2017年10月上旬、ジュビロ磐田とのダービーマッチを1週間後に控え、清水の右サイドの選手たちによる作戦会議が開かれていた。

鎌田 エダさん、オレ、アダイウトン、止められる気がしないっス。

枝村 安心しろ、お前だけじゃない。アダイウトンを止められる人間は、ウチには一人もいないから(笑)。

二見 自分も、アダイウトンに仕掛けられたら、ズルズル下がって、シュートコース空ける気しかしないっス。

枝村 さすがにそれはお前だけだ。いい加減にしろよ。

デューク ボク、オモウンダケド。アダイウトン、ドウセ、ファウルデシカ、トメラレナイナラ、ドコデ、ファウルヲスルカガ、ダイジジャナイ?

枝村 おお、デューク君、冴えてるねえ。

二見 確かに。なるべく早く、敵陣とか、センターラインあたりで潰しちゃえば、普通はカードも出ないし、相手のフリーキックも脅威じゃないっスよね。

鎌田 いくら、うちらの守備がザルで、中村俊輔さんのキックがエグくても、敵陣からのフリーキックで失点はしないですからね。

枝村 当たり前だろ、オレらだって一応プロだぜ。いくらキッカーが俊輔さんでも、敵陣からのフリーキックで失点とか、コーナーキックを直接入れられるとか、そんなことはありえないっつーの。

二見 そんなことされたら、面白動画のネタになっちゃいますよ。

デューク ヤメテー。ソンナドウガ、セカイニ、ハッシンサレタラ、ヨメニ、シバカレルヨ。

鎌田 ただ、さすがに、繰り返し露骨なファウルで止めると、カードが出ちゃうかもですね。

枝村 だな。もう、カードをもらう順番も決めとこう。そのくらいの割り切りが必要だ。ディフェンダーが早い時間帯にカードを背負うのはまずいから、まずオレとデュークからガツンと行くことにするわ。

デューク イイコト、カンガエタ。

枝村 何?

デューク アダイウトン、キガ、ミジカイジャン。ナンドモ、ケズラレルト、ホウフク、シテクルト、オモウンダヨネ。

二見 なるほど、アダイウトンが小突いてきたら、痛そうにして、大袈裟に倒れるわけか。

鎌田 そしてアダイウトンを退場に追い込む、と。

枝村 名付けて、秘技・・・。

全員 乙女倒れ!!

鎌田 オレ、乙女倒れの練習しとこう。

枝村 やめとけ。お前の今年の髪形じゃ、アウトレイジにしか見えないから。

デューク ヤクザコワイ、ヨメモットコワイ。

全員 ハハハハハハハ。

 こうして、事前の対策が実り、右サイドを完全に制圧しただけでなく、アダイウトンを退場に追い込んだ清水は、磐田とのダービーマッチで3:0の快勝を収めたのだった。

所長 何だ、夢か。

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