望むようにすればいいだろう。ただ、その前提は踏まえた上で、所長が思うのは、北川にはせめてあと1年、来シーズンまでは清水でプレーしてもらいたい。ここ数年の清水は、生き残るだけで精一杯だった。しかし、ドウグラス加入後の爆発的な攻撃力、北川との2トップの破壊力を考えると、もしかしたら来年は、単に生き残るだけでなく、タイトルを狙う年にできるかもしれない。そのために、あと1年でいいから、君の力を貸してくれないか。フロントは、本人をそんな風に説得してくれないだろうか。

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