ヨンソン体制になって、ディフェンスラインの跳ね返す力は確実に向上したし、攻撃の形も思いのほか出来ている。ただ、昨年までの欠点が、完全に払拭されたわけではない。メンバーがあまり変わっていないわけだから、そう急激に、何もかもが良くなるわけではないことは、当然である。

 特に、昨シーズンまでの悪い癖が、今でも顔を出すのが、いったん敵に押し込まれると、ズルズル下がって、クリアするだけになりがちなことである。鹿島戦の後半も、神戸戦の後半の最初も、耐え忍ぶだけの時間帯が長かった。もちろん、どんなチームにも守勢に回る時間帯はあるものだけど、清水の場合は良い時間帯と悪い時間帯の差が極端であり、苦しい時間に完全に防戦一方になってしまう点が、改善を要する課題だろう。

 神戸戦では、同点に追い付かれたあと、そこで再び突き放して劇的な勝利を収めたから、結果オーライになってしまいかねないけど、本来であればサッカーで2点差を追いつかれるというのは大問題である。実際、後半に入ってからずっと劣勢で、同点に追い付かれるのは時間の問題という雰囲気が濃厚だった。神戸戦は、清水のボール支配率が低い中で、シュート7本が全部枠内に行きそのうち4本が入るという、ある意味で非常に効率的な勝利だったわけだが、今後安定的に勝っていく上では、やはりポゼションを高めること、敵の攻撃を受け止めたらむやみに蹴らないで繋ぐこともやっていかないといけないと思う。さもないと、結局去年と同じになってしまう。

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